そもそもヨタY,ゼタZ,ヨクトy,ゼプトzも使ったことなかったけれど,新しく導入されるクエタQ,ロナR,クエクトq,ロントrもあまり使いそうにない。原子核物理をやっていたのでフェムトfはおなじみだけれど,量子光学に登場するアトaには縁がない。
イレギュラーなμ,daを除くと接頭語には,ラテン文字1字があてはめられる。この調子でいくと,ラテン文字ペアの記号が足りなくなるかと思ったけれど,まだ,Bb,Ii,Jj,Ll,Oo,Ss,Uu,Vv,Wwが残っているので,あと30×4=120年くらいは大丈夫かもしれない。
いやいや,すでにSI基本単位やSI組立単位で使われている記号はまずいから,s,m,K,A,N,J,W,C,V,F,T,Hも除外される(テラテスラ T T はいいのか?)。となると,30×2=60年なのかもしれない(Bb,Ii,Ll,Oo,Uuの5組)。その後は,ギリシャ文字にすればもう少し延命できる。
ギリシャ文字のうちラテン文字と区別しにくい字形のものを除くと,Γγ,Δδ,Θθ,Λλ,Ξξ,Ππ,Σσ,Φφ,Ψψ の9組が残る。さらに30×5=150年はいける。この結果,200年後には,14組の接頭語が追加されて,10^±75 までのオーダーを表現できるわけだ。
現在の12組の接頭語が26組になるというのは,単に記法が複雑化するだけで,メリットはないような気もするが,日本の(あるいは華厳経の)命数法もたいがい面倒なことになっているので,SIといい勝負だ。
接頭語 記号 10^n 制定年
クエタ (quetta) Q 30 2022年
ロナ (ronna ) R 27 2022年
ヨタ (yotta ) Y 24 1991年
ゼタ (zetta ) Z 21 1991年
エクサ (exa ) E 18 1975年
ペタ (peta ) P 15 1975年
テラ (tera ) T 12 1960年
ギガ (giga ) G 9 1960年
メガ (mega ) M 6 1960年
キロ (kilo ) k 3 1960年
ヘクト (hecto ) h 2 1960年
デカ (deca ) da 1 1960年
- - 0 -
デシ (deci ) d -1 1960年
センチ (centi ) c -2 1960年
ミリ (milli ) m -3 1960年
マイクロ(micro ) μ -6 1960年
ナノ (nano ) n -9 1960年
ピコ (pico ) p -12 1960年
フェムト(femto ) f -15 1964年
アト (atto ) a -18 1964年
ゼプト (zepto ) z -21 1991年
ヨクト (yocto ) y -24 1991年
ロント (ronto ) r -27 2022年
クエクト(quecto) q -30 2022年
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