2019年4月30日火曜日

ARDとZDF

ドイツの全国的な公共放送として,ARD(ドイツ公共放送連盟=第1ドイツテレビ 1950.6-
ZDF(第2ドイツテレビ 1963.4-)がある。受信料制度で徴収されたもののうち前者に6割,後者に4割が配分されている。9つの地域放送局から成るARDは,23,000人の正社員を雇用し,9機関の総予算は年間約63億ユーロである。マインツを本拠地とするZDFは,3,600人の正社員を雇用し,売上高は年間約20億ユーロである。

ZDFが2012年に製作した,「フクシマのうそ(Die-Fukushima Lüge)」という30分弱の番組をYou Tubeで見ることができる(字幕版や日本語訳版もある)。2011年3月の東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所事故について,関係者のインタビューや調査によって構成したものである。当時の状況から,福島第1原発第4号機の燃料貯蔵プールに対する警告が番組では強調されていた。2013年11月から2014年12月にかけて燃料取出は完了し,なんとかこれについての危機的な状況は回避された。しかし決してアンダーコントロールではなく,東京オリンピック2020に国家のリソースを振り向けているような状況ではない。

そこで指摘されている本質的な問題は改善されているわけではなく,政府も経済界も以前の体質のままに原子力発電の推進を再開させようと虎視眈々と狙っている。

[注1]Atsu「文科省の放射線副読本をめぐって思ったこと」(note 2019.4.26)
https://note.mu/atsu_note/n/nca472bf9e907

[注2]福島大学放射線副読本研究会「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本」
https://www.ad.ipc.fukushima-u.ac.jp/~a067/SRR/FukushimaUniv_RadiationText_2nd_version.pdf
これに対する田崎晴明の指摘(日々の雑感的なもの 2012.3.27)
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/d/1203.html#27

[注3]nagaya @nagaya2013 の記事(Twitter 2019.4.29)より
https://twitter.com/nagaya2013/status/1122995361511919616

[注4]牧田寛「4・8経団連会長会見に垣間見える経団連の「恫喝」」(ハーバー・ビジネス・オンライン 2019.4.30)
https://hbol.jp/191386

[注5]「テレビ各局の “平成事件振り返り” から「福島原発事故」が消えた! 広告漬けと政権忖度で原発事故をなかったことに」(リテラ編集部 2019.4.30)
https://lite-ra.com/i/2019/04/post-4690-entry.html

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