マスコミを巧妙に活用した情宣作戦というのか,"やってる感パフォーマンス"の演出が大好きなのは維新と安倍だが,土曜日の夕方にまたまた"記者会見もどき"の宣伝工作を行っていた。内容はないようだったが,いつものように滑舌が悪くて"指示"が"Siri"になってしまうため,どこでもDIGA視聴中のiPadがよけいな応答をして画面が止まってしまうのだった...orz
さて,あいかわらず醜悪なポエムに包まれた左右首振りプロンプター官僚作文の中で,一点だけ定量的な発言として興味を引いたのが,感染者数が2週間で30倍以上になるというくだりだった。さっそく前回のメモ基本再生産数と集団免疫率の式を使って考えてみよう。
とりあえず,簡単のためここで登場した感染者数はSIRモデルのI(t)のことだとしよう。初期条件が,S(0)=N,I(0)≪1,R(0)=0の場合,t=0近傍の方程式は,次のように近似される。
dIdt=βSNI−Iγ≈(β−1γ)I=R0−1γI
ただし,R0=βγを用いた。これから次の解が得られる。
I(t)=I(0) eR0−1γt
k倍加時間をτkとして,
k=I(τk)I(0)=eR0−1γτklogk=R0−1γτk∴R0=1+γlogkτk
そこで,2週間で30倍≒2倍加時間が3日であることから,k=2,γ=5,τ=3をあてはめると,この場合のR0=1+5∗0.69313=2.15となる。
付録A:
感染者数というのがI(t)でなく,通常示されている新規感染数累計(Confirmed)(→J(t)と定義)のことだと解釈するとどうなるだろうか。
J(t)=∫t0I(t′)dt′≈∫t0I(0)eR0−1γt′dt′=I(0)γR0−1{eR0−1γt−1}
2週間で30倍ということは,30=J(t0+14)J(t0)であるが,これを数値計算するとt0=3.8日となる。まあ,そういう解がありうるという以上の情報はないので,これはR0に対する制約条件にはならないということか。
追伸(2020.4.1)
付録B:
新規感染数累計の増倍率では,感染数の指数関数的な増大f(t)=aet/λが観測される場合の一定期間における累計の増倍率r(t)を次のように定義した。
r(t)=e(t+τ)/λ−1et/λ−1=eτ/λ−e−t/λ1−e−t/λ≈eτ/λ
これを上記のJ(t)と組み合わせると,λ=γR0−1とすればよい。
したがって,
limt→∞r(t)=eτ(R0−1)γ
0 件のコメント:
コメントを投稿