菅直人がTwitterで,橋下徹の弁舌巧みな手口をヒットラーに例えた。これに対し,「橋下は我々の政党とは関係がない」と強調する日本維新の会が,意味不明で筋違いの謝罪を立憲民主党や菅直人に求めて暴れ出し,炎上による参院選前の集客効果を狙っている。
石原慎太郎が亡くなったのだが,あいもかわらず,死んだひとを批判しないのが日本人の美徳だという通俗道徳に絡め取られたマスコミと「体制側知識人」が石原を持て囃し,石原のあまたの差別発言や行動に対する批判を覆い隠そうと必死になっている。
これらの場面で,右翼サイドだけでなく中立を装うエセ学者やコメンテーター達からの「ヘイトスピーチはやめよう」というスローガンが使われることが多い。例えば,菅直人の発言や,石原慎太郎を批判する発言を憎悪によるヘイトスピーチだとラベリングする論理だ。
哲学系YouTuberじゅんちゃんの哲学入門チャンネルで,能川元一が正しい答えを説明していた。ヘイトスピーチとはマイノリティに対する差別・暴力扇動発言のことであり,差別という要素が含まれない悪口雑言はヘイトスピーチには当てはまらない。また,菅野完は,強者と弱者のバランスをとるために,我々はどこに立たなければならないかを,テコの原理とからめて巧みに説明していた。中立的な立場というのは本質的に存在しないのである。