若冲の75歳以前に制作された作品で,ヨーロッパの個人が所収していたものを,若冲作品を多数コレクションしている福田美術館が2023年に購入したものだ。52種類の珍しい野菜や果物が列をなしている。同趣旨の菜蟲譜のほうは4倍近い11mもある巻物で,どこかで見たような気もするけど,たんなる記憶の捏造かもしれない。
福田美術館の利用案内(ふりがな付き)によれば,
・撮影さつえい禁止きんしのサインがあるもの以外いがいは撮影さつえい可能かのうですが、フラッシュはご遠慮えんりょ願ねがいます。・館内かんないの動画どうがを撮影さつえい希望きぼうの方ほうは、事前じぜんにご連絡れんらくください。企画きかく書しょの提出ていしゅつをお願ねがいする場合ばあいがございます。・当館とうかん提供ていきょうの画像がぞうやお客様きゃくさまご自身じしんが館内かんないを撮影さつえいした画像がぞうなどを営利えいり目的もくてきに使用しようすることは固かたく禁きんじます。
展示室には,動画撮影はご遠慮下さいとだけあった, ちょっと心配だったので案内の人に聞いてみたが,写真撮影はできますとのことだった。そのかわり,今回の図録集は販売されていない。
52ある野菜や果物の名前はすべて説明図で示されているが,42番だけ不明になっている。ニンニクの実をばらしたような白い実の集まりなのだが,後ろの方から百合根じゃないのという声が聞こえてきた。まあ,福田美術館の総力をあげても解明できなかったのだろう。
写真:若冲の果蔬図巻(福田美術館で撮影 2024.1.7)