2024年11月23日土曜日

いろは札


仮名手本忠臣蔵の仮名手本というのは,いろは四十七文字と赤穂四十七士をかけたものだ。それだけかと思っていたら,どうやら各義士は討ち入りの際に番号認識票のような,いろは札というのを身に付けていたらしい。ということは,四十七士といろは四十七文字の対応が問題になるのだが,い=大星由良助,ろ=大星力弥,は=原郷右衛門,後は適当に,ということらしい。

そもそも,六段目早野勘平腹切りの段で,「ホホ,徒党の人数は四十五人。何時が心底見届けたれば,その方を差し加え一味の義士四十六人,これを冥土の土産にせよ。」とあって,早野勘平は四十六番目。七段目祇園一力茶屋の段の展開から,たぶん,寺坂平右衛門が四十七番目になるわけだ。

史実では,早野勘平に対応する萱野三平(箕面市萱野のあたりは昔よく通ったところ)は討ち入り前に事情で自刃しており四十七士に含まれない。足軽の寺坂平右衛門に対応する寺坂吉右衛門は四十七士に含まれていて,ひとりだけ生き延びたことになっている。

さらに,いろは歌と忠臣蔵の関係として,いろは歌を七文字ずつ並べた末尾が「とがなくてしす」とあって,大石内蔵助が自分たちの未来を暗示するものとして受取ったという話があった。
いろはにほへ
ちりぬるをわ
よたらそつね
らむうゐのお
やまけふこえ
あさきゆめみ
ゑひもせ
これにくわえて,六段目の床本の中には,「金」の文字が四十七個含まれているということだった。さっそく先日買ったパンフレットの別冊の床本で数えてみた。身売りの段に20個,早野勘平切腹の段に27個,確かに47個ある。




写真:歌舞伎のいろは札(市川猿三郎オフィシャルブログから引用)

[2]NHK大河ドラマに見る忠臣蔵

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