4月のNHKの番組改編では例年より大幅なものとなった。その中でも,Eテレのにほんごであそぼの評判が極めて悪かったので,録画を飛ばし飛ばしちょっとだけチェックしてみた。
うーん,頭にポットをつけたお姉さんが,百発百中の説明というかゲームに無駄な時間を費やすだけで時間が過ぎてゆく。部分的に以前のフレーバーが残っているものの,伝統芸能のかけらもなく,貴重だった織太夫,清介,勘十郎の文楽のコーナーも見当たらなかった。
1979年に福音館書店から出版された「にほんご」は,安野光雅,大岡信, 谷川俊太郎,松居直によって,小学校低学年の国語の教科書に代わるものとしてデザインされた労作だった。子供が小学校にあがるまで,ふとんの中でよく読んだものだ。そのフレーバーやコンセプトがふんだんに盛り込まれたのが,NHKの「にほんごであそぼ」だったが,番組改編で大変残念なことにそれが失われてしまった。
NHKはニュース系がひどくても,Eテレがあるからと我慢していた。この調子だと本当に全部がダメになりそうで怖い。まあ,あの優等生的で擬似中立主義的な総体による隠れた洗脳が問題だというのであれば,Eテレの優良番組だってどうなのよということかもしれないが。
写真:福音館のにほんごの書影(福音館書店から引用)
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