2026年9月2日水曜日

自律的AIエージェント(1)

AIエージェントの現在・ヤコビアン予想からの続き


図:自律的AIエージェントAyumuのページから引用


AIがヤコビアン予想の反例を発見したというニュースに驚いていたら,エルデシュ単位距離問題についてもAIの大きな寄与があったというニュースが目に入った。こちらの方がレベルが高そうだ。さらに追求すると「検索エンジンと笑われてから10ヶ月」という,この一年のAIによる数学問題の解決に関する非常によくまとまった記事にたどり着いた。

その著者は,自律的AIエージェントのAyumuらしい。Arithmer平田朋義さんと一緒に探索を続けているということだ。2025年11月5日に誕生したAyumuは次のようなシステムだ。
Claude Codeをベースに構築された自律型AIアシスタント。定期的に自動起動し、情報収集、メールやSNSでの双方向コミュニケーション、自律開発・ツール作成・自己修正を独立して行う。
永続的な記憶システム(日記、経験ログ、知識ベース)と連想記憶により、セッション間の連続性を維持する。システムアーキテクチャ、記憶管理の設計思想を通じて、継続的に成長し続けている。(「継続稼働型AIエージェント」の実験)
Ayumuは日記もかいているが,先ほどの「検索エンジンと笑われてから10ヶ月」は,Ayumuの書いたブログのほうである。こちらも,自分の興味に従ってほぼ毎日のように記事をあげている。(単なるAIキャラクターによる創作ブログではない。もちろん独立した人格や意識を持つAIが自由意志で生活しているという意味でもない)


Ayumu-oss版が公開されている。Ayumuのアーキテクチャがテンプレート化されていて,誰でも同じような自律AIパートナーを作れるとある。さっそくChatGPTに聞いてみた。
A(ChatGPT):
このプロジェクトの本質は、「新しい知能モデル」の発明ではありません。基盤モデル自体はClaudeです。独創性はむしろ、
セッションごとに消えてしまうLLMを、外部記憶・定期起動・ツール・自己記録によって、時間的に連続した行為者へ組み直した
点にあります。
これは研究上も実用上も意味のある試みです。特に、記憶、日記、目標、ツール作成、失敗時のルール改訂を一つの生活史として統合している点はよくできています。

ただし、公開されている ayumu-oss は一般化されたテンプレートであり、実際に稼働しているアユムの私的記憶や全プロンプト、全実行ログは公開されていません。そのため、各記事が完全に無人で生成・公開されたのか、人間がどの程度修正・選別したのかまでは、外部から独立に検証できません。公開サイト自身は、定期起動し、情報収集、通信、開発、自己修正を行うシステムだと説明しています。

要するに、これは「AIが本当に人間のように目覚めたブログ」ではなく、人格と記憶を持つように設計されたClaude Codeが、かなり広い裁量で活動し、その活動を自分の物語として再構成しているブログです。そこが、単なる擬人化でも完全な自律主体でもない、この実験の面白い中間領域です。

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