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2024年6月22日土曜日

内山永久寺

梅雨入りが遅れていた水無月。このあたりの田植えのほうは順調に進んでいる。

天理市役所に用事があるというので,そこから足を伸ばし,石上神宮に車を止めて昼の散歩。石上神宮の雞たちはあいかわらず元気だ。本殿に参拝して休憩した後,山の辺の道を南に向かう。社地内を抜けると道標があって,石上神宮0.3km,内山永久寺跡0.4kmとある。

たらたらと歩いていくと,内山永久寺跡の池に到着する。池を回ってさらに進むと,少し小高くて四阿のあるポケットパークに至る。おにぎりを食べて一休みしてから再び石上神宮にもどった。googleマップでは,この先の山の辺の道が出てこない(Appleマップにはある)。


内山永久寺は,1114年(永久二年)に鳥羽天皇の勅願によって創建された。寺の名前はその年号に由来し,五鈷杵の形の寺域の中に内山があったことから内山永久寺と呼ばれた。総院号は金剛乗院で,阿弥陀如来を安置し。真言宗(古義派)に属した。

藤原時代後期以降,寺は多くの堂塔を有し,鎌倉時代や室町時代には非常に繁栄した。1595年(文禄四年)には豊臣秀吉から971石の寺領を与えられ,法隆寺や金剛峰寺に匹敵する大寺となった。全盛期には五町四方の境内に五十余坊の伽藍を擁した。上街道の浄国寺から現在の天理中をとおり内山永久寺の西門まで2kmの石畳の道があり,江戸時代末期まで参詣者が絶えなかった。

明治維新の廃仏毀釈により,貴重な仏像や建物は散逸し,堂坊も取り壊され本堂池だけが残る。現在は山の辺の道に沿う休憩場所として利用されている。もし内山永久寺が今も残っていたら天理の様子もだいぶ変わっていただろうに。




写真:内山永久寺の古絵図@内山永久寺跡ポケットパーク(2024.6.20撮影)


2024年5月31日金曜日

無書店自治体

本屋が消えるからの続き

4月から,NHKの午後のニュースの後に,NHKみみより!解説というニュース解説がはじまった。そこで,無書店自治体の話題が取上げられていた。下図は2022年のデータだが,2023年の新しい結果が紹介された。無書店自治体の割合が,全国で27.7%,ワースト3県では,沖縄県56.1%,長野県53.2%,奈良県51.3%というもので,前回とそれほど変わっていない。

全国の書店数(10598)を人口(1億2581万人)で割った1万人当たりの平均書店数は,0.87/万人である。奈良県の平均書店数は0.92/万人なので,それほど悪くない。平均書店数/万人は全国でそれほど大きく変わらないのだけれど,人口の少ない無書店自治体数があることよって,書店格差は強調されて見える。まあ実際にも近くに本屋がないわけだから,それはそれで困るのだ。

天理市の人口は,6.7万人なので,全国平均の書店数水準ならば,5.8店ということになる。実際の書店数がどうなっているかというと,8店舗見つかった。天理教の専門書店があるのでちょっとだけ上積みされている。
・TSUTAYA WAY書店天理店(田井庄町481−5)
・未来屋書店 天理店(東井戸堂町381 イオンタウン)
・ヤマト屋書店(別所町80−6)
・おやさと書店 三島店・Books道友(三島町432−1)
・おみちの書籍 天理書房(川原城町306−1)
・海老山書店(川原城町72)
・西廼書店(柳本町1255)
・大塚書籍文具店(櫟本町2423−1)


図:本屋さんが減っている(週刊学ぼう産経新聞から引用)

[1]増える「無書店自治体」各地の対応は?(NHKみみより!解説)
[3]日本の書店数(出版科学研究所)
[4]出版物の売り場毎の販売額推移をさぐる(2023年版)(Yahoo! ニュース)
[6]書店をめぐる現在(柴野京子)


2024年5月21日火曜日

散歩地図

チョイソコてんり(2)からの続き

朝の散歩,今日の目標は北東にあるチョイソコてんりの小田中町公民館だったので,片道35分ほどだった。グーグルマップを見誤ったせいでちょっと遠回りになり40分かかった。

そんなわけで,自宅を中心として地図上に一定距離の半径の円を描いたものがあるとなんとなくうれしいような気がした。こういうときは,地理情報システムGISに対応したアプリとかデータとかプログラムを駆使することになる。Mathematicaの該当部分の関数を眺めたところ,それだけでおなかが一杯になって挫折した。

さあ,ChatGPT-4oの出番である。早速お願いしたところ一発で目的が達成できた。ゴイゴイスー(津田さんは中田先生の女婿だって知ってました?)。
Q(koshix):
 天理市の地図のうえで,自宅を中心として半径が500mの倍数となる円を1倍から6倍まで描画したいのです。なるべく簡単で具体的な手順や方法あるいはプログラムを一つ教えてください。言語は,JuliaでもMathematicaでもPythonでもRでも構いません

A(GPT-4o):
Pythonを使用して天理市の地図上に自宅を中心として半径が500mの倍数となる円を描画する方法を示します。この手順では、以下のライブラリを使用します。
・folium: インタラクティブな地図の作成
・geopy: 緯度経度の計算

以下の手順に従ってください。
1.必要なライブラリをインストールします。
(sh)
pip install folium geopy

2.次に、Pythonスクリプトを作成します。以下のコードをコピーして実行してください。
(python)
import folium
from geopy.distance import geodesic
# 自宅の緯度と経度を設定(天理市の例として)
home_location = (34.596047, 135.819249)
# フォリウムマップの作成
m = folium.Map(location=home_location, zoom_start=15)
# 半径500mの倍数となる円を1倍から6倍まで描画
for i in range(1, 7):
    radius = 500 * i
    folium.Circle(
        location=home_location,
        radius=radius,
        color='blue',
        fill=True,
        fill_opacity=0.1
    ).add_to(m)
# 自宅のマーカーを追加
folium.Marker(location=home_location, popup="Home").add_to(m)
# 地図を保存
m.save('tenri_map.html')

このコードは、以下の手順で動作します。

1.home_locationに自宅の緯度と経度を設定します。この例では天理市の中心付近の座標を使用していますが、実際の自宅の座標に置き換えてください。
2.folium.Mapを使用して地図を作成し、初期の表示位置とズームレベルを設定します。
3.半径500mの倍数となる円を1倍から6倍まで描画します。folium.Circleを使用して円を描画し、radius引数で半径をメートル単位で指定します。
4.自宅の位置にマーカーを追加します。
5.作成した地図をHTMLファイルとして保存します。

保存されたtenri_map.htmlファイルをブラウザで開くと、自宅を中心とした円が描かれた地図が表示されます。
ということで,説明も十分読まずに,pythonプログラムをコピペしてjupyter環境で実行すると,アラ不思議,あっというまにインタラクティブな地図上に同心円が書けてしまった。見栄えのために修正したのは透明度だけだ。


図:散歩地図(GPT-4oがつくったpythonプログラムの出力)

2024年5月20日月曜日

チョイソコてんり(2)

チョイソコてんり(1)からの続き

朝の散歩で,天理市のAIデマンド交通システム,チョイソコてんりの停留所の写真を集めている。ところが,肝腎のチョイソコてんりには乗ったことがなかった。家人が出演する天理シティオーケストラの定期演奏会の日曜日が雨模様だったので,この際利用してみることに。

もよりの住宅地停留所は,中学校の前なのだけれど,ここだけ緑の看板があがっていない。なぜ?目的地停留所は,天理総合駅だ。残念ながら天理市民会館が目的地に含まれていない,どうして?

チョイソコてんり,アプリではなくてウェブサービスで予約する。利用するためにはあらかじめ利用者登録が必要だ。これで,年齢や割引条件が確定するので,料金が乗車時に最初からドライバーにわかる仕組みだ。

ログインして,日時,住宅地と目的地の停留所を決めるといくつかのコース候補がでてくるので,そこから選ぶことになる。ぴったりの時間はなかったので,少し余裕をみて決める。帰りの予約も促されたので,同じように選んだ。選択肢は2-3に限られ,時間も1〜2時間程度の間隔が空く。

10分前に家をでると,もう向こうの方に緑のそれらしい模様がついたトヨタのハイエースが止まっていた。早速乗車すると料金は先払い。ドライバーのタブレット画面には乗客の名簿がみえている。予定の5分前だったけれど早速出発した。

天理総合駅とは逆方向に走り,次のお客さんのところに向かう。ドライバーも慣れていないので,停留所の50mほど手前の路上で勘違いして止まっていた。緑の看板はない。すぐに気がついて,本来の停留所に到着。しばらくするとお婆さんが1人乗ってきた。これでOK,天理駅に向かった。

ドライバーに聞いて見ると,全体で4-5台が常時回っていて,それなりにお客さんがあるようだ。ただ,190箇所の住宅地停留所の場所は結構ややこしいところが多くて迷うらしい。

帰りは,天理総合駅の目的地停留所に,予約時間の7分前くらいにハイエースが到着した。名簿では2人になっていたので,こんどは名前を確認されて料金を支払った。高齢者の場合,片道200円なので,近鉄電車の240円よりも安いのである。予約時間になってももう1人のお客さんが来なかったので,淡々と見切り発車して自宅方向の住宅地停留所に向かった。


写真:天理総合駅のチョイソコ停留所(2024.5.19撮影)
廃止されたコミュニティバスの看板を流用している

P. S. 天理シティオーケストラの第23回定期演奏会は,天理市制70周年に因み,ニコライ/歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲,スッペ/喜歌劇「詩人と農夫」序曲, ヨハン・シュトラウスⅡ/美しく青きドナウ,ベートーヴェン/交響曲第7番だった。

P. P. S. 大学に入る前の話。家にあったクラシックのレコードで自分が聴いたのは,学校で習ったドボルザークの9番とハチャトリアンの剣の舞くらいだった。大学に入ると,同じクラスの佐藤秀明君に感化されて,NHK-FMのクラシック番組をラジカセでエアチェックするようになった。当時はFM放送が始まって間もない頃で,クラシック番組の比重が非常に大きかったのだ。そんなわけで,当時亡くなったハンスシュミット・イッセルシュテッドとかイシュトバン・ケルテスとかアムステルダム・コンセルトヘボウなどの名前が頭に入力されることになる。ベートーベンの交響曲7番もよく聴いた。

P. P. P. S.  学生時代の話。会社の出張で大阪の下宿にしばしば訪れた父親には,梅田で漫才や芝居や映画に連れてもらうことがあった。そのひとつが,未来惑星ザルドス(1974)だ。年老いたショーン・コネリーが主人公の怪しいB級SF映画なのだけれど,途中のパートで,ベートーベンの7番の第二楽章が流れ続ける場面があった。あら,こんなところでこれを使うのだと驚いた記憶がある。

2024年5月10日金曜日

チョイソコてんり(1)

天理市のAIデマンド交通システム「チョイソコてんり」が2024年4月から運用を開始した。昨年の12月に1ヶ月実証実験した結果,実施が決まったものだ。これにより,コミュニティバス「いちょう号」とデマンドタクシー「ぎんなん号」は廃止される。

年始の1/1-1/3を除く毎日8:00から19:00まで利用できる。運賃は1回300円(山間部の福住地区は500円),65歳以上の高齢者と障害者と学生と運転免許自主返納者は割引があって,1回200円(福住地区300円)だ。未就学児は無料。

あらかじめ会員登録したうえで,電話で事前予約する必要がある。5分前に停留所にいって待っておけばよい。あとは,AIというかコンピュータが自動的に最適なルートを割り出して,複数のお客さんを乗せて目的地に向かう。問題は,住宅地に指定された停留所(193箇所)と設定された目的地(市役所,病院,マーケット等 15箇所)の間だけに限られ,住宅地間は利用できないことだ。

最近の朝の散歩で,チョイソコ天理の停留所巡りをしている。自宅の半径2km周辺には30箇所ほどある。目的地にすべての小中学校と駅とコンビニを加えてほしいかも。

cd choisoko

magick mogrify -format jpg *.HEIC

magick montage -tile 5x5 -geometry +0+0 *.jpg output.jpg


写真:自宅の周囲にあるチョイソコてんりの住宅地停留所

チョイソコは,TOYOTAグループの部品メーカのアイシンが開発・運営しているオンデマンド型の交通システムである。全国各地に導入されているが,地域ごとに運営形態は多様なようである。チョイソコのホームページでは,いくつかの事例が具体的に紹介されているけれど,必ずしも網羅的にリストアップして,統一性を強調しているわけではなかった。


2024年3月19日火曜日

散歩

朝の散歩を始めたのは5年前の3月だったはずなので…(すでに記憶が危うい)5年目になった。

もっとも,子どものころに一度散歩を続けていた期間があった。小学校5年から6年のころだ。ある日突然,父が,今日から早起きして散歩をしようと言い出して,小学生の子ども3人を連れて,朝の散歩が始まった。どのくらい続いたかはっきりしないのだが,台風の大雨で昔の下菊橋の橋脚がえぐられ,橋を通る道がV字型になっているところを歩いたことや,寒い朝まだあたりが暗い中,ガスストーブで体を暖めながら着替えているところを憶えている。

さて,定年間近で始めた最初の散歩は,霜が降りている寒い日で,まっすぐ東に田んぼの中を歩いて天理大学の小グラウンドの裏あたりまでを往復した。その後,東西南北や八方位を毎日時計回りにスイッチして,40-60分歩くのが日課になった。

5年間でこのあたりの景色もずいぶん変わってしまった。人口減少とともに全体として町は寂れて行く方向にあるのだけれど,ときどき新しい建物ができたと思ったら,郡山インターに近いという地の利を活かした倉庫や廃棄物置き場なのだ。通れなくなってしまった私有地や,潰れてしまった家屋なども多い。

それでも国道25号線や24号線が通っているだけに,トライアル,ドトールコーヒー,平宗便利館など多少は役に立つものもできている。

昔は道なき道を踏み分けて進んでいたが,足下がおぼつかなくなってきたので,なるべく舗装された安全な道を選ぶようになった。それでも歩行速度はだいぶおちてきた。



写真:昔は田んぼでスクミリンゴガイの赤い卵を発見した。
去年ドッグランに変わり,最近は廃車置き場に転身。



2024年2月13日火曜日

柿の葉寿司

新しくなったGeminiに「美味しい柿の葉寿司のお店を紹介してください。」と尋ねてみた。

質問者の位置情報を勝手に把握した上で,天理市の美味しい柿の葉寿司のお店を紹介してくれたが,その結果は極めて妥当なものでした。いいようなわるいような。

天理市周辺で美味しい柿の葉寿司のお店をいくつかご紹介します。

柿の葉ずし平宗 便利館
住所:日本、〒632-0097 奈良県天理市中町217−2
営業時間:9時30分~19時00分
評価:4.2
口コミ:Googleマップ 
ゐざさ 大和吉野 柿の葉寿司 田原本店
住所:日本、〒636-0226 奈良県磯城郡田原本町唐古80−5
営業時間:9時30分~18時00分
評価:4
口コミ:Googleマップ 
柿の葉ずしのみよし野 奈良コープ産業
住所:日本、〒632-0082 奈良県天理市荒蒔町96−1
営業時間:8時30分~17時00分
評価:0
口コミ:Googleマップ 
柿の葉ずしヤマト 天理店
住所:日本、〒632-0046 奈良県天理市三昧田町90−1
営業時間:8時00分~19時00分
評価:3.9
口コミ:Googleマップ 
柿の葉寿司本舗たなか 西和店
住所:日本、〒639-0205 奈良県北葛城郡上牧町下牧2丁目8−85
営業時間:8時30分~19時00分
評価:3.9
口コミ:Googleマップ 
これらのお店は、いずれもGoogleマップ上で高評価を得ています。また、営業時間も長いので、お好みの時間に訪れることができます。

ぜひ、天理市で美味しい柿の葉寿司を味わってみてください。 


図:GeminiがGoogle Mapを呼び出して表示した近辺の柿の葉寿司ベスト5

2022年11月7日月曜日

NARASIA

秋晴れの立冬前日の午後,天理市のなら歴史芸術文化村に立ち寄った。

いつものように,ひととおり,文化財修復・展示棟をみてまわり,1Fの資料・パンフレットコーナをみていると,EURO-NARASIA Q 22号というしっかり製本された雑誌があった。手に取ると,奈良県立大学ユーラシア研究センターが発刊している。

大学の刊行物にしてはすごくお金がかかっていそうでびっくりした。奈良県立大学のユーラシア研究センターは,「広くユーラシアと関わる奈良の文化資源に関する調査研究」を行いその成果を県民はじめ内外に発信することが目的なので,奈良県としては広報の一環として予算をつぎこんでいるのかもしれない。

NARASIAのバックナンバーは,第14号から21号までがpdf公開されている。最新号は,奈良県施設に置いて無料配布している。年に2-3回の発行なのでなかなか太っ腹なのだ。第22号は,上質紙64ページでカラーページも多く,テーマが安如宝・和と洋・タジキスタン・ゾロアスター教・モダニズム・妖怪博士・雲土器と読みごたえもありそうだ。


写真:EURO-NARASIA Q 第22号の書影

P. S. 1 現在の奈良県立大学の理事長は,天理市長並河健の師匠の北岡伸一だった。
P. S. 2 NARASIAは奈良NARAとアジアASIAを繋げた造語であり,平城遷都1300年のころから使われているようだ。


2022年10月17日月曜日

亀趺

朝の散歩で,Googleマップを眺めていたら前栽のあたりの名所旧跡マークで「(きふ)」というのがでてきた。さっそくいってみた。

前栽駅の北東徒歩7分にある黄檗宗の雲井寺といっても,無人の小さなお堂とお稲荷さんなどがあるだけだ。その一角に亀趺がある。雲井寺の地蔵堂というのが前栽駅前にあり,こちらの方は前をよく通るのでお馴染だった。

亀趺というのは石碑の台石の一種で,大亀の形をしている。これは実は亀ではなく,龍の九子の一つで龍になれなかった「贔屓(ひいき)」という想像上の霊獣だ。贔屓は「一生懸命努力して力を出すさま」を意味するとされた。やがて「特別に便宜を図ったり,力添えをする」という今の意味に転じた。

亀趺はもともと中国の貴族階級の風習だったが,江戸時代に日本でも取り入れられた。日本の亀趺(平勢隆郎)によれば,大名家の墓や神格の顕彰に用いられるようだが,なぜ,前栽の小さな寺にあったのだろう。

亀趺の上の碑の三面に銘文があったので,解読を試みたが,花崗岩が風化しているので,ちょっと全部はわからなかった(たぶん15%くらいは誤りかもしれない)。とくに第三面はほとんどだめだったので二面分だけ。

建立放蕩納妙連経
毎冩一字一華一香
合唱三拝喜捨一銭
皆成彿道以此功徳

八彿出世寺受授記
多宝證明韻言善哉
修瑜枷地右縁無縁
共雪昔雲財法二也


写真:天理前栽雲井寺の亀趺(2022.9.26撮影)

[1]亀趺を持つ石碑の系譜(藤井正直)
[2]亀趺を持つ石碑の系譜(二)(藤井正直)
[3]亀趺を持つ石碑の系譜(三)(藤井正直)
[4]日本近世の亀趺碑(平勢隆郎)
[5]日本近世の亀趺碑−その続(平勢隆郎)
[6]ひかり拓本(奈良文化財研究所)

2022年8月3日水曜日

イチカ

天理市デジタル地域通貨イチカ」が8月1日からスタートした。 

各戸には案内が送付されるということだったが,ようやく届いた。MilaboPrairieというアプリを使ったもので,さっそく登録してみると,愛媛県西条市と奈良県天理市が選択肢としてでてきたので,このアプリを使ったものとしては全国で1-2例目になる。

地域通貨アプリは他にもあるが,chiicaが9市町村で導入されている。regionPAYは大阪のキャンペーンで利用された例が1件あるだけで,現在は利用が停止されてる。全国の地域通貨のリストがあったが,2017年で更新が止まっていた。

天理市のデジタル地域通貨では,3000ポイント(=3000円分)が各市民に付与されて,10月31日まで有効となっている。コロナ禍に対する生活支援と地元消費喚起が目的であり,ボランティア活動や健康増進活動ともリンクさせるようだ。

なお,スマートフォンの利用が難しい高齢者などの場合は,紙のクーポン券が発行されている。


図:天理市イチカのページから引用

2022年5月12日木曜日

人間ドック(2)

人間ドック(1)からの続き

昨日は,天理市立メディカルセンターの人間ドック健診日だった。

天理市の国民健康保険加入者に対する人間ドック補助制度がある,今年から条件に該当することになったので,早速申し込んでいた。メディカルセンターの受付時間は8:30から8:45までで,10分前につくと6番目だ。大手前病院では,家を6:00前に出て,7:15に病院に到着してやっと6番目前後だったので,えらい違いである。

天理市立メディカルセンターは,高井病院の福祉医療法人である高清会が運営していて,設備も比較的新しく普通の病院とあまりかわらない。健診を受けている人数がそもそも少ないので対応はよい。タニタの最新式体重計では,体脂肪率だけでなく身体各部の脂肪量や筋肉量まで算出してくれる。脂肪量は平均値なのだが,筋肉量が平均より2段階下である。どおりで懸垂ができなくなるわけだ。

気になった点は,(1) 眼底検査がなかなかうまくいかず,3回取り直した。これは私のせいなのか?(2) 聴力検査はかなりアバウトなのであった。(3) 胃X線(バリウム)は検査技師の方はとても丁寧で親切だったけれど,発泡剤を補助液なしにそのまま口に入れ,大量のバリウムで直接流し込む方式には閉口した。診断台で身体を支えるのもなかなか困難になってきたので,来年は胃カメラかな。

問診は,超音波検査を担当していたお医者さんに血液検査のデータを見ながら丁寧に説明してもらった。LDLコレステロールが170mg/dLと後一歩で要治療の180mg/dLに達するということで脅された。さっそく看護師の保健指導をうけつつ3ヶ月後の再検査を申し込むことに。

[1]バックス発泡顆粒(「透視開始に際して、造影剤投与開始直前あるいは投与開始後、年齢、胃内容積の個人差、造影の体位に応じて、約100~400mLの炭酸ガスの 発生量に相当する量を、少量の水または、造影剤と共に経口投与する」なので,補助液なしでもかまわないらしい。)

2022年3月12日土曜日

デジタル地域通貨

 天理市がデジタル地域通貨を始めるというニュース。

天理市の並河健市長は若くて頭がいいので,新しいことにいろいろと取り組んでいる。自民党に近いし,師匠が北岡伸一なのだけれど,これまでの市長としての発言内容にはおおむね好感が持てる。昨年のコロナワクチン接種開始時の対応もスムーズで,奈良県の他市町村と比べても接種率が高い状態をずっと維持していた。最近では,PCR検査体制も整えてた。

高市早苗に対抗して2012年に日本維新の会から衆議院選挙に出馬したが,その後離党している。そんなこともあるので,市立図書館をカルチュア・コンビニエンス・クラブ(TSUTAYA)に売り渡さないかだけが心配だ。

さて,そのデジタル地域通貨だが,朝日新聞によると次のようなものらしい。

第1段階:コロナ禍で低迷する地元の消費喚起で市内事業者の支援を図るため,5月から6月にかけて各世帯にアプリのダウンロード方法やデジタル地域通貨を得られるQRコードを載せたお知らせを送付(1ポイントは1円相当,ポイント名は未定。夏ごろから市内の加盟店舗で使える予定)。

第2段階:市民の地域貢献活動や健康増進活動への参加に応じて市からポイントを付与。市民活動に対して新たな価値を付加することで,まちづくりへの市民参加を促す。

第3段階:市民が自らポイントをチャージできるようにする。店舗で使用されたポイントの一部を福祉関係の施設に助成する流れも作り,地元消費に新たな価値を加える。

デジタル市役所もはじまったことであり,今後の展開にちょっと期待できるかどうか。 

2022年1月30日日曜日

第3回ワクチン接種

 第2回ワクチン接種からの続き

1月30日14:00に第3回のワクチン接種を予約していたが,その接種が完了した。

第2回のファイザーワクチン接種が2021年6月26日だったので,当初は8ヶ月後の2月26日以降に接種することになっていた。ところがこれが早められて7ヶ月で3回目の接種が可能ということになり,天理市では早速,接種時期が前倒しされることになった。

オンラインや電話での予約受付は1月17日からはじまり,1月26日以降の日付で接種できることになった。当初の案内では,前回と同じタイプのワクチンを接種するということで,ファイザーの注意書きが送付されてきた。ところがその後,各医院での個別接種を除いた文化センターや高井病院での集団接種ではモデルナが指定されることになった。

世の中では,モデルナを忌避する傾向がみられ,これによる調整の遅れが第3回接種が進まないことの一因とされている。前2回のファイザーの接種ではほとんど副反応がなかったが,第3回のモデルナについても接種後8時間経過した時点までは大丈夫である。

13:45に会場に到着し,14:10には待機の15分も完了した。だいぶ要領がよくなっているようだ。65歳以上の高齢者が対象のためモタモタすることも多いが,十分に配置されたスタッフが手際良く動線を管理しているので,天理市の集団接種は非常にスムースに進んでいる。


写真:天理市文化センターの集団接種会場(撮影 2022.1.30)

2022年1月24日月曜日

グリル狸

 かつて金沢にあった洋食の名店が「グリル狸」だ。いまはもうない。

大阪の長堀橋で20年以上営業していた洋食Katsuiが,天理の山辺の道にある天理市トレイルセンターに移転して数年経った。オーナーの勝井さんが天理市出身であり,指定管理者の募集に応募したものだ。

国立文楽劇場のパンフレットには,洋食Katsuiと姉妹店の御堂筋ロッジの宣伝が毎回掲載されていたので,何かの機会に家族で食べに行ったがなかなかよかった。天理に来てからは年に1度は訪れている。その洋食Katsuiのホームページに勝井ファミリーとして,金沢のグリルNew狸が紹介されていた。

あれっと思って調べてみたら,グリルNew狸は1967年から石引町で営業しているが,もともとは片町のグリル狸からのれん分けでスタートしたようだ。その片町のグリル狸の方は1997年には閉店しているらしい。

グリル狸は,三島由紀夫(1935-1970)の美しい星(1962)に登場している。主人公の一家の娘であり,自分を金星人だと認識している大杉暁子が金沢を訪問して,同じ金星人の青年竹宮と金沢を巡るのが第三章であり,ほとんど金沢の街案内のようになっている。

暁子が竹宮と内灘に行く前の段,「二人は再び香林坊へ戻って,狸茶屋という店で小さいステーキの午餐を摂った」とある。香林坊と書いているが,実際には,片町の金劇の向いにある歓楽ビルの裏手の細い裏道のあたりだった。

そのグリル狸は金沢でも有名な洋食屋の一つだったが,小学生のころに一二度連れて行かれたことがある。それほど大きな店ではなく,狭い階段を上がった二階の小部屋のテーブルを家族で囲んだ。トイレに行くと当時珍しかった水洗便器がある。

子供だったが,大人と同じようにコースのスープ皿が並べられ,お玉ですくわれたものが振る舞われた。白いじゃがいものポタージュだ。そんなものはそれまで見たこともなかったので恐る恐る口にしたが,とても美味しくてびっくりした記憶がある。ホットオレンジジュースもここで初めて経験したが,それはまた別の機会だったのかもしれない。

P. S. 以前紹介した,ステーキのひよこの大将も,グリル狸で修業していたらしい。なお,ネットの記事ではグリル狸のことを狸茶屋としているものが多いが,その名前で看板は出していなかったのではないか。三島の文章に引きずられているのではないか。


写真:片町のグリル狸の玄関(金沢グルメのバイブルあすかの美味献立から引用)

[1]平岡倭文江の項ですでにこれについては触れていたのだった。記憶は周期軌道を繰り返してたどり,脳の本質的な特徴かもしれないカオスからの逸脱をはかることになる。

2021年12月17日金曜日

新型コロナワクチン接種予約(3)

 新型コロナワクチン接種予約(2)からの続き

天王寺キャンパスの非常勤授業から帰ってきたら,天理市から新型コロナワクチン接種予約追加(3回目)の接種券が届いていた。6月5日に1回目,6月26日に2回目の接種をしているので,2022年1月17日(月)から予約受付開始,2月26日(土)以降に接種可能になる。

これはちょうど8ヶ月の間隔を空けたことに対応しているが,2ヶ月の前倒しが必要な場合はまた連絡があるとのこと。電話予約の場合は,年齢ごとに受付曜日が決まっているが,オンライン予約は24時間無休でいつでも可能である。

予診票に,ファイザーかモデルナかを選ぶ欄がないなあ(あると混乱するだけなのだが)と思っていたが,ファイザー社ワクチンであるという説明書が入っていた。前回の接種時とは異なり,高齢者接種でのファイザーワクチン数が足りなくて,テレビではさかんに交互接種のメリットを宣伝していた。接種者の希望でということにすれば混乱するのにと思っていたが,天理市ではそれはないかもしれない。


2021年12月11日土曜日

旧制大阪高等学校(1)

安倍晴明からの続き

 11月21日に大阪の阿倍野あたりに散歩に出かけてからはや三週間経った。北畠のあたりから阿部野神社をまわり,安倍晴明神社にいたるコースだった。

その北畠の東を走るあべの筋の脇にURの阪南団地がある。ここはかつての旧制大阪高等学校の跡地である。それほど広いわけではない。大高跡地であることを示す石碑と,当時からあるチシャノキとその説明を書いた記念碑があった。青春の像もあるというので探したが見つからなかった。後で調べると阪大豊中キャンパスの大高の森に移設されていた。

天理大学の創設者で,天理教第二代真柱の中山正善(1905-1967)は,旧制大阪高等学校から東京帝国大学文学部宗教学宗教史学科に進んでいるが,その縁から旧制大阪高等学校の学生集会所であった黎明館を天理大学に移築して今に至っている。

大阪帝国大学から新制の大阪大学へ移行する際に,旧制大阪高等学校(官立,1921-1950)と旧制浪速高等学校(府立,7年制,1926-1950)がその後の教養部を形成した。石橋から坂道を上ってきて最初に見える,街兼山の古い大学の建物(イ号館,ハ号館)などはその旧制浪速高等学校の建物だった。

かつて教養部長を務めた物性物理実験の大塚穎三先生(1929-2013,中田博保さんの師匠)は,旧制浪速高等学校の出身であり,「大塚穎三名誉教授に聞く : 大阪大学の思い出」というインタビュー記事の中に当時の話がでてくる。


写真:旧制大阪高等学校跡地のチシャノキ(2021.11.21撮影)

2021年12月7日火曜日

インフルエンザの予防接種

 天理市からインフルエンザの予防接種の案内があったので(個別ではなくて広報誌なのだが),しばらく前に予約していたら,間の悪い事に久々の雨降りの午後が予約と重なってしまった。仕方がないので,車で天理市メディカルセンターに向かった。

これは高齢者(65歳以上)向けに,インフルエンザ予防接種の助成をするもので,2021年10月1日から2022年1月31日迄の期間,1500円で1回接種できるというものだ。

予約した1時30分の30分前にセンターに着いたが,もう15名くらいが椅子に座って待っている。体温を測って問診票を受付に出すと14番の書類が渡された。時間が来たらスイスイと接種が終了していく。これも痛くはありませんでした。

次は,コロナワクチンの3回目で,こちらの方は12月接種券配布,1月予約,2月接種というスケジュールになりそうだ。

2021年11月12日金曜日

神戸:西東三鬼

対面授業が始まってくれたおかげで,電車の中で読書する時間が戻ってきた。

西東三鬼(1900-1962)の神戸・続神戸を読了。これは,昔,NHKのドラマ人間模様で見た「冬の桃」(1977,脚本:早坂暁,演出:深町幸男,全7回)の原作である。早坂=深町コンビといえば,夢千代日記(1981)も新婚当時よく見ていたが,それと同じフレーバーの名作だった。

冬の桃は1977年の放送だったが,M2の頃に見ていたのではないかもしれない。とすると総合テレビで夜9:00に再放送された1990年だろうか。小林桂樹の渋い演技や,時々挟まる西東三鬼の俳句が,戦時中の神戸の怪しいホテル人々の様子と相まってとても印象的だった。

小説(著者はフィクションではないと書いている)の方も,小説より奇なりのエピソードが積み重ねられる。歯科医の著者が,弾圧によって俳句から距離を置いた,戦中戦後の生活模様が描かれる。

その後,1948年には山口誓子(1901-1994)を主宰とする雑誌「天狼」の編集にあたる。名前は耳にしたことがある雑誌だが,創刊時は奈良県丹波市町(現天理市)の養徳社から出版されている。西東三鬼が編集に携わっていた頃は先鋭的だったのが,後に微温的な雑誌になってしまったとのこと。

養徳社は,天理時報社の出版部門が1944年に株式会社として独立したもので,現在は,天理教関係の一般雑誌などを出版している(天理時報社=印刷会社には,個人の名刺を印刷してもらったことがある)。天理教の出版物といえば,天理道友社だが,こちらは宗教法人格を持っている。


写真:西東三鬼(津山市西東三鬼賞のページより引用)

[1]第三俳句集 今日(西東三鬼,青空文庫)
[2]西東三鬼賞(津山市)

2021年11月11日木曜日

接種済証ケース

 天理市から新型コロナウイルスワクチンの接種済証ケースを送ってきた。色々と気がつく市長さんである。もちろん,本来ならば接種済証明アプリがあれば良いのだけれど,COCOAで懲りたのか,新たな利権構造ができていないのか。地域独自のものはあるようだが全国版がない模様で,厚生労働省もやる気なし。

調べてみると,民間ベースのワクパスというのがある。いいのだけれど,これが乱立したら真正性をどうやって保証するのだろうか?ちょっと試してみると,登録がうまく進行しない。アイコンのデザインもイマイチなのでもう少し様子を見たほうがいい。


写真:天理市の接種済証ケース(2021.11.11撮影)

2021年11月8日月曜日

伝書鳩

 日曜日の朝,ベランダにハトがいた。ヒヨドリやその仲間はときどきやってきて手すりに留まっているが,人の気配がするとすぐに逃げてしまう。家の近所はスズメやカラスだけでなく,セキレイやツグミ,池や田んぼにシロサギ,アオサギ,カモなどをたくさん見かける環境だ。

マンションには時々厄介なカワラバト(ドバト)が増える年があって,捕獲駆除サービスをお願いすることもある。ところが,このハトは逃げないのである。よく見ると赤と白の脚輪が左右にあり,何やら文字や数字が書かれている。近寄って写真を撮っても平気で餌になる金木犀の花びらをついばんでいた。

調べてみると,伝書鳩(レース鳩)のようだ。日本伝書鳩協会日本鳩レース協会があって,それぞれ固有の番号をつけている。家に来たハトはどうやら伝書鳩協会山口県周南支部の所属らしい。白い脚輪には連絡先が書いてあるのだけれど,汚れが固着している上にハトが逃げるので読み取れない。

伝書鳩協会のページには,迷い鳩の対処方法が書いてあった。どうしましょうどうしましょうと困っているうちに,夕方にはどこかに行ってしまったので,めでたしめでたしとなった。

月曜日の朝,ベランダにハトが帰ってきた。流石に居付かれると困るので,東京の伝書鳩協会本部に電話してみた。どうやらハトを捕獲してその番号を確認しないことには次の手順に進めないらしい。ハトは賢いし素早いので,カメのような爺さんには簡単に捕まらないのである。

何度も失敗を重ねた末に,ベランダに落ちている草の実などを食べているところを背後から掴むことに成功した。早速,脚輪の番号を確認してもらうと,山口県の飼い主の電話番号が判明したので連絡してみた。滋賀県琵琶湖畔からのレースで迷ったものらしい。調べてみると今年の春にも坂本発の400kmレースがあった。平均分速300mで,20-21時間かけて400km離れた自宅まで帰るものらしく,36羽放って2羽しか帰還していない。おいおい。

どうやら京都の支部(都クラブ)の人が取りに来てくれるらしいが,それまで米粒でもやっといてくださいとのリクエストだった。

P. S. 道に迷ったとかで,夜7時過ぎに取りに来られた。協会の規約ということで,お礼をいただく。やはり長距離のレースでは多くのハトが戻ってこないようで,こういうのはレアケースとのこと。山口県までは郵便局のハト専用パッケージで返送されるらしい。


写真:日曜日のハト(赤が協会脚輪,白が個人脚輪)