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2021年11月9日火曜日

フェルミ分布

 N個の粒子系の全エネルギーをEとする。i番目の箱には,gi個の 区別できない状態 があり,1粒子エネルギーuiを持つni個の粒子がこれらの状態に配置されている。ただし,i=(1,...,M)とする。各粒子は区別できず,gi個の状態には 1個まで入ることができる。Maxwell=Boltzmann分布の場合と同様の式で,このエネルギー分配の場合の数の対数logWの極値問題を考えればよい。

粒子の区別がないので,その個数だけに着目しなければならない。i番目の箱に,gi通りの状態があって,ni個の粒子を配置する場合の数Wiを考える。

ni個の粒子とスリットをセットにしたものと,残りのgini個の状態のスリットを混ぜて並べ,区別できない同種のパターンの数で割ることにすると,Wi=Cni+gi1ni=gi!ni!(gini)!とすればよい。

スターリングの公式を適用すると,logW=Mi=1logWi=Mi=1(giloggiginilogni+ni(gini)log(gini)+gini)。これから,δlogW=(log(gini)logni)dniとなる。

また,粒子数とエネルギーの制約条件をラグランジュ未定乗数法で取り込めば,

δ{logW+α(NMi=1ni)+β(EMi=1uini)}=0より,Mi=1(log(gini)logniαβui)dni=0。したがって,log(gini)logniαβui=0

より,ginini=eα+βuiであり,状態の占有率はfi=nigi=1eα+βui+1=1euiμkBT+1となる。

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