2025年10月3日金曜日

宝島

国宝:吉田修一沖縄からの続き

吉田修一原作,李相日監督の映画「国宝」は12億円の製作費で,1000万人動員し150億円の興行収入となる大ヒットになった。一方,真藤順丈原作の直木賞作品で,大友啓史監督の映画「宝島」は25億円の製作費をかけたものの,いまひとつ盛り上がっていないらしい。

NHKのスイッチインタビューで,妻夫木聡と李相日が対談していて,宝島にも言及していたので,朝一番に新ノ口ツインゲートのユナイテッド・シネマ橿原に向かった。

戦後1952年から1972年の返還までの沖縄が舞台。宝島の英訳はHero's Islandである。伝説の英雄オンちゃんと,その後輩や恋人や弟が主人公だ。嘉手納基地の米軍物資を盗みだす子どもたちが成長し,米軍支配下の沖縄で宮森小学校米軍機墜落事故(1959)からVXガス放出事故(1969),コザ暴動(1970)をなど中心に様々な事件に巻き込まれていく。

全編セピアのトーンで,昔の沖縄のコザの町並みが再現され,妻夫木聡,広瀬すず,窪田正孝の演技も良かった。原作は読んでいないのだけれど,脚本がちょっと微妙だったのかも知れない。最後の嘉手納基地から海辺でオンちゃんの骨に至るところが,ちょっと納得感に欠けてしまった。まあ国宝だって完全ではなかったのだけれど,もう少しストーリーが前進するリズムがあった。

1977年の米島君との沖縄旅行では,最初の日にバスで嘉手納基地の方に向かった。北側のフェンスの近くでバスを降りて,フェンスに手をかけながら基地を背景に写真を撮った。その後コザの街の方へ向かう。ゲート前の商店街の角の店で米軍向けの大きなサイズの畳柄のサンダルを買った。

そこから中城城(ナカグスクじょう)に回った。二人で10mくらいの高さの石垣を登ったのだが,さっきのサンダルが邪魔で石垣の上に放り投げた。あーっという米島君の叫び声が聞こえたが,サンダルは無事に石垣の上に着地。帰りのバスでは疲れてしまい目が覚めると民宿のある那覇に着いていた。


写真:映画「宝島」のウェブサイトから引用

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