国立文楽劇場の爽秋文楽特別公演は,9月6日から10月14日までと,例年(去年は11月2日〜24日)より早期に始まり長期間にわたって開催される。これは10月13日まで開催される2025大阪・関西万博対応の特別仕立てである。
プログラムは次のようになっている。
Aプロ・Welcome to BUNRAKU!・恋女房染分手綱(道中双六の段,重の井子別れの段)・日高川入相花王(渡し場の段)Bプロ・心中天網島(北新地河庄の段,天満紙屋内の段,大和屋の段,道行名残の橋づくし)Cプロ・Welcome to BUNRAKU!・曾根崎心中(生玉社前の段,天満屋の段,天神森の段)
前半の9月25日までが,A-B-C,後半の9月26日からが,C-B-A という順に上演される。
今回は,外国人向けの英語での文楽の概要説明(約10分)Welcom to BUNRAKU! が含まれるAプロを観賞した。恋女房染分手綱も日高川入相花王もこれまで何度か見ている演目だ。
いつもより上演期間が倍近くに延びているためか,731席の国立文楽劇場の3-4割の入りだった。外国人は10人程度なので,3-4%というところか。万博の外国人観光客をターゲットとしているため,新たな試みとして従来の日本語字幕投影のかわりに,スマホアプリによる日本語・英語字幕表示システムが取り入れられた。
EG-Gというアプリで,手元に字幕が表示される。ところが,これはネットワークを使わないので,端末は機内モードにしておく。アプリで端末のマイク利用をONにしておくと,劇場内に流れる非可聴音で信号を流し,これを聞き取って端末に字幕を表示するというものらしい。
問題は,舞台を見るときは眼鏡をかけているので,手元だと眼鏡を外さないといけないということ。やはり視線移動が多くなるとちょっとしんどい。これが耳からの情報ならばOKなのだけれど。端末側でイアホンを利用しているかどうかが判別できて,なおかつスピーカーから音が出ないという設定ができればいいけど。AirPods とか指定すればできそうではあるが。
肝腎の文楽の中身だけれど,日高川を泳ぐ清姫のウロコ模様の帯着物がいまいちきれいに伸びてはいなかったのが残念。
図:EG-Gの画面(2025.9.17 撮影)
0 件のコメント:
コメントを投稿