2021年12月6日月曜日

宣伝大臣ゲッベルス

NHK映像の世紀プレミアムの第18集が「ナチス狂気の集団」だった。国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)は1919年にその前身が,反ユダヤ主義・社会主義・右翼の性格を持ったミュンヘンの酒場の鉄道員の集まりから始まっている。ヒトラーはその年に入党し,1920年にナチスと改名してハーケンクロイツをシンボルにしたころには主要なメンバーとなり,1921年には党首(総統)になっている。

その後,クーデター未遂事件のミュンヘン一揆(1923.11.8-9)を経て,1928年には初めて12名の国会議員を送り出し,世界大恐慌の中で党勢を拡大し,1930年には107名が当選して第2党に躍進する。1932年には第1党の座を確保し,1933年1月にヒトラーが首相に就任する。

1933年2月にはドイツ国会議事堂放火事件が起こって共産主義者がスケープゴートとされ,同3月には全権委任法が成立して,立法権が国会から一党独裁のナチス政府に移ってしまう。あっというまですね。日本の改憲勢力もその類似物を目指していると疑われても仕方がない。

1934年の長いナイフの夜で,政敵である突撃隊のレームを粛清し,1938年の水晶の夜で,反ユダヤ主義暴動によるユダヤ人の迫害がピークに達して,その後ヒムラーが主導したホロコーストへの扉が開かれる。1939年9月には,ドイツのポーランド侵攻により第二次世界大戦の火蓋が切られた。

これらの流れをドイツ国民の多くは支持したが,そこには,1933年に設置された国民啓蒙・宣伝省を使って,知識人であったゲッベルス宣伝大臣(ではなくてだった)が繰り広げたプロパガンダ国民ラジオ)が非常に重要な役割を果たしている。

振り返って現在の日本では,宣伝省を作るまでもなく,電通とその傘下のマスメディアが,自ら進んで権力への忖度に勤しんでいる。発祥の地のミュンヘンならぬ大阪でもテレビ新聞が総動員で大阪維新を宣伝し,日本共産党をディスり,民族差別を煽るタレント(大阪府知事を含む)を重宝しているのであった。

そんなことは考えていなかったが,92歳まで生きると1945年8月15日から100周年ということになる。1941年12月8日だと88歳,1937年7月7日だと84歳,1931年9月18日だと78歳。歴史は繰り返すのか?
ヘルマン・ゲーリング(1893-1946.10.15)国家元帥
ルドルフ・ヘス(1894-1987.8.17)ナチス総統代理
エルンスト・レーム(1887-1934.7.1)突撃隊幕僚長
ヨーゼフ・ゲッベルス(1897-1945.5.1)宣伝大臣
アドルフ・ヒトラー(1889-1945.4.30)ドイツ国総統(指導者兼首相)
ハインリヒ・ヒムラー(1900-1945.5.23)親衛隊全国指導者・全ドイツ警察長官
アドルフ・アイヒマン(1906-1962.6.1)親衛隊・ゲシュタポユダヤ人移送長官

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