ルジャンドル変換(2)からの続き
田崎さんの熱力学の付録HのLegendre変換によれば(変数α→pとして),f(x)+f∗(p)≥xp というYoungの不等式が成り立つとある。ルジャンドル変換を一般化した凸共役性のところでも,フェンシェル=ヤングの不等式として示され,これらはルジャンドル変換の定義(min/maxを用いるもの)から直ちに導かれるとしている。
ところが,積分で表示した場合はどうなのかちょっと困った。まあ,不等号でmin/maxの条件に当てはまらないところを考えるということならば,単調増加する連続関数の積分における不等式で説明できたということにすれば良いのかな。
(例1)f(x)=ax2+bxのルジャンドル変換。f′(x)=2ax+b=pからx=p−b2aが最小値を与えるxである。これを用いて,f∗(p)=xp−f(x)=xp−(ax2+bx)|x=p−b2a=(p−b)24a
(例2)α,β>1,1α+1β=1として,f(x)=1αxαのルジャンドル変換。f′(x)=xα−1=pからx=p1/(α−1)が最小値を与えるxである。これを用いて,f∗(p)=xp−f(x)=xp−1αxα|x=p1/(α−1)=pα/(α−1)−1αpα/(α−1)=α−1αpα/(α−1)=1βpβとなる。すなわち,xαα+pββ≥xp が成り立つ。
(例3)対応する変数を(˙x,p)として,f(˙x)=L(˙x,x)=12˙x2−12x2のルジャンドル変換。∂L(˙x,x)∂˙x=˙x=pとなる。これを用いて,f∗(p)=H(p,x)=˙xp−L(˙x,x)=p2−L(p,x)=12p2+12x2となる。
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