2025年9月23日火曜日

Nano Banana

Google GeminiのNano Bananaが凄いという話で,アクセスすると"NEW! Google 最高の画像モデルである Nano Banana で画像編集をお試しください" とでてくる。ところが,何度試してもなかなかうまくいかない。

あれこれしているうち,ようやく今日になって画像をアップロードしたものから編集することができた。Gemini 2.5 Pro の設定だったのであっというまに本日のリミットに達してしまった。



図:Nano Bananaによる画像編集の例

Q(koshix):
石を銅に変えてください。(応答はあるが画像生成は無し)
Q(koshix):
背景を野原にしてください。(さきほどの結果も含めて画像が生成された。OK)
Q(koshix):
姿形を立ち上がった奈良の大仏の顔にしてください。(OK)
Q(koshix):
奈良の大仏の顔のお地蔵さんを奈良の鹿にまたがらせてください。(OK)
A(Gemini 2.5 Pro):
2.5 Pro の上限に達しました。9月23日 11:50 までお待ちください。Google AI Pro にアップグレードすると、上限が引き上げられます。

そこで,Gemini 2.5 Flashに切り替えて続けてみた。

Q(koshix):
鹿を神の使いの白い鹿にしてください。(応答はあるが画像生成は無し)
Q(koshix):
背景の空の部分を2/3ほどに増やしてください。(OK)
Q(koshix):
鹿に乗った銅像にもっとフォーカスして迫ってください。(OK)
Q(koshix):
空の面積を半分くらいにして鹿の足下まで全体入れて,もう少し鹿によってください。(×)
・・・

以下何度お願いしても,わかったというばかりで全く改善されない状態が続いてしまった。


図:これ以上修正がきかず収束した画像(Gemini 2.5 Flash - Nano Bananaなのか?)


P. S. その後,数時間置いてから再度チャレンジした。
Q(koshix):
鹿の足下が見切れていますので,全体像が入るようにしてください。なおかつ,空の割合を今の半分ぐらいにして,白鹿とそれに乗った地蔵菩薩もっとズーム拡大してください(カメラが対象によるように)。(応答はあるが画像生成は無し)
Q(koshix):
今の画像を生成してください。(さきほどの画像が生成された。OK)
Q(koshix):
上1/3を夕焼け空にして, 下2/3を草原にして,白鹿とそれに乗った地蔵菩薩さらにズーム拡大してください。(OK)
Q(koshix):
やはり,青空に戻して,下半分は野原にしてください。(野原では伝わらなかった,×)


図:再チャレンジした画像(Nano Banana のはず)

2025年9月22日月曜日

国勢調査

2025年は5年おきの国勢調査の年だ。9月20日に自治会の役員さんが調査票を持ってきた。インターネットでも回答できる。5年前はどうだったかと自分のブログや記憶を確認したが痕跡はなかった。説明には令和2年(2020年)度から導入されているとされている。

調査票は10月1日から10月8日に回収されるが,インターネット回答は9月20日から回答できる。iPhoneでQRコードを読み込むと何の問題もなくスイスイと最後まで進めた。あの万博のポンコツシステムとはエライ違いだ。16項目あるけれど,無職で現在地に20年以上住んでいる場合は,10項目目まで十分だ。ややこしい従業地や勤め先の記述も不要である。



写真:国勢調査のお願いの封筒(2025.9.20撮影)

2025年9月21日日曜日

9月20日(2)

Juliaの日時処理からの続き

5年前の国勢調査の記事がないかと調べていたら,それはなくて5年前の自分の誕生日の記事が発掘された。誕生日の曜日を調べるJuliaプログラムの話だ。5年も経っているからもう一度実行してみようと,Jupyterではすぐ動いたが,コマンドラインでどうするのか迷った。

プログラムを実行形式にchmodして,頭に#!/usr/bin/env julia(あるいはjuliaの絶対パス)を書けばいいだけなのだけれど,!に気がつかず,シェルスクリプトのコメントと解釈されてエラーがでた。しかし耄碌しているのですぐに原因に気付けずChatGPT-5にたよることになる。

そんなこんなで,過去の習作コードをChatGPT-5に投げてバイブコーディングして得られたのが次の結果とコードである。プログラミングとはAIとの対話のことだった。

 koshi@mba2020 ~ % ./birth.jl

【基礎情報】

今日                : 2025年9月21日(日曜日)

誕生日              : 1953年9月20日(日曜日)


【差分と年齢】

生誕からの経過日数 : 26299日

満年齢              : 72歳


【年ごとの誕生日一覧】(*は日曜)  ※最終年:2025年

1953年9月20日(日曜日)  0歳  *

1954年9月20日(月曜日)  1歳  

1955年9月20日(火曜日)  2歳  

1956年9月20日(木曜日)  3歳  

1957年9月20日(金曜日)  4歳  

1958年9月20日(土曜日)  5歳  

1959年9月20日(日曜日)  6歳  *

1960年9月20日(火曜日)  7歳  

1961年9月20日(水曜日)  8歳  

1962年9月20日(木曜日)  9歳  

1963年9月20日(金曜日)  10歳  

1964年9月20日(日曜日)  11歳  *

1965年9月20日(月曜日)  12歳  

1966年9月20日(火曜日)  13歳  

1967年9月20日(水曜日)  14歳  

1968年9月20日(金曜日)  15歳  

1969年9月20日(土曜日)  16歳  

1970年9月20日(日曜日)  17歳  *

1971年9月20日(月曜日)  18歳  

1972年9月20日(水曜日)  19歳  

1973年9月20日(木曜日)  20歳  

1974年9月20日(金曜日)  21歳  

1975年9月20日(土曜日)  22歳  

1976年9月20日(月曜日)  23歳  

1977年9月20日(火曜日)  24歳  

1978年9月20日(水曜日)  25歳  

1979年9月20日(木曜日)  26歳  

1980年9月20日(土曜日)  27歳  

1981年9月20日(日曜日)  28歳  *

1982年9月20日(月曜日)  29歳  

1983年9月20日(火曜日)  30歳  

1984年9月20日(木曜日)  31歳  

1985年9月20日(金曜日)  32歳  

1986年9月20日(土曜日)  33歳  

1987年9月20日(日曜日)  34歳  *

1988年9月20日(火曜日)  35歳  

1989年9月20日(水曜日)  36歳  

1990年9月20日(木曜日)  37歳  

1991年9月20日(金曜日)  38歳  

1992年9月20日(日曜日)  39歳  *

1993年9月20日(月曜日)  40歳  

1994年9月20日(火曜日)  41歳  

1995年9月20日(水曜日)  42歳  

1996年9月20日(金曜日)  43歳  

1997年9月20日(土曜日)  44歳  

1998年9月20日(日曜日)  45歳  *

1999年9月20日(月曜日)  46歳  

2000年9月20日(水曜日)  47歳  

2001年9月20日(木曜日)  48歳  

2002年9月20日(金曜日)  49歳  

2003年9月20日(土曜日)  50歳  

2004年9月20日(月曜日)  51歳  

2005年9月20日(火曜日)  52歳  

2006年9月20日(水曜日)  53歳  

2007年9月20日(木曜日)  54歳  

2008年9月20日(土曜日)  55歳  

2009年9月20日(日曜日)  56歳  *

2010年9月20日(月曜日)  57歳  

2011年9月20日(火曜日)  58歳  

2012年9月20日(木曜日)  59歳  

2013年9月20日(金曜日)  60歳  

2014年9月20日(土曜日)  61歳  

2015年9月20日(日曜日)  62歳  *

2016年9月20日(火曜日)  63歳  

2017年9月20日(水曜日)  64歳  

2018年9月20日(木曜日)  65歳  

2019年9月20日(金曜日)  66歳  

2020年9月20日(日曜日)  67歳  *

2021年9月20日(月曜日)  68歳  

2022年9月20日(火曜日)  69歳  

2023年9月20日(水曜日)  70歳  

2024年9月20日(金曜日)  71歳  

2025年9月20日(土曜日)  72歳    

ChatGPT-5 Thinking が提案してきたコードは以下のとおりである。かなり修正してもらった。

#!/usr/bin/env julia

# birth.jl


using Dates


# --- ヘルパ ---

const WDAY_SHORT = ["月","火","水","木","金","土","日"]

const WDAY_LONG  = ["月曜日","火曜日","水曜日","木曜日","金曜日","土曜日","日曜日"]


fmt_date_ja(d::Date; long_wday::Bool=true) = string(

    Dates.format(d, dateformat"yyyy年m月d日"), "(",

    (long_wday ? WDAY_LONG : WDAY_SHORT)[dayofweek(d)], ")"

)


# 引数: [YYYY MM DD [ENDYEAR]]

function parse_args()

    if length(ARGS) == 0

        return Date(1953, 9, 20), year(Dates.today())

    elseif length(ARGS) == 3 || length(ARGS) == 4

        b = Date(parse(Int, ARGS[1]), parse(Int, ARGS[2]), parse(Int, ARGS[3]))

        lasty = (length(ARGS) == 4) ? parse(Int, ARGS[4]) : year(Dates.today())

        return b, lasty

    else

        error("使い方: ./birth.jl  または  ./birth.jl YYYY M D  [ENDYEAR]")

    end

end


function list_birthdays(birth::Date, last_year::Int)

    last_year = max(last_year, year(birth))  # 下限は誕生年

    for y in year(birth):last_year

        d = Date(y, month(birth), day(birth))

        age = y - year(birth)

        star = (dayofweek(d) == 7) ? "*" : ""   # 7 = 日曜

        println(fmt_date_ja(d; long_wday=true), "  ", age, "歳  ", star)

    end

end


# --- 本体 ---

birthday, list_until = parse_args()

today = Dates.today()


println("【基礎情報】")

println("今日                : ", fmt_date_ja(today; long_wday=true))

println("誕生日              : ", fmt_date_ja(birthday; long_wday=true))


println("\n【差分と年齢】")

days_elapsed = Dates.value(today - birthday)

age_years = year(today) - year(birthday) - (Date(year(today), month(birthday), day(birthday)) > today ? 1 : 0)

println("生誕からの経過日数 : ", days_elapsed, "日")

println("満年齢              : ", age_years, "歳")


println("\n【年ごとの誕生日一覧】(*は日曜)  ※最終年:", list_until, "年")

list_birthdays(birthday, list_until)

2025年9月20日土曜日

9月20日(1)

古稀健康余命からの続き

72歳の誕生日。日々おいしくご飯を食べられていてありがたいことである。昼寝を2回していても寝つきは良く快眠快便だ。しかし,いつ何時急変するかわからないのが山の天気である。平均値主義の立場では,72歳でほぼ健康寿命に到達するが,健康余命はまだ少し残っている。

ChatGPT-5 Thinkingを用いて次のような依頼をした。以下の健康余命推測値のグラフによればあと10年のアディショナルタイムだけど・・・。

Q(koshix):
現時点で入手できる様々なデータを勘案して,あるひとの現在の年齢をYとして,日本人男性の平均余命 L_m(Y),健康余命H_m(Y)と女性の平均余命L_f(Y),健康余命H_f(Y)を求める近似式を導け。余命の値の精度はそこまで要求していませんので,小数点以下0桁でじゅうぶんです。

A(ChatGPT-5 Thinking):
(回答略)・・・(Pythonコード修正)・・・(回答略)

Q(koshix):
この段階での,D(Y), L(Y), H(Y) のそれぞれの意味と定義と推測式を整理して教えてください。

A(ChatGPT-5 Thinking):
まず前提(コンテキスト)を短く整理します。
・目的:任意の年齢 $Y$ に対し、平均余命 $L(Y)$ ・健康余命 $H(Y)$ を簡便に推定。
・データ源:最新の「簡易生命表(2023)」の年齢別平均余命(5歳刻み)を使用。
・健康余命は厳密推計(Sullivan法など)ではなく、「平均余命と健康余命の差」
 =不健康期間 $D(Y)$ を年齢とともに縮むと仮定した近似で推定します。

1.記号と意味
・$Y$:現在年齢(年)。
・$L_m(Y), L_f(Y)$:男性/女性の平均余命(今から平均してあと何年生きるか)。
・$H_m(Y), H_f(Y)$:男性/女性の健康余命(自立・健康状態で過ごせると期待される年数の近似)。
・$D_m(Y), D_f(Y)$:男性/女性の不健康期間の期待年数(平均余命と健康余命の差)。
 $D(Y)=L(Y)−H(Y) \quad (\Rightarrow H(Y)=L(Y)−D(Y),H(Y)\le L(Y))$

2.近似の定義と推測式

1) 平均余命 $L(Y)$(男女共通の算出方法)
・生命表の5歳刻み点 $(x, e_x)$を用意(例:x=60,65,70)。
・区間 $\lbrack x,x+5 \rbrack$に$Y$が入るとき,線形補間:
$\displaystyle L_{\bullet} \approx e_x^{(\bullet)} + \dfrac{e_{x+5}^{(\bullet)}-e_{x}^{(\bullet)} }{5}(Y-x)$
ここで $\bullet \in \{m,f\}$(男性/女性)。端点外は端の値にクリップ、下限0。
これで $L_m(Y), L_f(Y)$を求めます。

2) 不健康期間 $D(Y)$(年齢依存ギャップの近似
出生時(0歳)では平均寿命−健康寿命の差が大きく、高齢ほど縮む実態を踏まえ、
0歳と65歳の差を結ぶ直線で近似します(以降も直線で外挿、ただし下限を設ける)。
・男性:
$D_m(0)=8.49,\quad D_m(65)=5.10$
$D_m(Y) = {\rm max} \Bigl( 8.49- \dfrac{8.49-5.10}{65} Y, d_{\rm min}\Bigr)$
・女性:
$D_f(0)=11.63,\quad D_m(65)=7.50$
$D_f(Y) = {\rm max} \Bigl( 11.63- \dfrac{11.63-7.50}{65} Y, d_{\rm min}\Bigr)$
・​下限(クリップ):$d_{\rm min} = 3.0$年 (極端に小さくならないようにする安全弁)

3) 健康余命 $H(Y)$
・男女別に
$H_m(Y) = {\rm max} \{L_m(Y) - D_m(Y),0\}, H_f(Y) = {\rm max} \{L_f(Y) - D_f(Y),0\}$
・表示はご要望通り小数0桁(四捨五入)。

3.計算フロー(実装時の手順)
(1) 5歳刻みの生命表ノード(男女別)を辞書で用意。
(2) 任意の $Y$に対し,男女別に線形補間で$L_m(Y), L_f(Y)$を得る。
(3) 同じ $Y$を上の直線式へ入れて$D_m(Y), D_f(Y)$を産出(下限クリップ)。
(4) $H_{(\bullet)}(Y) = {\rm max}(L_{(\bullet)}(Y) - D_{(\bullet)}(Y),0)$。
(5) 表示時に四捨五入して整数化。

4.近似の限界と使いどころ
・用途:年齢別の大まかな傾向把握、可視化、粗いシナリオ比較に適します。
・限界:実際の健康余命は年齢階級別の要介護・ADL制限率などに依存。厳密にはSullivan法等で再計算が必要。
・感度:$D(Y)$ の傾きや下限 $d_{\rm min}$ を微調整すると、特に高齢側の $H(Y)$ が数年単位で変わり得ます。



図:平均余命と健康余命のグラフ

2025年9月19日金曜日

Welcome to BUNRAKU!

国立文楽劇場の爽秋文楽特別公演は,9月6日から10月14日までと,例年(去年は11月2日〜24日)より早期に始まり長期間にわたって開催される。これは10月13日まで開催される2025大阪・関西万博対応の特別仕立てである。

プログラムは次のようになっている。
Aプロ
・Welcome to BUNRAKU!
・恋女房染分手綱(道中双六の段,重の井子別れの段)
・日高川入相花王(渡し場の段)
Bプロ
・心中天網島(北新地河庄の段,天満紙屋内の段,大和屋の段,道行名残の橋づくし)
Cプロ
・Welcome to BUNRAKU!
・曾根崎心中(生玉社前の段,天満屋の段,天神森の段)
前半の9月25日までが,A-B-C,後半の9月26日からが,C-B-A という順に上演される。

今回は,外国人向けの英語での文楽の概要説明(約10分)Welcom to BUNRAKU! が含まれるAプロを観賞した。恋女房染分手綱も日高川入相花王もこれまで何度か見ている演目だ。

いつもより上演期間が倍近くに延びているためか,731席の国立文楽劇場は3-4割の入りだった。外国人は10人程度なので,3-4%というところか。万博の外国人観光客をターゲットとしているため,新たな試みとして従来の日本語字幕投影のかわりに,スマホアプリによる日本語・英語字幕表示システムが取り入れられた。

EG-Gというアプリで,手元に字幕が表示される。ところが,これはネットワークを使わないので,端末は機内モードにしておく。アプリで端末のマイク利用をONにしておくと,劇場内に流れる非可聴音で信号を流し,これを聞き取って端末に字幕を表示するというものらしい。

問題は,舞台を見るときは眼鏡をかけているので,手元だと眼鏡を外さないといけないということ。やはり視線移動が多くなるとちょっとしんどい。これが耳からの情報ならばOKなのだけれど。端末側でイアホンを利用しているかどうかが判別できて,なおかつスピーカーから音が出ないという設定ができればいいけど。AirPods とか指定すればできそうではあるが。

肝腎の文楽の中身だけれど,日高川を泳ぐ清姫のウロコ模様の帯着物がいまいちきれいに伸びてはいなかったのが残念。



図:EG-Gの画面(2025.9.17 撮影)


2025年9月18日木曜日

EXPO'70パビリオン

太陽の塔からの続き

9月に入っても猛暑日が続いている。万博記念公園は澄んだ青空で人も少ないので,絶好の散歩日和のはずだったが,ジリジリと照りつける太陽は太陽の塔どころの話ではない。

その太陽の塔から東に少し歩くと,かつての鉄鋼館がEXPO'70パビリオンとして,1970年大阪万博の資料館となっている。それぞれが2階建ての本館と別館からなっていて,本館の1階は特別展,本館の2階から別館が常設展。

当時の懐かしい写真やパンフレットなどが並んでいて,ビデオが再生されている。半年(183日)で6420万人が入場しているので,1日平均35万人だ(ピークは85万人)。現在のEXPO2025では,20万人が限度。それでも入場者数人口密度はともに平均10万人/km2程度だ。



写真:EXPO'70 のペーパークラフト模型(2025.9.16撮影)

参加国に中華人民共和国はなくて,中華民国。ドイツは西ドイツ(ドイツ連邦共和国)だった。ただしパビリオン名称はドイツ館だったらしい。入場料金は大人800円だったけれど,15歳から22歳の青年という枠があって600円。自分はこれで入場したのだった。



写真:太陽の塔の未来の顔(1970-1992)(2025.9.16撮影)

太陽の塔には3つの顔があって,表の現在の顔,背面の過去の顔,そして黄金の未来の顔だ。その未来の顔が1992年に老朽化のため交換され,再整備されてこの資料館におさめられている。いまとなっては,こちらの方がきれいなので再度交換してはどうだろうか。

P. S. アイジャック事件というのか。男が目玉部分に数日間ろう城したあの事件。

2025年9月17日水曜日

太陽の塔

火星の石からの続き

諸般の事情で,万博記念公園に行くことになった。EXPO'70の方だ。目的地は太陽の塔EXPO'70パビリオン(EXPO'70の資料館)。

高校2年の夏休みに万博1人旅をしている。7月末の4-5日間,京都鹿ケ谷の親戚の家に泊まり四条河原町から阪急電車で茨木市まで行き,そこからシャトルバスで万博会場東口に到達するコースだ。けっこう期待して太陽の塔の中にも入ったけれど,若干ハリボテ残念感があった。

その後,阪大に入学して万博会場から数km圏内の蛍池駅近くに住むことになるとは思わなかった。学生時代の9年が終って結婚してからも10年ほどは池田市(石橋とか緑ケ丘とか)に住んでいた。万博の跡地にも何度か訪れている。

そういえば,米島君が来阪した1970年代後半に,エキスポタワーに登ったあと,エキスポランドの塀を乗り越えて入場してそのまま出場した。この頃,研究室のハイキングでは正規の入口からエキスポランドに入って大塚さんとミニジェットコースターに乗った記憶もある。

いずれにせよ,1970年の万博閉幕後,しばらくはエキスポタワー(1970-2002)もエキスポランド(1970,1972-2009)も存在していた。太陽の塔は無事に残されたけれど,危険なので内部は立ち入りできなかった。それが,紆余曲折の末に2018年から再び内部が公開されることになった。

リニューアルされた太陽の塔は30分刻みの予約制で,10時30分から11時までの予約をとった。実際にいってみるとそこまで厳密に管理しているわけではない。たまっている人数を10人+αごとにまとめて注意事項を説明して送りだす。あとは適当に展示されている生命の樹のオブジェをみながら過去から未来へと階段を登っていくわけだ。昔のようなハリボテ感を再び体験できた。

当時はお祭り広場の大屋根があって内部見学がおわるとそこに出て大屋根内の展示などをみたのだが,この度は階段を下りて出口にむかう。内部の写真は。500円払って透明肩掛ケースを借り,そこに入れたスマホで本人だけ撮影可能となっている。タッチがうまく感知されず,あせりまくった(スライドすればいいだけ)。顔認証はこういうときに役立つのか。



写真:太陽の塔(2025.9.16撮影)

[1]母の塔(月のひつじ)
[2]青春の塔(太陽の塔はなぜ残った,日本経済新聞)
[3]大阪万博の交通(WIkipedia)

2025年9月16日火曜日

論文購読支援

ニュートリノレーザーからの続き

前回紹介したテキサス大学アーリントン校のJonesとMITのFomaggiによる,Superradiant Neutrino Lasers from Radioactive Condensates は,Physical Review Lettersの6ページほどの論文だ。

チラ見したところなんとなく簡単そうな式が並んでいる。これならば自力でフォローできそうな気もしたけれど,ChatGPTにサポートをお願いしてみた。「私が理解したかどうかを確認してください」というのに対して確認ミニテストを用意してくれてその判定もできる。

最初に元の論文をアップロードしてまとめさせてからの続きであり,1日あけても覚えていて正しい式とそれに対応する解説を加えてくれる。中学校や高等学校の教科書レベルでのチュータリングも同様に可能だと思われる。
Q(koshix):
論文に登場する番号つきの式の意味を一つづつ理解したいので,順に解説してください。あなたが一つの式の解説をした後,私が理解したかどうかを確認してください。私はそれについて疑問点があれば問いただします。理解できれば次の式に進むようにお願いします。このようにして,ゆっくりと対話的に理解を深めていきたいのですがよろしいですか?

A(ChatGPT-5 Thinking):
もちろんです。では、論文の「番号付きの式」を順番に、背景 → 数学的意味 → 物理的直観 → 使いどころの順で短く丁寧に解説し、毎回あなたの理解を確認してから次へ進みます。必要に応じて簡単な小テストも挟みますね。

式 (1) $D^+_i = |e_i\rangle \langle g_i|, \quad D^-_i = |g_i\rangle \langle e_i |$

何を定義しているか(背景)
各原子(番号 $i$)を二準位系として扱い、上(励起)状態$ |e_i\rangle$ と下(基底)状態 $|g_i\rangle$ の間を行き来させる遷移演算子を定義しています。スーパーラディアンス(SR)の標準的導入で使う「擬スピン(Dicke の大スピン)」形式に入るための基本ブロックです。

数学的意味
・$D^+_i$は、$|g_i\rangle \mapsto |e_i\rangle$ に上げる「ラダー演算子」
 $D^+_i|g_i\rangle = |e_i\rangle , D^+_i|e_i\rangle = 0$
・$D^-_i$は、$|e_i\rangle \mapsto |g_i\rangle$ に下げる「ラダー演算子」
 $D^-_i|e_i\rangle = |g_i\rangle , D^-_i|g_i\rangle = 0$
これらは**内部状態($$)空間)**だけに作用し、位置や運動量の自由度には触れません。

物理的直観
・$D^+_i$:原子 $i$ に励起を作る(光・相互作用で上に上げる)
・$D^-_i$:原子 $i$ の自発放出/遷移で下に降ろす(光子やニュートリノ放出の素過程を表現)

使いどころ
後で 全体演算子 $\displaystyle D = \Sigma_i D_i$ を導入し、多数原子の集団遷移(コヒーレントな自発放出)を角運動量代数で解析します。SR における「$N$ 原子の協調的な自発遷移」をこの言語で表せるようになります。

確認(超短いチェック)
1.$D^-_i|e_i\rangle$ と $D^+_i|e_i\rangle$はそれぞれ何になりますか?
2.これらの演算子は原子のどの自由度に作用しますか(内部・位置・運動量のどれ)?
疑問点があれば遠慮なくどうぞ。大丈夫そうなら 式 (2) に進みます。

Q(koshix):
1. 励起状態を基底状態に降ろして放射させる作用,答えは$|g_i \rangle$ ,励起状態をさらに励起させる作用,答えは 0。
2. 内部スピン自由度
・ニュートリノが放射される場合はβ崩壊を想定していますか?

A(ChatGPT-5 Thinking):
完璧です!✨
1.✅ $D^-_i|e_i\rangle = |g_i\rangle, D^+_i|e_i\rangle = 0$
2.✅ 内部準位(擬スピン自由度)のみに作用 ― 位置や運動量には関わりません。

ニュートリノ放射の場合について
はい、ご指摘の通り、この論文が考えているのは 放射性崩壊(電子捕獲 EC や β 崩壊) です。
・光の場合:$|e \rangle \rightarrow |g \rangle + \gamma$
・ニュートリノの場合:$|p \rangle \rightarrow |d \rangle + \nu$
つまり「励起状態」や「基底状態」の代わりに、
・親原子(まだ崩壊していない) $|p \rangle$
・娘原子(崩壊後にニュートリノと一緒にできる)$|d \rangle$
を二準位系として定義しています。式(1) は光のSRの基本形を説明する段階ですが、後半でこの $|p \rangle, |d \rangle$ に対応させてニュートリノ版に置き換えています。

ここまでで「式(1)」とニュートリノの場合の対応は理解できましたか?
よろしければ次は 式(2) の $D^3_i$ の定義(擬スピンの $z$-成分)に進みましょう。
以下,(10)式まできたところで,自分の理解が追いつかなくなったのでちょっと中断。