大学教育とChatGPT(10)からの続き
一部の大学は別として,多くの大学で今一つ十分な検討がされていないような気がする。生成系AIの利用上の注意文書のことだ。本来は大学としての基本方針を確立し,それに基づいて,教職員向け(教育・研究・事務)と学生向け(学習)の具体的なガイドラインを2本作るという構造になるべきだろう。
せめて,ChatGPTにたたき台を出してもらってから,考えればよかったのではないだろうか。例えば,以下のようにそれらしい基本方針がでてくるのに。リテラシーがないままに,自分たちは知っているという雰囲気のガイドラインを出しているわけで。
生成系AI利用の基本方針(GPT-4からの提案)1. オープン性と透明性我々の大学はオープンで透明な利用を推進します。AIの利用の過程と結果は、利用者が学び、理解し、さらにはその適用を改善するための知識を共有することを可能にするべきです。2. 教育的な目的AIの利用は教育的な目的を優先するべきです。研究、学習、そして教育的な探求が主な利用目的となります。3. 倫理と責任AIの利用は常に倫理的な枠組みの中で行われるべきであり、利用者はその使用について全面的な責任を負うべきです。これには、潜在的なバイアス、データの使用、AIの出力への理解と扱いについての考慮が含まれます。4. データのプライバシーAIの利用はプライバシーを尊重するべきです。敏感なデータを扱う場合や、特定の個人が識別可能な状況では、データの匿名化や適切な扱いが行われるべきです。5. コラボレーションと共有我々の大学は、AIの成功した利用事例と失敗事例の共有を推奨します。これにより、一人一人の学習が共同体全体の知識に反映され、全体として前進することができます。6. 継続的な学習と適応AIとその利用は進化し続けます。そのため、我々の大学は継続的な学習、適応、そしてAIの利用の改善を推進します。7. アクセシビリティ我々の大学は、全ての学生、教員、職員がAIを公平に利用できることを保証します。そのために、我々は必要なリソースと教育を提供します。
日本の大学の注意文書に欠けているのが ,1,5,7あたりだ。2が妥当なのかどうかはよくわからない。
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