2024年11月16日土曜日

フェイクの時代

カモになるな維新的なものの勝利からの続き

兵庫県知事選挙の投票日を前にした11月14日,兵庫県市長会の有志(代表 蓬萊務 小野市長)からの記者会見案内が発出された。タイトルは「稲村和美さんを支持する表明について」であり,つぎのような内容だ。
兵庫県内の市長会有志21名は(後に22名)、県政の安定と発展を願い、稲村和美氏への支持を表明しました。稲村氏は尼崎市長時代に財政健全化を果たし、幅広い支持を得ています。特定の政党に依存せず、県民に寄り添った政策を掲げる姿勢が評価され、県政の混迷を収束させるリーダーとしての資質が期待されています。この動きは、自民党県議団の一部からの支持も含め、兵庫県の新たな出発に向けた重要な一歩です。
なぜ,このような異例の声明が出されたかというと,「兵庫県政は混乱、混迷し、現在行われている兵庫県知事選挙においても誹謗中傷が行われるなど、大変愛うべき状況です。」 だからである。

兵庫県の西播磨県民局長の内部告発文書を発端として,斎藤元彦兵庫県知事とその取り巻きによる追求や,維新の会議員による圧力によって,県民局長が亡くなられてしまった。その結果,兵庫県議会に百条委員会が設置されて,公益通報者保護に関する問題が焦点化,兵庫県議会で全員一致の知事不信任案が叩きつけられた。

普通は,兵庫県知事が責任を取って辞職することで話は終るのだが,今回はそうならずに,斎藤元彦がしゃあしゃあと新たな知事選挙に出馬してきたわけだ。そこに,NHKから国民を守る党の立花孝志が参戦し,斎藤の応援に回ったことから風向きが変わった。

当初は,元尼崎市長の稲村和美が有利だと考えられていたはずが,立花とその取り巻きに,右翼イデオローグや,維新の会や,旧統一協会らしき有象無象が雪だるまのように加わって,広範なネット宣伝と,立ち会い演説聴衆動員(暴力付き)を図ってきたため,選挙情勢は微妙なところに来てしまった。彼らの言い分は,斎藤ははめられたのであり,マスコミと既得権者によって迫害されているというアンチフェイクデマの拡散と浸透である。

まあ,いつも判断を間違ってしまうというかあえて逆張りをするのが得意な自称リベラルの東浩紀が,(ぼくは兵庫県知事選については情報が錯綜していて判断できないという立場です)といいながら市長会有志のメッセージをディスるくらいである。最低ですね。

兵庫10区の自由民主党の衆議院議員,渡海紀三朗が,この状況を静観しておられず,「知事の資質」として斎藤の再選への危機感を率直に語る事態にまで至っているわけだ。兵庫県民どうするのよ。


問題は何かというと,斎藤支持グループが明らかなデマをSNS経由で広範に発信し,それがいとも簡単に浸透し,十分に否定できない状況が続いていることだ。それまでのテレビや新聞の報道をきいて冷静に判断すれば,デマの悪質性はわかりそうなものなのだが,マスコミ不信と既得権益批判と斎藤の巧妙な作戦にいとも簡単に騙されて,トランプが米国で勝利したように,フェイクが正義として受け入れられていくのだった。


AIによるフェイクが云々以前の問題なのである。いまこそ,水越先生のように,教科情報における学習のキモはプログラミングではなくてメディアリテラシーであると主張しなければならない時代がきたのかもしれない。

兵庫県市長会のうち有志22市長○のリスト(22/29)

_神戸市長 久元喜造
○姫路市長 清元秀泰
○尼崎市長 松本眞
_明石市長 丸谷聡子(泉・西村)
○西宮市長 石井登志郎
○洲本市長 上崎勝規
_芦屋市長 髙島崚輔(維新)
○伊丹市長 藤原保幸
○相生市長 谷口芳紀
_豊岡市長 関貫久仁郎
○加古川市長 岡田康裕
○赤穂市長 牟礼正稔
_西脇市長 片山象三
○宝塚市長 山﨑晴恵
○三木市長 仲田一彦
○高砂市長 都倉達殊
○川西市長 越田謙治郎
○小野市長 蓬萊務
_三田市長 田村克也(泉)
○加西市長 高橋晴彦
○丹波篠山市長 酒井隆明
_養父市長 大林賢一
○丹波市長 林時彦
○南あわじ市長 守本憲弘
○朝来市長 藤岡勇
○淡路市長 門康彦
○宍粟市長 福元晶三
○加東市長 岩根正
○たつの市長 山本実

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