2021年4月30日金曜日

4路スイッチ

 電気工事士の実技試験の動画が面白いので見ていたら,難しい問題例として3路スイッチと4路スイッチの配線がでてきた。これは一体何かと調べてみたら,長年の疑問が解消された。

小学校4年のころ,教室で夏目君と一緒に回路部品をたくさんつなげて遊んでいたことがある。どういうシチュエーションだったのかよくわからない。豆電球やスイッチや電池ボックスの乾電池などをビニル線で結べば直列つなぎや並列つなぎができるが,その応用形だった。

それから時代が飛び,大学院時代の昼休みに3路スイッチを拡張する話題が出たことがある。その当時3路スイッチという言葉は知らなかったが,ようは電灯のON/OFFが2箇所それぞれの場所でトグルで可能になる配線のことである。これは普通のスイッチのイメージをちょっと拡張すれば簡単に理解できる。これをN箇所に拡張できないかというのが問題だった。頭を捻っているうちに,連動する3路スイッチを2のN乗個ピラミッド型に並べて配線も2のN乗+1本にするとできるという解を見つけた。これはすごいのだがまったく実用的でなくどうも収まりが悪い。

さらに,四苦八苦した結果2本の入力と2本の出力を並行で導通するか,クロスで導通するかを回転で切り替えることができるスイッチがあれば,その回転スイッチがN個と配線が3本だけで問題が解けることに思い至った。これまでの人生でもっともひらめいた時間だったかもしれない。ただ,そんなものがこの世の中に実際に存在しているかどうかまでは興味もなく調べることもなかった。

それが4路スイッチという名前で製造販売されていて,電気工事士の実技試験にも普通に出題される基本電気部品としてこの世界に存在していた。まあそれはそうですね。


写真:4路スイッチ(Amazon Panasonic ストアから引用)


2021年4月29日木曜日

大手町合同庁舎3号館

新型コロナ感染症ワクチンの話。 3600万人の高齢者接種などを進めるために,東京と大阪に1日1万人規模の大規模接種会場を設置するということだ。東京では大手町合同庁舎3号館を予定しているらしい。なんで,新国立競技場じゃないのだろうか。

高齢者分のワクチン接種はまだ100万回しか終了していないので,菅首相のにいうように7月末(当初は6月末といっていた)までに高齢者接種を終わらせるためには,90日で7100万回,全国で約80万回/日の割合で接種を進める必要がある。全国の接種ロジスティックスを1-2%改善すれば大規模接種会場は不要なレベルなので,政治的デモンストレーションのためという感じは否めない。大阪は維新行政がぼろぼろなので,そちらだけはテコ入れする必要があるのかもしれない。

さて,KKRホテル東京の向かいにある大手町合同庁舎3号館は1971年に竣工し,15階(地下1階)のうち現在1フロアだけが使用されていて99%は空いている。廃止された1号館,2号館も含めた建築延床面積が約60,000㎡である。3号館の面積やエレベータの設置基準がよくわからないが,3号館のみでも10基以上のエレベータはありそうだ。

1階を受付にして,2階から10階が接種会場に割り当てられる。10階部分だけで1000人の接種者があるとして,各階専用にエレベータを1台割り当てるとする。密集をさけて2人ずつのせて往復させるならば500往復は必要になる。1往復に1分とすると500分=約8時間なので,朝から夕方までかかる。各フロアの接種・観察時間を30分として,常時60人が各階に滞留する。また1階の総合受付での待機滞留も常時100人規模ということか。


写真:大手町合同庁舎3号館(食べログより引用)




2021年4月28日水曜日

免許証番号

免許証番号のルールについての記事が流れてみたので,自分の免許証の12桁を確認してみた。 公安委員会番号が使われていて標準の都道府県コードではないのだった。

(1) 1-2桁目:都道府県等の公安委員会番号 北海道10,函館11,旭川12,釧路13,北見14,青森20,岩手21,宮城22,秋田23,山形24,福島25,東京30,茨城40,栃木41,群馬42,埼玉43,千葉44,神奈川45,新潟46,山梨47,長野48,静岡49,富山50,石川51,福井52,岐阜53,愛知54,三重55,滋賀60,京都61,大阪62,兵庫63,奈良64,和歌山65,鳥取70,島根71,岡山72,広島73,山口74,徳島80,香川81,愛媛82,高知83,福岡90,佐賀91,長崎92,熊本93,大分94,宮崎95,鹿児島96,沖縄97

(2) 3-4桁目:最初に免許証を取得した西暦年度の下二桁

(3) 5-10桁目:公安委員会管理番号 6桁なので毎年各公安委員会で100万件まで扱える。

(4) 11桁目:チェックディジット

(5) 12桁:再発行回数

[1]免許証番号とは(Zurich)

2021年4月27日火曜日

近畿のコロナ

 NHKの新型コロナウイルス特設サイトには都道府県の新規感染数と死亡数の情報が集約されている。csvデータで昨年の1月から現在までの都道府県別の情報をみることができる。これから,近畿2府4県をあわせたコロナ新規感染数と死亡数のデータをグラフにしてみた。

第4波がそろそろピークアウトするのか,あるいは単に検査数が飽和しているだけなのかはこれだけではわからない。いずれにせよ,昨年かなり厳しい措置が出たときと比べると,圧倒的に感染数も死亡数も多いのだけれど,我々の対応はゆるくなっている。

行動変容の呼びかけだけで1年間何も手を講じてこなかった国や多くの都道府県の仕事のつけがいよいよ回ってきた。そして聖火リレーは暴走してパンデミックオリンピックへの扉を開こうとしている。


図 近畿2府4県の新規感染数と累計死亡数の推移


2021年4月26日月曜日

Processingをコマンドラインから

 プログラミング言語のProcessingはグラフックスの表現力が高いため,当初は芸術系などでも多用されていた。1.0が2008年,2.0が2013年,3.0が2015年,4.0が2021年以降(予定)のリリースだが,1.0の頃から使っていた。たぶん。マイクロプロセッサGainerの制御言語としても使われていたので,大阪教育大学大学院の理科教育専攻の授業でも取り上げたことがある。

適当なJava Depeloper Kitを用いることでMacBook Air M1にも導入することができた。これはこれで良いのだが,Processingというアプリを立ち上げた環境の中でしか実行できないのがちょっと気になる。調べてみると,UNIXのコマンドラインからでも実行できそうだ。早速,試してみた。

(1) Processingを起動して,適当なスケッチファイルを開く(空でも良い)。

(2) Processingのコマンドバーのメニューからツールを選び 「"processing-java"をインストール」を実行する。これで processing-java というコマンドライン命令がインストールされる。

(3) ユーザ名を koshi として,pdeファイルの場所を /Users/koshi/sample とする。sampleというフォルダの中には,sample.pde という processing ファイルが格納されている。

(4) processing-java --sketch=/Users/koshi/sample --output=/Users/koshi/sample --run とすればコマンドラインから実行できる。

(5)  processing-java --sketch=/Users/koshi/sample --output=/Users/koshi/sample --build とすれば sample.class が生成される。のだが,その先へは進めなかった。


2021年4月25日日曜日

吉田簑助

 大阪日本橋にある国立文楽劇場の4月文楽公演は,4月25日が千秋楽の予定だったが,新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が25日から東京,大阪,兵庫,京都で発出されたことにともない,千秋楽は4月24日土に変更された。

その結果,人間国宝の吉田簑助師匠が引退される最後の舞台が1日前倒しになってしまった。4月25日の舞台を予約していた人はどうなったのだろうか。YouTubeで引退の挨拶の様子を見ることができたが,弟子の桐竹勘十郎が言葉が不自由な師匠の挨拶を代読していた。吉田簑二郎が簑助を支えていたが,涙が止まらないという感じだ。花束贈呈は鶴澤精治師匠だった。

簑二郎が現在の一番弟子に当たるらしいが,なぜ簑一郎ではないのかと調べてみると,確かに入門が昭和53年と昭和56年で簑二郎が早い。どういうネーミングルールなのか。そうか,この時点では昭和42年に弟子入りした桐竹勘十郎が簑太郎として一番弟子の位置にあったため,簑二郎としたのか。それでは簑一郎の説明はどうする。なお,勘十郎の息子は以前簑次として簑助師匠に弟子入りしているが,今は簑太郎に改名している。


2021年4月24日土曜日

MacBook Air M1(3)

 MacBook Air M1(2)からの続き

前回,Processingが動かないと言ったが,正しいJDKが入っていなかったからなのかもしれない。arm対応のJDKが,AZULから入手できた。OpenJDK Runtime Environment Zulu16.28+11-CA (build 16+36) ということで,Processing 4.0α3をインストールしたところ無事に動作した。

その他は次のとおり

(1) Wolfram Engine 12の導入ができた。これをjupyterで実行したところ,無事にMathematicaが動作したが,バージョンが12.2かどうかはわからなかった。これが起動している状態では,カーネルの動作数が制限を越えたということで,元々インストールしていた Mathematica 12.0は動かなかった。

(2) iPad Proを sidecar で繋ぐことができた。ミラーリングでも別ディスプレイでも動くことは動くのだけれど,なぜか想像していた動作とは違うのと,本体の解像度が勝手に変わったりして微妙に使いにくい。macOSX用の GoodNotes 5 があるので,なんとかタブレット代わりには使えるとは思うが,AirDrop が優秀なのでつながなくても十分に使えてしまう。

(3) Time Capsuleのタイムマシンが動いた。無線でつながっている上に,2TBのハードディスクが遅いので,フルバックアップに10時間ほどかかるがそれでも一応の安心感は得られる。

(4) Apple USB スーバードライブがつながった。ドライブが空の状態ではデスクトップにアイコンが表示できないのでどうかと思ったが,ディスクを入れると無事に認識してアイコンが表示された。

(5) iPhone SE2 のバックアップができた。このためMacBook Air M1の1TBストレージの使用量は330GB,残量は700GBを切った。

(6) 環境設定のキーボードで指定した後も,標準の日本語入力で\と¥の入れ替えがうまくいかないような気がしたが,今日は正しく動作している。なんだったのか?



2021年4月23日金曜日

新型コロナワクチン接種予約(3)

 新型コロナワクチン接種予約(2)からの続き

4月12日から始まった全国の高齢者向けワクチン接種は当初の2000人/日から8000人/日の水準に増加したが,まだ全国で4万人しか1回目が終わっていない。優先すべき全国480万人の医療従事者向けは,1回目終了が150万人(31%),2回目終了が80万人(17%)にとどまっている。

さて,天理市の第2回目の予約(1000回分)に滑り込みで間にあったので,自分の集団接種会場(市内に2箇所)での接種予定日は6/5土と6/26土となった。第1回目と合わせて1375人(8%)が6月末にようやく完了の運びとなる。

本日,天理市の第3回コロナワクチン接種(高齢者)のお知らせが来て,第3回の予約受付は4/26月の午前8時半からとのこと。5/10から5/17の週に全国で1万6千箱(1560万回分)が発送される予定だ。単純平均すれば,天理市分は8500人分なので,前回分と合わせて高齢者の6割がカバーされる。ただし,これらが接種完了するのは7月末までかかる。この調子なら,高齢者接種は秋,さらに一般分の接種が行き渡るには来年度まで待つのだろうか。

(1) コールセンターの電話受付は,曜日ごとに年齢指定されるようになった。

(2) 第2回目の接種は自動的に接種1回目と同会場,3週間後の同時刻に割り当てられるようになった。

大阪などでは,まだワクチン接種予約案内すら送られていないとのことで,天理市のスムーズな対応はありがたい。

2021年4月22日木曜日

WHOのCOVID-19データ(4)

 WHOのCOVID-19データ(3)からの続き

WHOのCOVID-19統計のjsonデータの構造が変わったようで,scriptの出力に不具合が生じている。プログラミングが面倒である。これまでは,国・地域別のブロックの中に一連の時系列データが含まれていたところ,このたびは,時系列ブロックの中に一連の国・地域別データが並んでいる。前回よりもプログラムの構造が汚くなってしまった。日時データが通常の形式になっていたので,unix time を経由しなくても良いかと思ったが,そうは問屋が下さなかった。(注 \$ は $と読み替え)


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
#!/usr/bin/perl
# 4/24/2021 K. Koshigiri
# usage: json.pl 2021/04/24 3
# extract 3 day data from 2021/04/24
# original data = https://covid19.who.int/page-data/table/page-data.json

use Time::Local 'timelocal';

$tmp = "tmpx";
$in = "whox";
$out = "who-dat.csv";
$jsn = "https://covid19.who.int/page-data/table/page-data.json";
($sec, \$min, \$hour) = (0,0,0);
($year, \$month, \$day) = split '/', \$ARGV[0];
$epochtime = timelocal(\$sec, \$min, \$hour, \$day, \$month-1, \$year-1900)+32400;

system("lynx -source \$jsn | fsp -u > \$tmp");

open(OUT, ">\$in");
open(IN, "<\$tmp");
while(
) {
  s/],/],\n/g;
  print OUT;
}
close(IN);
close(OUT);

open(OUT,">\$out");
print OUT "Date, Country Code, Region Code, Deaths, Cumulative Deaths, Deaths Last 7 Days, Deaths Last 7 Days Change, Deaths Per 100k, Confirmed, Cumulative Confirmed, Cases Last 7 Days,Cases Last 7 Days Change, Cases Per 100k, WkCasePop, WkDeathPop\n";

for ($i=0; \$i<\$ARGV[1]; \$i++) {
  $ut=\$epochtime+86400*\$i;
  (sec, $min, \$hour, \$day, \$month, \$year) = gmtime(\$ut);
  year += 1900;
  month += 1;
  if($month < 10) {
    $ym = "\$year-0\$month";
  } else {
    $ym = "\$year-\$month";
  }
  if($day < 10) {
    $dt = "\$ym-0\$day";
  } else {
    $dt = "\$ym-\$day";
  }
  print "$dt\n";
  $sw=0;
  open(IN, "<$in");
    while(
) {
      s/\]//g;
      s/\[//g;
      s/"rows"://g;
      if(/"totals":/) {
        if(/$dt/) {
          $sw=1;
        } else {
          $sw=0;
        }
      }
      if($sw==1 && /"[A-Z][A-Z]","[A-Z]{4,5}"/ ) {
        print OUT "$dt,";
        print OUT;
      } elsif($sw==1 && /" ","[A-Z]{4,5}"/) {
        print OUT "$dt,";
        print OUT;
      }
    }
  close(IN);
}
close(OUT);


2021年4月21日水曜日

Apple Event 2021 April

 日本時間4月21日午前2時(米国時間 4月20日午前10時),Apple Event 2021 Aprilが開かれた。ここで発表されたものは,次の通りである。

(1) 24inch iMac:お買い得か。これまでに発表されたM1 MacBookやMac mini とほぼ同じCPU基板に,24inchの4.5Kレティナディスプレイをつけたようなもの。7色揃えて,リモートワーク用に1080pのフェイスタイムインカメラ。有線のギガビットイーサネットは電源アダプタのところに口を設けているのが良さげ。キーボードもTouch IDを備えていてカラーバリエーションあり。ポートは上位機種でThunderbolt/USB4 × 2とUSB3×2。

(2) M1 iPad Pro:高い。12.9inchの最上位モデルでは,279,800円(Cellular)に達する。新しいキーボードを加えると,321,380円だ。ただし,16GB/2TBで Thunderbolt/USB4ポートが付く。Liquid Retina XDRディスプレイ・ミニLEDバックライト・2,732 x 2,048ピクセル解像度はなかなか凄いので,MacBook Airより高くても仕方ないのかも。

(3) Air Tag:もっと安いものかと思っていたら,Bluetoothとスピーカーのため3800円。バッテリは市販のボタン電池で1年以上は持つらしい。ブランド物のキーホルダーの価格設定がえぐい。手持ちのiPhone SE2では残念ながらNFCによる近場の方向・距離案内が出ない。認知症老人用に使うと便利かもしれないので2セット買っておこうかしら。

(4) Apple TV 4K:これパスワード入力でのつまづきの解消方法はどうするのだろうか。最も旧型のAppleTVではこのユーザインターフェースのせいで四苦八苦しているのだけれど。

2021年4月20日火曜日

MacBook Air M1(2)

 MacBook Air M1(1)からの続き

新しいコンピュータが導入されると環境設定が大仕事になる。MacならばTimeMachineという強力な移行ツールがあるのだけれど,CPUアーキテクチャが Intel Core iX からAppleシリコン M1に替わり,OSもmacOS Catalina(10.15.x)からmacOS Big Sur (11.2.x)へとメジャーバージョンアップしたので,この際クリーンインストールをすることに。

(0) トラックパッドの設定(アクセシビリティの項目ONでタップ可能にする)

(1) ターミナルの設定(osaka等福14,ウインドウサイズは80x40,漢字コードはUTF8)これまではEUCだったが,もう大学のサーバのmnewsでメールを読まないので必要はないかも。

(2) EPSONプリンタドライバー(EP-805AW)一応BigSurには対応しているようだ。

(3) Xcode 2.4 & コマンドラインツール 2.4 の導入。

(4) homebrew 3.1.2 のインストール M1対応しているはずなのだけれど大丈夫か。

   /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

   sudoに対してmacbook airの自分のアカウントのパスワードを入れる

   - Add Homebrew to your PATH in /Users/koshi/.zprofile:

   echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> /Users/koshi/.zprofile

    eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"

(5) 必須コマンドの導入:nkf, wget, lynx, w3m, ffmpeg, gfortran この過程で依存関係からpython3も勝手に入ったようである。

(6) Office 2019 Home & Studentの導入。Parallelsはいらないかなぁ。

(7) Mathematica 12.0 のアクティベーションキーが使用済みなので,システム移行フォームでリセットしてもらう。最初は迷ったけれど結局とても簡単だった。

(8) iTunesの移行のためフォルダごとバックアップからコピーしてら動くかと思ったけれど,iTunesストアライセンスのものはPCの認証が必要で,5台を越えていたのでリセットした。

(9) MacTeX2014 4/1とTeXShop4.62の導入,これがM1 BigSur対応になっていて助かった。

(10) CyberDuck,GraphicConverter, JEdit, かわせみ3などの移行。

あとは細々したアプリやファイルを壊れる直前の状態のSSDからコピーした。古いMacBook Proには,Crucialの512GB SSDが入っていた。アップルストアの人に自分で入れ替えたのですねと聞かれたけれどすっかり忘れてしまっていて最初からSSDのモデルだと思い込んでいた。もしかしたらどこかのSHOPで入れ替えてもらったのだったかそれすら記憶が定かではない。この古いSATAのSSDを,YomttamasterのSATAケース に挿すだけで外付けSSDドライブの出来上がりだ。TimeMachine用にM.2 SSD 4TBの外付けドライブ 2-3Gb/sが欲しいけれどまだ高すぎる。

現在困っていること:Processingが動かない。jupyterlabが動かない。pythonの科学計算用モジュールのいくつかがインストールできない。

良かったこと:指紋認証がなにげにかなり便利。ポートは少ないけれど我慢できる。キーボードの感覚も全く問題なし。重さはそんな軽くはないけれどデザインと色は最高。

MacBookは既に身体の一部になっていて,なければ仕事にならないので,これが使えない時間を最小限に減らすために今回の判断になった。本当のところは,できるだけ旧機種を長く使ってからより性能の高い機種に移行したかったところだ。

2021年4月19日月曜日

非常勤講師2021前期授業開始

大阪教育大学の2021年度前期授業が 4月15日からスタートした。今年の大教大の非常勤は前期1コマ,後期3コマである。その初回が4月19日(月)である。大阪府では医療非常事態宣言が4/15から5/5にかけて発出されている。大阪府からは,大学等へのお願いとして「授業は、原則オンラインとし、困難な場合は、クラスを分割した授業や大教室の活用等により密を回避するようにしてください。(4月15日から要請)」となっていた。

一方,文部科学省からは対面授業実施についての強い圧力が加わっているようで,大学からの教員向けの様々な文書にもそれが滲み出している。そんなわけで,第1週目は必ず対面授業,第2週目以降で期限の5月5日までは,完全オンライン授業,その後は原則対面授業(一部の大人数指定科目だけは全てオンライン授業)として,対面授業の割合は50%以上確保し,教員の都合で勝手にオンライン授業にすることは禁止というなんだかわけのわからないがんじがらめになってしまっていた。

久しぶりの大学はエスカレータの天井や周辺が荒れ始めていたが,エスカレータ三号機だけは新調されていた。非常勤講師のための講師控え室(教務課職員が支援)は無人の印刷室に代わり,学内は消毒剤で溢れていた。教室の扉は開け放してあり,授業の中盤にはチャイムがなって換気を促していた。いくら対策していてもこれだけ若者の密度が高ければ,高齢者にとってはなかなか怖い空間となっているのであった。



写真:新調していない方のエスカレータ1号機(撮影 2021.4.19)

2021年4月18日日曜日

MacBook Air M1(1)

 天災は忘れた頃にやって来る。じゃなくて,昨日まで普通に使えていたものが,存在していたものが,ある日突然事故で消滅してしまう,というのはよくあることだ。53年使っていた腕時計が壊れ,8年使っていたMacBook Pro mid2012に,こぼしたお茶が浸水して電源が入らなくなってしまった。今後の教訓としては,(1) Apple Careには入れれば入る。(2) 電源ケーブルを抜き決して焦って電源ボタンは押さない。(3) 水はできるだけ吸い取るが,基盤の細部に染みたものは数日間乾かない可能性がある。(4) そもそも机の面とコンピュータの底面に段差を設ける。などなど。

そんなわけで,バッテリ交換から3週間で再びApple心斎橋に向かった。相変わらずの丁寧な対応の結論は,浸水による基盤交換等は一律8万数千円かかる。ということで,心が折れてしまった(というか当初の見込みは8万円以上は新品購入,5万円以下は修理というものだった)。早速,MacBook Air M1 16GB/1TBの在庫を確認してもらい,内蔵SSDを取り出して壊れた本体を引き取ってもらった。

この日は,4月22日は地球環境を考えるアースデイとのことで,アップルロゴのてっぺんの葉がグリーンになっていた。スタッフのTシャツもいつもの青から緑に変わっていた。Macを1980年台から使っていて,@mac.comのメールアドレスを使っているというと,販売担当のスタッフさんは驚いていた。また,技術担当のスタッフさんも,MacBookProの側面のCD/DVDドライブスロットや有線Ethernet Portには興味津々という感じだった。


写真:アースデイの心斎橋アップルロゴ(撮影 2021.4.18)


2021年4月17日土曜日

Antonia Brico

 録画してあった映画「レディ・マエストロ」を観た。英語タイトルは「The Conductor」だったので,この日本語タイトルはなんだかなあだったが直訳にならないのはやむを得ないかもしれない。アメリカ映画かと思ったが,マリア・ペーテルス監督の2018年オランダ映画だった。史実に基づいた伝記映画であり,最初期の女性指揮者であるオランダ系移民のアントニア・ブリコ(1902-1989)が主人公である。

上記の日本語版ウィキペディアに詳しいあらすじがあるので,これを読めばどんな物語かは正確にわかる。普通このような実録映画のエピローグでは,主人公が先駆者として道を切り拓いたおかげで,現在のその領域の隆盛があるということで,めでたしめでたしとなる。しかし,この映画では,アントニア・ブリコがベルリン・フィルを指揮した1930年から90年経っても,世界の主要な20のオーケストラの主席指揮者には女性はいないし,世界の指揮者ベスト50にも女性がいないという結果を示して終わっている。

指揮や音楽の場面は今ひとつ惜しかったが,ニューヨークの貧しい移民街や家庭の風景はハリウッド映画ではないオランダ映画的なリアリズムが見られたかもしれない。

2021年4月16日金曜日

新型コロナワクチン接種予約(2)

 新型コロナワクチン接種予約(1)からの続き

天理市では,4月中の高齢者向けワクチン接種数は375名であり,4/12から4/30の19日間に,2箇所の集団接種会場が設けられて実施される。平均約20名/日である。

奈良県の資料によれば,高齢者向けのファイザーのワクチンの第1クールでは,全国100箱のうち奈良県には2箱届いている。1箱には冷凍された195バイアルが入っており,解凍して希釈した1バイアルからは5-6回分の摂取ができる。したがって,奈良県の第1クールでは,2000回分のワクチンが届いている。

全国ではその50倍で10万回分であり,これを4月12日から接種開始するならば,全国の高齢者向けワクチンの1日平均の接種数は約5000回となるはずだ。ところが,首相官邸のコロナワクチンのページでは,4/12から4/15までの4日間でほぼ毎日1600回となっていた。大丈夫か。

そもそも,全国470万人の医療従事者への接種が185万回(1/5)しか済んでいないのに,アリバイ的に高齢者向け接種を始めたところに問題がある。これからは接種回数が加速するとはいえ,とても6月中に医療従事者と高齢者の接種が終わりそうにないのだけれど。

[1]新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種について(奈良県医療審議会報告資料)

[2]新型コロナワクチン(首相官邸)

[3]新型コロナワクチンの接種実績(厚生労働省)

2021年4月15日木曜日

ALPS処理水(1)

多核種除去設備等処理水からの続き

 経済産業省によると,風評被害防止のため「東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の定義を変更しました」とのこと。これまでの報道でも処理水=トリチウムだけを含んだ処理済み汚染水というニュアンスで伝えられていたが,さすがに自民党内の原発推進派からもクレームが来るようなことだったので,保管されているいわゆる処理水の7割には,規制基準を越えるトリチウム以外の放射性物質が含まれていることを明示せざるをえなくなったようだ。

今後は,「トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水」のみを「ALPS処理水」と呼称することとします,ということである。トリチウム($^3$H)だけでなく,放射性炭素($^{14}$C)もALPSでは除去できないが基準以下という説明だ。東電のスキームでは,放出前に希釈するといっているので,この表現ならば7割の基準を満たさない「処理水」も希釈後は「ALPS処理水」になってしまうのだが大丈夫なのか。普通は信頼関係でそんなとんでもないインチキはないと思うのだが,相手が東電や経産官僚なので疑心暗鬼にならざるを得ない。

反ニセ科学の人たちは,ここぞとばかりにトリチウムの安全性を強調しているが,その前にもう少し前提条件を疑っても良いのではないか。これ以上の保管が困難な理由は何か。トリチウム水 HTO を,水蒸気として大気中に放出するのではなく,液体の水として海へ放出するのでなければならない理由は何か。

(1) 福島第一原発の敷地は137万平方kmあって,5号機6号機の北や西のエリアには建物がない場所がたくさんある。もちろん,今後の廃炉計画上は一定の用途が割り当てられているが本当に見直す余地はないのだろうか。廃炉過程の廃棄物の受け入れ予定場所とはいえども,漁業風評被害と天秤にかければ全く議論の余地がないわけではないだろう。正常にALPSを経由した3割の「ALPS処理水」については40年保管すれば放射線量は1/8には減らすことができる(トリチウムの半減期は12.3年,毎年5.5%の割合で減少する)。複雑な構造の原子炉本体を60年動かそうとしているのに,単純なタンクが60年維持できないのはなぜなのか(最も,自宅マンションの貯水槽も30年目にして更新作業中なので何か理由があるのかもしれない)。

(2) 世界各国の正常に稼働している原子力発電所の場合は,トリチウムの液体(水)放出と気体(水蒸気)放出が同程度に行われている。福島第一原発は原発事故地という特別な環境にあるため,そもそもこれらの正常な原発のトリチウム放出と同等に考えて良いのかどうかは議論の余地があるが,それにしても漁業への影響のない水蒸気放出が困難である理由がほとんど具体的に示されていない。

(3) 正常に運転される原子力発電所では,原子炉周りの地下水の流入による汚染を防ぐためにサブドレンという名前の井戸を周囲に設けている。その水位を保つためにサブドレンの水を汲み上げて海に放出しているが,この水は一定の汚染レベルになることがある。その放出水に含まれるトリチウムが1500Bq/Lであり,今回のALPS処理水をこの水準まで希釈して放出するというのが東電の方針である。このためには平均500倍に希釈する必要がある。タンクのトリチウム汚染濃度平均が73万Bq/Lであるからだ(現時点の福島第一原発のトリチウム総量は860兆Bq)。これって海水で500倍に薄めるのよね。この論理が使えるならば,どんな物質でも海水で基準以下まで希釈してから海に放出できるのではないか。

[1]ALPS処理水について(経済産業省)

[2]廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議(第5回)(首相官邸)

[3]廃炉・汚染水・処理水対策ポータルサイト(経済産業省)

[4]処理水ポータルサイト(東京電力)

[5]Japan plans to release Fukushima’s wastewater into the ocean(Science)

2021年4月14日水曜日

国性爺合戦

 近松門左衛門(1653-1725)の国性爺合戦(1715)は,人形浄瑠璃の歴史物としては異色で中国が主な舞台となっている。なかなかナショナリズムを鼓舞する内容だった。主人公の和藤内は,明の役人であり日本に渡っていた老一官とその日本人妻の間の子供という設定だ。老一官と和藤内は,清朝からの明朝の復興運動を行った鄭芝龍(1604-1661)と鄭成功(1624-1662)=国姓爺をモデルとしている。老一官の妻は物語の中で中国に渡って重要な役割を果たすのだが名前が付いていない。何とかならなかったのか。17ヶ月連続興行の大ヒット作品だったわけだけれど,当時はどんなイメージで見られたのだろうか。

国立文楽劇場で国性爺合戦を見るのは2回目であり,前回は2016年の初春文楽公演だった。が,前回の記憶はほとんど飛んでいて,あらすじもよくわかっていなかった。しかも虎が出てきたのにはっきりと覚えていない。多分例によって寝ていたのだろうと思われる。今回も,呂勢太夫と清治による楼門の段はほとんど寝ていたので,いつの間にか老一官の妻が縛られて連れられていく始末だった。

久しぶりの4月文楽公演鑑賞は,大阪府のコロナ新規感染者が1000名を越えた日だった。公演記録のために撮影録音が行われていたが,観客の入りは間隔を開け定員の1/3から1/4程度だった。プログラムによれば太夫に新人2名が加わったようで,心強い限りであるが,この調子で大阪の感染拡大が続けば,7月公演はどうなることか心配だ。

1 大明御殿の段(17分)
2 大明御殿奥殿の段(23分)
3 芦辺の段(10分)
4 平戸浜伝いより唐土船の段(39分)
5 千里が竹虎狩りの段(23分)
6 楼門の段(47分)
7 甘輝館の段(49分)
8 紅流しより獅子が城の段(28分)

前回は,1段目から3段目(1-8)までだったが,今回は三部構成で時間が3時間半程度だったため,2段目と3段目(3-8)だけだった。虎は面白いのだけれど,ネズミと同じようなもので,文楽の子供向け演目以外で動物が出る場合は狐(桐竹勘十郎)が最も洗練されている。三味線は皆さん元気だったけれど,相変わらず呂太夫の声量が乏しく,その分は藤太夫の声量に回っていた。希太夫も今回は割と頑張っていた。


写真:国性爺合戦の和藤内と虎(文化デジタルライブラリより引用)

2021年4月13日火曜日

蔦屋書店

 京阪枚方市駅前の商業施設,HIRAKATA T-SITEには蔦屋書店が入っている。最近は本屋がどんどん消滅しているが,その中で蔦屋書店だけが生息域を拡大している。春日原始林に蔓延るナンキンハゼみたいなもので,シカが食べないことから森林生態系の変化が危惧されている。まあそもそも春日原始林はアマゾン熱帯雨林で置き換えられてしまったのかもしれないが。

1983年に開業した蔦屋書店の1号店が蔦屋書店枚方市駅前なので,ここは大変由緒正しいTSUTAYAの聖地なのだった。レンタルCD・ビデオのTSUTAYAと併せて,1985年に設立されたカルチャ・コンビニエンス・クラブ(CCC)によって運営されている。このCCCの名前が知れ渡ったのが,図書館の委託管理事業への進出である。当時の樋渡啓祐市長によりCCCが初めて指定管理者となった武雄市図書館では,CCCの関連会社からゴミのような中古書籍を多数購入したり,貴重な地域の歴史資料資料を除籍・廃棄処分したり,改革の名の下に図書館機能をズタズタにしてしまった。

そんなわけで,CCCには悪い印象しか持っておらず,地元の図書館が浸食されないように祈るばかりであるが,蔦屋書店も自分の肌には合わないのだった。

(1) 選書がお洒落な本に偏っており,書店の規模に対して,理工書やしっかりした人文科学書の割合が少ない。本屋ではなくファッション系の小物のお店になってしまっている。あるいはファッションの一部としての見せかけの書籍群。その極限が大きな壁面に糊付けされている洋書の見掛け倒しである。本物の図書館では,一応アクセスは確保されている。大嫌いな安藤忠雄設計のこども本の森中之島も同じ発想だ。

(2) 書籍の配列がでたらめになっている。よくいえばテーマ別で新しい発見を促すともいえるが,あるべき場所に本がないので特定の意図を持って探すのが面倒である。端末で検索せよというならば,アマゾンとどこが違うのか。文庫本が著者のアイウエオ順なのはまだ許せるとして,場合によっては単行本と文庫本が混在し,恣意的な分類をしている。

そんなわけで,仮想空間で自分好みの本屋体験ができるアプリの出現を待っている。

2021年4月12日月曜日

蔓延防止要請内容

 大阪府のまん延防止等重点措置を実施すべき区域における要請内容は,大阪府全域を対象として4月5日から5月5日まで発令されている。大阪府民ではないのでスルーしておけば良いのだが,〈大学等〉へのお願いでは次のようになっていた。

○ 学生に対し、4人以下でのマスク会食の徹底を求めること
○ 学生に対し、営業時間短縮を要請した時間以降、飲食店等にみだりに出入りをしないよう求めること
○ 学生に対し、歓送迎会、宴会を伴う花見を控えるよう求めること
○ 感染防止と面接授業・遠隔授業の効果的実施等により学修機会を確保すること
○ 部活動、課外活動、学生寮における感染防止策などについて、学生等に注意喚起を徹底すること
○ 年度当初に行われる行事(入学式等)は、人と人との間隔を十分に確保する等、適切な開催方法を検討すること
吉村知事によるあの悪評高い「マスク会食」が一番に入っている。そのため大阪府内の主な大学が4月8-9日に出している「大阪府の医療緊急事態宣言を受けて」のお知らせでは,軒並みこれに追随した表現が取られていた。近畿大学,大阪教育大学,大阪市立大学,大阪大学,摂南大学などである。

一方,よく考えている大学ではそのままではなく,むしろ会食自体を控えるような表現で注意喚起している。大阪府立大学,関西大学,立命館大学(大阪茨木キャンパスがある)などである。1月18日に発出された大阪市立大学・大阪府立大学・関西大学の学長共同メッセージにもマスク会食の表現はなかった(その後のバージョンでは見かけたような気もする)。

この言葉が他の地域にも,普通名詞であるかのように浸透しつつあり,西日本や東北の一部の大学では「マスク会食」というキーワードで注意喚起している。そんな中でも,まともな大学は次のように書いているのだった。
こうした調査報告を踏まえますと、学生さんには、久しぶりに会う友人、例えば2週間以上会っていないなどの友人との食事やお茶の場にはくれぐれも注意いただきたいと思います。食事やお茶などの飲み物を飲みながらの会話では、どうしてもマスクを外す機会が多くなります。「マスク会食」も勧められていますが、おしゃべりに一生懸命になると、マスクを外したまま会話を続ける時間が長くなってしまうかもしれません。(白百合女子大学学長室だよりから
それにしても去年の今頃より危険な状況なのに,対面授業を中心に授業を実施するという文部科学省=各大学の方針は揺らぎそうにない。

2021年4月11日日曜日

冷蔵箱

日本の高度経済成長期と自分の子供時代が重なっているので,小学生のころに耐久消費財の変遷を目の当たりにすることになる。また,大人になってからは情報技術革命の真っ只中で環境の激変を体験した。さらには日本の没落過程(後進国化)と自分の老年期が重なるという,なんとも不思議な巡り合わせだ。

炊飯:幼稚園のころはかまどで炊飯し,おひつに移して食べていた。その後,ジャーによる保温に変わり,小学校低学年のころには電気炊飯器がやってきた。炊飯後の電気炊飯器が熱いことを十分学習していなかったため,軽い火傷をすることになる。

暖房:小学校低学年までの掘りごたつには炭が入れられていた。炬燵の中にもぐって遊ぶことも多かったがよく一酸化炭素中毒しなかったものだ。足の裏がおこしたばかりの炭に当たって火傷して水膨れを作ることになる。火鉢もあってお好み焼きのヘラのような道具で灰を炭火に寄せていた。小学校中学年以降は,石油ストーブ・ガスストーブ・電気炬燵の組み合わせに変わった。

冷房(エアコン):寺町のおばあちゃんの家には1960年代中期からあったがうちには扇風機しかなかった。1980年代に帰省したときにようやくエアコンが設置されていた。なお,大学の研究室(職場)でエアコンの恩恵を受けるのは1992年に柏原キャンパスに移転してからである。

テレビ:幼稚園のころ(1958-1959年)には白黒テレビがあった。NHKのテストパターンで薔薇や撮影機のレンズがズームしていたのが印象深い。カラーテレビは小学校の高学年になったころから。ブラウン管に磁石を近づけると電子ビームが偏向して色むらを生ずるので注意してください。1964年の東京オリンピックか,1965年のジャングル大帝かどちらかをカラーでみた記憶にあるがこれもあまり当てにならない。

洗濯機:風呂場に洗濯板で洗濯していたような場面は覚えている。妹のオムツが庭に盛大に干してあったので,おむつだけ手洗いだったのだろうか。電気洗濯機は小学校低学年のころには風呂場の隣にあった。脱水はローラを手回しするやつだ。洗濯機の横に置いてあった粉洗剤に水を垂らすと水がどんどん粉の中に吸い込まれていく。楽しくなった小学生が止まらずやっているうちに大変なことになり,母親にこっぴどく叱られた。

冷蔵庫:冷蔵箱ともよばれる木製の氷冷蔵庫が家の台所にあったような気がする。小学校低学年のころに小さな電気冷蔵庫もやってきた。もちろん1ドア式で,製氷は可能だけれど冷凍庫なんてものはない時代。いたずら好きの小学生はコップに色々とややこしい材料(食べられないものを含む)を混ぜた魔女の薬のようなものを作って冷蔵庫に入れておいたら,母親が間違えて飲みそうになったということでこっぴどく叱られた。

小学校4年までは,金沢市泉野町が住所の平屋に住んでいたが,昭和38年から昭和40年ごろに行政合理化のため旧町名が一斉に整理統合され,金沢市寺町に変わった。ちょうどその頃古い家を壊して2階建の家を新築している。1963-1964年(小学校4年生から5年生)が時代の境目だった。1960年代後半にかかる中学生時代には,今とほぼ同様の家庭電化製品が揃うことになった。


写真:冷蔵箱=木製氷冷蔵庫のイメージ(千葉県立中央博物館大利根分館から引用)