2024年8月18日日曜日

AIサイエンティスト

Sakana AI はGoogleの2人の研究者が2023年8月に,東京で始めたスタートアップである。それが先日,AI サイエンティスト というシステムを開発した。arxivに185ページの論文(The AI Scientist: Towards Fully Automated Open-Ended Scientific Discovery)が出され,十分なリソースさえあれば,Githubで試してみることもできる。

最初に人間が問題となるテーマを与えれば,あとは仮説を設定して数値実験して結果を求め論文を書いて評価するところまで自動化されるのだ。シンギュラリティサロンの松田先生によれば,人間では論文1本200万円かかるところを,AI Scientistならば,$15=2000円でできるということだ。もっとも,清水亮さんが実際に試したところは,生成AIのAPI使用料がかさむので,1本数万円はかかりそうだとのこと。

問題は,お金だけではなく,これによってどこまで科学が人間と独立に進化するかなのだ。実際の自然現象と結ぶには仮想実験でなくて,リアルの実験が必要となるから,それはまた次のステップの課題となるが,それでも非常に大きな一歩には違いない。

論文の概要を訳してみると次の通りである。
Q(koshix):
次の論文概要を分かりやすく和訳してください。

A(Claude 3.5 Sonnet):
はい、喜んでこの論文概要を分かりやすく和訳します。
人工知能(AI)による自動的な科学的発見に関する画期的な研究についての概要です: 
「人工知能の大きな課題の1つは、科学研究を行い新しい知識を発見できるAIエージェントを開発することです。最新のAIモデルは既に人間の科学者を補助する目的で使用されていますが(アイデア出し、コード作成、予測タスクなど)、それらは科学的プロセスの一部しか担っていません。
本論文では、最先端の大規模言語モデル(LLM)が独立して研究を行い、その成果を発表できるようにする包括的な枠組みを初めて提案しています。我々は「AIサイエンティスト」と呼ばれるシステムを紹介します。このシステムは、新しい研究アイデアを生み出し、コードを書き、実験を実行し、結果を視覚化し、完全な科学論文を執筆してその発見を説明し、さらに評価のための模擬査読プロセスを実行します。
理論的には、このプロセスを繰り返すことで、アイデアを反復的に発展させ、成長する知識のアーカイブに追加していくことができます。これは人間の科学コミュニティのような働きをします。
我々は、この手法の汎用性を示すために、機械学習の3つの異なる分野(拡散モデリング、Transformerベースの言語モデリング、学習動態)に適用しました。各アイデアは実装され、1本あたり15ドル未満という低コストで完全な論文に仕上げられました。これは、我々の枠組みが研究を民主化し、科学の進歩を大幅に加速させる可能性を示しています。
生成された論文を評価するために、我々は自動レビューアを設計・検証しました。このレビューアは論文の評価において人間に近い性能を達成することが示されています。AIサイエンティストは、この自動レビューアの判断によると、トップレベルの機械学習会議での採択基準を超える論文を生成できます。
このアプローチは、機械学習における科学的発見の新時代の幕開けを意味します:AIエージェントの変革的な利点をAI自体の研究プロセス全体にもたらし、世界の最も困難な問題に対して無限の手頃な創造性とイノベーションを解き放つ世界に我々を近づけます。
我々のコードはhttps://github.com/SakanaAI/AI-Scientistでオープンソース化されています。」 
この研究は、AIが科学研究のプロセス全体を自動化し、人間の科学者と同様に新しい発見を行える可能性を示しています。これは科学の進歩を加速させ、研究をより手頃で民主的なものにする可能性があります。




図:AI Scientistの上記論文から引用

2024年8月17日土曜日

経度問題

EarPodsをはめたまま昼寝をしていた。いつの間にか,山田五郎面白い話が聞こえてきて目が覚めた。彼の趣味の一番は時計だったのか。どうりで話が詳しいのだ。

大航海時代後の大英帝国では,船がどうやって自分の位置(経度)を正しく測定するかというのが重要な問題となった。それが1714年の経度法につながった。

Q(koshix):
経度問題の歴史的経緯に関する蘊蓄をお願いします。

A(Claude 3.5 Sonnet):
経度問題の歴史的経緯について説明いたします。これは航海と地図作成の歴史において非常に重要な課題でした。

1.問題の背景:
経度を正確に測定することは、船舶の位置を特定し、安全な航海を行うために不可欠でした。緯度の測定は比較的簡単でしたが、経度の測定は長年にわたり困難な課題でした。
2.初期の試み:
16世紀から17世紀にかけて、様々な方法が提案されました。例えば、木星の衛星の動きを観測する方法などがありましたが、海上での実用性に乏しいものでした。
3.経度法の制定:
1714年、イギリス議会は経度法を制定し、実用的な経度測定方法を開発した者に多額の賞金を提供することを決定しました。
4.ジョン・ハリソンの貢献:
時計職人のジョン・ハリソンは、精密な航海用時計(クロノメーター)の開発に取り組みました。彼は約30年の歳月をかけて、H1からH5までの5つの時計を製作しました。
5.クロノメーターの成功:
ハリソンのH4は1761年と1764年の航海試験で優れた性能を示し、経度問題の実用的な解決策となりました。
6.影響と普及:
ハリソンの技術は徐々に改良され、19世紀には多くの船舶でクロノメーターが標準装備となりました。これにより、航海の安全性と効率が大幅に向上しました。

この歴史的経緯は、科学技術の進歩が実際の問題解決にどのように貢献するかを示す興味深い事例です。経度問題の解決は、航海技術の発展だけでなく、精密機械工学の進歩にも大きな影響を与えました。

Q(koshix):
ハリソンの物語にはもっと紆余曲折があったのではないでしょうか

A(Claude 3.5 Sonnet):
ご指摘の通りです。ジョン・ハリソンの物語には多くの紆余曲折がありました。より詳細に説明いたします。

1.困難な始まり:
ハリソンは田舎の大工の息子として生まれ、正式な教育を受けていませんでした。彼の時計製作の技術は独学で身につけたものでした。
2.最初の挑戦:
1730年代、ハリソンは最初の海洋時計H1を製作しましたが、これは重すぎて実用的ではありませんでした。その後、H2、H3と改良を重ねましたが、いずれも満足のいく結果を得られませんでした。
3.H4の breakthrough:
1759年、ハリソンは画期的なH4を完成させました。これは従来の時計とは全く異なる、ポケット時計サイズの革新的な設計でした。
4.試験航海と論争:
1761年と1764年の試験航海でH4は素晴らしい性能を示しましたが、経度委員会は更なる試験を要求しました。これはハリソンにとって大きな失望でした。
5.政治的な障害:
経度委員会の一部のメンバー、特に王立天文台長のネヴィル・マスケリンは、天文学的方法を推奨しており、ハリソンの機械式解決策に反対していました。
6.賞金獲得の遅延:
ハリソンは何度も賞金の支払いを要求しましたが、委員会は新たな条件を付け加え続けました。これにより、ハリソンは完全な賞金を受け取るのに数十年を要しました。
7.王室の介入:
最終的に、ハリソンはジョージ3世に直接訴えかけました。王の支持を得て、1773年に議会は特別法を制定し、ハリソンに残りの賞金を支払うことを決定しました。
8.晩年の苦闘:
ハリソンは80歳を過ぎてようやく正当な評価を得ましたが、その時には既に健康を害していました。彼は1776年に83歳で亡くなりました。
9.遺産と再評価:
ハリソンの業績は、当時は十分に認められませんでしたが、後世になってその重要性が再評価されました。現在では、彼は航海技術と時計製作の革新者として高く評価されています。

ハリソンの物語は、革新的なアイデアが既存の権威や制度と衝突する際の困難さを示しています。同時に、粘り強さと信念の力を表す感動的な物語でもあります。



写真:ジョン・ハリソンのH1(SEIKOから引用)

[1]経度の歴史(Wikipedia)
[2]ジョン・ハリソン(Wikipedia)
[3]クロノメーター(Wikipedia)


2024年8月16日金曜日

大仏鉄道

天理軽便鉄道からの続き

奈良市内をクルマで回ると,大仏鉄道記念公園という大仏駅の跡地を通ることがある。

大仏駅は,1898年(明治31年)に,当時の関西鉄道の加茂駅−大仏駅の終着駅として設置された。次の年には奈良駅までつながるのだが,関西鉄道が奈良鉄道を買収して木津経由路線を確立すると,1907年(明治40年)には大仏線は廃止されてしまった。

学研都市の木津や平城山あたりやをクルマで通るときにも遺構がちらほら見られる。


図:運行わずか9年の幻の鉄道(たびよみから引用)

[1]大仏鉄道研究会(WebArchive)
[4]大仏鉄道(近代化遺産ある記)

2024年8月15日木曜日

天理軽便鉄道

夕方のテレビに近所の様子が映っているとの連絡で早速チャンネルを変えた。

ファミリー公園近鉄平端駅の辺りで,リポータがモチャモチャしていた。テーマは,天理軽便鉄道の跡地めぐりだった。法隆寺の近くにある木戸池の中央には軽便鉄道の跡を示す堰堤が残っている。

天理軽便鉄道は,JRの法隆寺駅近辺から,JRの天理駅までを結んだ狭軌ガソリン車による軽便鉄道である。1915年(大正4年)に開業した。新法隆寺−安堵−額田部−二階堂−前栽−天理の駅が設けられた。1922年(大正11年)には,天理軽便鉄道は廃止されて大阪電気軌道に移管,平端駅−天理駅間が広軌電化された。残る新法隆寺駅−平端駅間は,1945年(昭和20年)に運転中止その後廃止された。

天理教の勢力拡大に伴う大正普請で,多くの人の流れが発生したが,当時は大阪湊町駅−奈良駅−丹波市(天理)駅と,2時間半もかかっていた。そこで法隆寺駅で降りて天理まで歩く信者が多かったため,この軽便鉄道の敷設に至った。ところが,いざ開通してみるとそれほど利用者は多くない。帰りはみな別コースで奈良見物などをしたものだから,採算はとれなかったようだ。

うちの最寄り駅の近鉄天理線二階堂駅はその時代からあるわけだ。


図:天理軽便鉄道の路線図(奈良県立図書情報館から引用)

[1]天理軽便鉄道(奈良県立図書情報館)
[2]天理軽便鉄道(近代化遺産ある記)
[3]天理教と軽便鉄道(田舎暮らしdeほっ)
[4]天理軽便鉄道法隆寺線(廃線探索写真集)
[5]天理軽便鉄道の廃線跡(セピア色の線路)


2024年8月14日水曜日

オリンピック

2024年パリオリンピック が終った。

なんだかんだブツブツ文句を垂れながらも,結構テレビを見ていたかもしれない。ニュースダイジェスト以外だとスケートボードとかスポーツクライミングとか卓球とか。

昔は,日本人が出ていない種目でもそれなりに中継していたような気がしたが,最近は日本人がメダルを取りそうな注目種目だけが集中的に放映されて,ゆとりのないナショナリズムとお涙頂戴物語による感動ポルノの押し売りに終始するテレビなのだった。まあ,表裏の商業主義五輪が行き着いた終着の浜辺なのである。

さて,この「平和の祭典」の間も,ガザへの攻撃や,ウクライナでの戦闘は続いたままだ。しかもロシアやベラルーシは国として排除される一方,イスラエルは国旗をかかげている。そもそも,国家間で闘われるスポーツ競技というのは戦争の昇華形態ともいえるかもしれないのだから,それが不完全に機能して,戦争と平和の重ね合わせの状態が実現しているということだろう。

今回の2024パリオリンピックの競技種目は330種目近くあるらしいが,これを競技の性格で分類してみる。(1) 時間速度)を競うもの(陸上水泳他132種目, 40%),(2) 人間同士が闘うもの(柔道他66種目,20%)(3) 技能・芸術表現を競うもの(体操他44種目,13%),(4) 球技ゲーム(卓球他33種目,10%),(5) 非球技や混合形態でポイントを競うもの(射撃他28種目,9%),(6) 長さを競うもの(跳躍・投擲 16種目,5%),(7) 重さを競うもの(ウエイトリフティング 10種目,3%)となる。

格闘技や本来軍人男性を対象としていた馬術,射撃,アーチェリーなどは昇華形態の中でもより戦争に近いイメージを喚起する。

さて,日本のメダルは金20,銀12,銅13なのだけれども,これが,(2) 人間同士が闘う格闘技系(レスリング,柔道,フェンシング)に相当偏りすぎている。金:銀:銅=3:2:1のウェートを付けて再規格化すると,(2) 格闘技系 57%,(3) 技能芸術系 27%,他は5%以下となった。

こうしてみるともう少し別のタイプの種目があってもいいかもしれない。質量を摩擦のある面で移動する競技とか,一定距離で質量を比較する投擲種目とか。綱引きもいいように思うけどなあ。あるいは,eスポーツを含む脳の戦い,四則演算の暗算とか積分計算とか,短期記憶力とか,AIに置き換えられてしまい,行き所を失った人間の脳の力を競い合う方向しか思い浮かばない。



図:格闘技のイメージがなかなか定まらないDALL-E3

2024年8月13日火曜日

注目論文数

8月9日(金),科学技術・学術政策研究所(NISTEP)科学技術指標2024を公開した。早速ニュースで取上げられていたのは,注目度の高い論文数(上位10%)の国際順位である。昨年度と同様に過去最低の13位ということだった。研究開発費や研究者数などは,世界3-5位の水準なのだけれど,それに比べて目立つので毎年取上げられることになる。

今から,6年前の定年直前の9月に,奈良学園高校で出前授業をしたことがある。タイトルは20世紀の物理学−原子核の発見がもたらしたもの−なのだが,そこで,このデータを取上げて日本の科学の水準の危機を訴えたことがある。そのときは上位10%の論文数は世界第10位だった。

上位10%の論文というのは,自然科学の各分野の論文を被引用数の大きな順に並べたものの上位10%の論文について,各国の機関別寄与割合を集計した数である。実際には,各分野の引用慣行を補正するための,分野ごとの論文数の正規化が行われている。

各国の人口と研究者数や論文数には相関があるので,報道されている論文数を人口で割ったものを求めてみた。報道されているもとの論文数では,日本は第13位だけれど,人口比をとれば,第20位にまでランクダウンする。なお,上位1%でも12位から20位にダウンする傾向は同じだった。
 
 No国名人口(万人)10%論文数人口比(/万人)
122シンガポール5801,5202.621
217スイス8702,0712.380
37オーストラリア2,6705,1511.929
414オランダ1,7402,8781.654
521スウェーデン1,0701,5651.463
63英国6,8008,8501.301
78カナダ3,9104,6541.190
86イタリア5,8706,9431.183
925ベルギー1,1701,3371.143
102米国34,18034,9951.024
115ドイツ8,3307,1370.857
1211スペイン4,7503,9910.840
139韓国5,1704,3140.834
1423台湾2,3601,5110.640
1510フランス6,4904,0830.629
1615サウジアラビア3,7502,1400.571
171中国142,52064,1380.450
1812イラン8,9803,8820.432
1924ポーランド4,0201,4910.371
2013日本12,2603,7190.303
2118トルコ8,6302,0520.238
2219エジプト11,4501,8260.159
2316ブラジル21,7602,1310.098
2420パキスタン24,5201,6960.069
254インド144,1707,1920.050

もとのデータが論文数で25位までの範囲だけが示されているので,人口比データでは上位となる国のいくらかは取りこぼしているかもしれない。例えば,上位1%データではデンマークが第4位にランクインしてポーランドがランクアウト。ロシア,イスラエル,オーストリア,アイルランド,ギリシャ,ノルウェー,フィンランド辺りは取りこぼされているかもしれない。


2024年8月12日月曜日

世界の解像度(3)

世界の解像度(2)からの続き

Googleで世界の解像度を検索すると,amazarashiミュージックビデオが最初に出てくる。秋田ひろむの歌詞はなかなかよいのだけれど,音楽にはもうひとつ入り込めない。

さきほどの,PLaMoの結果を,Claude 3.5 Sonnet や ChatGPT-4o と比較してみる。昨日は,Claude 3.5 Sonnet が使えなくなっていたので焦ったが,今日の午前には Claude 3 Haiku まで回復し,午後には再び Claude 3.5 Sonnet が使えるようになっていた。どういうことだろうか。使いすぎ?

Q(koshix):
「世界の解像度」という比喩的な表現があります。その意味をよく吟味しながら深くていねいに掘り下げて分析して整理した結果をできるだけわかりやすく説明してください。

A(Claude 3.5 Sonnet)
「世界の解像度」という比喩的表現は、私たちが世界をどれだけ細かく、鮮明に、そして正確に認識できるかを表現しています。この概念を深く掘り下げて分析すると、以下のような側面が浮かび上がってきます:

1.知覚の精度 「世界の解像度」は、まず私たちの五感による知覚の精度を指します。例えば
・視覚:どれだけ細かいものまで見分けられるか
・聴覚:微細な音の違いをどこまで聞き分けられるか
・触覚:微妙な質感の違いをどこまで感じ取れるか
これらの感覚の鋭さが高いほど、世界の「解像度」は高くなります。

2.認知の深さ 単に感覚で捉えるだけでなく、その情報をどれだけ深く理解し、意味づけできるかも「解像度」に関わります
・物事の因果関係をどこまで把握できるか
・複雑な現象の背後にあるメカニズムをどこまで理解できるか
・抽象的な概念をどれだけ具体的に捉えられるか

3.知識の広さと深さ 世界に関する知識の量と質も「解像度」を左右します
・様々な分野についてどれだけ幅広い知識を持っているか
・それぞれの分野についてどれだけ専門的な知識を持っているか
・新しい情報をどれだけ迅速に吸収し、既存の知識と関連付けられるか

4.視点の多様性 同じ事象を異なる角度から見る能力も「解像度」を高めます
・文化的、社会的、経済的など、様々な文脈から物事を捉えられるか
・他者の立場に立って考えることができるか
・時間軸を長くとって物事の変化を見ることができるか

5.創造性と想像力 既知の情報を超えて、新しい可能性や未知の領域を思い描く力も「解像度」の一部です
・既存の概念を組み合わせて新しいアイデアを生み出せるか
・現実には存在しないものを想像し、具体的にイメージできるか
・問題に対して多角的なアプローチを考案できるか

6.自己認識 自分自身についての理解の深さも、世界の「解像度」に含まれます
・自分の感情や思考パターンをどこまで客観的に把握できるか
・自身の強みと弱みをどれだけ正確に認識しているか
・自分の行動が他者や環境に与える影響をどこまで理解しているか

7.倫理的判断力 状況の倫理的側面を認識し、適切に判断する能力も「解像度」の一部です
・行動の倫理的影響をどこまで予測できるか
・複雑な状況下で、正しい選択を見極める力があるか
・異なる価値観や倫理観の間でバランスを取れるか

「世界の解像度」を高めることは、単に情報を詳細に把握するだけでなく、その情報を多角的に理解し、創造的に活用し、そして倫理的に判断する能力を磨くことを意味します。これは生涯にわたる学習と経験の積み重ねによって達成される、終わりのない成長プロセスだと言えるでしょう。
この「解像度」が高まれば高まるほど、私たちは世界をより鮮明に、より深く、そしてより正確に理解し、それに応じてより適切に行動することができるようになります。それは個人の成長だけでなく、社会全体の発展にもつながる重要な概念なのです。



Q(koshix):
「世界の解像度」という比喩的な表現があります。その意味をよく吟味しながら深くていねいに掘り下げて分析して整理した結果をできるだけわかりやすく説明してください。

A(ChatGPT-4o):
「世界の解像度」という比喩的な表現は、物理的な画像解像度を指すわけではなく、物事や現実をどのように細部まで理解し、認識するかという意味で使われます。この表現を深く掘り下げて分析することで、以下のようなポイントが浮かび上がります。

1.解像度と認識の関係
物理的な解像度:まず、解像度という言葉は、本来、画像や画面の鮮明さを測るために使用されます。解像度が高いほど、画像は細部までくっきりと見えます。逆に解像度が低いと、画像はぼやけて詳細が失われます。
比喩的な解像度:この物理的な概念を「世界の解像度」に転用すると、人々が世界や現実をどれだけ詳細に理解し、認識できるかを指します。高い「世界の解像度」を持つということは、細かな部分まで理解し、他者の視点や複雑な現象をも包括的に捉える能力があることを意味します。
2.「世界の解像度」が高いとはどういうことか
多様な視点の理解:高い解像度は、異なる文化、背景、価値観を理解する力とも言えます。世界は複雑で、多様な視点が存在します。解像度が高い人は、単一の視点や表面的な理解に留まらず、複数の視点から物事を見ることができるのです。
情報の精査と洞察力:高い解像度には、情報を精査し、そこから洞察を得る力も含まれます。これは単に多くの情報を知っているだけでなく、その情報の本質を見抜き、正確に理解する能力です。データや事実だけでなく、その背後にある文脈や意味を理解する力が求められます。
3.「世界の解像度」が低い場合の影響
偏った認識:低い解像度は、世界を部分的にしか理解できない状態を表します。視点が狭くなりがちで、他者の意見や異なる考え方を排除しやすくなります。その結果、偏見やステレオタイプに基づいた認識が強まることがあります。
表面的な理解:また、解像度が低いと、複雑な問題を単純化しすぎる傾向が生じます。例えば、社会問題や歴史的な出来事を深く掘り下げず、表面的な理解で済ませることで、誤解や不十分な判断に繋がることがあります。
4.「世界の解像度」を高めるためには
教育と学び:「世界の解像度」を高めるには、幅広い知識と経験が必要です。これは教育や学習を通じて、さまざまな視点や概念に触れることが基本となります。
・批判的思考:情報をそのまま受け取るのではなく、批判的に考える習慣を持つことも重要です。情報源の信頼性を確認し、複数の視点から物事を考えることで、より高い解像度を持って世界を理解できるようになります。
共感力の育成:他者の立場や感情を理解しようとする共感力も解像度を高める要素です。共感力を養うことで、より多くの人々の視点や経験を理解し、世界をより詳細に見ることができるようになります。
5.結論:「世界の解像度」の重要性
「世界の解像度」という比喩は、私たちが世界をどれだけ深く、正確に理解できるかという能力を指すものです。これは、情報の量だけでなく、その情報をどれだけ意味深く洞察できるか、どれだけ多様な視点を受け入れられるかにかかっています。高い「世界の解像度」を持つことは、より広い視野と深い理解を可能にし、個人だけでなく、社会全体の健全な発展に寄与します。

このように「世界の解像度」という表現は、現代社会における複雑な問題の理解や対話の質を高めるために非常に重要な概念です。

図:DALL-E3による印象派風の世界の解像度

2024年8月11日日曜日

世界の解像度(2)

世界の解像度(1)からの続き

ディープラーニングの研究開発を行うスタートアップ企業のPreferred Networks(PFN 2014-) ,今はもうないが,かつてChainerという深層学習フレームワークで一斉を風靡した。そのPFNがPLaMoという100Bの国産LLMを開発した。10月ごろまで有効な無料β版のトライアルに応募してみた。

これまで,国産のLLMとしては,東大の松尾研からでたベンチャーELYZAによるELYZA LLMがあって,簡単なデモチャットサイトを公開していたが,ChatGPT,Gemini,Claude等に比べるとかなり見劣りがしてあまり使う気になれなかった。


このたびのPLaMoである。第一印象はたいへんよろしかった。昨日はこんな感じだった。
Q(koshix):
「世界の解像度」とは何かについて説明してください

A(PLaMo):
「世界の解像度」という言葉は、個人の心理状態や認知能力が、世界をどのように経験し、認識し、理解するかに影響する程度を表現するのに使われます。言い換えると、それはさまざまな要因(感情的・認知的スキル、経験、背景知識など)により、世界をどれだけ詳細に、また正確に見ることができるか、ということを指します。

より高い世界の解像度は、以下のようなことを意味します。

詳細への気づき:高解像度の世界では、より多くの細部に気づき、観察することができます。色彩、テクスチャ、形状、パターンなど、低解像度の世界では見過ごしてしまうようなものにも気づくことができます。
パターンの認識:高解像度の世界では、物事の関連性、パターン、構造をより簡単に認識することができます。複雑な状況を素早く把握し、抽象的な概念を理解し、未来の出来事を予測することができます。
感情の理解:感情的な解像度が高いと、自分自身や他者の感情をより深く理解し、表現することができます。微妙な感情の変化に気づき、それに応じて行動や接し方を調整することができます。
視点取得:高解像度の世界では、他者の視点、感情、動機をより良く理解することができます。これにより、共感や社会的なつながりが強化されます。
自己認識:個人の解像度が高いと、自分自身の感情、思考、行動についてより深く理解することができます。強みや弱み、動機、バイアスを認識し、自己成長や自己調整に役立てることができます。
認知の柔軟性:高解像度の世界では、複数の視点から物事を見たり、複雑な問題を様々な角度から分析したりすることができます。また、新しいアイデアに対してオープンマインドで、創造的な問題解決や意思決定ができます。
内省と自己反省:高解像度の世界では、自分の思考プロセス、信念、価値観を定期的に振り返り、それらが自分の経験にどのように影響しているかを考えることができます。これにより、自己成長や自己改善につながります。

簡単に言うと、世界の解像度とは、私たちが世界をどの程度細かく、正確に、そして深く理解しているかを測るものです。それは私たちの認知能力、感情的な経験、背景知識などによって決まり、それらは私たちの人生における様々な領域での経験や成果に大きく影響します。

今日は少し別の聞き方をしてみる。
Q(koshix):
「世界の解像度」という比喩的な表現があります。その意味をよく吟味しながら深くていねいに掘り下げて分析して整理した結果をできるだけわかりやすく説明してください

A(PLaMo):
「世界の解像度」というのは、「あなたが世界についてどれだけ多くの詳細まで、どれだけ明瞭に知っているか、あるいは理解しているか」ということを表現する際の比喩です。もともと、解像度とは画像の鮮明さや、画面や画像がどれだけ細かく描写できるかということを指すものです。

これを比喩的に世界にあてはめているわけですが、この場合の解像度は次のような要素で構成されます。

知識の幅と深さ
 解像度が高いということは、知識が豊富であり、物事を多面的に捉えているということになります。一つの事象に対して多くの情報を持っており、全体像を把握し、細部まで注意を払うことができる能力があるということです。
観察力、洞察力の鋭さ
 どれだけ注意深く観察し、分析し、解釈できるかということも解像度を左右します。パターンを見つけ、問題点を見極め、事態がどのように進展するかを予測する能力に関連します。
経験の深さ
 様々な経験を積んでいるかどうかも、解像度に大きく影響します。経験は世界について多くを学ぶための貴重な手段であり、知識だけではわからないことや、実際に体験しないと身につかない感覚や感受性を養います。多様な経験によって培われた感度や判断力は、表面的でない深い理解をもたらします。
視点の多さ、柔軟さ
 一つの視点だけでは、どうしても物事の見方が偏ってしまいます。解像度が高い人は、様々な視点から物事を見ることができるため、より広い視野を持つことができます。自分の考えや価値観にとらわれず、多角的に検討する柔軟さも備えています。
感情知能の高さ
 感情知能とは「自分自身と他者の感情を理解し、コントロールする能力」のことです。解像度に感情知能が含まれるのは、感情を認識し、理解することが、世界をより深く理解するための重要な要素だからです。単に相手の言動を観察するだけでなく、その背景や感情の動きを読み取り、共感する能力がある人は、人や世界についてより詳しい理解を持っているといえます。

以上のように、「世界の解像度」というのは、単にどのくらい多くの情報を知っているかということではなく、物事を多角的に観察し、認識し、分析する能力を総合したものを指す表現といえます。この能力が高い人は、理解力や判断力が優れ、他者とのコミュニケーションや協働が円滑に行えると考えられます。


図:DALL-E3による小学校低学年の「世界の解像度」

2024年8月10日土曜日

世界の解像度(1)

シャワーを浴びている最中,ふと「世界の解像度」という言葉が浮かんだ。

そのきっかけは生成AIにある。毎日のように生成AIを使って,未知の事柄を調べたり,ブログ記事を書いたり,論文や記事の要約を行っているうちに,少しずつ違和感が沈殿してきた。

生成AIが吐き出すテキストは,システムごとに多少違いがあるものの,創作場面におけるような特別な役割付与をしない限り,いずれも無難で平板な文章が連なっている。論争を呼びそうな表現はきれいにサニタイズされている。

その結果,せっかく要約された文章が心に響かず,知りたかったテキストの意味が手のひらに乗せた砂のように認識の指の間からこぼれ落ちていく。幾度問い方を変えて調べようが知識の積み重なっていく実感には繋がらない。

この現象は,生成AIに限らず,全ての知識をいつでも即座に検索して要約できてしまうという危うい状況に依存しているのかもしれない。かつて,論文をコピーして机に積み上げただけで,その内容を理解してしまったような錯覚に捕らわれたときと同じ状況だ。


我々の経験や知識の多寡によって,世界の見え方は異なってくる。例えば,同じドラマを見ても,背景知識や自分の経験がどれだけあるかによって,その内容の伝わり方や感じ方は大きく異なるだろう。その部分を強調するのがいわゆるオタクだ。しかも,その半分は言語の精度にかかわっている。

つまり,自分の操る言葉の範囲や精度や密度によって,ある概念や感情が意識の表面に浮き上がれるかどうかが決まり,世界の見え方が異なってくるはずだ。もちろん,残りの半分は言葉ではなく,意識下に潜在している。それらは言語野以外のニューロンによる身体的な経験と技能が担うのものだろうけれど,知的活動の多くは言語を媒介としているはずだ。

その重要な鍵を担う言葉の入力や出力に生成AIが関与することで,自分自身のものの捉え方やコミュニケーションの多くの場面で薄いフィルターがかかってしまうことになる。それが繰り返されれば自分の頭で考えるときでさえ,言葉を簒奪されてしまうかもしれない。毎日生成AIを使っていて沈殿してきたモヤモヤした気分は,その結果ではないかと疑っている。


生成AIの教育利用を危惧する意見に対しての反論がある。テキストを作成する能力を生成AIに代替させることで,それが身につかなくともよい。代わりにテキストの編集能力など,よりメタな新しい力が身につくはずだというのだ。自分もその意見に賛成していたのだけれど,言葉が思考と密接に繋がっている限り,どこか危険性は完全にぬぐうことができないことに改めて気がつく。

つまり,自分の心配事は,生成AIが自分の世界の解像度を落としてしまうのではないかということなのだけれど,どうだろうか。



図:世界の解像度 by DALL-E3

2024年8月9日金曜日

ABF

YouTubeで見かけた情報を調べてみるとWikipedia記事がなかった。そこで,Claude 3.5 Sonnet → Perplexity PRO → ChatGPT-4o と3段階でフィルタをかけて調整して生成した結果が以下の記事。自動化できるのだけれど,あえて人力で,ですます調からである調に変換する。もちろんこの記事の正確性は担保できていないが,正しい参照URLが示されており,これを人力で確認し追加している。

ABF(Ajinomoto Build-up Film)

**ABF(Ajinomoto Build-up Film)**は、味の素ファインテクノ株式会社が開発した半導体パッケージ用の層間絶縁材料である。主に、半導体チップと基板を接続する際の絶縁層として使用される。

概要
ABFは、エポキシ樹脂をベースとした熱硬化性の絶縁フィルムである。半導体パッケージの小型化、高性能化、高信頼性化に貢献する重要な材料として広く利用されている。

特徴
・高い絶縁性能:優れた電気絶縁性を持ち、半導体デバイスの信頼性向上に寄与する。
・低熱膨張係数:温度変化による寸法変化が小さく、熱応力の低減に効果的である。
・優れた平坦性:均一な厚みと表面平坦性を実現し、微細な配線パターンの形成を可能にする。
・高い耐熱性:半導体製造プロセスにおける高温工程に耐えうる耐熱性を有している。
・低吸湿性:湿気による特性変化を最小限に抑え、長期信頼性の向上に寄与する。

応用分野
ABFは主に以下の分野で使用されている:
・CPUやGPUなどの高性能プロセッサパッケージ
・スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス
・5G通信機器
・自動車用電子制御ユニット(ECU)

製造プロセス
ABFの製造プロセスは以下の主要なステップから構成されている:
・樹脂組成物の調製
・フィルム成形
・熱処理
・検査・品質管理

市場動向
半導体産業の成長に伴い、ABFの需要も拡大している。特に、5G通信やAI、IoTなどの先端技術分野における半導体の高性能化・小型化のニーズが、ABF市場の成長を牽引している。具体的な市場シェアや出荷金額は公表されていないが、90%程度の高い市場占有率を誇っている。

生産拠点と輸出
ABFの主な生産拠点は日本国内にある。以下は主要な生産拠点の一例:

・味の素株式会社の川崎工場(神奈川県川崎市)
・味の素ファインテクノ株式会社の群馬工場など各工場
製品の多くは日本から世界各地に輸出されており、特にアジア、北米、ヨーロッパの半導体メーカー向けに出荷されている。

技術動向
今後の技術動向として、ABFのさらなる高性能化と環境負荷低減が進められると予想される。具体的には以下のような技術開発が期待される:

・微細配線対応:さらなる微細化に対応した新材料の開発
・高信頼性:長寿命化と高信頼性を実現するための改良
・環境対応:環境負荷を低減するためのエコフレンドリーな製造プロセスの採用
・コスト削減:製造コストの低減と効率化
これらの技術開発は、5G通信、AI、IoTなどの先端技術分野での需要に応えるために行われます。

環境への配慮
味の素株式会社は、ABFの製造過程における環境負荷の低減に取り組んでおり、省エネルギー生産や有害物質の使用削減などを推進している。

参考文献  
[2]層間絶縁材料 - 味の素ビルドアップフィルム ABF"(味の素ファインテクノ株式会社)

2024年8月8日木曜日

涼風至

2024年8月7日,立秋,涼風至。涼葉も風葉も元気かな。

コロナが漸く治まって久しぶりにマーケットに買い物に。まだまだ日中は暑いのだけれど,ジリジリした日差しが心なしか緩んできている。3ヶ月に一度の午後の歯医者往復でもそんな感じだった。西日はきつくてもなんとかしのげるような気がした。

先日,近くのホームセンターコメリが,コメリPROにパワーアップした。昔はベターライフミドリ電化だったりした店だ。PROコメリは,資材・建材・工具・金物の専門店であり,朝7:00から営業している。近くには職人さんのスーパーもあるが,こちらはよりシステマティックで品揃えも整っていた。

円キャリー取引とか,高速取引とかがちょっとした市場の揺らぎを増幅して大変なことになっている。これぞバタフライ効果なのか。バタフライとして日銀が槍玉にあがっているけれど,なかなか面倒な世界がやってきたのかもしれない。これに,AIが加わると鬼(カオス)に金棒である。石丸現象もその一つの現われなのだろうか。

今朝の夢。晴れた日の散歩,海岸線ぎりぎりまで波が押し寄せていて,今にも街にあふれそうだった。警察や消防が,学校のグラウンドに待機しており,その横を民社党(春日一幸塚本三郎)の街宣車が過激なアジテーションを掲げて止まっていた。これは一体何を象徴していたのだろう。


写真:午後のコメリPRO(撮影:2024.8.7)

2024年8月7日水曜日

学術会議(5)

学術会議(4)からの続き

8月1日の朝日新聞デジタルに加藤陽子(1960-)のインタビュー記事「任命拒否も、あの日の理不尽も記録して 加藤陽子さんの闘い方」が掲載された。

有料記事なのだけれど,非常によいメッセージだったので,幾人もの方がプレゼント公開されていて読むことができた。選択的夫婦別姓問題にからみ,研究室には野島陽子の名札を出している加藤さん,「これまで大学に通称使用届などを出したことはありません。『悪い制度に誠実に対応し すぎない』ことが大事で、やってしまえばいいんです。」,大いなる共感を呼んでいた。

さて,インタビュー内容をChatGPT-4oに読み込ませると,
Q(koshix):
ブログ記事として紹介してください。

A(ChatGPT-4o):
(略)

Q(koshix):
一番読者の共感をよび心に響くメッセージを丁寧に読み解いてください。

A(ChatGPT-4o):
加藤陽子さんのインタビューの中で最も読者の共感を呼び、心に響くメッセージは、以下の部分です:

「幼い頃から自分のことを『特別な任務を背負っている』人間だと気負って生きてきたせいか、過去の女性も同時代の他の女性たちをも、きちんと見てこなかった。野枝の随筆『階級的反感』は、銭湯で近所の女工たちに少し意地悪をされただけで縮こまってしまう自らの姿を描いていました。女工たちが見ている世界に入っていけない自分を責めた野枝でしたが、見てこなかったものに気付く時点から新しい関係は始まってゆくはずでした。若くして命を奪われた彼女にはその時間が許されなかったけれども。私も今、勉強しているところです」

丁寧に読み解き

1.自己認識と責任感
加藤さんは、幼い頃から自分を「特別な任務を背負っている」人間だと考えて生きてきました。この自己認識は、彼女の強い責任感と使命感の表れです。しかし、この責任感が過度に強くなることで、他者や同時代の女性たちを見つめる余裕を失ってしまうこともあったと振り返ります。

2.野枝の影響
伊藤野枝の随筆『階級的反感』に登場するエピソードは、日常の中での小さな出来事を通じて、自己と他者の関係を深く洞察しています。野枝が近所の女工たちに意地悪をされて縮こまってしまう場面は、女性が直面する社会的圧力や葛藤を象徴しています。このエピソードを通じて、加藤さんは自身の経験と重ね合わせながら、見過ごしてきたものに気付く重要性を説いています。

3.気付きと変化の重要性
「見てこなかったものに気付く時点から新しい関係は始まってゆく」というメッセージは、非常に力強いものです。人は過去の経験や固定観念に囚われることが多いですが、それに気付き、視点を変えることで新たな理解や関係が生まれるという希望を持たせてくれます。この考えは、個人の成長だけでなく、社会全体の進歩にも通じるものです。

4.学び続ける姿勢
「私も今、勉強しているところです」という言葉は、加藤さんの謙虚さと学び続ける姿勢を象徴しています。彼女は既に多くの知識と経験を持つ著名な歴史学者ですが、それでもなお学び続け、自己を問い直す姿勢を持っています。この姿勢は、多くの読者にとって励みとなり、共感を呼ぶ要素です。

結論
加藤陽子さんのメッセージは、自己認識と責任感の持ち方、他者との関係性の見直し、そして学び続ける姿勢の重要性を示しています。彼女の言葉は、個々人が自己を振り返り、成長し続けるための大切な指針となるでしょう。このメッセージは、多くの人々に深い共感を与え、心に響くものであるといえます。

Q(koshix):
学術会議問題に関わる彼女の強い思いをうまく言葉にしてください。

A(ChatGPT-4o):
(略)

Q(koshix):
このテキストを離れ,一般的な論説などを踏まえた上で,学術会議任命拒否問題はなぜ生じたかを,歴史的経済的政治的社会的哲学的な背景のもとで鋭く分析してください。

A(ChatGPT-4o):
(略)

Q(koshix):
現実問題として,政府が学術界によるお墨付きを得る手段としては,総合科学技術会議など,従来の枠組みを無視して,御用学者を集めた諮問組織を利用することがあたりまえになっていたので,学術会議の重要性は非常に低下していたと思います。それなのにわざわざこの人事に手を突っ込む必要があったのでしょうか。単に学術会議をスルーして,政府の政策に従った結論を出す諮問機関を多用すれば済んだ話なのではないですか。

A(ChatGPT-4o):
学術会議の任命拒否問題において、政府がなぜわざわざこの人事に手を突っ込む必要があったのか、背景と動機を考察するために、以下の視点から分析します。

1.政治的メッセージの発信
学術会議の任命拒否問題は、単なる人事問題に留まらず、政府が学問界に対して政治的メッセージを発信する手段として利用された可能性があります。政府が自らの政策に批判的な学者や機関に対して直接介入することで、他の学術機関や学者に対する牽制効果を狙ったのかもしれません。このような行動は、政府の権威を示し、学問界に対する支配力を強調する手段として機能します。

2.公共の目を引くための戦略
学術会議は、名実ともに日本の学術界の代表的な機関であり、その動向は国内外の注目を集めます。政府が学術会議に介入することで、広く社会に対して自らの政策や立場をアピールする場を得ることができます。これは、政府が科学技術政策や学問の独立性に対する姿勢を示すための戦略的な行動とも解釈できます。

3.学術会議の影響力の再評価
政府が学術会議の重要性を低下させる一方で、学術会議の存在そのものが依然として象徴的な意味を持つことも考慮すべきです。学術会議は、その歴史と権威から、多くの学術者や市民にとって重要な存在であり続けています。政府がこの組織を無視するのではなく、積極的に介入することで、その影響力をコントロールしようとする意図があるかもしれません。

4.内部対立の反映
学術会議内の対立や不一致が、政府介入のきっかけとなった可能性もあります。学術会議が内部で分裂し、政府の政策に対する統一した立場を示せない状況にある場合、政府はこれを利用して、より親政府的な勢力を強化しようとするかもしれません。このような内部対立の存在が、任命拒否問題を引き起こした背景の一部である可能性もあります。

5.制度改革への布石
政府が学術会議に対して介入することは、将来的な制度改革への布石としての意味合いも持つかもしれません。学術会議のあり方や役割に対する疑問や批判が高まる中で、政府はその改革を促進するための一歩として、今回の人事介入を行った可能性があります。これにより、学術界全体の再編成や政府の政策決定プロセスの見直しを図ることが考えられます。

結論
学術会議の任命拒否問題は、単に学術界と政府の関係に留まらず、政治的、戦略的、象徴的な意味を持つ複雑な問題です。政府がわざわざこの人事に介入する必要があった背景には、学問界に対する権威の示威、社会への政治的メッセージの発信、学術会議の象徴的価値の再評価、内部対立の利用、制度改革への布石といった多様な要因が絡み合っています。これらの要因が重なり合うことで、学術会議の任命拒否問題が発生したと考えられます。
4.はどうかわからないけれど,サンデーモーニングや報道特集のコメンテーターレベルのことは答えることができる。そのためには質問に誘導的なニュアンスを入れる必要がある。

2024年8月6日火曜日

26

$\displaystyle 26 = \Sigma_{n=1}^\infty \dfrac{n^3}{2^n}$ という式が急に現われてちょっとビックリした。自分で考える力が衰えている老人はさっそくPerplexity PROに聞いてみる。
Q(koshix):
Mathematicaで f[k_]:=Sum[n^k/2^n, {n, 1, Infinity}]  と定義したとき f[k]の一般式を与えてください。 
 A(Perplexity PRO): 
Mathematicaで定義された関数  f[k]:=Sum[n^k/2^n, {n, 1, Infinity}] の一般式は以下のように与えられます:f(k)=Li_−k (1/2)。ここで、Li_−k (1/2) はポリログ関数(polylogarithm function)を表しています。この結果は、無限級数  ∑_{n=1}^∞ n^3/2^n の閉形式解を示しています。ポリログ関数は、このような形の無限級数を表現するのに適した特殊関数です。ポリログ関数 Li_−k (1/2)は一般に次のように定義されます: Li_s (z)=∑_{n=1}^∞ n^s/z^n この場合、s=−k および z=1/2 となっています。この一般式は、任意の実数 k に対して成り立ちます。特定の k の値に対しては、より簡単な形に簡略化できる場合もありますが、一般的にはこのポリログ関数の形で表現されます。この結果は、複雑な無限級数を単一の特殊関数で表現できることを示しており、数学的に非常に興味深い結果です。

正しいのだけれど,単に名前がついただけなので理解が深まらない。ChatGPT-4oに別の聞き方をしてみよう。
Q(koshix):
高校数学までの知識で Σn=1,∞ n^3/2^n の値を導出する方法を教えてください

A(ChatGPT-4o):
(もろもろ略)

Q(koshix):
いい線いっているようなのですが,ちょっと違うのではないですか。

A(ChatGPT-4o):
(もろもろ略)

Q(koshix):
惜しいですね,もう一息ではないでしょうか。

A(ChatGPT-4o):
(もろもろ略)
しかし、ここでの正確な計算をすると、最終的には 14 ではなく、 n=1n32n の値は正しくは 26 です。

導出過程の考え方は正しかったのだけれど,肝腎の代数計算が間違っている。何度かやり直してもうまく計算できず,最終的には,答えだけ無理矢理あわせてきた。夏休みの宿題に四苦八苦しているスーちゃん状態である。

ChatGPT-4oに提案された方法は,$|x| < 1 $として,$\displaystyle \Sigma_{n=1}^{\infty} x^n = \dfrac{1}{1-x}$という恒等式から出発し,この両辺を何度か微分して変形した式に $x=\dfrac{1}{2}$を代入するというものだ。

一回微分して両辺に$x$をかけると,$\displaystyle \Sigma_{n=1}^{\infty} n x^n = \dfrac{x}{(1-x)^2}$
この手続きをもう一度繰り返すと,$\displaystyle \Sigma_{n=1}^{\infty} n^2 x^n = \dfrac{x(1+x)}{(1-x)^3}$
さらにこれをもう一度繰り返すと,$\displaystyle \Sigma_{n=1}^{\infty} n^3 x^n = \dfrac{x(1+4x+x^2)}{(1-x)^4}$
これに,$x=\frac{1}{2}$を代入すると,$\displaystyle \Sigma_{n=1}^{\infty} \dfrac{n^3}{2^n} = 26$





2024年8月5日月曜日

總力戰硏究所󠄁

8月に入り,NHKの朝ドラ「虎に翼」の物語に総力戦研究所の話がでてきた。佐田寅子(三淵嘉子,1914-1984)の再婚相手の星航一(三淵乾太郎,1906-1985)がこれに加わっていたためだ。そこで,ChatGPT-4oに記事としてまとめてもらう。なんだかおかしいな。Claude 3.5 Sonnet に同じ問いを投げる。こちらの方がより正しいと思われる。

Q(koshix):
総力戦研究所と秋丸機関についてブログ記事の形にまとめてください。
・それぞれの組織の概要と両者の関係
・それぞれの組織が導いた結論
・日本の戦争執行体制に及ぼした影響
などに着目してください。

A(ChatGPT-4o):
(中略)
総力戦研究所と秋丸機関は、共に日本の戦争遂行体制の強化を目指して活動していましたが、それぞれ異なる役割を果たしていました。総力戦研究所は、戦争全般にわたる戦略と政策を研究し、国の総力を戦争に投入することを推進しました。一方、秋丸機関は、戦略的な情報収集と分析に焦点を当て、具体的な戦局の変化に対応するための情報を提供しました。

この二つの機関は、戦争の全体的な戦略を支えるために協力し合い、総力戦の実行と情報戦の強化を通じて、日本の戦争体制を支えました。その結果、日本の戦争遂行体制は、より効率的に戦局に対応し、戦争の勝利を目指す体制が整えられました。
(これはちょっとかなり間違っているような気がする)

A(Claude 3.5 Sonnet):
総力戦研究所と秋丸機関:日本の戦争政策への影響

はじめに
第二次世界大戦中の日本において、戦争遂行能力を分析し、政策に影響を与えた2つの重要な組織がありました。それが総力戦研究所と秋丸機関です。本記事では、これらの組織の概要、相互関係、そして日本の戦争執行体制に及ぼした影響について探ります。

総力戦研究所
概要
総力戦研究所は、1940年10月に陸軍省の外郭団体として設立されました。その主な目的は、国家の総力を結集して行う「総力戦」に関する研究を行うことでした。

主な活動と結論
・国内外の経済、政治、軍事情勢を分析
・日本の戦争遂行能力を評価
・結論:日本の資源と工業力は米英に比べて劣っており、長期戦には不利であるとの見解を示しました

秋丸機関
概要
秋丸機関は、1940年7月に陸軍省経理局内に設置された秘密組織です。陸軍少将の秋丸次朗が主宰したことから、この名で呼ばれています。

主な活動と結論
・日米開戦時の経済的影響を分析
・結論:日本が米国と戦争した場合、勝利の見込みは極めて低いと結論づけました。特に、石油資源の不足が致命的であると指摘

両組織の関係
総力戦研究所と秋丸機関は、同時期に設立され、類似の目的を持っていましたが、独立して活動していました。両者とも、日本の戦争遂行能力に対して悲観的な見方を示したという点で共通しています。

日本の戦争執行体制への影響
1.警鐘としての役割:両組織の分析結果は、日本が長期戦や対米戦に勝利する可能性が低いことを示唆し、戦争回避の根拠となり得ました。
2.政策への限定的影響:しかし、これらの分析結果は軍部や政府の主流派には受け入れられず、実際の政策決定にはほとんど影響を与えませんでした。
3.情報の隠蔽:特に秋丸機関の報告書は、その悲観的な結論のために軍部上層部によって隠蔽されました。
4.戦後の評価:戦後、これらの組織の分析の正確さが再評価され、もしこれらの警告に耳を傾けていれば、日本の運命は変わっていたかもしれないと指摘されています。

結論
総力戦研究所と秋丸機関は、科学的・客観的な分析に基づいて日本の戦争遂行能力の限界を指摘しました。しかし、これらの冷静な分析は当時の日本の指導者たちに受け入れられることはありませんでした。両組織の存在と their findings は、戦時下の日本における理性と狂信の対立を象徴するものとして、歴史に刻まれています。
現在の日本では,知を軽視するあまり,これに相当する客観的な自己分析の組織さえ持つことができなくなっている。それで目指しているのが,日本学術会議の解体と稼げる大学への転換なのだった。

2024年8月4日日曜日

2024年8月3日土曜日

(夏休み 9)

お支払いしたいのですが
계산하고 싶습니다
(gye-san-ha-go sip-seum-ni-da)

2024年8月2日金曜日

(夏休み 8)

これはおいくらですか
이것은 얼마입니까
(i-geo-seun eol-ma-im-ni-kka)

2024年8月1日木曜日

(夏休み 7)

あれを見せてください
저것을 보여 주세요
(jeo-geo-seul bo-yeo ju-se-yo)