2024年6月16日日曜日

アメリカン・ニューシネマ

ルート66金沢の映画館(4)からの続き

NHKの映像の世紀「ルート66」に登場したのは,いわゆるアメリカン・ニューシネマの代表的な2作品である,「俺達に明日はない(1967)Bonnie and Clyde」と「イージ・ライダー(1969)」だ。これに「明日に向かって撃て(1969)Butch Cassidy and the Sundance Kid」を加えれば,主人公の二人が最後に射殺される三部作になる。

「俺達に明日はない」の監督は,アーサー・ペンだ。彼のもう一つの代表作は,少し時間を遡る「奇跡の人(1962)」だ。これに登場するアン・バンクロフトが「卒業(1967)」ではミセスロビンソンになる。一方,「卒業」のキャサリン・ロスは「明日に向かって撃て」ではサンダンス・キッドの恋人になる。

「卒業」のダスティン・ホフマンは,アーサー・ペン監督の「小さな巨人(1970)」の主人公になり,そこには「俺達に明日はない」のフェイ・ダナウェイが出ていた。こうして,昔観たアメリカン・ニューシネマの監督と登場人物と主人公たちはぐるぐるとつながっていた。ダスティン・ホフマンが出た「真夜中のカウボーイ(1970)」は,梅田の映画館で風邪をひいて熱がある状態でフラフラしながら観ていた。映画の中でバスで揺られる病んだ副主人公のダスティン・ホフマンの状態とほとんど同じだった。

アメリカン・ニューシネマの正確な定義はないが,その主な作品は,ちょうど自分の高校時代から大学時代にかけて公開されたものだ。映画を最もよく観ていた時代だった。Wikipediaの記事をちょっとアレンジして,アメリカン・ニューシネマのベスト30をリストアップしてみる。◎は高校時代,○は大学のころ,△はテレビでみたものだ・・・たぶん・・・。
◎1.俺たちに明日はない (1967) アーサー・ペン
◎2.卒業 (1967) マイク・ニコルズ:サウンド・オブ・サイレンス
 3.暴力脱獄 (1967) スチュアート・ローゼンバーグ
◎4.イージー・ライダー (1969) デニス・ホッパー:ワイルドで行こう
○5.真夜中のカーボーイ (1969) ジョン・シュレシンジャー:うわさの男
 6.ワイルドバンチ (1969) サム・ペキンパー
◎7.明日に向って撃て!(1969) ジョージ・ロイ・ヒル:雨にぬれても
△8.M★A★S★H マッシュ (1970) ロバート・アルトマン
○9.小さな巨人 (1970) アーサー・ペン
◎10.いちご白書 (1970) スチュアート・ハグマン:サークル・ゲーム
 11.ソルジャー・ブルー (1970) ラルフ・ネルソン
○12.…YOU...(1970) リチャード・ラッシュ
 13.ファイブ・イージー・ピーセス (1970) ボブ・ラフェルソン
△14.キャッチ=22 (1970) マイク・ニコルズ
 15.フレンチ・コネクション (1971) ウィリアム・フリードキン
 16.バニシング・ポイント (1971) ジョン・ブアマン
 17.ダーティ・ハリー (1971) ドン・シーゲル
○18.時計じかけのオレンジ (1971) スタンリー・キューブリック
◎19.愛の狩人 (1971) マイク・ニコルズ
△20.スローターハウス5 (1972) ジョージ・ロイ・ヒル
 21.スケアクロウ (1973) ジェリー・シャッツバーグ
 22.カンバセーション…盗聴 (1974) フランシス・フォード・コッポラ
 23.チャイナタウン (1974) ロマン・ポランスキー
 24.続・激突/カージャック (1974) スティーヴン・スピルバーグ
 25.カッコーの巣の上で (1975) ミロス・フォアマン
 26.狼たちの午後 (1975) シドニー・ルメット
 27.タクシードライバー (1976) マーティン・スコセッシ
 28.ネットワーク (1976) シドニー・ルメット
 29.ディア・ハンター (1978) マイケル・チミノ
△30.地獄の黙示録 (1979) フランシス・フォード・コッポラ

 


写真:アメリカンニューシネマのポスター(ダ・ヴィンチから引用)

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