新規感染者数の累計に対する微分方程式において,β(t)=βe−αtと仮定すると,
dJdt=βe−αtJであり,その解は,J=J0exp[βα(1−e−αt)] となる。
ゴンペルツ関数を fG(x)=exp[−e−x]と定義して,βα=eαt0とおくと,
J=J0exp[eαt0(1−e−αt)]=J0exp[eαt0−e−α(t−t0))]
=J1exp[−e−α(t−t0)]=J1fG(α(t−t0)) ただし,J1=J0exp[eαt0] とおいた。
これから,K(t)=1−J(t−τ)/J(t)=1−fG(α(t−τ−t0))/fG(α(t−t0))となり,
K(t)=1−exp[−(eατ−1)e−α(t−t0)]=1−fG(xk)とかける。
ただし,xk=α(t−t0−δt), δt=1αlog(eαt) である。
ゴンペルツ関数の微分は,f′G(x)=e−xfG(x) であるから,K値の微分は,
K′(t)=−αe−xkfG(xk) となる。つまり,K(t)=fG(xk)=1/2のとき,
e−xk=log2が成り立ち,K′(t)=−αlog22となる(なお,このモデルにおいてK′(t)の絶対値が極大値をとるのは,fG(xk)=1/e,xk=0のときである)。
中野モデルを数理的に解析した秋山に従えば,中野モデルでの減衰係数k (0<k<1,1−k≪1)は α=−logk に対応していた。
∴K′=log22logk=log22(k−1)=12.88 (k−1)
つまり,k=1+2.88K′ という中野が導いた現象論的関係式が得られる。
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