2025年2月14日金曜日

「は、」

歳をとっても衰えない脳機能として言語能力があると聞いたことがある。ところが昔から国語や作文は苦手で,今でも文章を綴るのが億劫だ。Blogを書いていても,どこで句読点を入れるかは悩みの種だ。ちょっと気をゆるすと,同じいいまわしや表現が共鳴して繰り返されてしまう。だらだらとつながった長文を書いてしまう。

たぶん,自分にはちょっと「読点」を入れ過ぎる傾向があると思う。そんなおりに「は」の直後に「、」は必要か?というニュースが目についた。日本語教育学の岩崎拓也,井伊菜穂子さんの「人文系論文における係助詞「は」直後の読点使用の傾向と指導指針」という論文の話題だ。

人力でまとめてみよう。この論文は,

日本語教育,特にアカデミックライティングにおいて,係助詞の「は」直後の読点の打ち方をどのように指導すればいいかを考察することが目的だ。そのために,人文系の学会誌(日本語教育学,日本語学,日本文学)の60本の論文を対象として,「は」の直後に読点を打つ要因を分析したものである。

任意抽出された論文から,mecabで形態素解析したものをRで処理して3-gramをつくった。用例文の総数は9501である。「は」の次に読点がくる要因として,(1) 一文中の読点の数,(2) 一文の長さ(文字数),(3)  「は」直後の文字種,(4)  「は」の段落内の位置,(5) 論文の書き手, を考えて,一般化線形モデルで分析する(ここは何をしているのかよく理解できていない)。

結論に行こう。この分析の結果の多数派=結論が日本語指導指針としてまとめられた
「は」直後に読点を打つ確率は30%程度であり、基本的には「は」直後の読点は打たなくてもいいこと。
・ ただし、下記の条件の場合は「は」直後に読点を打つ場合が多いこと。
一文中の読点数が少ない場合
 ※目安として、一文中の読点数が2 個程度の場合(「は」直後の読点を含まない)に「は」直後の読点を打つ。
一文が70 字程度の長さがある場合
 ※目安として、一文が一行半から二行程度の場合に「は」直後の読点を打つ。
 (MS Word のデフォルトの設定が一行40 字であるため。)
形式段落の冒頭(一文目)で「は」が使用されている場合
 ※とくに形式段落の冒頭の文がトピックセンテンスである場合は、「は」直後の読点を打つ。
なるほど,そうなのか。多数派が正しいものとして良いのかが,ちょっとだけ引っかかる。


図:「は、」(ITmedia NEWSから引用)

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