AL-1000の入力はテンキーの数字と四則演算記号などで,出力は14桁のニキシー管による。プログラムステップは30とあるが,メモリに4つ使うため実質は26ステップだったのではないか。楠先生はこの4メモリあるのがすごい(値段が高い原因でもある)と強調していた。アセンブリ言語のような命令を使うのだが,フラッグへの条件分岐を多用する。与えられた課題の一つが与えられた自然数の階乗を計算するというものだった。ようやくできて喜んでいたら,同級生の土田純一君(物理部)がクラスで最小のステップ数で実現したと楠先生に褒められていた。残念,はやくも負けてしまったのだった。
その後,高校3年になると新しいオリベッティの卓上計算機が1台導入された。たぶん100ステップぐらいの計算ができ,メモリも10くらいになっていたのではないかと思うが,入試モードの我々は姿を見ただけで使わせてはもらえなかった。その後,大学に入り,大学院に進学する頃には自分の手元にAL-1000の機能を遥かに上回るカシオのプログラミング電卓がやってくることになる。時代はあっという間に進んでしまった。
写真:CASIO AL-1000 の雄姿(Vintage Calculators Web Museumから引用)
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