2026年1月10日土曜日

世界の十大リスク2026




図:世界の十大リスク2026のイメージ(ChatGPTによる)



世界最大の政治リスク専門コンサルタント会社のユーラシア・グループは,1998年に政治学者のイアン・ブレマーによって設立された。毎年始めにその年の世界の10大リスクを発表しているので,ChatGPTにぶち込んでみた。

ユーラシア・グループの2026年の10大リスクはこうなっていた。
 1. 米国の政治革命✓
 2. 「電気国家」中国✓
 3. ドンロー主義(トランプ版モンロー主義
 4. 包囲される欧州(ポピュリズム+米国+情報工作)
 5. ロシアの第二の戦線(ロシアによるNATO諸国へのハイブリッド戦争
 6. 米国式国家資本主義(安全保障を名目に大統領による経済の『私物化と直接介入』)
 7. 中国のデフレ(国家主導の過剰投資と不動産崩壊から発生し自己増殖)
 8. ユーザーを食い尽くすAI✓
 9. USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定) のゾンビ化
10. 水(アフリカ・南アジア)の武器化

A(ChatGPT 5.2):
まず全体の“背骨”は、「米中が正面衝突するから危ない」のではなく、米国が自ら作った国際秩序を自ら解体していく局面に入り、各国が「予測可能な米国」を前提に組んでいた安全保障・貿易・制度設計が連鎖的に崩れる、という見立てです。序文の時点で、地政学的不確実性の核をそこに置き、同時にAIを「最大の機会であり最大の危険」と言い切りつつ、統治・連携・調整がほぼ無いと宣言している。ここで座標系が決まります。

1.その座標系のもとで、リスクNo.1「米国の政治革命」は“米国内政”ではなく世界のリスク生成装置として描かれています。権力抑制の解体、政府機構の掌握と敵への武器化、メディア・法律事務所・大学への圧力、そして「まず行動し裁判所は後」の姿勢——これらが、同盟国や市場が頼ってきた予測可能性を溶かす、という筋立てですね。 
ここで私が「うまい」と感じるのは、単に政治の悪化を嘆くのではなく、政府の能力(データ・危機対応・規制)そのものが弱る→民間が統計的真実を他に求めざるを得ない→情報環境がさらに荒れる、という因果の鎖まで踏み込んでいる点です。

2.次にリスクNo.2「電気国家」中国は、地政学を“軍事”ではなく電気スタック(バッテリー、モーター、パワエレ、組み込み計算機)という産業基盤で再定義しています。中国がそのスタックを掌握し、米国は手放しつつある、という対比が、エネルギー転換・モビリティ・ドローン・AIまで一気通貫でつながる。ここは切れ味が鋭いです。 
しかも、抽象論だけでなく「リチウムイオン電池約75%、ネオジム磁石90%」のように支配点を具体化しているのが強い。さらに“新興国は安価な中国スタックを選びやすいが、その累積が地政学的転換点になる”という描き方は、まさに「臨界を越えると地形が変わる」タイプの因果地形です。

3.そして個人的に最も本質的だと思ったのが、リスクNo.8「ユーザーを食い尽くすAI」です。ここで言っているのは「AIが暴走して人類を滅ぼす」ではなく、収益化圧力+制約不在の組み合わせが、ソーシャルメディアで見た“エンシット化(クソ化)”を、より速く、より深く、より広い領域で再現する、という話です。
ここで怖いのは、AIが「注意を奪う」だけではなく、「行動をプログラムし、思想を形成し、現実を媒介する」ものとして描かれている点で、だからこそ“広告と助言の区別が消える”方向に行くと、ユーザーが支払う対価が自律性・プライバシー・認知能力・独立して考える能力になる、と言う。
さらに「臨床試験も安全監視もインフォームドコンセントもなしに、リアルタイム心理実験にさらす」という比喩は、AIを“個人の内面に接続するインフラ”として扱うなら、かなり妥当な警鐘です。

全体評価としては、私はこのリポートを「未来予言」ではなく、いまの世界を動かしている“主要な生成メカニズム”を、少数のドライバーに圧縮したモデルとして読むのが一番いいと思います。ドライバーは大きく3つで、(a) 米国の制度的信頼の劣化(世界の前提を書き換える)、(b) 中国の電気スタック覇権(世界の産業基盤を書き換える)、(c) AIの収益化圧力(人間側の認知・社会を内側から書き換える)。この3つが互いに増幅しうる、という“地形”を提示している。 

一方で弱点もあります。たとえば、あえて“上位ドライバー”に絞るために、気候・感染症・金融危機などの扱いは(意図的に)相対的に薄くなりがちです。また「米国の政治革命」を根に置くぶん、世界の説明が米国中心の座標系になりやすい(それ自体がこのレポートの主張でもありますが)。 
(後略)


A(ChatGPT 5.2):
ではこのレポートを「予測集」ではなく、世界を動かしている因果地形の圧縮モデルとして再構成し、その上で「どこが観測点で、どこが介入点か」をはっきりさせて進めます。

1.因果モデルの骨格(圧縮版)
このレポート全体は、実はかなり明確な三層構造の因果モデルになっています。

第1層:世界の前提を書き換えるドライバー(根)
ここに置かれているのは、事象ではなく制度・基盤・最適化圧力です。
 A:米国の制度的予測可能性の崩壊
 B:中国の電気スタック(ElectricStack)支配
 C:AIの収益化圧力と統治不在
重要なのは、これらが「どれが正しいか」ではなく、同時に進行し、相互に補強しうるものとして置かれている点です。

第2層:世界の構造を歪めるメカニズム(中間層)
第1層が作動すると、次のような“力学”が生まれます。
予測不能性の増幅
→国家・企業・同盟が長期設計を放棄し、短期反応型に傾く
基盤依存のロックイン
→安価・即応性のある中国スタックが「選ばれる」ことで、後戻り不能な経路に入る
認知・行動の外部最適化
→AIが「助言」ではなく「行為の媒介」になることで、人間側の判断構造が変質する
ここで重要なのは、これらが意図や思想ではなく、構造的に起きるとされている点です。

第3層:表に見えるリスク(症状)
レポートに列挙されている各リスク(戦争、同盟の亀裂、民主主義の後退、社会の分断など)は、この第2層の結果としての表出です。
つまり、
>「戦争が起きるか?」ではなく
>「戦争が起きやすい地形がどれだけ広がるか?」という問いに変換されている。

2.とくに重要な因果連鎖を一本、丁寧にたどる
ここでは一本だけ、象徴的な鎖を追います。
米国の制度劣化 → 情報環境の荒廃 → AIリスクの増幅
(1) 米国で統計・行政・法制度への信頼が揺らぐ
(2) 「公式データ」や「公共の判断」が信用されなくなる
(3) 人々と市場は、代替の“認知インフラ”を求める
(4) そこにAIが最短距離で入り込む
(5) しかしAIは公共善ではなく、収益最大化で最適化される
(6) 結果として,注意の奪取,行動の誘導,不安・怒りの増幅,が合理的戦略になる
ここでAIは原因ではなく、増幅器です。
この見方は、レポートの中でもっとも成熟している部分だと思います。

3.観測点(earlysignals)はどこか
このモデルの強みは、「兆候」を具体化できる点にあります。
観測点A:制度の空洞化
・行政データの更新停止・歪曲
・裁判所判断の恒常的無視
・公的機関からの専門家流出
これはニュースより先に効く指標です。

観測点B:電気スタックの選好
・新興国インフラ案件での中国規格の標準化
・バッテリー・充電・制御系の一体提供
・「安いから」ではなく「それしかないから」選ばれる局面
ここで臨界を超えると、政治で巻き戻せません。

観測点C:AIのマネタイズ形態
・対話の途中に広告・推薦・誘導が溶け込む
・不安・孤独・怒りをトリガーにする最適化
・「助言」と「販売」の区別が消える
これは倫理問題ではなく、ビジネスモデル問題です。

4.介入可能点はどこに残っているか
このレポートは悲観的ですが、「完全に閉じた地形」ではありません。
・制度面:透明性・監査・国際標準の維持は、まだ効果がある
・技術面:AIにおける,広告分離,推論過程の可視化,収益源の明示,は構造介入になりうる
・個人・社会面:認知を全面委託しない距離感
(あなたがこれまで議論してきたテーマと強く重なる部分です)

5.次の一手の提案
ここまでで、このレポートは
>「2026年に何が起きるか」ではなく
>「世界がどの斜面に乗りつつあるか」を示すものだと整理できました。

次の段階としては、次のどちらかが有効だと思います。
(1) この因果モデルを、あなたのLCM(大規模因果モデル)的関心と接続する
 ─どこが外在化でき、どこが危険か
(2) AIを含む一部ドライバーを固定して、別シナリオを分岐させる
 ─たとえば「AIが公共インフラ化した場合、地形はどう歪むか」
どちらに進みましょうか。ここまでの地形は、すでに共有できていると思います。


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