2021年9月10日金曜日

ホサナ:町田康

2017年に出版され,2020年に講談社文庫として発刊された町田康の「ホサナ」 を読了した。

解説まで含めて文庫で922pというかなりの大部。最初は「スピンク日記(2011)」などのエッセイに登場する犬の話かと思って油断して読んでいたら,突如,光の柱が現れて主要人物が死んでしまった。なんだこれは。

もちろん,これまでに読んだ「パンク侍,切られて候(2004)」,「告白(2005)」,「宿屋めぐり(2008)」でもかなりぶっとんだ状況は出現するのだけれど。ホサナを読むのは苦にはならなかったが,小説の完成度としてはイマイチだったかもしれない。

そういう意味では,最初からSFとして読めればよかったのだけれど,残念ながらそういう建て付けにはなっていない。たぶん,楳図かずおの「漂流教室」や「14歳」のレベルには到達できていない。比較の対象が間違っているのかもしれないけれど。

次は,「ギケイキ2」を読むのが楽しみだ。

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