2025年9月8日月曜日

アルツハイマー病

認知症の原因の7割弱がアルツハイマー病だ。そのアルツハイマー病の機序の話がNHKの知的探求フロンティア タモリ・山中の!?「認知症克服のカギ」で取上げられていて,たいへん勉強になった。吉岡里帆の合いの手も良く理解しているようで気持ちがいい。

アルツハイマー病ではアミロイドβの蓄積が問題だといわれているが,それだけでなくてタウタンパク質APOE遺伝子など他のプレーヤーがどんな役割を果たしているかの現在の仮説がとてもわかりやすかったので,番組で紹介されたキーワードを投入してChatGPT-5にストーリーを整理してもらった。
Q(koshix):
シナプスと免疫細胞とアミロイドβとタウタンパク質とAPOE遺伝子 e2,e3,e4 の関係を整理して教えてください。
A(ChatGPT-5):
(回答略)

Q(koshix):
その中間のレベル(一般の理系大学院生向け)で,認知症というキーワードで全体構造がわかるよう丁寧な論理展開によって説明してください。
A(ChatGPT-5):
(回答略)

Q(koshix):
一般の理解(大学学部生向け)のレベルに下方修正して,専門用語はその意味を補足してください。
A(ChatGPT-5):
(前略)

認知症の仕組み ― シナプス・免疫細胞・アミロイドβ・タウ・APOEの関係

1.出発点:シナプス(神経細胞どうしの“つなぎ目”)
シナプスとは、神経細胞が信号をやり取りする“接続部”です。学習や記憶はシナプスの強さを変えることで成り立っています。
認知症では、このシナプスが壊れたり減ったりします。実は「認知機能が落ちる大きな原因はシナプス喪失だ」と研究で分かっています。

2.アミロイドβ:小さなたんぱく質の“かけら”
アミロイドβ(Aβ)は、脳の中でつくられるたんぱく質の一部です。通常は分解されて排出されますが、うまく処理できないと脳にたまります。特にオリゴマー(少数が集まった粒子)は毒性が強く、シナプスに結合して信号のやりとりを邪魔します。
→ 言いかえると、「電気配線にさびがついて信号が通りにくくなる」ようなものです。

3.免疫細胞:脳の“掃除係”が裏目に出る
脳にも免疫細胞(主にミクログリア)がいます。ミクログリアはゴミを食べて掃除する“清掃員”の役割です。ところが、アミロイドβがたまるとミクログリアが過剰に活性化し、炎症(免疫反応が暴走する状態)を起こします。その過程で、シナプスに「壊してよい」という印をつけて、本来必要なシナプスまで除去してしまいます。
→ 結果として、神経回路はますます弱っていきます。

4.タウたんぱく質:神経細胞内部の“骨組み”の崩壊
タウたんぱく質は神経細胞の内部で軸索(信号の通り道)を安定させる“骨組み”です。認知症ではタウが異常にリン酸化(化学修飾)され、神経原線維変化と呼ばれる固まりを作ります。タウの異常は神経細胞を直接壊し、症状(記憶障害・思考力低下)と強く相関します。
→ つまり、「アミロイドβが火種、タウが延焼の主役」と言えます。

5.APOE遺伝子:病気のなりやすさを決める“体質”
APOE(アポリポタンパクE)は脂質(コレステロールなど)を運ぶ遺伝子で、アルツハイマー型認知症の発症リスクを大きく左右します。
APOEには3種類の型(e2, e3, e4)があり、人は2つの型を持っています。
e2:まれ。病気にかかりにくい(保護的)。
e3:最も一般的。中間的なリスク。
e4:病気のリスクを大きく高める。アミロイドβを処理する力が弱く、炎症も強まりやすい。
つまり、APOEは「体質を決める遺伝的スイッチ」のようなもので、スタート地点から燃えやすい森(e4)か湿った森(e2)かが決まってしまうわけです。

6.全体像(流れで整理)
APOE遺伝子が「Aβを処理しやすいか/ためやすいか」の体質を決める。
アミロイドβがたまり、シナプスを直接傷つける。
免疫細胞(ミクログリア)が反応して炎症を起こし、シナプスを余分に壊す。
・この慢性炎症がタウ異常を誘発し、神経細胞そのものが死んでいく。
・結果としてシナプス喪失が進み、記憶や思考力が低下する。

7.まとめ
認知症、とくにアルツハイマー型は 「アミロイドβ → 免疫細胞の暴走 → タウ異常 → シナプス喪失」という流れで進行する。
APOE遺伝子型がこの流れの進みやすさを大きく左右する。
一番のキーポイントは、シナプスがどれだけ守られるか。ここが症状の重さと直結する。

(後略)

図:アルツハイマーの機序(慶応義塾大学病院から引用

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