自民党総裁選に,日本会議グループの圧倒的支持のもと,安倍のエイリアスとして出馬した極右新自由主義の高市早苗が,香ばしいトンデモ発言を繰り返している。
曰く,「電磁波で敵基地を無力化」「情報通信省とサイバーセキュリティ庁」「小型核融合炉の開発」なわけだ。
電磁波でというのは,高高度での核爆発による電磁パルス攻撃のことかと思ったけれど,通常爆弾によるEMP弾というのもあるらしい。いずれにせよ,北朝鮮のミサイル阻止には使えない。
核融合炉といえば,国際熱核融合実験炉(ITER)のトカマクとか国立点火施設(NIF)や阪大レーザー科学研究所のレーザー核融合などの大規模施設のビッグサイエンスしか念頭になかったので,なにゆうとんねん状態だったが,とりあえず調べてみると,ないことはなかった。
浜松ホトニクスやトヨタがかんでいる光産業創成大学院大学による,爆縮高速点火による小型レーザー核融合実験炉計画のCANDYだ。YouTubeに研究紹介はあるものの,関連する研究論文がほんの少ししかみあたらないので,どこまで進んでいるのかよくわからない。
阪大のレーザー科学研究所の前身のレーザー核融合研究センターを1976年に作ったのは山中千代衛先生だ。激光12号が建設された1980年代初頭は,飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。吹田キャンパスに行くたびにセンターの建物の偉容に圧倒された。
山中先生が退官され,平成の時代にはいると,スーパーコンピューターも大型計算機センターや核物理研究センターのものと統合され,看板も無難なものに掛け替えられてしまったのだった。
[1]FUSION DEVICE INFORMTION SYSTEM (IAEA)
[2]小型モジュール式原子炉はたいていが悪策だ(自然エネルギー財団)