芥川龍之介が「蜘蛛の糸」を発表して百年。高二の秋の文化祭,クラスの仮装行列のテーマが 蜘蛛の糸だった。お釈迦様の極楽タワーの竹を近所から切り出し,地獄の焔と煙の絵を描いた。犍陀多に続いて蜘蛛の糸(登山部の赤いザイル)に群がる地獄の亡者だったころ。
2024年3月11日月曜日
13年
2023年10月19日木曜日
処理水と廃炉
2023年9月29日金曜日
再処理工場
2023年9月27日水曜日
トリチウム(2)
2023年9月25日月曜日
水蒸気放出(3)
2023年9月24日日曜日
水蒸気放出(2)
2023年9月23日土曜日
水蒸気放出(1)
気温 | 湿度 * | 風速 | 晴日 ≧40% | 蒸発量 | 蒸発量+ | |
1月 | 2.2 | 58 | 2.0 | 22.5 | 0.15 | 0.30 |
2月 | 2.7 | 59 | 2.0 | 20.6 | 0.16 | 0.31 |
3月 | 5.7 | 62 | 2.2 | 19.5 | 0.19 | 0.38 |
4月 | 10.7 | 68 | 2.1 | 17.9 | 0.22 | 0.43 |
5月 | 15.5 | 76 | 1.8 | 16.5 | 0.22 | 0.51 |
6月 | 18.8 | 83 | 1.5 | 11.7 | 0.17 | 0.50 |
7月 | 22.6 | 86 | 1.3 | 11.4 | 0.17 | 0.53 |
8月 | 24.0 | 84 | 1.4 | 14.9 | 0.22 | 0.62 |
9月 | 20.6 | 80 | 1.4 | 12.2 | 0.22 | 0.56 |
10月 | 15.1 | 75 | 1.4 | 14.9 | 0.19 | 0.45 |
11月 | 9.7 | 69 | 1.6 | 19.1 | 0.17 | 0.38 |
12月 | 4.7 | 62 | 1.8 | 21.0 | 0.17 | 0.32 |
全体 | 12.7 | 72 | 1.7 | 201.9 | 0.19 | 0.45 |
2023年9月11日月曜日
放出総量
第一は、処理水放出しなくても海に流出している放射性物質がおそらく事故以前の福島第一の年間放出管理目標値である2200億ベクレル/年くらいあって、これを減らすことが絶対的に重要だけど、そもそもこういう放出があること自体に国も東電も一切触れないのが問題、ということ。
2023年9月10日日曜日
ヨウ素129
2023年9月7日木曜日
告示濃度比総和
トリチウム(12.3年,β崩壊) 6万 Bq/L → 30万Bq/L(5×40 = 200倍希釈)炭素14(5730年,β崩壊) 2千 Bq/L → 100 Bq/Lコバルト60(5.27年,β崩壊) 200 Bq/L → 1 Bq/Lストロンチウム90(28.8年,β崩壊) 30 Bq/L → 10 Bq/Lイットリウム90(64.6時間,β崩壊,ストロンチウム90から) 300 Bq/Lルテニウム106(374日,β崩壊) 100 Bq/L → 1 Bq/Lロジウム106(29.8秒,β崩壊,ルテニウム106から) 30万 Bq/Lアンチモン125(2.67年,β崩壊) 800 Bq/L → 0.5 Bq/Lテルル125m(57.4日,IT) 900 Bq/Lヨウ素129(1570万年,β崩壊) 9 Bq/L → 1 Bq/Lセシウム134(2.06年,β崩壊) 60 Bq/L → 0.2 Bq/Lセシウム135(230万年,β崩壊) 600 Bq/Lセシウム137(30.2年,β崩壊) 90 Bq/L → 1 Bq/Lバリウム137m(2.55分,IT,セシウム137から) 80万Bq/L
2023年9月5日火曜日
水産物の禁輸
2023年9月4日月曜日
トリチウム(1)
2023年9月3日日曜日
ALPS処理水(6)
2023年9月2日土曜日
ALPS処理水(5)
2023年8月31日木曜日
ALPS処理水(4)
2023年8月30日水曜日
ALPS処理水(3)
Q:福島第一原子力発電所の敷地内のタンクに長期保管できないのですか。A:今後、高濃度の放射性物質である燃料デブリの取り出し等、リスクを低減するための廃炉作業を計画的に進めていくにあたり、発電所内で必要な敷地を確保する必要があります。
Q:「地層注入」や「地下埋設」によるALPS処理水処分は検討したのですか。A:国のタスクフォースで検討され、「規制的、技術的、時間的な観点から現実的な選択肢としては課題が多い」とされています。
最後に、福島第一原子力発電所に貯蔵されている処理水の放出は、日本政府による国家的決定であり、本報告書はその方針を推奨するものでも支持するものでもない(that this report is neither a recommendation nor an endorsement of that policy)ことを強調しておきたい。しかし、この決定に関心を持つすべての人々が、IAEAの独立した透明性のあるレビューを歓迎することを願っていますし、このプロセスの開始時に申し上げたように、IAEAはALPS処理水の放出前、放出中、放出後に立ち会うことを保証します。
2023年8月27日日曜日
ALPS処理水(2)
2023年8月13日日曜日
模擬原爆
パンプキン爆弾は,「原爆投下に備えた爆撃機乗員訓練のためと,今までに例のない特殊な形状をしたファットマン(引用注:長崎に投下されたプルトニウム爆弾)が爆撃機(原爆搭載が可能なように特別に改修したB-29)から投下され爆発するまでの弾道特性・慣性能率等の様々な事前データ採取のために,いわば「模擬原爆」として製作された。」(Wikipediaから引用)平和祈念資料館によれば,「1945年(昭和20年)7月20日から8月14日までの間に49発が投下され、1,600人以上の死傷者が出ました。」ということであり,8月9日の長崎の後も続いていた。模擬原爆投下の目標とされたのは,当初の原爆投下候補地だった京都市,広島市,新潟市,小倉市の各都市を含む4つのエリアに分けた周辺都市である。例えば,富山市には4発も投下されていた。
2021年4月15日木曜日
ALPS処理水(1)
多核種除去設備等処理水からの続き
経済産業省によると,風評被害防止のため「東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の定義を変更しました」とのこと。これまでの報道でも処理水=トリチウムだけを含んだ処理済み汚染水というニュアンスで伝えられていたが,さすがに自民党内の原発推進派からもクレームが来るようなことだったので,保管されているいわゆる処理水の7割には,規制基準を越えるトリチウム以外の放射性物質が含まれていることを明示せざるをえなくなったようだ。
今後は,「トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水」のみを「ALPS処理水」と呼称することとします,ということである。トリチウム($^3$H)だけでなく,放射性炭素($^{14}$C)もALPSでは除去できないが基準以下という説明だ。東電のスキームでは,放出前に希釈するといっているので,この表現ならば7割の基準を満たさない「処理水」も希釈後は「ALPS処理水」になってしまうのだが大丈夫なのか。普通は信頼関係でそんなとんでもないインチキはないと思うのだが,相手が東電や経産官僚なので疑心暗鬼にならざるを得ない。
反ニセ科学の人たちは,ここぞとばかりにトリチウムの安全性を強調しているが,その前にもう少し前提条件を疑っても良いのではないか。これ以上の保管が困難な理由は何か。トリチウム水 HTO を,水蒸気として大気中に放出するのではなく,液体の水として海へ放出するのでなければならない理由は何か。
(1) 福島第一原発の敷地は137万平方kmあって,5号機6号機の北や西のエリアには建物がない場所がたくさんある。もちろん,今後の廃炉計画上は一定の用途が割り当てられているが本当に見直す余地はないのだろうか。廃炉過程の廃棄物の受け入れ予定場所とはいえども,漁業風評被害と天秤にかければ全く議論の余地がないわけではないだろう。正常にALPSを経由した3割の「ALPS処理水」については40年保管すれば放射線量は1/8には減らすことができる(トリチウムの半減期は12.3年,毎年5.5%の割合で減少する)。複雑な構造の原子炉本体を60年動かそうとしているのに,単純なタンクが60年維持できないのはなぜなのか(最も,自宅マンションの貯水槽も30年目にして更新作業中なので何か理由があるのかもしれない)。
(2) 世界各国の正常に稼働している原子力発電所の場合は,トリチウムの液体(水)放出と気体(水蒸気)放出が同程度に行われている。福島第一原発は原発事故地という特別な環境にあるため,そもそもこれらの正常な原発のトリチウム放出と同等に考えて良いのかどうかは議論の余地があるが,それにしても漁業への影響のない水蒸気放出が困難である理由がほとんど具体的に示されていない。
(3) 正常に運転される原子力発電所では,原子炉周りの地下水の流入による汚染を防ぐためにサブドレンという名前の井戸を周囲に設けている。その水位を保つためにサブドレンの水を汲み上げて海に放出しているが,この水は一定の汚染レベルになることがある。その放出水に含まれるトリチウムが1500Bq/Lであり,今回のALPS処理水をこの水準まで希釈して放出するというのが東電の方針である。このためには平均500倍に希釈する必要がある。タンクのトリチウム汚染濃度平均が73万Bq/Lであるからだ(現時点の福島第一原発のトリチウム総量は860兆Bq)。これって海水で500倍に薄めるのよね。この論理が使えるならば,どんな物質でも海水で基準以下まで希釈してから海に放出できるのではないか。
[1]ALPS処理水について(経済産業省)
[2]廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議(第5回)(首相官邸)
[3]廃炉・汚染水・処理水対策ポータルサイト(経済産業省)
[4]処理水ポータルサイト(東京電力)
[5]Japan plans to release Fukushima’s wastewater into the ocean(Science)
2020年10月27日火曜日
多核種除去設備等処理水
蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具みたいな用語である。
多核種除去設備等処理水(ALPS処理水,ただし処理しきれなかった核種を含む)のことをトリチウム水とよんで,よってたかって安全だというのがキクマコらの手口。おしどりマコが「【福島第一】測定員不足、計器故障、二次処理の実験もされないまま議論は大詰めに【ALPS処理水】」で,細野豪志のデマを叩き潰していた(時間順序はべつとして)。
トリチウムのベータ崩壊は,ニュートリノ質量の問題でも馴染み深い遷移だ。大阪教育大の1999年の物理の入試問題でも出題したことがある。1970年代に設置された富山大学トリチウムの研究センター(現在の水素同位体科学研究センター)の記事を読んだ当時から,トリチウムの安全な取り扱いは非常に難しいものだという印象を持っていた。トリチウムのベータ崩壊は半減期が12.3年で,ベータ線の最大エネルギーが18.6 keVだけれど,生体分子の水素と置き換わる可能性があるからだ。ところがいつの間にか安全な核種の代表みたいな触れ込みになってしまった。
おしどりマコのいうように実は敷地内に貯蔵タンクの設置可能な場所がまだ十分あるのならば,これを37年貯蔵して放射能を1/8にしてから(他の核種で汚染されていないものを)順次放出ということもあるのかもしれないがどうなのだろう。
一方,炭素年代測定でおなじみの,14C(半減期が5730年で,ベータ線の最大エネルギーは156keV)もALPSで除去できていないらしい。これも大阪教育大の2001年の入試問題で出題した。超微細状態からのミューオン捕獲でも取り上げた核種だ。