2021年8月17日火曜日

大阪七墓巡り

 大阪の千日前や梅田に大きな墓地があったというのは聞いたことがある(昨年,梅田墓跡で1500体の人骨が見つかっている)。15年ほど前に大阪市内の高校での模擬授業の後,阿倍野の大きな霊園(大阪市設南霊園)の横を車で送ってもらった。天王寺駅からすぐ近くにこんな大きな墓地があったのか。

江戸時代の初め,大坂夏の陣のあとに整理された大阪七墓とよばれる墓地をお盆の期間に巡るという風習があると知って調べてみた。梅田墓地,南浜墓地(浜墓地),葭原墓地,蒲生墓地(野田墓地),小橋墓地,千日墓地(千日前墓地),飛田墓地(鳶田墓地)の7ヶ所であり,現在も墓地になっているところとそうでないところがある。


図:大阪七墓の位置(湯川敏男[1]より引用)

かつての大坂の町は,現在の環状線内の半分ほどの大坂三郷(天満組,北組,南組)とよばれる行政区から成り立ち,大阪七墓はそれを囲むように配置されている。

[1]大阪七墓「今と昔」巡り(湯川敏男)
[2]賀古教信七墓廻(近松門左衛門)
[3]大阪七墓巡り復活プロジェクト(むつさとし)

2021年8月16日月曜日

2021年8月15日日曜日

2021年8月13日金曜日

2021年8月11日水曜日

2021年8月9日月曜日

性格診断テスト

 16Personalities性格診断テスト というちょっとお洒落な性格診断テストを見つけた。

だいたいこういうのは,血液型占い星座占い九星気学と同じように当たる。たぶん,すべての性格診断テストはなんとなく当たっているように感じることが多い。人間のパーソナリティ(人格でなくて性格)は複雑で多面的なものなので,ある性格特徴キーワードが与えられれば,わずかでも重なっているとマッチしたと解釈してしまうのだろう。

この16Personalites性格診断テストは,英国のNERIS Analytics Limited という会社が運営しているようで,無料診断の上にビジネスモデルが展開されているような雰囲気。これはマイヤーズ・ブリッグスタイプ指標(MBTI)というものの亜流らしい。MBTIの界隈には怪しい社団法人や任意団体が跋扈している

さて,3回試してみると次の結果となった。

“仲介者”型の性格(INFP-A)

仲介者型気質の人は,真の理想主義者で,極悪人や最悪の出来事の中にさえも,常にわずかな善を見い出し,物事をより良くするための方法を模索しています。落ち着きがあり控えめで、内気にさえも見られますが,内には激情と情熱があり,まさに光を放つ可能性を秘めています・・・

“建築家”型の性格(INTJ-A)

この上なく孤独,そして最も希少で戦略に長けている性格タイプのひとつで,建築家型の人達自身,これをすべて痛いほど感じています・・・。想像力が豊かな一方で決断力があり,野心に溢れている反面,引っ込み思案で、驚くほど好奇心がありますが,エネルギーを浪費しません。

“提唱者”型の性格(INFJ-A)

提唱者型の人達は非常に希少で,その数は全人口のわずか1%未満ですが,それにもかかわらず,世界にその足跡を残しています・・・生まれながらに理想主義者で道徳感覚がありますが,提唱者型の人達を際立たせているのは,付随する計画型の気質です・・・

うーん,残念ながらあまり当たっていないのかもしれない。 

2021年8月8日日曜日

教養強化合宿(1)

 外山恒一の第15回「教養強化合宿」には,首都圏や関西圏の大学生が15名集まった。これに対して,初日交流会の余興の教養チェックの結果が報告されている。その結果は次のようなものだった。

「唐十郎を知ってた人6,大島渚11,雨宮処凛9,石原莞爾10,山崎博昭0,石牟礼道子6,五木寛之5,仲井戸麗市0,野坂参三1,正力松太郎2,西部邁7,重信房子4,赤尾敏1,山本夜羽音3,菅野完4,江青0,ジョージ・ハリスン7」

自分の場合:仲井戸麗市は名前は耳にしているけどミュージシャンかな程度,忌野清志郎=RCサクセションのCD(COVERS,TREASURE COLLECTION)をダウンロードしている割には認識があまかった。山本夜羽音は名前は知っているだけで,正義の味方なのか悪の使者なのかもわかっていなかった。これも盟友の鹿島拾市=加藤直樹の本(九月、東京の路上で――1923年関東大震災 ジェノサイドの残響)を持っている割にはリンクがつながっていない。

それにしても,江青はゼロなのか・・・

2021年8月7日土曜日

あるいは牡蠣でいっぱいの海

 筒井康隆の「あるいは酒でいっぱいの海」が河出文庫から8/6に再刊されたというシグナルを検知した。もともとは,1979年に集英社文庫から出ていたものだが読んではいない。当時から,そのタイトルは,エイヴラム・デイヴィッドソン(1923-1993)の「あるいは牡蠣でいっぱいの海」をもじっているのだと思っていた。著者は誰だかもよくわかっていなかったが,そのタイトルだけは,そんなわけで長く印象づいていた。

この機会に,読んでいなかった「あるいは牡蠣でいっぱいの海」がないかとネット上で検索したところ,ハヤカワSFシリーズ3079のアイザック・アシモフ編ヒューゴー賞傑作集No. 1に収録されていることがわかった。あれ,それ持ってませんでした?というわけで書棚を探すと確かにあった。なんのことはない,実は既読だったようだ。さっそく再読したところ,やはりほとんど記憶になかった。

その洒落たストーリーは,簡単といえばそうなのだけど,ある意味解釈に困るようなもので,これではちょっと記憶に残らない。エイヴラム・デイヴィッドソンの日本オリジナル短編集どんがらがんが,2005年に河出書房から出版されていて,これも河出文庫に収録されている。若島正さん(昔,おなじ官舎に住んでいた大教大附属高校の英語の先生の旦那さんだ)が新訳しているが,残念なことにタイトルも変えられしまった。

その,エイヴラム・デイヴィッドソンはもともとユダヤ教だったのが,1970年代に天理教に改宗している。えっ,天理教ですか。Tenrikyo: Tenrikyo, Avram Davidson, Fumio Kyuma, Sanae Takaichi, Kiyokuni Katsuo, Bunmei Ibuki, Hakuo Yanagisawa, Nakayama Miki(LLC Books)を読めばそのあたりのことがもう少しわかるのだろうか?

2021年8月6日金曜日

Google Lens

 Google Lensは,画像認識技術で、ニューラルネットワークを用いた視覚的な解析による画像認識技術であり,対象物の文字を読み取ってテキスト化・読み上げ・翻訳することができる。

Androidアプリだけがあって,iOSでは使えないとばかり思っていたが,iOSではGoogleアプリ内に機能が埋め込まれていた。Googleフォトでも撮影済みの写真に対して使うことができる。

試してみるとなかなか使えそうだけれど,iPhoneのカメラの画角とテキスト範囲の設定がちょっと微妙かもしれない。現在編集中のこの画面を読み取ろうとすると端が欠けてしまう。ちょっと慣れが必要かもしれない。

[1]Google Lens 目の前にあるものを調べる。

2021年8月5日木曜日

パンケーキを毒見する

8/2(月),新たに埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府への緊急事態宣言が発出されるとともに,東京都と沖縄県への宣言が延長された。8/31(火)までだ。一方,同じ期間に北海道・石川県・京都府・兵庫県・福岡県には蔓延防止等重点措置が実施される。さらには,東京オリンピック閉会式で台風9号が接近する8/8(日)には,同じ期限で,福島・茨城・栃木・群馬・静岡・愛知・滋賀・熊本の8県にも蔓延防止等重点措置が追加されるようだ。

それでもオリンピックは続けるのだった。8/24(火)〜9/5(日)のパラリンピックはどうするのか。

そんなわけで,映画館が閉鎖されないうちにということで,朝から新京極三条のMOVIX京都にパンケーキを毒見する(企画制作:河村光庸,監督:内山雄人)を一人で観に行った。30-40人くらいの観客が入り結構にぎわっていた。席は前後も重ならないようにしてほしい。

主戦場と同じように,インタビューの積み重ねが基本となるドキュメンタリーだ。ただ,当事者に近い関係先からはほとんど出演が断られてしまったようで,短期間での制作はたいへんだったと思う。

途中に挿入されるアニメーションや小芝居(博打)やイメージ映像はあまり成功していない(若林良が,印象操作というまったくトンチンカンな見解を披露していたがそうではないだろう)。全体として掘り下げは物足りなかったが,それでもいくつかの新しい知見はあったので,まだ見ていなければ今のうち(下手するとテレビ放映がないかもなので)。

上西充子の国会中継解説はとてもわかりやすくてよかった。これだけで1本ドキュメンタリー映画を作ってもらいたいくらいであり,メディアリテラシーの演習になる。

石破茂村上誠一郎はあたりさわりなかったが,橋本龍太郎の秘書官だった江田憲司が,菅義偉から国会への出馬をサポート・現金付で依頼されたくだりは興味深かった。

○赤旗の編集局にカメラが入り,編集者との話や,小池晃との掛け合いがあったところは,はじめてみる映像でこれは結構貴重なのではないだろうか。

森功の部分はちょっと消化不良であり,前川喜平の話は安倍絡みで既知のことだった。

今回の映画で最も面白かったのは元朝日新聞の鮫島浩の話だった。彼が新米のときに権力者とは誰かと先輩に聞いて,その答えが,経世会,宏池会,外務省,大蔵省,米国,中国だったというもので,そこには清和会はない。彼らは基本的にずっと主流ではなかったのだ。それが,小泉政権や経世会の解体を経て2度の安倍政権とそれにつながる菅政権として権力を掌握したがために,従来の権力(及びその政策)への仕返しをしているという見立てだ。

たぶん,安倍+菅政権時代の事跡を,マスメディアと政治という背景の元に再編したほうがより面白いものになったと思う。上西充子の部分や辻田真佐憲のコメント,赤旗のくだりや最期の古賀茂明の話はそのまま活かせる。あるいは望月衣塑子の部分をより広く掬い,国谷裕子と菅の話,NHK担当課長更迭の話,などなどネタは尽きることがないだろう。


写真:(C) 2021「パンケーキを毒見する」製作委員会のポスターから引用


2021年8月4日水曜日

ポアンカレ賞

ポアンカレ賞は,数理物理学に貢献した科学者を称える賞である。国際数理物理学協会(International Association of Mathematical Physics)が3年ごとに開催している世界数理物理学大会(International Congress on Mathematical Physics)のタイミングで授与している。

過去の主な受賞者(受賞時年齢)をみると,Haag(75),Wightman(75),Thirring(73),Yau(41),Araki(71),Faddeev(72),Witten(55),Sinai(74),Villani(36),Dyson(89),Simon(66),Borodin(40)とそうそうたるメンバーで毎回3-4名選ばれている。

今回2021年,東京大学大学院数理科学研究科の緒方芳子教授が受賞した。その受賞理由は,「オンサーガー相反定理の定式化から,行列積状態の理論や無限量子スピン鎖の対称性で保護されたトポロジカル相の理論への革新的な貢献まで,量子スピン系の数学的理論に関する画期的な研究に対して」ということだ。

田崎晴明さん・立川裕二さんとの共著論文もある。緒方芳子さんは東大の物理出身で,2004年に1次元格子系における非平衡特性(Non-equilibrium properties of one-dimensional lattice systems)で物理の博士号を取得している。海外のポスドクや九州大学の助教を経由して,現在は解析学・作用素環の河東泰之さんの研究グループに所属している(2009年から准教授,2017年から教授)。

2015年度の高校生のための現代数学講座で,「フィボナッチ数列と無理数の有理数による近似」があったので,ひまわりのプログラムをMathematicaでかいてみた。

f[a_] := ListPolarPlot[Table[{2 a Pi n, Sqrt[n]}, {n, 100}], PlotStyle -> PointSize[0.03], ColorFunction -> "Rainbow", ColorFunctionScaling -> True]

図1:f[1.1]の場合

図2:f[(1+Sqrt[5])/2]の場合

2021年8月3日火曜日

不可視化

コンピュータの応用が進むとともに,科学や統計の様々な分野で可視化というタームがはやった。

新型コロナ感染症をめぐっては,マスメディアによって世界中の刺激的な映像場面によって危機が可視化されてきた。また,信頼性にかけるとはいいながら,新規感染者数の日々の推移グラフは目に見えるデータとして機能してきた。

昨日の菅首相のアナウンスは次のような意味らしい(もっとグダグダな表現だったが),

政府は新型コロナウイルスの流行拡大を受けては患者が急増している地域で入院させる基準を引き上げて重症化するリスクの高い患者に限定する方針を示しました。新しく示された方針ではこれまで入院の対象としていた持病などのリスクがある軽症の患者や呼吸困難や肺炎の症状がある中等症患者のうち重症化リスクが低い人を入院の対象から外し基本的に自宅療養にします。自宅療養の患者に対してはオンライン診療やパルスオキシメーターの配布で健康観察を強化します。(テレ東Bizより引用

なんのことはない「医療崩壊」がきているということだ。その現場が,カメラの届かない感染者の私的領域(自宅)へと広く分散されて隠ぺいされることにより,「医療崩壊」は不可視化されることになった。その結果は運が良ければ数ヶ月後に衆議院選挙も終わったあとの祭りの死亡統計でようやく観測されることになる。

結局は,オリンピック報道もその一面だけれど,マスメディアを政府・自民党・財界に完全に牛耳られているという問題なのか。

2021年8月2日月曜日

有効場理論

 有効場理論(Effective Field Theory)といえば,カイラル摂動論(ChPT)が思い浮かび,なんとなくなじめなかった。ところが,自分がなじんでいたベータ崩壊のフェルミ理論(V-A Theory)がそもそもワインバーグ・サラム模型の有効場理論だとあって,いわれてみればそうなのだった。

そのワインバーグの1979年の論文,"Phenomenological Lagrangian, Physica A Vol. 96 (1979) 327-340" が有効場理論の出発点になっているが,残念ながら大学院時代にこの論文を読むことはなかった。そのアイディアの元はジュリアン・シュウインガーにあるらしい。

気になって調べていたら,S. Hartmannの"Effective field theories, reduction and scientific explanation, Studies in History and Philosophy of Modern Physics 32B, 267-304 (2001)" に行きあたった。そのアブストラクトを訳してみる。

有効場理論は、20年近くに渡り量子物理で非常によく使われているツールである。これにはそのもっともな理由がある。有効場理論は,基礎理論と現象論的モデルのそれぞれの欠点を回避しつつ,両者の長所の多くを共有している。例えば,有効場理論は,広範囲の現象をカバーできる柔軟性と,あるエネルギースケールで働く特定のメカニズムを詳細に説明できる具体性を備えている。では、すべての物理学は最終的に有効場理論に収束するのだろうか?この論文では,優れた科学研究は,基礎理論,現象論的モデル,有効場理論の間の実りある相互作用によって特徴づけられると主張する。これらはいずれも,研究過程において適切な機能を持ち,必要不可欠なものだ。これらは互いに補い合い,首尾一貫した方法で結ばれているが,その特徴をやや詳しく説明する。これらを説明するために,原子核物理学と素粒子物理学の事例研究を紹介する。その結果,科学的理論化に関する見解は本質的に多元的であり,還元主義と科学的説明に関する議論に影響を与える。

以前,若松正志さんがクォーク・クラスター模型とメゾン・バリオン模型で重陽子の構造を議論していて,異なったモデルからほとんど同じ結果が得られることを不思議だと話していたのを憶えている。有効場理論と単なる現象論的モデルの違いをもう少し理解したい。

[1]基本法則の場の理論(井沢健一,2001三者若手夏の学校)

2021年8月1日日曜日

人権と多様性

 教養学科が廃止させられ=教育協働学科に改組したときの,教養基礎教育のカリキュラム改正で,流行に便乗してダイバーシティ教育をキーワードの一つにした。まあ,もう一つ何かあったかもしれなけれど,ほとんどそれしかなかった。このとき,大阪教育大学の人権教育の歴史を背景としてという説明を考えていた。あまり強調する機会はなかったかもしれない。

きょうのTwitterで@metsaihmisetさんや@ShinHori1さんが次のように語っている。

Shin Hori :最近は,「権利」「平等」「差別否定」等という"強い"言葉を使いたくないので,「多様性」という"弱い"言葉を使ってごまかしているケースが目立つように思える。

Shin Hori :「多様性を実現するために差別を解消しよう」という訳のわからないことを言ってる人さえいる。差別解消はそれ自体で完結しており,"多様性"のための手段ではない。例えば女声に参政権が付与されたのは,多様性を実現するためではないし,"多様性"という言葉を使う必要さえない。

Albert Rasimus:生まれながらにして人は全て同等の権利(自然権としての人権)を持つため多様性とは無関係に人権は守られるべき権利とされています。結果として多様になるのであって権利が同等だからです。

Albert Rasimus:現行日本国憲法は自然権としての人権を認めていますが自民党はこれを気に入らないので改正したいのです。九条は建前です。危険を煽ることで九条は賛否両論となります。人権を奪いたいと言えば反対されるのは明白だからそちらに目を向けて賛成を増やしたいのです。憲法は人権という観点から見るべきです。

一方で,自分も陥りがちな観点として,生物多様性による環境適応の柔軟性や進化を念頭に,「人間社会においても多様性が実現しているほうが,社会としての安定性や継続性に寄与することが可能だろう」という準(疑似?)科学的な見方がある。

こちらのほうは,いわゆる「新自由主義」と親和性が高く,ともすれば多様性+自由競争という選択が,既存権益の温存につながるという残念な帰結をもたらしてしまう。そんなわけで,多様性の議論には人権というしっかりと地に足のついた観点が欠かせない。

あるいは,多様性=人権に気付いているからこそ,自民党宗教右派は,LGBTに反対し,選択的夫婦別氏制度を拒否し,多様な家族のあり方を否定する。


2021年7月31日土曜日

コロナワクチン接種状況(4)

コロナワクチン接種状況(3)からの続き

6月中旬の上記記事で,菅首相の話はおかしいのではと指摘したが,その後の遡及入力分を補正すると最終的にはこのころに100万回/日を越えたという彼らの言明の方が正しかった。

ただし,政府の内部データによるシミュレーションは必ずしも正確ではなく,累計接種回数で10%,300万回程度過小評価していた値を当時報告していた。また,6月10日から6月16日の平均ワクチン接種回数は現時点で109万回にまでなっていて,発表時点の週平均104万回という値を上回ったことになる。

そこで首相官邸のコロナワクチンのページで報告されているワクチン接種回数に遡及入力補正を行った現時点でのワクチン総接種回数推定値を求めてみた。遡及入力分がだらだらと指数関数的に登録されると仮定して,7月1日分の一般接種分データの1ヶ月分の推移からざっくりパラメタを求めた。$N(t) = N_0 \{1 - 0.5 * \exp (-t/7) \} $で近似できたことにしよう。

図:ワクチン一般接種回数の遡及入力曲線(7/1データの29日分の推移から)

7/29時点の政府データの総接種回数は,医療従事者等1200万回,一般接種7200万回(うち高齢者5600万回)の合計8400万回になっている。これは遡及分を含んでいない(はず)。



図 一日当たりワクチン接種回数の推移(深いdipはオリンピック開始時)

遡及分を補正すると400万回分くらい増えるので,7月末までの総接種回数は,合計8800万回である(注:こちらの集計では,医療従事者等1070万回,一般7570万回,合計8640万回なので若干の齟齬がある)。結局,現時点の補正後の高齢者ワクチン総接種回数は,5900万回程度なので,当初の予想通り,高齢者については7月末までにワクチン総接種回数ベースでほぼ80%が完了したことになる。

仮にこのまま日本における一日のワクチン接種回数が140万回/日で推移すれば,(2.2億回-8800万回)/140万回/日 = 94日≒3ヶ月かかるので,10月末には希望者への接種がほぼ完了するはずだ。現時点で総接種回数ベースで40%が完了しているので,8月末に60%,9月末に80%,10月末に100%というわけだ。

(注:ここは総接種回数ベースの議論なので,第1回目とか第2回目の割合はまた別の話)

2021年7月30日金曜日

家族的利益共同体

 町山智浩さんの最近のツイートが現在の日本の状況を的確に表現していると思う。すなわち,「電通,自民党,テレビ,メディア,大企業は互いの子息令嬢を互いに就職させたり,結婚による血縁などで結束を深めています。こうして築かれた広告&政治&大企業&メディアの家族的利益共同体が自分たちの利益を優先させ続けた結果が今の日本です」

)「自民党デジタル改革担当大臣平井卓也がまさにその申し子やね。祖父は瀬戸内航空社長・四国電力取締役,親は西日本放送代表・四国新聞社主,電通出身の自民党世襲3世議員。四国の大企業,メディアを一手に握る平井家の御曹司」(なんJ民No.18@nanjno18)


2021年7月29日木曜日

国家社会主義ドイツ労働者党

ちょうど 100年前の1921年7月29日にアドルフ・ヒトラー(1889-1945)が国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の実権を握り,第一議長→指導者(総統)となった。

NHKの映像の世紀を見ていて,ヒトラーが自殺前に秘書に語った言葉として「100年後には再び自分のような考えの人が現れる」というのがあったような気がした。が,探してみると,五島勉の怪しい言説しか見つからない。

それにしても,橋下徹,吉村洋文,小池百合子など,その候補は日本にもたくさんそろっている。メディア制御による大衆コントロール手法がその典型。NHKアナウンサーの藤井彩子が橋下の北野高校での同級生だったため,最初のインタビュー時に遅刻したことを軽く指摘されたのを逆ギレしてNHKにかみついたのがマスコミ威嚇の嚆矢だったような気がする。