アジアの状況からの続き
欧米の状況を見ると新規感染数累計は人口比で10ppmを越えているところがある。スペインの30ppmは湖北省(武漢以外)の10倍近い水準であり,下記の国々の新規感染数累計をはすべて湖北省(武漢以外)以上の値となっている。ただし,対数グラフ上は上に凸となっていて増加率は減少に向いつつある。
図1 人口当りの新規感染数累計(単位100ppm,基準日は1ppm達成時)
図2 人口当りの新規感染数累計の対数(単位100ppm,基準日は1ppm達成時)
芥川龍之介が「蜘蛛の糸」を発表して百年。高二の秋の文化祭,クラスの仮装行列のテーマが 蜘蛛の糸だった。お釈迦様の極楽タワーの竹を近所から切り出し,地獄の焔と煙の絵を描いた。犍陀多に続いて蜘蛛の糸(登山部の赤いザイル)に群がる地獄の亡者だったころ。
BCGは,実験室で長期間培養を繰り返すうちにヒトに対する毒性が失われて抗原性だけが残った結核菌であり,BCGワクチンはBCGを人為的にヒトに接種して感染させることで,結核に罹患することなく結核菌に対する免疫を獲得させることを目的としたものである。小学生の時には,毎年ツベルクリン反応を調べる注射が恒例行事だった。ツベルクリン(独: Tuberkulin)とは,結核菌感染の診断に用いられる抗源である。前腕の内側に注射して数日後にこれが赤く腫れている(陽性)か変化なし(陰性)かを透明の物差しで測って確認する。たぶん1cm以上のサイズなら陽性なのでこれでOKだ。それ未満なら陰性や疑陽性,すなわち結核菌に対する抗体がないので,BCGを注射しなければならない。したがって小学生にとってはこれはなかなかドキドキする検査なのである。
一応どれも現実をモデルしているはずのところで、そこまで行動抑制しないといけない割合が、西浦氏:0.2、大橋氏「0.45](R_0>1でいくとして)、佐藤氏 0.02 で3人で20倍違う時点で少なくとも2人は間違っているのは明らかであろう。西浦氏は,緊急事態宣言と接触制限モデル(1)で取り上げた西浦博さん(北海道大学),大橋氏は,新型コロナウイルス感染症の 流行予測の大橋順さん(東京大学),佐藤氏は,COVID-19情報共有の佐藤彰洋さん(横浜国立大学)である。
特に,気付かないうちに感染が市中 に拡がり,あるときに突然爆発的に患者が急増(オーバーシュート(爆発的患者急増))す ると,医療提供体制に過剰な負荷がかかり,それまで行われていた適切な医療が提供でき なくなることが懸念されます。SNSでは理系の人々を中心に違和感ありまくりでブーイングが起こっている。
副座長の尾身茂氏(地域医療機能推進機構・理事長)は「オーバーシュートは欧米で見られるように爆発的な患者数の増加を示すが,2日ないし3日のうちに累積患者数が倍増し,しかもそのスピードが継続的にみられる状態を指すと私たちは定義した」と述べた。実は,「医療提供体制に過剰な負荷がかかり,それまで行われていた適切な医療が提供できなくなる」ことが彼らの強調したいことであって,そのためにあえて新しい用語の選択によって注意喚起したのではないかとも推察できるが,これをグダグダいっても仕方がないので, 2から3日のうちに累積患者数が倍増しという定義を受け入れた場合のオーバーシュートの見分け方について考える。
R0=2なら国民の50%、3なら66%、逆に1.5なら33%の免疫獲得で理論上は収束に向かいます(この理論値を超えて免疫獲得した分が「オーバーシュート」)。日本は自粛とクラスター追跡、検査を絞って1.2程度にして医療崩壊を避けようとしたんでしょう。無理です。長期化しますし、指数関数的に潜在します。基本再生産数$R_0$と集団免疫率に関係あったっけ?ということで高須さんの資料で学び直し。