2024年10月23日水曜日

(秋休み 8)

8.밖에 비가 오고 있어요. 우산 잊지 마세요.
  Bakke biga ogo isseoyo. Usan ijji maseyo.
  外は雨が降っています。傘を忘れないでください。

2024年10月22日火曜日

(秋休み 7)

7.슈퍼마켓에 갑니다. 필요한 것 있으세요?
  Syupeomakete gamnida. Pil-yohan geot isseuseyo?
  スーパーに行きます。何か必要なものはありますか?

2024年10月21日月曜日

(秋休み 6)

6.소금 좀 건네주시겠어요?
  Sogeum jom geonnejusigesseoyo?
  塩をちょっと取っていただけますか?

2024年10月20日日曜日

(秋休み 5)

5.저는 보통 아침 7시에 일어납니다.
  Jeoneun botong achim ilgopsie il-eonamnida.
  私は普通、朝7時に起きます。

2024年10月19日土曜日

(秋休み 4)

4.직업이 무엇이세요?
  Jigeobi mueos iseyo?
  お仕事は何ですか?

2024年10月18日金曜日

(秋休み 3)

3.저는 [국가/도시] 출신입니다. 당신은 어디 출신이세요?
  Jeoneun [gukga/dosi] chulsinimnida. Dangshineun eodi chulsiniseyo?
  私は[国/都市]出身です。あなたはどこの出身ですか?

2024年10月17日木曜日

(秋休み 2)

2.오늘 기분이 어떠세요?
  Oneul gibuni eotteoseyo?
  今日の気分はどうですか?

2024年10月16日水曜日

(秋休み 1)

1.안녕하세요, 제 이름은 [이름]입니다. 만나서 반갑습니다.
  Annyeonghaseyo, je ireumeun [ireum] imnida. Mannaseo bangapseumnida.
  こんにちは、私の名前は[名前]です。お会いできてうれしいです。

2024年10月15日火曜日

へび(2)

へび(1)からの続き 〈AI Chatbot free〉

朝一番にマンションの管理人さんのところに。ヘビ対応の経緯をA4にまとめたもの見せて説明する。9:30にオープンする本部に電話して確認してみますとのこと。なんだか腰が重そうな感じである。

その後管理人さんから,電話。
(1) 本部の担当者が午前中健康診断なので,午後にもう一度電話してお返事します。
(2) 市役所に電話しましたが対応だめと,例の2軒の業者を紹介されただけでした。
(3) 郵便受内部は専有部分になるので,住人の個別負担になる可能性が高いですぅ。
とのこと。むむむ。
そして,午後の電話。
(4) ここは植栽が多いので除草消毒すると潜んでいたヘビが出ることがありますね。
(5) レアケースだが今後のこともありますから取りあえず理事会に報告してみます。
(6) 自分で駆除業者対応された場合の領収書は,念のために保存しておいて下さい。

ということで,さっそく業者に連絡する。
業者:まだいますか。
私:はい,います。郵便屋さんが咬まれると困るので,ポストの入口目張りしました。
業者:それでは14:40-15:00 頃うかがいます。少し遅れるかもです。
私:よろしくお願いします。

14:30に駆除業者さん到着
15分ほど格闘してどうにか捕獲できた。
鳩駆除がメインでヘビはあまり経験がなかったのかもしれない。
プロならヘビ捕獲棒を持ってきてほしかったところだが,普通のゴミ拾いトングだった。

行きがかり上,郵便受コーナーの奥の袋小路で観察していたが,ヘビが何度も向かってくるのでたいへんだった。加賀藩の蛇責め前田利常とか加賀騒動とか)の祟りかもしれない。


写真:10分格闘の後,この後さらに5分続くのだった(撮影:2024.10.15)


2024年10月14日月曜日

へび(1)

来年は巳年だ。72歳の年男にあたる。先日,南都銀行から巳年蛇図記念コインの案内が送られてきた。ご丁寧にその後,勧誘電話までかかってくる始末だ。もっとまともな商売をしたほうがよいのではないでしょうか。

巳年コインを断った祟(たたり)なのか,二回り違いで同じ巳年の亡母が様子を見に来たのか,マンションの1Fにある集合郵便受けを開けると中に体長80-90cmほどの蛇(シマヘビヤマカガシかアオダイショウか)がいた。昔,川上弘美蛇を踏むも読んだような気がしたけれど,本棚にはセンセイの鞄真鶴しかない。記憶はどんどん千切れて飛んでいく。


ヘビの対処法をあれこれ考えたけれどなかなか名案が出てこない。近所の農家の人なら手慣れた簡単な話かもしれないけれど,素人がむやみに手を出すなということなので自重する。

(1) マンションの管理会社:自動応答で肝腎の目的先にたどりつくのが面倒なシステムだ。漸く繋がって状況を説明すると,半笑いながらしばらく待たされたが,予想通りで,こちらでは対応できないので警察とかに相談してくださいとのこと。

(2) 消防(119番):いきなり警察でパトカーがこられても困るし,消防の方が装備がありそうなので119番してみた。説明したところ,それは消防の守備範囲ではないので,今日は休日でやってないと思う市役所か警察に相談してみてはとたらい回しされた。

(3) 市役所:もちろん,環境政策課の休日緊急電話受付があるはずもなく,ホームページを調べてみた。AI チャットボットはまったく使いものにならなかった(ChatGPT-4oに演じさせた仮想天理市チャットボットの答えの方が100倍優秀だった)。市役所ホームページのQ&Aにある蜂の巣とセアカゴケグモの事例でも,自分でなんとかせよという感じだった。

(4) 警察署(110番ではない):電話で丁寧に対応してもらったけれど,どうもたよりにならない。ちょっと無理そうな様子で,業者に相談してくださいとなった。

(5) 駆除業者:天理市の2軒の業者に電話した。1軒目は休日対応なしで,費用が2.5万円から5万円ほどといわれた。それってボッタクリ価格ではないのか。2軒目は実働スタッフにつないでくれて,いますぐにでもいけると。費用は1.2万円-1.5万円ほど。

マンションの管理組合を通す必要があるので,明日,管理人さんにお願いしてみよう。毒蛇で非常に危険ですが・・・というと,警察とか消防でもなんとかなったのかもしれない(ChatGPT談),しらんけど。



写真:集合郵便受の中の蛇(撮影:2024.10.13)

2024年10月13日日曜日

ピュア:小野美由紀

小野美由紀(1985-)のピュア。SFマガジン掲載時にnoteで公開され歴代一位20万PVをゲットした。という評判だったので早速トライして見た。ピュア,バースデー,To The Moon,幻胎,エイジ,身体を売ることの性科学SF 6編からなる短編集だ。

表題作のピュアは,恐竜のような身体を獲得して軌道上に生活するメスの人間が,蟷螂のように性交後のオスを食べてしまい,そのことによってのみ受胎が可能になった未来を描いている。オスは汚染された地球上で細々と生活している。捕食される側からみた物語がエイジであり,これらが対になっている。

どの作品も,ある種のディスとピアを表現しているのだけれど,そのディスとピアというのはいまだに夫婦別姓制度や同性婚制度に踏み切れない日本そのものに重なる。

巻末の水上文の解説から引用すると,その背景にあるのはこんなものである。
たとえば政治的意思決定の場,社会的に地位の高い職業の多くを占めるのは男性である。性暴力の被害者の大多数を占めるのは女性である。直接的な暴力がなくとも,社会に蔓延る性的対象化はその中で育つ人々の安全を損ない,尊厳を損ない,人生を狭め,また加害を正当化する。賃金格差と貧困,もちろん生殖を巡る問題もある。生殖は国家による管理の対象であり,2023年現在の日本では,明治時代につくられた刑法堕胎罪がいまだに存在し,人工中絶の配偶者同意要件は今も撤廃されないままである。



図:小野美由紀ピュアの書影(早川書房から引用)


2024年10月12日土曜日

解散詔書

10月9日の午後に衆議院が解散した。中継をみていたけど,なんだかグダグダしていた。

衆議院解散によって,その時点で直ちに衆議院議員は議員としての地位を失う。再び新たに選出された衆議院議員が地位を得るのは,衆議院議員選挙の投票が確定した時点らしい。たぶん。衆議院議員としての地位がなくなっても,現在の内閣はそのまま存在していて職を継続している。石破総理大臣も林官房長官も活動しているのがテレビや新聞の報道でわかる。

今回の衆議院解散がグダグダだったのは,額賀議長が詔書の朗読途中で少し言いよどんで間ができてしまい,万歳のタイミングもずれてしまって(理由はそれだけではないだろうが)閑散としたものだったからだ。

衆議院解散が可能であるのは,憲法第69条「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」により内閣不信任案に連動するものと,今回のようにそれ以外で総理大臣が解散権を行使する場合になる。後者をいわゆる第7条解散とよんでいる。

ただし,憲法第7条は,天皇の国事行為を定めたものである。その中に「三,衆議院を解散すること」とあるのが根拠とされるとよくいわれるが,学説はもう少し複雑な論理構成でこれを正当化している。いずれの場合も手続き的には憲法7条の国事行為の形式に則るため,天皇の御名御璽のある解散詔書には,いずれの場合にしても「日本国憲法憲法七条により,衆議院を解散する」となっている。これを理解していない国会議員が多いので,えーっということになって,議長が困ったりするわけだ。

解散詔書朗読時の具体的な手順や表現などについては,資料[1]が詳しい。


写真:1983年の衆議院解散詔書の例(Colorless Green Historiesから引用)

[1]衆議院解散時の詔書朗読と万歳のタイミング(Colorless Green Histories)

2024年10月11日金曜日

ザップ・エナジー

核融合スタートアップからの続き

10月7日の日経朝刊1面の片隅に「みずほFGが核融合発電米新興に出資」というタイトルの記事があった。2017年にシアトルで創業したザップ・エナジーという会社だ。ワシントン大学とローレンス・リバモア研究所からのスピンアウトであり,マイクロソフトなど合計62億ドルを集めているので,資金調達額では世界トップ10に入る(みずほは数億円程度か)。

核融合スタートアップでトカマクやレーザー以外だと,FRC(Field Reversed Configuration)が目についていたけれども,ザップ・エナジーは,Sheared Flow Stabilized Z-Pinch を用いるものだ。Zピンチは,「プラズマを流れる電流が周囲に磁場を形成して自己収縮して自発的に高温高密度状態を作り出す物理現象だ(Wikipediaから引用)。」サンディア国立研究所のZマシンはこの原理を使っているけれど,ザップ・エナジーのマシンコンセプトはより簡素だ。聞いたことがなかったのでPerplexityに尋ねてみた。
Q(koshix):
ZAP Energy が実現を目指している核融合システムの原理とその特徴や他の方式との違いなどを技術的な詳細に渡って日本語で解説してください。

A(Perplexity Pro):
ZAP Energyが開発している核融合システムは、「せん断流安定化(SFS)Zピンチ」と呼ばれる独自の方式を採用しており、以下のような特徴と技術的詳細を持っています。

基本原理
ZAP Energyのシステムは「Zピンチ」と呼ばれる方式を基礎としています。この方法では、プラズマに大電流を流すことで自己生成される磁場を利用してプラズマを圧縮し、核融合反応に必要な高温高密度状態を作り出します。

主な特徴
1.コンパクト設計
ZAP Energyの核融合炉は非常にコンパクトで、「ガレージに置ける」ほどの小ささを実現しています。商用規模の反応炉と溶融金属ジャケットの直径はわずか10フィートほどです。
2.シンプルな構造
超伝導磁石や高出力レーザーを必要としないため、他の核融合方式と比べて構造がシンプルです。
3.低コスト
構造のシンプル化により、開発・運用コストの低減が期待されています。
4.スケーラビリティ
小型でモジュラーな設計により、需要に応じて複数の反応炉を配置することが可能です。

技術的詳細
1.せん断流安定化(SFS)
従来のZピンチ方式では、プラズマの不安定性が大きな課題でした。ZAP Energyは「せん断流安定化」という技術を用いてこの問題を解決しています。
2.電流とプラズマの関係
Zピンチに使用される電流が大きいほど、プラズマはより高温高密度になります。ZAP Energyは、より大電流に到達することを目指しています。
3.FuZE-Q実験装置
現在、ZAP Energyは「FuZE-Q」と呼ばれる次世代プラットフォームを運用しています。この装置は約650kAで臨界条件(Q=1)に達する見込みです。
4.反応プロセス
プラズマ内の重水素と三重水素同位体が融合すると、中性子と熱が放出されます。このエネルギーは反応室を囲む溶融金属に吸収され、その後電力生成に利用されます。
5.パルス運転
ZAP Energyのシステムは、内燃機関のシリンダーのように繰り返し発火する方式を採用しています。

他の方式との違い
1.磁場閉じ込め方式との違い
トカマクなどの磁場閉じ込め方式が大型の超伝導磁石を必要とするのに対し、ZAP Energyのシステムはプラズマ自体が生成する磁場を利用します。
2.慣性閉じ込め方式との違い
レーザー核融合などの慣性閉じ込め方式が高出力レーザーを必要とするのに対し、ZAP Energyのシステムはそれらを必要としません。
3.サイズと複雑さ
他の方式が大規模で複雑な装置を必要とするのに対し、ZAP Energyのシステムは比較的小型でシンプルです。

ZAP Energyの核融合システムは、その独自の技術によってコンパクトで低コストな核融合炉の実現を目指しており、将来的には持続可能なエネルギー源として期待されています。



図:ザップ・エナジーの核融合炉のイメージ(日本経済新聞社から引用)

2024年10月10日木曜日

タンパク質設計・構造予測


かれこれ4年前にGoogleの英国子会社 DeepMindAlphaFold2が話題になっていた。そのテーマで今年のノーベル化学賞を受賞者が決まった。深層学習(AI)を用いたタンパク質設計や構造予測である。昨日のノーベル物理学賞(人工ニューラルネットワークの基礎理論)といい,なにやら景色ががらっと変わってみえた。物理学者や化学者が受賞しないのだから。今年だけかもしれないけれど。そのうち意識を持ったAGIASIがノーベル賞の受賞者になるのか。あるいは,将棋のようにAGIやASIにはかなわない人間だけの競技になってしまうのか。

Q(koshix):
2024年のノーベル化学賞を受賞した,David Bakerと,{Demis Hassabis,John M. Jumper}の2組3名の業績とその受賞理由について,周辺知識や2組の関係性も含めて,できるだけ分かりやすく解説してください。
 なお,付録として,2024年のノーベル物理学賞とノーベル化学賞の両方のテーマに共通する意義を議論してください。

A(Perplexity Pro):

2024年のノーベル化学賞は、タンパク質科学の革新的な進歩に貢献した3名の研究者に授与されました。

David Baker の業績
David Baker(ワシントン大学シアトル校教授)は、計算機によるタンパク質設計の先駆的研究で賞の半分を受賞しました。
・2003年に新しいタンパク質の設計に成功
・その後、様々な革新的なタンパク質を創造
・応用分野:医薬品、ワクチン、ナノ材料、微小センサーなど
Baker の業績は、特定の機能を持つ全く新しいタンパク質を設計・構築する能力を科学者に与えました3。これは、薬剤開発、ワクチン設計、合成生物学などの分野に大きな影響を与える可能性があります。

Demis Hassabis と John M. Jumper の業績
Demis Hassabis と John M. Jumper(共にGoogle DeepMind所属)は、タンパク質構造予測の革新的な進歩により、賞の残り半分を共同受賞しました12。
・AlphaFold2という人工知能モデルを開発
・アミノ酸配列からタンパク質構造を高精度に予測可能
・既知の約2億種類のタンパク質構造をほぼ全て予測
彼らの開発したAIモデルは、50年来の科学的課題を解決し、190カ国以上の200万人以上の研究者に利用されています34。これにより、タンパク質の生物学的役割や応用可能性の理解が大きく進展しました。

両者の関係性と意義
Baker のタンパク質設計技術と、Hassabis・Jumper のタンパク質構造予測技術は、相補的な関係にあります。前者は新しいタンパク質を創造し、後者はその構造を予測することで、タンパク質科学の可能性を大きく広げました1。
これらの発見は、理論科学を超えて、がんや遺伝性疾患を含む様々な病気の新しい治療法の開発につながる可能性があります1。

付録:2024年のノーベル物理学賞と化学賞の共通点
2024年のノーベル物理学賞は機械学習と人工ニューラルネットワークの基礎的発見に対して授与されました6。化学賞と物理学賞には、人工知能(AI)技術の科学研究への応用という共通点があります。

1.AIの科学への応用:物理学賞はAIの基礎技術に関するものですが、化学賞ではその応用例(タンパク質構造予測)が評価されています。
2.複雑な問題の解決:両分野とも、従来の方法では解決が困難だった複雑な問題にAIを活用しています。
3.学際的アプローチ:物理学、化学、情報科学の境界を越えた研究が評価されており、科学の学際的な発展を示しています。
4.実用的な影響:両分野の研究は、理論的な価値だけでなく、実際の応用(新薬開発、材料科学など)に大きな影響を与える可能性があります。

これらの共通点は、AIが現代科学の様々な分野で重要な役割を果たしていることを示しており、今後の科学研究の方向性を示唆しています。



図:ノーベル化学賞2024の解説から生成した絵画風イメージ(DALL-E3による)

2024年10月9日水曜日

ニューラルネットワーク

今年のノーベル物理学賞は,今日のAIブームの基盤となる人工ニューラルネットワークの基礎理論に与えられた。中継を見ていると,最初に委員長からスウェーデン語と英語の両方で発表があって,簡単な業績紹介。その後,ヒントン(バックプロパゲーション!)とのライブでのやりとりや質疑応答などがあった。

ホップフィールドは物理学者だし,ホップフィールドネットワークはイジングモデルとも関係づけられているので,物理らしい。一方,ヒントンは心理学者として出発したコンピュータ科学者なので,これは物理か?というところだ。今のところ物理屋さんたちもほとんど両手で賛成しているようだ。情報が宇宙や物性や素粒子と並ぶ物理学の一分野であるという共通認識が確立する第一歩ということか。

Q(koshix):
ホップフィールドネットワークとボルツマンマシンについて,ニューラルネットワーク全体の中でそれぞれがどのように位置づけられて,その後の発展にどういう影響を与えたかを,なるべく分かりやすく具体的に説明してください

A(Perplexity Pro):
ホップフィールドネットワークとボルツマンマシンは、ニューラルネットワークの発展において重要な役割を果たした2つのモデルです。それぞれの位置づけと影響について説明します。

ホップフィールドネットワーク
ホップフィールドネットワークは、1982年にジョン・ホップフィールド(1933-)によって提案された再帰型ニューラルネットワークの一種です。
特徴と位置づけ
・単一層のニューロンで構成され、各ニューロンが他のすべてのニューロンと双方向に結合しています。
・連想記憶として機能し、不完全または雑音のある入力からパターンを復元できます。
・エネルギー関数の最小化によってパターンを想起します。

影響と発展
1.記憶容量の向上:研究者たちは、ホップフィールドネットワークの記憶容量を向上させる方法を探求しました。例えば、ニューロン間の複雑な接続を導入することで、従来のモデルの2倍以上の記憶容量を実現しました。
2.最適化問題への応用:ホップフィールドネットワークは、組み合わせ最適化問題の解決にも応用されました。
3.深層学習への影響:現代の言語モデル(ChatGPTなど)の基盤となるTransformerネットワークは、ホップフィールドネットワークと類似した構造を持っています。
4.脳機能のモデル化:記憶や認知プロセスの研究に応用され、神経科学の発展に寄与しました。

ボルツマンマシン
ボルツマンマシンは、1985年にジェフリー・ヒントン(1947-)らによって提案された確率的ニューラルネットワークモデルです。

特徴と位置づけ
・対称的に結合されたニューロン様ユニットで構成され、確率的に on/off を決定します。
・二値データセットから興味深い特徴を発見する能力を持ちます。
・学習アルゴリズムは単純ですが、多層構造では非常に遅くなる傾向があります。

影響と発展
1.制限ボルツマンマシン (RBM):ボルツマンマシンを簡略化した RBM は、深層信念ネットワーク (DBN) の基本構成要素となりました。
2.深層学習の前駆:RBM は、深層ニューラルネットワークの事前学習に使用され、深層学習ブームの先駆けとなりました。
3.生成モデルへの貢献:ボルツマンマシンの考え方は、変分オートエンコーダ (VAE) や生成敵対的ネットワーク (GAN) などの現代の生成モデルの発展に影響を与えました。
4.確率的モデリング:機械学習における確率的アプローチの重要性を示し、後の研究に影響を与えました。
5.教師あり学習への応用:教師あり RBM は、分類タスクのための興味深い分布設定を提供しました。

これらのモデルは、ニューラルネットワークの理論的基礎を築き、現代の深層学習技術の発展に大きく貢献しました。ホップフィールドネットワークは主に連想記憶と最適化問題に、ボルツマンマシンは特徴学習と生成モデリングに影響を与え、両者ともに現代のAI技術の礎となっています。



図:これがAIの持つニューラルネットのイメージなのか(DALL-E3より)

[1]Hopfield Network(Scholarpedia)
[2]Boltzmann Machine (Scholarpedia)

2024年10月8日火曜日

AIとSF(2)


AIとSF(1)からの続き

1年4ヶ月ほどかかって,ようやくハヤカワ文庫JA 1551の「AIとSF」を読了した。頭も眼も霞む中,トリッキーなストーリのSF短編を読解するのは,なかなかに骨の折れる技である。この間,生成AIもかなり進歩しているが,この本の内容が時代遅れになっているほどではない。

最近は,テレビドラマをみても短編小説をよんでも,片っ端から記憶領域の外側に溢れ出てしまうので,印象に残ることが無くて困る。いや,困らないかもしれない。何度でも読み返せるのだから。前回の感想は,一編目の大阪・関西万博を扱った「準備がいつまで経っても終らない件」を読んだところまでだった。万博の方はそれらしく形が整ってきたので,始まってしまえば,マスコミの格好のオモチャになるだろう。行かないけど。

目次を見直しても,何が書いてあったかはあまりはっきりしない。津久井五月のナノマシンが東京の一部を汚染する様子とか,野崎まどの智慧錬糸がAI画像つきで笑えたとか,野尻抱介のサイドストーリーの核融合実現のインパクトは納得できるとか,麦原遼の感情を認識するAIの描写がよさげだとか,面白かった部分も。

それにしても,AIが自律的にネットワークにアクセスしてSNSに投稿するようになると,大変ややこしいことが起きるのは間違いない。ただでさえフェイクニュースが蔓延して困っている。そこに持ってきて,フェイクか否か,人間か否か,様々な意図に操られているか否か,がはっきり区別できない大量のテキストとイメージが満ちている情報空間というのはいったい・・・。

P. S. やっぱり円城塔は何度読んでもよくわからない。自分の読解力不足かなぁ。でもブッダ・コード 機械仏教史縁起 はちょっとトライして見たい。



図:AIとSF(ハヤカワ文庫JAから引用)

2024年10月7日月曜日

今昔マップ

尾久土正巳さんが,今昔マップに大仏鉄道が載っているとフェイスブックに。早速試してみると,大仏鉄道天理軽便鉄道もすぐに見つかった。金沢市の古い地図(1909-1910)には金沢市立工業がまだないころその先に金沢牛乳會社というのがあった。



図1:今昔マップon the web (谷謙二さんから引用)


今昔マップon the web というのは,埼玉大学教育学部の谷謙二さん(2000-2022)が開発したもので,過去の地図と現在の地図を並べて表示しながら,移動拡大などができる優れものだ。収録されている旧い地図には地域によって様々な年代のものがあり,全部で4847枚になる。

残念ながら,谷さんは若くして白血病で逝去されてしまったが,今昔マップは現在も使えている。2013年の9月15日に公開が開始され,頻繁にメンテナンスや改訂がされていたが,2022年4月21日の更新が最後になってしまった。奈良県は京阪神圏の中に含まれている。


図2:天理軽便鉄道と大仏鉄道(今昔マップから引用)

2024年10月6日日曜日

生成AIの未来

ChatGPT-with canvas という機能が発表され,Plusユーザにも開放されている。生成する文書あるいはプログラムをそのまま編集してさらに加工することができるモードである。例えば,Add emojis,Add final polish,Reading level,Adjust the length,Suggest edit などが使える。以下は,「Q(koshix):2030年までに,生成AIがどのように進化するかを 現時点での技術的な到達点や今後の進展の可能性を 分析検討した結果をもとに,年代記の形式で予測した 結果をブログの形でまとめてください。」という問いへの回答を,いくつかの機能により加工したものである。

 

生成AIの未来(2024-2030)

生成AIはここ数年で急速に進化を遂げており、今後も技術的進展によって人間社会に大きな影響を与えると予見される。本稿では、2024年から2030年までの生成AIの進化を年代記形式で分析し、その技術的可能性と社会的影響を検討する。

1.2024年:多機能化とユーザーインターフェースの進化

2024年において、生成AIは既に高度な対話能力を有し、多様な用途に適応可能なレベルに到達している。この年には、生成AIが音声認識およびコンピュータビジョンの分野でさらに精度を向上させ、AppleやGoogleなどの主要テクノロジー企業が新たなAIインターフェースを発表した。これにより、生成AIがスマートフォンやスマートデバイスとシームレスに連携し、ユーザーの指示に応じて高度なタスクを実行できるようになっている。

生成AIの多機能化も進み、コンテンツ生成にとどまらず、ビジネス文書の自動作成やマーケティング資料、クリエイティブコンテンツの生成まで対応している。自然言語によるインターフェースでAIを利用することが容易になり、一般家庭から企業まで広く利用されている。さらに、生成AIの活用が広がることでユーザーエクスペリエンスの質が向上し、複雑なタスクの効率的な自動化が実現し、ビジネスの成長と効率化にも寄与している。

2.2025年:パーソナライゼーションの深化

2025年には、生成AIのパーソナライゼーション技術が大幅に向上し、ユーザーの好みやニーズに応じた応答の精度が飛躍的に向上する。AIは利用履歴や個人の嗜好を解析し、個別化された情報提供を実現している。特に教育やエンターテインメント分野で重要な役割を果たし、教育分野では個々の学習者に最適化された教材を提供し、学習体験を充実させている

また、AIモデルの軽量化が進み、エッジデバイス上で動作可能になったため、プライバシー保護とパフォーマンス効率の両立が実現している。これにより、個人データをデバイス内で処理しながら、精度の高い応答が可能となっている。エンターテインメント分野でも、ユーザーの好みに基づいたコンテンツ提案やリアルタイムのインタラクティブ体験が強化され、個別化されたエンターテインメントが普及している。

3.2026年:コラボレーションAIの登場

2026年には、人間とAIが協働して創造的な作業を行う「コラボレーションAI」の概念が広く普及する。AIはユーザーのアイデアを補完し、プロジェクトや作品の創造プロセスで重要な役割を果たす存在となっている。例えば、音楽制作や映画脚本の作成において、AIが人間のアイデアを拡張し、新たな作品を共に生み出している。

さらに、自然言語処理技術の進化により、AIは人間の意図をより深く理解し、複雑なタスクの遂行を効果的に支援するようになっている。これにより、人間とAIの関係はより緊密になり、創造のパートナーとしてのAIの位置づけが強化されている。ビジネスでもAIとの協働が進み、プロジェクト管理や意思決定の迅速化が実現している。AIが提供するデータ分析と人間の直感的判断の組み合わせにより、より高精度な結果を生み出している。

4.2027年:多言語モデルと文化の橋渡し

2027年には、生成AIの多言語対応能力がさらに強化され、言語の壁を越えたコミュニケーションが容易になる。特に少数言語のサポートが進み、文化や歴史に基づく適切な翻訳や対話が可能となり、世界中の人々が文化を超えてつながる手段として生成AIが活用されるようになる。また、AIは言語間のニュアンスや文化的コンテキストを理解し、正確で共感的なコミュニケーションを実現し、国際ビジネスや外交の分野でも重要な役割を果たしている。

さらに、生成AIは文学、歴史、哲学などの領域における深い知識を持ち、ユーザーが特定の文化や時代について学ぶ際の指導役を果たす。多言語モデルの進化により、異文化間の相互理解が促進され、新たな国際交流の基盤としてのAIの役割が強調される。異文化交流イベントでも、AIがリアルタイムで翻訳や文化の解説を行い、人々が深く相互理解を深める手助けをしている。

5.2028年:感情認識と共感的AI

2028年には、AIが人間の感情を正確に認識し、それに応じて共感的な応答を行う能力が大幅に向上する。感情認識技術の進化により、AIはユーザーの心理状態を解析し、それに基づいた適切なサポートを提供することで、メンタルヘルスやカウンセリングの分野で広く活用されている。感情認識AIは、ユーザーが困難な状況に直面した際に適切なアドバイスや支援を提供し、個別対応の質を向上させている。

特に、孤独を感じる高齢者や精神的支援が必要な人々に対して、AIが寄り添う存在として機能し、ユーザーの生活に深く関わるパートナーとしての役割を果たしている。さらに、感情に基づく応答が可能になることで、教育や職場でもより人間らしい関係を築く手助けをしている。教師や管理者がAIのサポートを通じて学生や従業員の心理状態を把握し、適切な対応を取ることで、全体的な学習環境や職場環境の改善が期待される。

6.2029年:創造性のさらなる解放

2029年には、生成AIが人間の創造性をさらに引き出す高度なツールとして進化する。AIは単なるコンテンツ生成者にとどまらず、人間が想像し得ない新たなアイデアを提案する「インスピレーションの源」として機能する。AIは様々なデータソースからインスピレーションを抽出し、アートや音楽、建築などの分野で斬新なコンセプトやスタイルを提供する能力を持つ。

例えば、アート、デザイン、建築の分野でAIが新しいスタイルやコンセプトを提案し、それを人間が取り入れることで新たな創造が可能になる。この年には、生成AIを用いた協働が一般化し、人間の創造力がAIとの相互作用により飛躍的に高まっている。さらに、生成AIは異なる分野の知識を融合させることで、既存の枠を超えた創造的発展を促進する。例えば、建築デザインにおいてAIが生物学や物理学の知見を取り入れることで、自然と調和し、機能的で持続可能な建築物の設計が可能になるなど、創造の幅が広がっている。

7.2030年:全方位的な社会統合

2030年には、生成AIは社会のあらゆる側面に統合され、日常生活において当たり前の存在となる。教育、医療、ビジネス、エンターテインメントなど多様な分野で、AIが不可欠な存在として人間の生活の質を向上させるために活用されている。教育では、AIが個別学習プランを提供し、学習者一人ひとりに最適な指導が可能となり、医療分野では、診断支援や患者のケアにおいて重要な役割を果たしている。

この年にはAI倫理に関する議論も深化し、社会全体でAIとの共存に向けたガイドラインとルールの策定が進んでいる。AIは単なる便利なツールではなく、人間社会の一員として責任を持ち、倫理的に正しい判断を支援する存在として受け入れられている。また、AIが社会に統合される中で、デジタルデバイドの問題やAIの利用における公平性と透明性の確保が重要視され、これに対する政策や技術的対応が進められている。さらに、AIは災害時の支援や環境保護活動にも応用され、社会全体の持続可能性を高めるための不可欠な要素として機能している。

おわりに

2030年までの生成AIの進化は、人間社会に大きな影響を与え、私たちの可能性を広げるものである。この技術は単にタスクを自動化するだけでなく、私たちの創造性を引き出し、社会をより良い方向に導く力を持っている。未来において、生成AIと人間がどのように共存し、共に成長していくか、その可能性は無限であり、技術と社会が一体となって築かれる新たな地平が広がっている。そして、このプロセスを通じて、人類はAIと共に未知の挑戦に立ち向かい、新たな可能性を追求するだろう。社会の課題に対してもAIは不可欠なパートナーとして機能し、持続可能で包括的な成長を実現するためにその力を発揮することが期待される。


図:生成AIの未来(DALL-E3による上記テキストのイメージ)

2024年10月5日土曜日

デジタルとかDXとか

10月4日14:00 から始まった首相所信表明演説のNHK中継でも,石破さんはあたりまえのように「デジタル」という言葉を単独で,情報通信技術の社会的な応用の文脈で使っていた。

高等学校の「情報」の教科書を初めて作成したころは,「デジタル」ではなくて,違和感がありつつもJISに準拠して「ディジタル」とすることになっていたのだけれど,今はどうなのだろう。

平成10年(1998),平成20年(2008)の高等学校学習指導要領「情報」には,ディジタルが使われていたが,平成29年(2017)の指導要領には,そもそもその言葉が存在しない。しかしながら,これに対応する高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説情報編では,デジタルが9箇所登場していた。JISのほうは変わっていないと思うぞ。

生成AI各氏になぜ,ITからディジタルに変わったのかをきいてみた。それらしい説明はあったけれども,いまいち適確なものではなかった。Google Trandで調べてみると,日本ではデジタルとインターネットがほぼ相関しているが,最近は微増程度で,AIのような増加傾向にはない。米国では,computer と internet がほぼ相関していて,digital はこれらよりマイナーだ。ここでもAIは最近顕著に立ち上がっている。


たぶん,ヒントになるのは,総務省の令和3年版情報通信白書の序章(我が国におけるデジタル化の歩み)だ。2000年のIT基本戦略からはじまり,e-Japan戦略,e-Japan基本計画,e-Japan戦略Ⅱ(2003)と続いた。ここでもIT利活用という言葉が使われている。そこからさらに,IT新改革戦略,IT政策ロードマップと続く。官僚は微妙に看板を書き換えることが自分たちの業績に繋がる仕事だと本気で思っているようだ。まあそんなものだ。

こうして,2009年のリーマンショックの頃に策定されたのが,i-Japan 戦略2015であり,ここで,大々的にデジタルの言葉が踊ることになる。デジタル新時代に向けた新たな戦略 ~三か年緊急プラン~ であり,~国民主役の「デジタル安心・活力社会」の実現を目指して~ というわけだ。

2016年に,官民データ活用推進基本法が制定され,2017年の世界最先端 IT 国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画では,データ利活用社会という言葉により「データ」が全面に出て,「デジタル」が一度ひっこめられる。これはこれでなかなか実質をともなった話ではあった。しかし,再びただちに,デジタル・ガバメント推進方針やデジタル・ガバメント実行計画と改名されていく。

そして,世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画からデジタル庁へと繋がっていく。国がデジタルというキーワードで旗を振るので,産業界も学界もマスコミすべて右へ倣えでないとお金が回らないわけだ。いつの間にか,すべての看板はちょっと気持ちの悪いDXに付け替えられてしまったのであった。あほらし。


P. S. 2004年に,デジタル・トランスフォーメーションという言葉を発案したのは,スウェーデンのウメオ大学にいた,エリック・ストルターマンだ。2022年により詳細な再定義をしたようだ。

[1]デジタルとディジタル(Umegaki Masahiro)


2024年10月4日金曜日

健康余命

平均寿命というのは0歳における平均余命であり,例えば70歳における平均余命に70を足せば,その時点での平均寿命より長くなる。日本人男性71歳の場合は,71+平均余命15年で,平均86歳くらいで死にそうだ(現在の男性の平均寿命は81歳)。まあ,平均をいくら議論しても余り意味はないのだけれど。

同じように,健康寿命(日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間)についても,健康余命というのを考えることができるはずだ。検索してみると,ニッセイ基礎研究所が2019年のデータを元にとりまとめていた。

これによれば,日本人男性71歳の場合は,71+健康余命10年で,平均81歳程度まで健康ということになる。その場合不健康期間は5年間というわけだ。そうなればまだよいが,世の中そんなに甘くはないと思われる。なお,日本人女性67歳の場合は,平均余命が23年(90歳),健康余命が15年(82歳),不健康期間が8年間だ。なお,現在の男性の平均寿命は86歳。

さらに考えると,医療技術の発展で身体は大丈夫だけれど,認知症になってしまうケースも増えてくるかもしれない。その場合,精神寿命や精神余命の概念が必要になってくるかもしれない。まあ,認知症で自律した生活ができなければ,上の健康寿命の方に包括されてしまうのかもしれない。

そういえば,大石君が,去年の同窓会で幸福寿命という話をしていたような気もするけど,あれはどんな定義だったのだろうか。