2023年12月19日火曜日

モキュメンタリー

WOWOWで放映していた「ザ・モキュメンタリーズ 〜カメラが捉えた架空世界」を録画していたので,一気見した。

フェイクニュースが蔓延する昨今,「この番組では、現実の私たちと同じように、架空の世界で社会の変化に翻弄される人々を追い、現代社会で実際に起こっている出来事や社会の矛盾を、モキュメンタリーという手法をもって描くことで、真実に迫る。」とあるが,これぞ純正で良質なSFビデオ作品である。
ザ・モキュメンタリーズ ~カメラがとらえた架空世界~(各編30分)
 (編者注:丸括弧内はこちらで付加したキーワード)
#1 「インビジブル・ブルース」(透明人間皮膚移植・マイノリティー)
#2 「(株)わたし」(個人の公開株化「株式人間」・人間の価値)
#3 「WORD HUNTER」(言語省・言語取締官・不正日本語取締法)
#4 「マイナースポーツ・未来の星」(スルーイング・東西日本国)
#5 「ドローン・クライシス」(脱法人工知能搭載野良ドローンとマタギ)
#6 「ハラハラ♥ハラスメント」(ハラスメントバッチ・自由恋愛タブー)
#7 「冷凍睡眠ビジネスの闇」(家庭用冷凍睡眠カプセル)
#8 「仮想俳優A」(フルCGの俳優・最明寺アキラブーム)

本物のドキュメンタリーのような形式で製作されているうえ,非常にていねいなシュミレーションがされているため,うっかりしていると現実と混線してしまいそうになる。放送時間の関係で星新一のショートショートレベルの掘り下げとなり,問題をそこまで深刻に描いているわけではないけれど,ドキュメンタリーの力がこれらにリアリティをもたらす効果は大きい。

各編に出てくる日付が2020年のオーダーだったので調べてみると,最初に放送されたのは2021年の3月・4月だったようだ。なお,モキュメンタリーという言葉は普通名詞だった。


写真:ザ・モキュメンタリーシリーズのタイトルバック(WOWOWから引用)

この延長線上になる「PORTAL-X 〜ドアの向こうの観察記録〜」が2024年1月から8回放送されるそうで,こちらも楽しみ。

0 件のコメント: