2021年12月13日月曜日

嗚呼黎明

旧制大阪高等学校(2)からの続き

旧制大阪高等学校の全寮歌が「嗚呼黎明」だ。大正12年に作られた曲だが,面倒なことに歌詞・楽曲ともにJASRAC管理の下にある。なわけで,歌詞を全文引用することは憚られる。前詞はいいのかな。歌詞本文は,岡林信康の「友よ夜明け前の闇の中で・・・夜明けは近い」と同じ趣旨に違いない。

東天紅を染むる金剛の峯にこれを嘯かば
  天下の惰眠一時に破れ,
夕陽沈む茅渟(ちぬ)の海にこれを叫ばゝ
  魑魅魍魎も影を潜めん。
     (大正十五年三月佐々木喜市
当時の体育会系の部活動か応援団ならばこれを歌っていたのかもしれないが,なぜか我々昭和47年入学の阪大理学部物理学科のクラス(定員40名)の2年の研修旅行(赤目四十八滝)ではみんなで肩を組んで歌うことになった。引率は,クラス担任である教養部数学の水野克彦先生だった。多分,それ以前のコンパなどで「これくらいはちゃんと歌えるようにしておかないと」というアドバイスがあったからのような気もする。

そんなわけで,研修旅行には,歌の栞を作ってバスの中で練習していたのではないか。この辺の記憶もほとんど曖昧なので単なる幻想かもしれない。高校の修学旅行で歌の栞を作ったこと(挿絵を担当したら隣のクラスにパクられてしまった)や,小学校の修学旅行では歌の栞なしにアニメソングを歌いまくっていたのは確かな記憶だと思われる。

大学のクラスで作ったその歌の栞に掲載したかどうかは定かでないが,当時クラスのみんな(一部かもしれない)でよく歌っていた,「嗚呼黎明は近づけり」や流行歌(主にフォークソング系)以外の曲といえば,「インターナショナル」「ワルシャワ労働歌」「原爆を許すまじ」「差別裁判打ち砕こう」というラインナップなのであった。時代を感じさせる。

[1]インターネットや携帯電話等 音楽利用の手引き(JASRAC 送信部ネットメディア課)

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