物理ではなかなかびっくりする話がない。いや,あるのだが,驚嘆するためにはそれなりの基礎知識が必要なのでたいへんだ。数学でもそうかもしれない。その意味では望月新一さんのIUTはとても大きなトピックだった。一方,天文学では結構な頻度で,驚きのニュースが飛び込んでくるような気がする。最近のそれは,ブラックホールの周りの惑星だ。
ブラックホールの周りには降着円盤があることは,福江先生の得意分野でもあるので知っていた。そこに原始太陽系の形成モデルのシミュレーションを適用すると,銀河中心にあるような太陽の1000万倍の質量を持つ巨大ブラックホールのまわりのミクロな塵から,数億年をかけて,ブラックホール中心から10光年ほどのところに,地球質量の10倍程度の惑星が1万個以上形成されるというものだ。となりの惑星との距離は0.1光年のオーダーかな。生命が誕生するような熱源は確保できるのだろうか。SF作家の夢が広がるだろうか。
[1]K. Wada, Y. Tsukamoto and E. Kokubo, Planet Formation around Supermassive Black Holes in the Active Galactic Nuclei(2019.11.26)
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