ChatGPTのインパクトを一番切実に受け止めているのが,大学の英語教育のコミュニティだ。各大学から出ている生成AI使用ガイドラインだが,これを3月の段階で日本で最初に発出したのが東京外国語大学でありその内容も秀逸だった。
山中さんは,2022年度秋学期から立命館大学の必修英語科目に翻訳ツール(みらい翻訳)を導入し試験運用を始めている。さらに,授業におけるChatGPTの活用もニュースに取り上げられ,英語教育とAIに関してはトップランナーである。
さてその論文だが,17ページあったので要約をGPT-4 & プラグインにお願いした。ChatWithPDF はファイル読み込みに失敗し,AskYourPDFもLinkReaderも,どうもイマイチの結果しか出してこない。最近,GPT-4の調子はよくないのかもしれない。
しかたがないので,自分で読んでまとめる必要がある。これがまた面倒で仕方がない。AIによってすごい勢いで人間(自分)の退化が促されていることを実感する。これが人類に対するAIの脅威の最大のものだ。そもそも老人の読む力が筋力に比例して落ちているのだった。
○本論文は,大学教育の未来の一つの極としての「英語教育解体論」を語る。
○大学設置基準の大綱化で科目設定が各大学の判断に任されているにも関わらず全ての大学では,「外国語科目」として「英語」が必修化されている。
○AIにより,音声認識や自動翻訳の技術,AIによる4技能の活用が十分実用的になり,(1) 英語教員が不要,(2) 英語教育が不要,(3) 英語学習が不要 になる。
○この状況は英語教育への企業参入を容易にし,市場原理で大学の外国語教育≡教員が駆逐される可能性がある。これらが「強い解体論」と呼ばれる外在的要因である。
○哲学における「言語論的転回」でコミュニケーション=言語(言語至上主義)と捉えられていたのが,複合メディア・表現へのアクセスが容易になり逆転し始めた。
○英語教育=第二言語習得=応用言語学が,確たる方法論と統一理論を持たず解体しつつある分野になった。
○英語が世界言語であることから,言語寛容性がもとめられ規範性を失っている。これらが「弱い解体論」とよばれる内在的要因である。
ということで,ChatGPTが登場する前夜から英語教育は危機に瀕していたことがわかる。
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