放送大学の「日常生活のデジタルメディア」 の初回で,青木久美子と高橋秀明が,あたりまえのように,インターネットは軍事技術からはじまったものだと解説していたので吃驚してしまった。この調子でどんどん外堀が埋められていくのだろう。
これまで,一般的なメディアでは,インターネットは軍事目的で開発されたなどと紹介されても,ネットワークの研究者や技術者達は,そうではないと反論するのが普通だった。インターネットの前身のARPANETはアメリカ国防総省の高等研究計画局から資金提供されていたが,開発現場に近いレベルでは軍事目的を前提としたものではなかったからだ(WikipediaのARPANETの項目に様々の立場からのコメントがある)。
Bingに聞いてみると次のようになった。
Q:「インターネットは軍事技術から始まった」という説と,「インターネットは軍事目的で開発された技術ではない」という説があります。それぞれの言い分を整理し,どちらに分があるかを教えてください。
‘インターネットは軍事技術から始まった’ を検索しています
‘インターネットは軍事目的で開発された技術ではない’ を検索しています
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A:インターネットの起源については、軍事技術から始まったという説と、軍事目的で開発された技術ではないという説があります。それぞれの言い分を整理してみましょう。軍事技術から始まったという説は、インターネットの先駆けとなったネットワーク「ARPANET」が、米国国防総省高等研究計画局(ARPA)が資金提供したプロジェクトであったことに基づいています123。この説によると、ARPANETは、核戦争などの緊急事態においても通信が維持できるように、分散型のパケット通信技術を開発したものであり、軍事目的が強く関係していたとされます23。
軍事目的で開発された技術ではないという説は、ARPAが軍事以外のさまざまな研究にも資金提供していたことや、ARPANETの開発者たちが軍事目的を意識していなかったことに基づいています456。この説によると、ARPANETは、コンピュータ科学の研究者たちが、新しい通信技術を実用化するために、自由にアイデアを交換したり、コンピュータのリソースを共有したりするために開発したものであり、軍事目的は関係なかったとされます456。
どちらの説に分があるかというと、私は後者の説に傾きます。なぜなら、ARPANETの開発者たちの証言や文献によると、彼らは軍事目的を考えていなかったと述べており、また、ARPANETが核戦争に耐えられるように設計されたという証拠も見つかっていないからです456。もちろん、ARPAが軍事機関であったことや、ARPANETが軍事利用されたことは事実ですが、それだけでインターネットが軍事技術から始まったと断定するのは早計だと思います。
[1] Net@50 (インターネット誕生50周年)インターネットの起源に想いを寄せて(SRI)
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