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2024年12月7日土曜日

自宅でできる運動教室

しばらく前に天理市の保健医療課から,自宅でできる運動教室のアナウンス(対象はおもに65-74歳)があった。先着80名ということでさっそく電話予約しておいた。

当日,13:30に到着するとすでに24番,たぶん定員の80名には達しているようだ。14:00の開始前に血管年齢の測定がある。左手人さし指の脈動の応答時間を赤外線で測定するものらしい。前に並んだおじさんおばさんは,若いですねー15歳もとか,10歳もとかいう声が聞こえてきた。期待していたら,自分の結果は48点で74歳相当(実年齢+3歳)でがっくり。まあ普通なんですけどね。

トータルフィットの梅田陽子さんが講師で,天理市の保健医療課でまとめた高齢者健康データの説明からはじまって,ウォーキングの話が前半,後半は座席で足の運動と簡易スクワットの実技を行った。天理市民は奈良県民や全国平均と比べてウォーキングの数値が低くて,つまづいて転倒する率がかなり高くなっている。だからもっと歩いてほしいのだけれど,天候や安全の問題があるので,自宅でできる運動教室ということらしい。



写真:自宅でできる運動教室

2024年11月29日金曜日

人生会議

天理市の看護職連携会議が主催する人生会議アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の市民向け講演会に出席してきた。看護職連携会議(いちごの会)は,天理市の医療・介護関係の看護職で構成され2015年に発足している。

人生会議=アドバンス・ケア・プランニングとは,認知症や急な病気や事故で本人の意思が伝えられなくなる前に,将来の医療及びケアについて, 本人や家族や医療・ ケアチームが繰り返し話し合いを行い,本人の意思決定を支援する取り組みである。

最初に天理市の福祉政策課の人の話が10分(天理市の人口は2060年には半減する),昨日風邪で診てもらったばかりの宮城医院の宮城先生の講演が45分,ここまでが第一部だ。第二部は看護職連携会議の専門職の方から,アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実際や,天理市で作成したACPのツールとしてのこれからノートの説明などがあった。最後の,宮城先生のまとめを含めて全体で2時間のプログラムだった。

講演会の出席者は,60名ほどであり,そのうち男性は6名だけ。しかし,質問というか発言したのは3名すべて男性(民生委員など)だった。うーむ,どういうことだろうか。

宮城先生の最後のまとめで,人生会議=アドバンス・ライフ・プランニング(ALP)という見方を加えて,高校生や大学生の教育の過程で取り入れてはどうかという提案がよかった。
  第一段階:健康状態 = ALP
  第二段階:フレイル状態 = ALP + ACP
  第三段階:要支援・要介護状態 = ACP + EOLD(End of Life Discussion)
第一段階+第二段階が健康寿命の範囲となる。


図:これからノート(天理市ホームページから引用)

[1]人生会議してみませんか(厚生労働省)

2024年11月15日金曜日

聴力チェック

AirPods Pro2にヒアリングチェックとヒアリング補助機能が追加されたというので試してみた。iOS17.7のままではだめだったので,夜中のうちにiOS18.1にアップグレードした。朝起きてiPhone SE2を立ち上げると無事に新機能が使えるようになっていた。

ヒアリングチェックしますかというので,OKして進んでいくと,まず音漏れチェックや周囲の騒音チェックがある。これをパスすると,左耳と右耳それぞれ5分づつのチェックが始まる。音の高さや大きさを変化させながら,ピー・ピー・ピーという三連音が発せられて,きこえると画面をタップする。いつもの人間ドックのアバウトな検査とはえらい違いだ。

最終結果は図のようになって,難聴ではなかった。ただし,4000Hzをこえると急に聞こえにくくってしまい,8000Hzはもうほとんどわからない。これは既に別の簡易テストでもわかっていたことだ。まあいいか。

ヒアリングチェックの結果,軽度から中程度の難聴が認められるとパーソナライズされた聴力プロファイルによるヒアリング補助機能が利用できる。もう高価な補聴器は不要の時代がやってきたのかもしれない。



写真:iPhoneのAirPods Pro設定画面から(2024.11.15早朝)


2024年11月3日日曜日

フレイル予防

天理市から「フレイル予防のための食事」というタイトルで,管理栄養士による講演会の案内がやってきた。気になっていたので早速申し込んでおいた。

天理市立メディカルセンターの2Fにある地域包括ケア広場で,奈良県栄養士会の会長の講演があった。タイトルは「栄養講座〜高齢期のフレイル及び骨粗鬆症予防〜(リンク先は同趣旨の厚生労働省資料)」だ。35pのPowerPoint資料が配られ,健康アンケートと簡易骨密度測定(結果はBで問題なさそう)がついてくる。

25席用意されていて,おしゃべりで元気そうなお婆さん達が20名ほど集まっている。爺さんは,自分を含めて2-3名程度だ。日本は超高齢社会となり100歳以上が 9万5千人いるが,男女比はという質問があった。婆さんらは元気に答える。教室では黙ってしまう若者と大違いだ。答えは1-2割が男で8-9割が女というもの,婆さんら正解。うーむ,男性12%女性88%なのか

講師は,女性の長生きが多いのは皆さんのように活動的でぺちゃくちゃしゃべりし,コミュニティを形成する能力の高さからくるのだとのこと。うーん,確かに爺さんはコミュニケーションが苦手だ。人によるのかもしれないけれど。

厚生労働省の5年ごとに改定される食事摂取基準が,2020年版からその目的に「高齢者の低栄養・フレイル予防」をうたうようになった。そもそも用語としてもフレイルティからフレイルに変更された。ここでのフレイルの定義は「健常状態と要介護状態の中間に位置するもの」である。なお,高齢者の年齢区分も,従来の70歳以上から,前期高齢者65-74歳と後期高齢者75歳以上の2区分に詳細化されている。

食事摂取基準の対象は,,歩行や家事などの身体活動を行っている者であ り、体格〔body mass index:BMI、体重(kg)÷身長(m)2〕が標準より著しく外れていない者」だ。指標としてBMIが頻繁に登場する。自分の平均BMIは18.9であり,幽明の境目だ。高齢者のBMI基準も2020年度版からは若者より高く設定されて BMI=22,自分の場合体重 72 kg が必要なので,10 kgも足りない。

フレイルから元気な状態へは,がんばれば戻れるらしい。そのためには,(1) 筋量の増加のためにたんぱく質摂取量を増やし,(2) 筋力の増加のために筋トレをすること。適切なたんぱくしつ摂取量は,1.3〜1.5/kg/日 なので自分の場合 80g にも達する(食事摂取基準では60 g)。

たんぱく質の多い食品でコレステロールのリストとして挙げられたのが次のものだった。
とりささみ100g,ぶたもも肉100g,牛ひき肉100g,たまご1こ,まぐろ赤身5切れ(トロはダメよ),焼き魚1切れ,木綿豆腐1/2丁,納豆1パック,牛乳200mL,チーズ20g,ヨーグルト100g 等々。1食で 25gとれば3食で目標が達成できる。

後半には,女性も多かったので骨粗鬆症の話が中心になる。血液中には1%のカルシウムが定常的に含まれている必要があって,これを維持するためには1日に700mg程度のカルシウム摂取が必要だ(そのうち実際に吸収されるのは野菜20%小魚30%乳製品50%程度である)。
牛乳1本で1/3はまかなえる。小松菜,ひじき,じゃこ,豆腐,納豆もよい。このとき,魚とキノコを摂取してビタミンDも忘れずに。

ビタミンDの合成は日光にあたった皮膚で行われるため,若い子が日焼け止めクリームを塗りすぎるのもよくないとのことだった。将来の骨粗鬆症を招くことになる。


写真:天理市の栄養講座(2024.10.28撮影)k

2024年10月4日金曜日

健康余命

平均寿命というのは0歳における平均余命であり,例えば70歳における平均余命に70を足せば,その時点での平均寿命より長くなる。日本人男性71歳の場合は,71+平均余命15年で,平均86歳くらいで死にそうだ(現在の男性の平均寿命は81歳)。まあ,平均をいくら議論しても余り意味はないのだけれど。

同じように,健康寿命(日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間)についても,健康余命というのを考えることができるはずだ。検索してみると,ニッセイ基礎研究所が2019年のデータを元にとりまとめていた。

これによれば,日本人男性71歳の場合は,71+健康余命10年で,平均81歳程度まで健康ということになる。その場合不健康期間は5年間というわけだ。そうなればまだよいが,世の中そんなに甘くはないと思われる。なお,日本人女性67歳の場合は,平均余命が23年(90歳),健康余命が15年(82歳),不健康期間が8年間だ。なお,現在の男性の平均寿命は86歳。

さらに考えると,医療技術の発展で身体は大丈夫だけれど,認知症になってしまうケースも増えてくるかもしれない。その場合,精神寿命や精神余命の概念が必要になってくるかもしれない。まあ,認知症で自律した生活ができなければ,上の健康寿命の方に包括されてしまうのかもしれない。

そういえば,大石君が,去年の同窓会で幸福寿命という話をしていたような気もするけど,あれはどんな定義だったのだろうか。

2024年9月18日水曜日

ピロリ菌(2)

ピロリ菌(1)からの続き

6月のピロリ菌除菌薬の服用から3ヶ月,天理市立メディカルセンターに除菌結果の検査をする日がやってきた。尿素呼気試験法というもので,呼気を調べることでわかるというのだが,はて?まさか,ピロリ菌が呼気に飛び出してくるわけでもなかろう。

実際の手順はこんな感じ。2つの同じ袋を示された。まず息を吸ってからしばらく止めて,1つ目の袋に呼気を吐き出す。200mL程度だろうか。次に小さな白い錠剤を1粒,100mLの水で飲んだ後,診察台で左下に横臥して5分待つ。それから診察室の椅子に座ってさらに15分じっとしている。スマホはみてもよい。小児科の診察室なので風葉ちゃんの大好きなアンパンマン人形が置いてある。最後に2つ目の袋に呼気を吐き出して終了だ。

帰宅してから,この検査はどんな仕組みになっているのかgoogleで調べたところ,大塚製薬の「ピロリ菌の検査と除菌治療」がわかりやすかった。その説明は次のようなものだった。
ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素により、胃の中の尿素を分解して、アンモニアと二酸化炭素を生成します。尿素の分解により、アンモニアと同時に生じた二酸化炭素は速やかに吸収され、血液から肺に移行し、呼気中に炭酸ガスとして排泄されます。この試験法は、この原理を利用して、検査薬(13C-尿素)を患者さんに服用して頂きます。ピロリ菌に感染している場合では、尿素が分解されるため呼気に13CO2が多く検出されることになります。一方ピロリ菌に感染していない場合では、尿素が分解されないため13CO2の呼気排泄はほとんど起こりません。
えーっ同位元素を使うのかと驚いたところ,よく考えたら炭素13は放射性同位元素ではなくて,地球存在比1.1%の安定同位元素だった。なんのことはない,昔,佐藤さん,大坪先生と連名の論文 "Electron scattering and charged pion photoproduction on12C and13C" で扱っていた。あるいは,自分のドクター論文にも13Cの遷移図を描いて計算していたのだった。



図:尿素呼気試験法の仕組み(大塚製薬から引用)

2024年7月22日月曜日

飲酒喫煙

未成年の喫煙と飲酒が話題になっていたので調べてみよう。関連の法律は,明治時代や大正時代からあるもので,旧仮名遣いの古い建て付けのままだった。
二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律 (明治三十三年法律第三十三号)
第一条 二十歳未満ノ者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス
第二条 前条ニ違反シタル者アルトキハ行政ノ処分ヲ以テ喫煙ノ為ニ所持スル煙草及器具ヲ没収ス
第三条 未成年者ニ対シテ親権ヲ行フ者情ヲ知リテ其ノ喫煙ヲ制止セサルトキハ科料ニ処ス
② 親権ヲ行フ者ニ代リテ未成年者ヲ監督スル者亦前項ニ依リテ処断ス
第四条 煙草又ハ器具ヲ販売スル者ハ二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス
第五条 二十歳未満ノ者ニ其ノ自用ニ供スルモノナルコトヲ知リテ煙草又ハ器具ヲ販売シタル者ハ五十万円以下ノ罰金ニ処ス
第六条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ前条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ同条ノ刑ヲ科ス

二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律 (大正十一年法律第二十号)
第一条 二十歳未満ノ者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス
② 未成年者ニ対シテ親権ヲ行フ者若ハ親権者ニ代リテ之ヲ監督スル者未成年者ノ飲酒ヲ知リタルトキハ之ヲ制止スヘシ
③ 営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ二十歳未満ノ者ノ飲用ニ供スルコトヲ知リテ酒類ヲ販売又ハ供与スルコトヲ得ス
④ 営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス
第二条 二十歳未満ノ者カ其ノ飲用ニ供スル目的ヲ以テ所有又ハ所持スル酒類及其ノ器具ハ行政ノ処分ヲ以テ之ヲ没収シ又ハ廃棄其ノ他ノ必要ナル処置ヲ為サシムルコトヲ得
第三条 第一条第三項ノ規定ニ違反シタル者ハ五十万円以下ノ罰金ニ処ス
② 第一条第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ科料ニ処ス
第四条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ前条第一項ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ同項ノ刑ヲ科ス

自分が19歳になる年,つまり大学生になった頃には喫煙も飲酒もしていた。当時はまわりも皆そんな感じだった。大学生なら仕方ないね的な何か・・・。その後,大学に就職して教員の立場になって何年か過ぎると,未成年の飲酒に対してどんどん厳しい雰囲気に変わっていった。自分が定年を迎える頃には,もう学生さんがそもそもお酒をあまり飲まなくなっていた(ビールやお酒から何とかサワーにシフトしていただけか?)。

1991年に柏原キャンパスに統合移転してからも,折々に,教室に鍋を持ち込んだり,棟間のテラスでバーベキューをしながら,学生さんと一緒に酒盛りで懇親していてたもの懐かしい。やがて当局からおふれが出て,禁止になったり自粛を迫られたりした。その結果,21世紀に入ってからは,物理学教室の教員と学生のコンパなるものも消滅してしまった。もっともこれは,教員養成課程と教養学科の分離に起因するのかもしれないが。

新しい時代のコンプライアンス重視の健康的な環境が2000年から2010年には実現したということなのかもしれないが,それが良かったのかどうか。なんでもかんでも懐古主義的に正当化しようということではないのだけれど・・・。学生さんたちは,ややこしい教員から解放されて助かっていたのかもしれないしね。研究室単位のこじんまりした忘年会や卒論発表会後の打ち上げなんかはそれなりに最後の方まで続いていたような気もする。もっとも,自分は,最後の3年はわがままをいって,学生を取らなかったのだけれど。

Q(koshix):
以下の法文を現代語に直してください。(上記法文入力)

A(Claude 3.5 Sonnet)
はい、承知しました。これらの法律を現代語に直します。まず、「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」から始めます。
(以下略)
次に、「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」を現代語に直します。
(以下略)
これらの法律は、現在では「未成年者飲酒禁止法」と「未成年者喫煙禁止法」として知られています。なお、2022年4月1日より成年年齢が18歳に引き下げられましたが、飲酒と喫煙に関しては20歳未満の禁止が継続されています。  

 

Q(koshix):
飲酒禁止と喫煙禁止の共通点と違いを整理してください

A(Claude 3.5 Sonnet):
はい、飲酒禁止と喫煙禁止の法律について、共通点と違いを整理いたします。

共通点
1.対象年齢
両法律とも、20歳未満の者を対象としています。
2.行為の禁止
20歳未満の者による飲酒および喫煙を禁止しています。
3.親権者等の責任
未成年者の飲酒・喫煙を知った親権者や監督者に対し、それを止めさせる義務を課しています。違反した場合は科料に処されます。
4.販売者の責任
酒類・たばこの販売者に対し、年齢確認などの必要な措置を講じることを求めています。
5.販売者への罰則
20歳未満と知りながら販売した場合、50万円以下の罰金が科されます。
6.法人罰則規定
法人の代表者や従業員が違反した場合、行為者だけでなく法人も処罰される両罰規定があります。

違い
1.没収・廃棄に関する規定
・飲酒禁止法:行政処分により、酒類および器具の没収、廃棄、その他の必要な処置が可能。
・喫煙禁止法:行政処分により、たばこおよび器具の没収のみが明記されている。
2.親権者等の責任の表現
・飲酒禁止法:「制止すべし」という表現。
・喫煙禁止法:「制止せざるとき」という、より具体的な状況を示す表現。
3.販売者への規制の厳しさ
・飲酒禁止法:飲用目的を知りながらの販売・提供を禁止。
・喫煙禁止法:自用に供するものと知りながらの販売を禁止(提供への言及なし)。
4.条文の構成
・飲酒禁止法の方が、より詳細な規定(例:営業者の定義)を含んでいます。
5.罰則の適用範囲
・飲酒禁止法:販売者への罰則に加え、親権者等への罰則も明確に規定。
・喫煙禁止法:主に販売者への罰則を重点的に規定。

これらの違いは、飲酒と喫煙の社会的影響の違いや、法律制定時の社会状況を反映していると考えられます。ただし、両法律とも20歳未満の者の健康と福祉を守ることを主な目的としている点では一致しています。


Q(koshix):
これらの法律に違反した20歳未満の者には罰則規定がありますか。20歳未満の者には禁止の義務が課せられないということでしょうか

A(Claude 3.5 Sonnet):
ご質問ありがとうございます。これは重要な点ですね。法律の内容を再確認し、20歳未満の者に対する罰則規定と義務について整理します。

1.罰則規定について
両法律とも、20歳未満の者自身に対する直接的な罰則規定は設けられていません。つまり、20歳未満の者が飲酒や喫煙をしても、罰金や科料などの刑事罰は科されません。
2.禁止の義務について
法律では「二十歳未満ノ者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス」(飲酒禁止法)、「二十歳未満ノ者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス」(喫煙禁止法)と明確に規定されています。これは20歳未満の者に対して飲酒・喫煙を禁止する義務を課していると解釈できます。
3.行政処分について
・飲酒禁止法:20歳未満の者が飲用目的で所有・所持する酒類および器具は、行政処分により没収・廃棄等の措置が取られる可能性があります。
・喫煙禁止法:同様に、喫煙のために所持するたばこおよび器具は没収される可能性があります。
4.法律の趣旨
これらの法律は、20歳未満の者の健康保護を主な目的としています。直接的な罰則ではなく、周囲の大人(親権者、販売者等)に責任を負わせることで、未成年者の飲酒・喫煙を防止しようとする意図が見られます。

結論
20歳未満の者には飲酒・喫煙の禁止義務は課されていますが、違反した場合の刑事罰はありません。ただし、所持している酒類やたばこ、関連器具が没収される可能性はあります。法律は主に、未成年者を取り巻く環境(親権者や販売者)に対して規制をかけることで、間接的に未成年者の飲酒・喫煙を防止しようとしています
この approach は、未成年者の健全な成長を支援しつつ、過度の処罰を避けるバランスを取ろうとしているものと考えられます。

[1]20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律について(ビール酒造組合)
[2]20歳未満喫煙防止活動(JT)

2024年6月13日木曜日

体組成計

サルコペニアからの続き

というわけで,この度,タニタの体組成計を買うことになった。普通の体重計は使ってきたけれど,体組成計は初めてだ。8000円台なので,それほど高くはない。

測定は100g単位で,体脂肪率測定,内臓脂肪レベル,筋肉量,基礎代謝量,体内年齢,推定骨量,BMIがわかる。足がはみだしてしまうけど,コンパクトで縦置き可能なのもよい。BluetoothでiPhoneのアプリと連携して測定結果を保存できる。

天理市メディカルセンターの人間ドックで使用していたのは,マルチ周波数の業務用体組成計で,左右上下肢の筋肉量を計測できるものだ。70万円くらいかな。

(業務用 6/4)
体重 59.6 kg,体脂肪率 17.6 %,筋肉量 46.55 kg,BMI 18.2,推定骨量 2.55 kg
(家庭用 6/11)
体重 62.0 kg,体脂肪率 14.5 %,筋肉量 50.2 kg,BMI 19.1,推定骨量 2.80 kg

うーん,ちょっと違うけれどこんなものか。しばらく測定を続けてみよう。



写真:タニタ体組成計 BC-768(撮影 2024.6.11)

2024年6月10日月曜日

のんき度

のんき度とは,本川裕(1951-)さんが命名した指標だ。

毎年行われる国民生活基礎調査(厚生労働省)の3年ごとの大規模調査(前回令和4年)では健康票の質問12で「こころの状態」に関する設問がある。過去1ヶ月に,(1) 神経過敏に感じましたか, (2) 絶望的だと感じましたか,(3) そわそわ落ちつきなく感じましたか,(4) 気分が沈み込んで,何が起こっても気が晴れないような感じがしましたか,(5) 何をするのも骨折りだと感じましたか,(6) 自分は価値のない人間だと感じましたか,を尋ねる6つの質問がある。結果の合計点は,いつも,たいてい,ときどき,すこしだけ,まったくないの5段階から1つ選んで丸をつける。問題が全くないを0点から,いつもを4点とすれば,合計点は0〜24点に及ぶ。

報告書では,これを3区分にした集計がある。0~4点を「精神状態が良好」と捉え,各都道府県別あるいは年齢別の「精神状態が良好」の割合が示されている。本川は,これを精神的な問題が少ないほど心が平安あるいは健全だとして「のんき度」と名前をつけている。

のんき度を都道府県別に見ると,68%から74%でそれほど大きな違いはないが,東北,特に太平洋側が低いレベル,そして九州・沖縄が高いレベルにあり,西高東低の地域構造がある。さらに,九州では佐賀だけ特に低い,北陸では石川・福井が高いのに富山だけ低い,など謎に特異な構造がみられる。

一方,年齢別にみればはっきりとした特徴がでてくる。自分は今人生における第二ののん気ピークにあるが,このあと転落が待っているらしい。どうしよう。


図:年齢別ののんき度(本川裕さんの記事[1]より引用)

[1]「60代は人生の楽園だが、70代以降は一転」多くの日本人が天国から地獄へ

2024年6月6日木曜日

サルコペニア

ピロリ菌からの続き

国保人間ドックの,胃カメラ以外で一番気になったのが,体重である。
前回の2023年は,身長180.9cm, 体重62.6kg,体脂肪率16.8%,筋肉量49.4kg だったのが,
今回の2024年は,身長180.8cm, 体重59.6kg,体脂肪率17.6%,筋肉量46.6kg となった。
体重(筋肉)の一年減少率は 4.8%(5.7%)だ。まずい。

検査終了後のドクターの問診では,蛋白質をとって運動しなさいとのこと。問題は,悪玉コレステロールも増加に転じたので,食事の制限条件がちょっとややこしくなることだ。非常勤講師が終了して,まだ4ヶ月しか経っていないのに,朝の散歩だけでは筋肉に対する負荷が足りないのであった。

なお,タニタの体組成計測定結果(最大誤差10%?)によれば,筋肉量はつぎのとおり。
前回の2023年は,上肢5.05kg,体幹部27.30kg,下肢17.05kg,合計49.40kg
今回の2024年は,上肢4.55kg,体幹部26.35kg,下肢15.70kg,合計46.55kg
1年の減少分は,上肢0.50kg, 体幹部 0.95kg, 下肢1.35kg, 合計 2.80kg

この調子だと,5年後には体重45kgで寝たきりになりそうな勢いだ。まずいまずい。

参考文献[3]には,日本人男性の年齢に伴う筋肉量の変化の回帰式が与えられている。
ちなみにこのサンプル集団の平均身長は,167.1±7.2 cm,平均体重は64.6±10.0 kg である。
 上肢筋肉量= 0.035 年齢 -0.0050 年齢^2 + 5.02 kg
 体幹部筋肉量=0.288 年齢 -0.0031 年齢^2 + 21.54 kg
 下肢筋肉量= 0.025 年齢 -0.0013 年齢^2 + 20.79 kg
 全身筋肉量= 0.352 年齢 -0.0050 年齢^2 + 47.28 kg
これを当てはめてみると,次の値が得られる。
70歳=(5.02,26.51,16.17,47.42)
71歳=(4.98,26.36,16.01,47.07)
1年間で,0.35kg減少する。自分の2.80kgはその8倍だ。マズイマズイマズイ。

加齢に伴う筋肉量の減少と筋力低下の状態を,サルコペニアというらしい。日本の65歳以上の健常高齢者におけるサルコペニアの有症率は男女ともに約20%とされている。これだ。調べると続々出てくる。でも調べただけで読まずに安心してしまう症候群がぐぬぬ。論文をコピーしただけで読んだつもりになる症候群と同じだ。

図:年齢に伴う全身筋肉量の変化([3]から引用)

[5]サルコペニアとは(加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のこと)

2024年6月4日火曜日

ピロリ菌(1)

べんとりくんからの続き

床屋のおっちゃん(といっても自分より若い)の話では,メディカルセンターの人間ドックの胃カメラは火曜日がお薦めだという。去年ひどい目にあったので,今年の予約は注意しようと思っていたところ,向こうから火曜日に指定された。それが今日の人間ドック。

今年の,国保人間ドックは,肺機能検査が新たに追加されていた。後は例年通り。KKRの大手前病院にくらべ,受診者が少ないこともあるけれど,流れがスムースで,職員さんがうまく誘導してくれるのはありがたい。しかし,別のところでよくわからない待ち時間が発生したりするので,結局かかる時間は同じくらいになる。

さて,胃カメラです。結論的には,去年よりオエッとなる回数がだいぶ多かったではないか。話が違う。年寄りにはきついぞ。涙を出しながらもとりあえず無事に終った。去年ピロリ菌検査をしていますが,なぜ除菌しないのですか,何か理由がありますかと担当の女医さんに詰められた。怖い看護師さんからも,今日内科で見てもらえば除菌できますよと迫られたので,お願いしますと頭を下げた。

明日から毎日欠かさず朝晩二回抗生物質を,朝昼晩整腸剤を1週間飲み続けるのだ。すでにピロリ菌によって胃壁がかなりやられているようなので,除菌に意味があるのかどうかわからないが,医療関係者は(過去の大学の保健センターも含め)こぞってピロリ菌除去をすすめてくる。なんとなく,福島県の除染を思い出す。

6月5日(水)〜11日(火)の予定。満願日にはWWDC 2024 が控えている。


写真:ピロリ菌除菌用抗生物質(2024.6.4撮影)


2024年4月29日月曜日

高齢者講習

松任谷正隆(1951-)が,運転免許の高齢者講習のエッセイを書いていた。自宅のすぐ近くにある自動車教習所におもむくと,姨捨山のような小さい部屋に,未来のない表情の老人が押し込められており,免許返納を迫られるような圧力を感じた,という恐ろしい話だ。

あれ,ついこの間自分にも,高齢者講習の葉書が来ていて予約したところだった。あなたはいつなのと家人に尋ねられ,macbookのメモを確認すると,なんと今日の午後だった。どうしましょう。


集合時刻の30分前に,新ノ口の奈良県警察本部運転免許センターの怪しい建物に入ると,もう7人の老人がどよーんと溜まっていた。自分で8人目だ。松任谷正隆の話とほぼ同じだ。

予定時刻が来ると順番に名前がよばれて,待合室の外に出て整列する。3番目だった。6人のグループができると1つの部屋に誘導された。大阪市立科学館長だった齋藤先生のような,背の高い元白バイ隊員の優しいおじさんが講師だ。1.講義(30分),2.視力検査(30分),3.実車(30分=1人10分×3人),4.DVD視聴(30分)の2時間のスケジュールだという説明がある。まずは,免許証の提出コピー,6450円の受講料の徴収,書類への署名などからスタートする。

講義のほとんどは,実車指導のやり方に関する説明や細かな注意事項だった。これに少しだけ交通安全の手引きの解説が加わる。視力検査は両眼でおまけしてもらい,1.2となった。たぶん,0.8-1.0くらいなのである。視野は右80度,左90度ということでいずれもOK。いよいよ3人チームで実車に向かう。

実車指導は1人ずつで,他の2人の老人はブックエンドのようにベンチで待たされる。車はオートマで,バックが必要な課題はありませんとのこと。エンジンをかけてギアをドライブに入れてもらうといよいよ教習開始だ。あくまでも試験ではないので,リラックスしてくださいといわれたものの,緊張はしなくても肩は凝る。

ややこしい教習コースをぐるぐる回らされ,1.左折・右折,2.信号待ち,3.一時停止,4.段差乗り越え,5.時速50km走行の5つの課題ができればよい。事前に丁寧な注意ポイントの説明があったので,なんとかこなせた。段差乗り越えで,アクセルの直後にブレーキを踏むまではよかったのだが,踏み込みが甘くて,1m以内で停まるべきところが30cmオーバーですといわれてしまった。しかたないですよね。

新ノ口の免許センターは老朽化して雨漏りもするらしいが,8年後に田原本青垣生涯学習センターのあたりに移転が予定されている。移転後は,バリアフリーになって,高齢者講習の実車指導の専用コースなどを整備されるようだ。あと2回は新ノ口での講習となるから,自分が田原本にいけるかどうかは微妙なところだ。



写真:免許更新センター外の一角にある怪しい待合室(2024.4.25撮影)

P. S. 今度からは,交通違反があると,実車指導の前に運転技能検査(試験だ!)が入ることになる。何回も受験できるとはいうものの,お金もかかるし面倒なことになるので,交通違反だけには注意しなければならない。

[1]高齢運転者支援サイト(全日本指定自動車教習所協会連合会)

2024年4月4日木曜日

機能性表示食品

食品衛生法からの続き

ちょっとよそみしていたら,そもそも安倍晋三森下竜一が導入した機能性表示食品が原因ではないかという話が盛り上がっていた。

安倍晋三のアベノミクスの三本の矢の一つが規制改革による民間需要の喚起だった。これを実現するため第2次安倍内閣が2013年1月に復活させたのが規制改革会議だ。そのメンバーにあの大阪の吉村知事肝いりDNAコロナワクチン開発騒動でお馴染の森下竜一が,アンジェスMG株式会社取締役として加わった。

規制改革会議は半年で答申をまとめ,規制改革実施計画[1]として閣議決定される。森下の文章[2]を読めばその意図がわかる。まあ,一般に規制改革には副作用が付き物で,今回の事件もその一端だといえばそうかもしれない。美味しい話にさっそく蟻さんが群がっている。

機能性表示食品は,内閣府による政令,食品表示基準で定義されることになり,企業による届出だけで承認される。また,これについては消費者庁の機能性表示食品の届出情報検索データベースで調べることができる。

機能性表示食品は,2月9日分までで8154件登録されている。その中でキーワード紅麹を含むものは次の10件だった。
F216 2020/06/29 小林製薬株式会社(4120001077402)
コレステヘルプ 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド ・変更 2024/03/22 ・撤回 2024/03/26

G970 2021/12/08 小林製薬株式会社(4120001077402)
コレステヘルプa 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド ・変更 2024/03/22 ・撤回 2024/03/26

H98 2022/05/16 株式会社ファンケル(3020001000366)
コレステサポート 加工食品(サプリメント形状)
紅麹ポリケチド・りんご由来プロシアニジン ・変更 2024/01/24

H393 2022/08/10 小林製薬株式会社(4120001077402)
ナイシヘルプ+コレステロール 加工食品(サプリメント形状)
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン、米紅麹ポリケチド ・変更 2023/11/07 ・撤回 2024/03/26

I199 2023/05/17 小林製薬株式会社(4120001077402)
ナットウキナーゼさらさら粒ゴールド 加工食品(サプリメント形状)
納豆菌由来ナットウキナーゼ、米紅麹ポリケチド ・変更 2024/01/31 ・撤回 2024/03/26

I631 2023/08/18 株式会社ZERO PLUS(9290001031420)
悪玉コレステロールを下げるのに役立つ 濃厚チーズせんべい 加工食品(その他)
米紅麹ポリケチド ・変更 2024/03/25 ・撤回 2024/03/27

I773 2023/10/16 小林製薬株式会社(4120001077402)
いきいきヘルプ 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド、大豆イソフラボン ・撤回 2024/03/26

I827 2023/10/31 小林製薬株式会社(4120001077402)
コレステヘルプWa 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド、EPA・DHA ・変更 2023/12/22 ・撤回 2024/03/26

I873 2023/11/10 小林製薬株式会社(4120001077402)
コレステヘルプb 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド ・変更 2024/01/30 ・撤回 2024/03/26

I1027 2023/12/14 小林製薬株式会社(4120001077402)
いきいきヘルプa 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド、大豆イソフラボン ・撤回 2024/03/26
小林製薬の8件と,ZERO plusの1件が撤回されている。ファンケルの機能性関与成分は「紅麹ポリケチド」であり,他の9件の「米紅麹ポリケチド」とは異なっている。報道されていた大阪市による回収対象は3種類だけだったけれどいいのかしら。

[1]規制改革実施計画(平成25年6月14日閣議決定,2013年)
[2]「機能性表示食品制度」が始まります!(消費者庁,2015年)

2024年4月3日水曜日

食品衛生法

小林製薬による,紅麹原料の機能性表示食品「コレステヘルプ」等の件。

なぜ,大阪市が回収命令を出したのか?これは薬品ではなく食品扱いなので,食品衛生法食品衛生法施行令の対象となる。食品衛生法で,回収という文字が出てくるのは,第58条だけである。
第五十八条 営業者が、次の各号のいずれかに該当する場合であつて、その採取し、製造し、輸入し、加工し、若しくは販売した食品若しくは添加物又はその製造し、輸入し、若しくは販売した器具若しくは容器包装を回収するとき(次条第一項又は第二項の規定による命令を受けて回収するとき、及び食品衛生上の危害が発生するおそれがない場合として厚生労働省令・内閣府令で定めるときを除く。)は、厚生労働省令・内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、回収に着手した旨及び回収の状況を都道府県知事に届け出なければならない。
一 第六条、第十条から第十二条まで、第十三条第二項若しくは第三項、第十六条、第十八条第二項若しくは第三項又は第二十条の規定に違反し、又は違反するおそれがある場合
二 第九条第一項又は第十七条第一項の規定による禁止に違反し、又は違反するおそれがある場合
② 都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、厚生労働省令・内閣府令で定めるところにより、当該届出に係る事項を厚生労働大臣又は内閣総理大臣に報告しなければならない。
たぶん,第六条で「有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの」は販売してはならないとあり,これに違反しているので,回収命令が出されたということになる。厚生労働省は,食品衛生法に基づく製品の廃棄命令などの措置を取るよう大阪市に通知し,これを受けて大阪市が回収命令を出したと報道されている。

食品衛生法は,そもそも中小の食品製造企業や飲食店なども視野に制度設計されているので,直接の対応は,保健所のある都道府県や市町村が行うものと思われる。一般的な薬害事件とは少し違うストーリーになっている。

まあ,健康維持を薬(サプリ)に頼るなというのは,貝原益軒先生の養生訓にも書かれていることだ。

2024年3月15日金曜日

認知症とAI

たまには生成AIの相手をしてあげないと,<細菌>の<瞳孔>に追いつけなくなる。

今日は,Geminiに聞いてみた。いかに良い答えを引きだすかという質問のクオリティが問われるのである。答えは長かったので途中で途切れてしまった。<続けて>を入れることで,2回に分けて出力された。下記の(koshix注:一旦停止継続地点)を見よ。

Q(koshix):認知症の診断や予防をするAIシステム,あるいは軽度認知症になったときの進行を抑制するAIシステム,さらには重度認知症になったときの人格を補間支援するAIシステムのコンセプトをまとめ,その技術的な可能性や現時点での達成点を整理してください。
A(Gemini):
認知症とAI:診断、予防、進行抑制、人格補完支援の可能性と現状

認知症は、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす疾患です。近年、AI技術の発展により、認知症の診断、予防、進行抑制、人格補完支援など、様々な分野での活用が期待されています。

1.認知症診断におけるAI

AIは、膨大な量の認知機能検査データや脳画像データから、認知症の早期診断に役立つパターンを見つけることができます。具体的には、以下のような技術が研究されています。

認知機能検査の自動化: AIを用いて、従来の紙と鉛筆による検査を自動化し、効率的に認知機能を評価することができます。
脳画像分析: AIを用いて、脳MRI画像からアルツハイマー病などの認知症特有の異常パターンを検出することができます。
音声分析: AIを用いて、会話中の声のトーンや発話速度などを分析し、認知症の兆候を検出することができます。 
これらの技術はまだ開発段階ですが、将来的には、医師による診断を補助し、早期診断の精度向上に貢献することが期待されています。

2.認知症予防におけるAI

AIは、生活習慣や遺伝情報などのデータを分析し、個々のリスクに合わせた認知症予防策を提案することができます。具体的には、以下のような技術が研究されています。

・生活習慣改善支援:  AIを用いて、運動や食事、睡眠などの生活習慣を分析し、認知症リスクを下げるためのアドバイスを提供することができます。
・遺伝リスク評価: AIを用いて、個人の遺伝情報から認知症発症のリスクを予測し、予防策を提案することができます。
・脳トレーニング: AIを用いて、個々の認知機能に合わせた脳トレーニングプログラムを提供することができます。 
これらの技術は、認知症の発症リスクを早期に把握し、予防効果の高い対策を講じることに役立つ可能性があります。

3.軽度認知症の進行抑制におけるAI

AIは、認知機能訓練や薬物療法など、個々の状態に最適な治療法を提案し、進行抑制に役立てることができます。具体的には、以下のような技術が研究されています。

認知機能訓練: AIを用いて、個々の認知機能に合わせたゲームやパズルなどの訓練を提供し、認知機能の低下を抑制することができます。
薬物療法: AIを用いて、個人の遺伝情報や症状に基づいて、最適な薬剤と用量を提案することができます。
生活支援: AIを用いて、日常生活におけるスケジュール管理や服薬管理などのサポートを提供することができます。 
これらの技術は、軽度認知症の進行を遅らせ、自立した生活を維持することに貢献することが期待されています。

4.重度認知症の人格補完支援におけるAI

AIは、過去の会話データなどを基に、認知症患者の人格や価値観を理解し、コミュニケーションを円滑化するための支援を行います。具体的には、以下のような技術が研究されています。

会話支援: AIを用いて、患者との会話履歴に基づいて、適切な話題や質問を提供することができます。
感情認識: AIを用いて、患者の表情や声から感情を認識し、それに応じた対応をすることができます。
思い出支援: AIを用いて、患者の過去の思い出を記録し、共有することができます。 
これらの技術は、認知症患者とのコミュニケーションを円滑化し、QOL(生活の質)向上に貢献することが期待されています。

5.技術的な可能性と課題

AI技術は、認知症の診断、予防、進行抑制、人格補完支援などの分野において大きな可能性を秘めています。しかし、現状では多くの課題も存在します。

データ不足: AI技術の開発には、膨大な量のデータが必要です。現状では、認知症に関するデータ量が十分とは言えず、更なるデータ収集が必要です。
倫理的な問題: 認知症患者の人格やプライバシーを尊重する倫理的なガイドラインの策定が必要です。
コスト: AI技術の開発、導入、運用にはコストがかかります。
これらの課題を克服するためには、研究開発の推進、産学官連携の強化、社会的な理解の深化などが重要となります。

6.現時点での達成点

AI技術は、認知症の診断、予防、進行抑制、人格補完支援などの分野において、まだ研究開発段階ではありますが、いくつかの成果が出ています。

認知機能検査の自動化:  一部の企業では、AIを用いた認知機能検査システムを開発しており、臨床試験が進められています。(koshix注:一旦停止継続地点
脳画像分析: AIを用いて、アルツハイマー病などの認知症を早期診断する精度が向上しており、実用化に向けて研究が進められています。
音声分析: AIを用いて、会話中の声から認知症の兆候を検出する技術が開発されており、早期診断に役立つ可能性があります。
生活習慣改善支援: AIを用いた生活習慣改善アプリが開発されており、認知症予防に役立つ可能性があります。
認知機能訓練: AIを用いた脳トレーニングゲームが開発されており、認知機能の維持に役立つ可能性があります。 
これらの成果は、将来的に認知症の診断、予防、進行抑制、人格補完支援に大きく貢献することが期待されています。

7.今後の展望

AI技術の発展と認知症に関する研究の進歩により、将来的には以下のようなことが期待されます。

・認知症の早期診断、早期治療の確立
・認知症の発症リスクの予測
・個々の患者に最適な治療法の提供
・認知症患者のQOL向上の実現 
これらの実現に向けて、研究開発の推進、産学官連携の強化、社会的な理解の深化が重要となります。

8.参考資料 (koshix 注:以下の資料リンクは誤りや不正確な交差を含みます)

免責事項
この回答は情報提供のみを目的としており、医療診断や治療を代替するものではありません。認知症についてお悩みの方は、専門医にご相談ください。

この分野のセミプロならば, これをもとにして半日でプレゼン資料の下書きが作れるレベルのように見える。各セクションについて3項目づつきれいにトピックスをあげている(その妥当性は別にして)。最後には,不正確だけれどそれらしい参考資料や免責事項もあるのだった。

P. S. セクション番号や体裁にはこちらの手が少しは行っているが,文章はさわっていない。

P. P. S. このテーマで最初に見つかったのは,理研の大武美保子さん資料である。80-20運動によって,高齢者の無歯顎者率が1975年の20%から2005年の2%に改善した例を示し,先進国で中国と日本だけが増加している認知症率を減らすことが可能だという強いメッセージを発信していた。

2024年3月10日日曜日

洗濯マーク

ズボンの洗い方で揉めたので,洗濯表示タグのピクトグラムで確認することになった。

早速調べてみると,全国クリーニング生活衛生同業協同組合の説明がわかりやすかった。日本産業規格の JIS L0001(繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法)で定義されていた。ISOと整合させるために,旧規格から数年前に変更されたものだ。

図:JISL0001 の洗濯表示

問題になったのは,真ん中の欄にあった複雑な×記号だ。これは家庭での洗濯禁止なのかとおもったら,回転式乾燥機がだめということだった。ドラム式洗濯機がある逸般の御家庭にとっては紛らわしい記号かもしれない。PとかFとかWなどは商業クリーニングの業者さんが理解していればよい。洗濯×と漂白剤×と乾燥×とアイロン×だけ憶えればいいか。

2024年2月15日木曜日

歯医者

2月14日,バレンタインデー。ようやく去年の5月から通っていた歯医者が一段落した。

右上の4番目の歯に亀裂が入っていたのは,2-3年前から気がついていたのだけれど,それがだんだん悪化してきてついに歯がそこから分裂し始めたので,あわてて近所の歯医者さんに電話したのが,去年の5月中ごろだ。

予約をとってから行った旅行先で,カレーライスを食べていたら,とうとうその歯が半分折れかかってしまった。あわてて,洗面所でうがいして,元通りに押さえ込んだ。せっかくの旅行中なのに堅いものや刺し身が食べられず,残念なことになってしまった。歯医者に電話して予約の日を変更してもらい,帰宅後すぐに向かうことになった。

近所の歯医者は,昔から二階堂の駅前で開業していた地味な西川歯科なのだが,息子さんの代になり,線路脇の空き地に移転して,「にしかわ歯科・口腔外科クリニック」として新装開店したのだ。設備はきれいだし,こども向けのギミックも満載で(二階堂駅のホームから楽しそうな絵が描かれたはいしゃさんがみえるのだ),患者さんでにぎわっている。

治療は2-3回で終了したのだが,その後の,歯茎の検査とゆっくりと進められる歯石除去で半年以上かかってしまうことになった。さらに,今後は約3ヶ月に1回のサブスクリプションまでついてくることになった。まあ,行かなければ終了するのだけれど。歯をやられてものを食べられなくなるのが心配なので,とりあえず通うことにしょうか。


歯医者に通うのは30年ぶりだった。前回は西川歯科を敬遠して,近鉄郡山駅前の伊藤小児歯科にお世話になった。当時は歯周病が進行して下の歯を2本抜いてブリッジを入れることになってしまったのだ。前々回は,学生のときで,阪急宝塚線蛍池駅前の田中歯科である。これは,こどものときの虫歯治療のアマルガムが脱落したためであり,簡単な治療だけで終った。

最初の歯医者は,小学校4-6年ごろかな。学校の歯科検査で虫歯がたくさん見つかって,寺町2丁目のバス停前の白石歯科に何年か通った。そのとき初めてアマルガムという水銀の合金を虫歯の詰め物に使うことを学んだ。アマルガムをこねる作業も見ていたような気がする。こどものときから甘いお菓子ばかり食べていたのがよくない。もらったお菓子を引き出しにたくさん溜めながら,ちびちびと食べ続けていたのである。ろくな子供ではない。


写真:にしかわ歯科の受付で配布されたバレンタインチョコ


2023年6月16日金曜日

べんとりくん

人間ドック(2)からの続き

昨日は,天理市立メディカルセンターで1年ぶりの国保人間ドックだった。

事前に送られてきた便の潜血検査キットがちょっとリニューアルされていた。青と赤のラベルが貼ってある採便容器が無駄に大きくなっただけでなく,便採取支援シートに名前がついて形状が変化していた。べんとりくんだ。早速試してみたが,ちょっと不安定で使いにくかった。ネーミングはいいのだけれど,うーん,もう一工夫必要かも。トイレットペーパーを重ねて自分でコントロールするほうが安全だ。

去年のバリウム検査で懲りたので,今年は口からの胃カメラにしてみた。以前,大手前病院で一度だけ胃カメラに挑戦したが,そのときはわりと楽だった印象があるので今回も安心していた。

ところがです。呼び出されて,何やら変な味のクスリを2種類飲んだところまではいいのだけれど,5分間麻酔ゼリーを口に含む当たりからややこしくなってくる。タイマーが5分過ぎてもなかなか呼び出しがこない。麻酔がきれるのではないか。中からはゲーゲーいう音も聞こえてきて不安を一層あおる。

そうこうしているうちに名前が呼ばれたのだか,看護師さんが若干こわい。ベッドに横になってマウスピースをはめたが,以前のもののようにしっかり安定していない。しかも,ドクターの持っている内視鏡がえらい太いのである。えーっ,話が違う。わりと高速にのどから胃にむけてカメラが入っていったため途中で二,三回,オエーッとなってしまう。後半はようやく落ち着いて耐えることができた。



写真:べんとりくんと採便容器(撮影 2023.6.12)

2022年10月15日土曜日

物理学科同窓会(1)

阪大理物アラS51同窓会2022が10月8日土曜日に新大阪で開かれた。S51は卒業年の昭和51年,アラはアラフォーのアラなので,卒業年度には分散がある。当時の物理学科のクラス定員は40名,入学年度は1972年(昭和47年),今年でもう50年になる。

台風やコロナの影響でしばらく中断していて4年ぶりの対面の同窓会。去年一昨年はzoomを使っての開催だった。まだ,コロナの影響はおさまっていないので,出席者は9名,ビュフッェ形式ではなく,大きなアクリル板に仕切られた和洋折衷膳+フリードリンク(=ほとんどビールをサーブしてもらう)。

まだ健康寿命(男性70.4歳,女性73.6歳)に達していないので,皆おおむね元気そうだった。そういえば,健康寿命というものが存在することを教えてくれた大石君が,今は,幸福寿命だといっていたのだけれど,怪しいウェルビーイングキャンペーンが頭にあったので,ちゃんと説明を聞くのを怠ってしまった。そこで,自力で調べてみた。

日本語で幸福寿命を検索しても,腸内細菌とホルモンの宣伝しか出てこない。こりゃだめだ。その中で目を引いたのが昨年の日経ビジネスの記事のキーワード「幸福感」は60代以降に上昇傾向だ。ダートマス大学のブランチフラワー教授が145カ国の年齢別主観的幸福度の研究によれば、先進国でも発展途上国でも,欧米でもアジアでも,主観的幸福度は次の図のように「U字型」になっている。


図:年齢別の主観的幸福度(Blanchflowerの論文から引用)

内閣府の2019年の調査でも,60歳以上で主観的満足度が急上昇するとなっている。むむむ。どうなのだろうか。

[1]LWC指標利活用ハンドブック(スマートシティインスティチュート)
[2]世界幸福度調査World Happiness Report2020の概要(産業精神保健研究機構)
[3]国民の幸せな人生(well-being)を政策目標に(第一生命経済研究所)

2022年8月19日金曜日

LDLコレステロール(2)

 LDLコレステロール(1)からの続き

天理市立メディカルセンターの人間ドックの結果がよろしくなかったので,8月15日に血中脂質の再検査を申し込んでいた。

9時の受付で,体重を測り採血してもらう(血圧は測らなくていいのか)。50分くらい待って診察を受けた。結果は,総コレステロール(130-219 mg/dL)が 257 -> 229,HDLコレステロール(40-75 mg/dL)が 68->64,LDLコレステロール(70-139 mg/dL)が 170 ->145 だった。

朝食のトーストのバターをやめるなどの成果がでたのか。次回は来年の人間ドックでチェックすることにした。お医者さんからは,卵黄・魚卵・肉類の脂肪を減らせと指示された。食品に含まれるコレステロールの摂取と,体内でのコレステロール合成を促進する飽和脂肪酸の摂取の2つがあって,それらを両方とも控えなさいということだった。

帰ってから,コレステロールについてもう一度勉強してみた。胆石はコレステロール98-99%でできてるものなのか。コレステロールが血漿中で輸送されるときには,コレステロールにタンパク質が結合したリポタンパク質の形をとる。これは,その密度のわずかな差によって数種類に分類できる。もっとも密度が大きなものが,HDL(高密度リポタンパク質,ρ=1.063–1.210  d= 7–10 nm),その次がLDL(低密度リポタンパク質,ρ=1.019–1.063  d=19–22 nm)だ。

LDLが酸化してマクロファージに取り込まれたものが血管に沈着すると動脈硬化の原因となって,死因順位第2位の心疾患(16%)や第4位の脳血管疾患(7%)を引き起こすらしい(なお,第1位の悪性新生物の死因割合は27%)。

ところが,WikipediaのLDLの節には次のような記述があった(参考資料)。

以前は悪玉コレステロールとも呼ばれたが、現在では否定されている。最新のACC/AHAガイドラインでは家族性高コレステロール血症の患者以外ではLDLの目標値を設定するエビデンスはないとされている。

 ACC/AHAは,米国心臓病学会と米国心臓病協会のことで,その2018年ガイドラインはこれ。専門的な英文を解読するのが難しいので,日本動脈硬化学会の反論の方をみる。

今回のACC/AHA ガイドラインの特徴の一つは、脂質管理目標値を設定しないことである。LDL-Cの管理目標値を決定するに足るエビデンスは現状では十分ではないことに関しては我々も異論はなく,すでに動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版でも20-30%のLDL-C低下を目標とすることも考慮すると記載されている。

他のリスク要因がなく,単にLDLコレステロールの値が高いだけという場合は,LDLコレステロールを一定値まで下げるということに意味がないということなのか?


図:脂質異常症と栄養の関係(下記参考資料から引用)

[1]日本人の食事摂取基準(2020年版)