日経文化面の映画紹介,モンテ・クリスト伯が面白そうだったので観に行くことになった。奈良には上映館がなく,このあたりでは京都シネマとTOHOシネマズなんばと大阪ステーションシネマだけだ。上映時間の関係で梅田のルクア11階,大阪ステーションシネマに向かう。
前日にウェブでチェックすると120席の1/5ほどが埋っていた。珍しいことだ。油断したまま現地に着くと95%くらい売れてしまっていた。普段は空席が95%の映画ばかりなのでビックリだ。平日の午後,暇なじいさんばあさんばかりが映画館に集結している。
フランスで製作された大作映画だ。映画はやじゃり発祥の地のフランス語がよい?導入部では主人公が22歳なのに関係者がみな老け顔なので,ちょっと微妙だった。物語は投獄され脱出したの14年後に展開するので仕方がないか。小学生の頃に図書館で借りた巌窟王を読んだだけなのだが,牢獄からの脱出のあたりは微かに印象にある。
原作は岩波文庫で7冊分の長編であり,3時間に押さえるためにかなり脚色されているはずだ。登場人物も整理されてわかりやすい。モンテクリスト伯側のエデが何者かわからないままに見ていた。説明を見落としたかと思ったが,後半の映画の中で説明がありました。
モンテクリスト伯をモチーフにしたアルフレッド・ベスター(1913-1987)のSF小説が虎よ虎よ!。世界SF全集で初読したときは,文字と記号の大胆な表現にビックリした。この作品が素晴らしかったことを顕彰するためヒューゴー賞が発足したと間違った俗説記憶を持っていたが,このたびChatGPTに確認すると年代的その他のファクトで否定された。なお,第1回のヒューゴー賞受賞作がベスターの分解された男だったのは事実だ。
図:モンテ・クリスト伯のポスターを引用
P. S. 虎よ虎よ!は1956年に英国で出版されたときのタイトル。ウィリアム・ブレイクの詩 The Tyger から来ている。米国ではその文学的な空気が嫌われ,Stars My Destination と変更されて,ギャラクシー・サイエンス・フィクションに連載された。

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