2020年7月11日土曜日

圏論入門(3)

数学に慣れていない人向けの圏論の入門を探すのだけれど,なかなか見当たらない。結局,谷村さんの参考文献のトップにあった檜山正幸さんの「はじめての圏論 その第1歩:しりとりの圏」に立ち戻ることになった。はてなブログの檜山正幸のキマイラ飼育記は,内容にはついていけなくても,その図絵表現がおもしろくてなんだか引き込まれる。このブログは feedly に登録して定期的にアクセスしているのでなじみ深い。

さて,このように具体例で示してもらうと非常にわかりやすかった。ショックだったのは,圏の対象を結ぶ射とは,関数のようなものをイメージしていたにもかかわらず,しりとりの圏ではこれが実体としての文字列であるというところだ。そうなのか。目からウロコ状態である。圏は射による関係性のネットワークであって,それがモノによる集合論的な見方との違いの本質だと思っていた。その射がモノだったわけで,モノとコトの見え方がこうして入れ替わることになる。なんだかすごいわ。その次の行列の圏の例でも同様だった。射は行列という実体だった。

 圏C     行列の圏     しりとりの圏
 対象 Obj(C)  自然数      ひらがな1文字
 射 Mor(C)     行列       ひらがな文字列
 恒等射 id   単位行列     長さ1の文字列
 結合 f;g      合成行列の掛け算 しりとり結合
 対象の集合  自然数の集合 N  ひらがな1文字の集合 H
 射の集合   行列の集合 Mat  ひらがな文字列の集合 HStr

というわけで,次の圏を定義するには次の要素が必要だった。
(1) 対象(と呼ばれるモノ)の集合
(2) 射(と呼ばれるモノ)の集合
(3) 射に,域(または始域と呼ばれる)対象を対応させる関数(一般的にはdomと書く)
(4) 射に,余域(または終域と呼ばれる)対象を対応させる関数(一般的にはcodと書く)
(5) 対象に恒等射(と呼ばれる)射を対応させる関数(一般的にはidと書く)
(6) cod(f) = dom(g) のときにだけ定義される結合(と呼ばれる)二項演算(一般的にはf;gと書く)・・・普通の合成関数のような図式順でない表記g○fなどもあるので注意する

※始域,終域は始対象,終対象とは違うので注意しよう
※(1) (2) では集合と書き切っているが,集合(公理的集合論で定義されるもの)でなくてもよいらしいが,そもそも集合論の公理,ZF/ZFCとかがまったく腑に落ちていない...orz
※グラフ理論とは違って,2つの対象を結ぶ射はいくつ(?)あっても構わない


2020年7月10日金曜日

圏論入門(2)

さあ次は森田真生の「哲学者のための圏論入門」にとりかかろうとしたが,これだと普通の圏論入門の数学書を読むのと同レベルのハードルがあるではないか。チーン。「圏の世界では、対象は「中身が何か」(a ∈ A)ではな く,「他の対象たちとどのように関係しているか」(B → A)ということによって 特徴づけられます」はよかったのだけれど,その次にある「普遍写像性(Universal Mapping Property) による対象の定義」のところで壁にぶつかってしまった。

つまづきの要因のひとつがわかった。8pの,「命題 3.1 写像 f : A → B が Sets の射としてモニック(resp. エピック)であること と,写像として単射(resp. 全射)であることは同値」で,いきなり,Sets が無定義で示されているのだ。ここがつまづきの端緒だったかも。「写像の単射性や全射性は,実は集合の中に一切立 ち入ることなく,他の写像との関係性だけによって external に定式化することが 可能なのです」ということで楽しみにしていたのに・・・。

森田真生の Sets は集合の圏の Set と同じなのだろうか?集合論自身がハードルなので,ハードルの二乗になってしまった。圏の定義(ここまではいちおういいことにした)の後に,小圏(small category)とか局所小圏(local small category)の注釈があって,なんのことかと気持ち悪かったけど,その心配が的中した。

P. S. やはり,「圏 C の対象全体の集まりを Ob(C) と書いたり,C0 と書いたりします。また圏 C の射全体の集まりは Ar(C) と書いたり,C1 と書いたりします。また,圏 C の対 象 A, B に対して,A から B への射全体の集まりを HomC(A, B) と書きます。ここ で、一般に C0 や C1 や HomC(A, B) は集合になるとは限らないことに注意してく ださい」がわかっていなかった。数学で出てくる対象が,集まりだけど集合でない,とはどういうことなのだろうか。


2020年7月9日木曜日

圈論入門(1)

現代思想7月号の特集「圈論の世界」を読むための準備として,谷村省吾さんの「物理学者のための圈論入門(2017)」を斜め飛ばし読みした。気になったフレーズだけを抜き出してみる。

1.はじめに
(これは講演録なのね。)

2.三種の矢
「圏論 の道具を一言で言い表すと,「圏論は 3 種の矢からなる」と言えると思います」
(なるほど,[対象+射」=圈,圈:対象・射→関手→圈:対象・射,関手→自然変換→関手,というのが基本的道具立てなのか。対象は集合とは限らない,射は写像とは限らない)

3.普遍性
「ある圏の一部分あるいは全体の,すべての各対象に対して唯一のやり方で働き掛ける対象や射があれば,それは普遍性を持つと言われるのです」
(もうひとつピンとこない)

4.圈論の考え方
「圏論の対極には集合論があります・・・圏論では,元や集合の存在に先立って,射の存在を認めるのです」「対象と射の意味づけ・解釈が, 他者との関係性・文脈・コミュニケーション・ネットワークを通して行われるというあたりが,複雑な世界を記述する豊かな表現力が圏論に備わっている」
(そうなのか)

5.圈論の御利益
「量子トポスあるいはトポス量子論という理論が提案され ています・・・群の表現論も圏の概念を使うと大幅に整理できます」
(そうなのか)

6.圏の定義
「圏(category) とは,対象 (object) と射(arrow, morphism) の集まりで,以下の条件を満たすものです」
 (1) 射には始域と終域とよばれる対象がある。
 (2) 始域と終域が一致する2つの射の合成射が一意的に定まる。
 (3) 三連の合成射に対して結合律が成り立つ。
 (4) 各対象ごとに恒等射が存在する。
(これに加えて,図式,パス,可換図式,などが説明される。自然数を対象とした,大小関係や剰余関係の例がわかりやすい。有向グラフと圏の違いをはっきりとさせておくのが吉)

7.関手
「ある圏と別の圏との連動に注目したい場合や,抽象的な対象からな る圏を具体的な対象からなる圏に写し取りたい場合は,関手という道具を用います」
(共変関手と反変関手があることが説明される。ベキ集合の話は上の空で流す)

8.自然変換
「関手が対象に対象を (a ⇝ F a),射に射を (f ⇝ F f ) 対応させ るのに対して,自然変換は対象に射を (a → ̇Ta )対応させます」
(そうなのか)

9.普遍射
「圏の内部構造をうまく浮かび上がらせる道具で ある普遍射という概念を説明して,この講演を終わりたいと思います」
(十分理解できなかったのだけれど,会社の組織と会社に属さない個人が,相互作用してジョブを実行するという例えが妙に納得できた。すばらしい)

2020年7月8日水曜日

スコセッシ

マーティン・スコセッシ監督といえば,さきの第92回アカデミー賞授賞式で,ポン・ジュノパラサイトでオスカーをとったときに,最も影響を受けた監督の1人として名前をあげていたシーンが印象深い。

昔(2012年)の記事で,「スコセッシ監督が,映画監督志望の若者に推薦する傑作39本」というのにぶつかった犬は,記憶のために記録することにした。

「メトロポリス」(1927,フリッツ・ラング)
「ドクトル・マブゼ」(1922,フリッツ・ラング)
「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922,F・W・ムルナウ)
「ナポレオン」(1927,アベル・ガンス)
「大いなる幻影」(1937,ジャン・ルノワール)
「ゲームの規則」(1939,ジャン・ルノワール)
「天井棧敷の人々」(1945,マルセル・カルネ)
「無防備都市」(1945,ロベルト・ロッセリーニ)
「戦火のかなた」(1946,ロベルト・ロッセリーニ)
「揺れる大地」(1948,ルキノ・ビスコンティ)
「自転車泥棒」(1948,ビットリオ・デ・シーカ)
「ウンベルトD」(1951,ビットリオ・デ・シーカ)
「美女と野獣」(1946,ジャン・コクトー)
「東京物語」(1953,小津安二郎)
「生きる」(1952,黒澤明)
「七人の侍」(1954,黒澤明)
「雨月物語」(1953,溝口健二)
「山椒大夫」(1954,溝口健二)
「天国と地獄」(1963,黒澤明)
「絞死刑」(1968,大島渚)
「いつもの見知らぬ男たち」 (1958,マリオ・モニチェリ)
「若者のすべて」(1960,ルキノ・ビスコンティ)
「大人は判ってくれない」(1959,フランソワ・トリュフォー)
「ピアニストを撃て」(1960,フランソワ・トリュフォー)
「勝手にしやがれ」(1960,ジャン=リュック・ゴダール)
「はなればなれに」(1964,ジャン=リュック・ゴダール)
「ウィークエンド」(1967,ジャン=リュック・ゴダール)
「追い越し野郎」(1962,ディノ・リージ)
「情事」(1960,ミケランジェロ・アントニオーニ)
「欲望」(1966,ミケランジェロ・アントニオーニ)
「革命前夜」(1964,ベルナルド・ベルトルッチ)
「肉屋」(1969,クロード・シャブロル)
「四季を売る男」(1971,ライナー・ベルナー・ファスビンダー)
「不安は魂を食いつくす」(1974,ライナー・ベルナー・ファスビンダー)
「マリア・ブラウンの結婚」(1979,ライナー・ベルナー・ファスビンダー)
「さすらい」(1976,ビム・ベンダース)
「アメリカの友人」(1977,ビム・ベンダース)
「カスパー・ハウザーの謎」(1974,ベルナー・ヘルツォーク)
「アギーレ・神の怒り」(1972,ベルナー・ヘルツォーク)

半分くらいは名前を知っているけれど,みたことのあるのは邦画だけかもしれない。ウィキペディアには,2013年にあげた好きな映画12本ものっている。こちらも1/3しかみていない。

「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック,1968年)
「8 1/2」(フェディリコ・フェリーニ,1963年)
「灰とダイヤモンド」(アンジェイ・ワイダ,1958年)
「市民ケーン」(オーソン・ウェルズ,1941年)
「山猫」(ルキノ・ヴィスコンティ,1963年)
「戦火のかなた」(ロベルト・ロッセリーニ,1946年)
「赤い靴」(マイケル・パウエル,エメリック・プレスバーガー,1948年)
「河」(ジャン・ルノワール,1951年)
「シシリーの黒い霧」(フランチェスコ・ロージ,1962年)
「捜索者」(ジョン・フォード,1956年)
「雨月物語」(溝口健二,1953年)
「めまい」(アルフレッド・ヒッチコック,1958年)

2020年7月7日火曜日

領空の定義

しばらく前に,東北地方の上空を未確認飛行物体が通過していった。未確認ではあるが,その形は捉えられていて,白い気球に太陽電池やプロペラが付随したものらしい。高度10〜50kmの成層圏を通過していたが,国内からの報告がないことから,日本の西側にあるいずれかの外国からジェット気流に乗って東に進んできたものと推測される。で,これが領空侵犯であると断定的に書かれた記事があったので,領空とはどこまでのことを指すのかと調べたところ,一筋縄では行かなかった。

平成28年には逢坂誠二さんが第192国会の80番目の質問主意書で「一 領空とは、国家が領有している領土もしくは領海上の空域と認識しているが、政府の認識はどのようなものか。見解を示されたい。二 日本の領空とは、国家主権が及ぶ領域と政府は認識しているのか。見解を示されたい。」と尋ねているが(この質問もあいまいなのだけれど),安倍総理によるその回答は,「一般に,領空とは領土,領水の上空であり,我が国の主権が及ぶと認識している」なので,結局わけがわからない。まあ,はっきり定義を述べないことは政治的には正しいのかもしれない。しかし,質問主意書答弁書のpdfファイルが擬似縦書きになっているのは許せない。素直にテキスト化できないのだ。こんなことだから,ITで百年遅れをとる。

そこへ行くと名和小太郎先生の説明はていねいで理路整然としていて救われる「領空か 宇宙空間か(情報管理第50巻(2007)5号)」。ただし,結局,領空の定義に関する結論ははっきり定まっていない。名和先生は,1996年から2001年まで,関西大学総合情報学部に在席していらっしゃった。そのとき,同じ学部の水越敏行先生をリーダーとする高等学校の教科情報の教科書を初めて作るということで,会議でお隣に同席させていただいたことがある。名和先生も出身が東大物理なので,おっしゃることや書かれたものは飲み込みやすかった。その縁で著書を1冊恵贈していただいた。


写真:仙台市天文台が撮影した白い物体(引用)

2020年7月6日月曜日

tikz-cd

Xy-picが世の中の標準であってこれでよいのかと思っていたら,tikz-cdがあった。TikZはよく使っているので,こちらのほうが自分にとっては便利かもしれない。早速 {tikzcd}Commutative diagrams with TikZ のサンプルコードを試してみると,ほとんど同じように使えた。

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\documentclass[uplatex,a4j,10pt]{jsarticle}

\usepackage{fancybox,boxedminipage,ascmac}

\usepackage{amsmath,amsthm,amssymb,bm}

\usepackage{amsfonts,amscd,mathrsfs}

\usepackage{cases,physics}

\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

\usepackage[all]{xy}

\usepackage{tikz,tikz-cd}

\usetikzlibrary{shadows}

\usepackage{multicol}

\usepackage[version=3]{mhchem}

\usepackage{tcolorbox}

\tcbuselibrary{raster,skins}


\renewcommand{\labelenumi}{[\ \arabic{enumi}\ ]\ \ }


\setlength{\textwidth}{15cm}

\setlength{\oddsidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\evensidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\topmargin}{-2cm}

\setlength{\textheight}{24cm}

 


\begin{document}


\begin{center}

\textbf{tikz-cdの使い方}\ (2020/07/05) \\

\end{center}



\begin{tikzcd}

  A \arrow[rd] \arrow[r, "\phi"] & B \\

  & C

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}

  A \arrow[r, "\phi"] \arrow[d, red]

  & B \arrow[d, "\psi" red] \\ C \arrow[r, red, "\eta" blue]

  & D 

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}

  A \arrow[r, "\phi" near start, "\psi"', "\eta" near end] & B

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}

  T

\arrow[drr, bend left, "x"]

\arrow[ddr, bend right, "y"]

\arrow[dr, dotted, "{(x,y)}" description] & & \\

& X \times_Z Y \arrow[r, "p"] \arrow[d, "q"] & X \arrow[d, "f"] \\

& Y \arrow[r, "g"] &Z

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}[column sep=tiny]

  & \pi_1(U_1) \ar[dr] \ar[drr, "j_1", bend left=20]

  &

  &[1.5em] \\

  \pi_1(U_1\cap U_2) \ar[ur, "i_1"] \ar[dr, "i_2"']

  &

  & \pi_1(U_1) \ast_{ \pi_1(U_1\cap U_2)} \pi_1(U_2) \ar[r, dashed, "\simeq"]

  & \pi_1(X) \\

  & \pi_1(U_2) \ar[ur]\ar[urr, "j_2"', bend right=20]

  &

  &

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}[row sep=scriptsize, column sep=scriptsize]

  & f^* E_V \arrow[dl] \arrow[rr] \arrow[dd] & & E_V \arrow[dl] \arrow[dd] \\

  f^* E \arrow[rr,     crossing over] \arrow[dd] & & E \\

  & U \arrow[dl] \arrow[rr] & & V \arrow[dl] \\

  M \arrow[rr] & & N \arrow[from=uu, crossing over]\\

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}

  A \arrow[r]

  & B \arrow[r]

  \arrow[d, phantom, ""{coordinate, name=Z}]

  & C \arrow[dll, "\delta",

  rounded corners,

  to path={ -- ([xshift=2ex]\tikztostart.east)

    |- (Z) [near end]\tikztonodes

     -| ([xshift=-2ex]\tikztotarget.west) -- (\tikztotarget)}] \\

    D \arrow[r]

     & E \arrow[r]

      & F

\end{tikzcd}


\end{document}


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図 tikz-cdのサンプル

2020年7月5日日曜日

Xy-pic

現代思想の7月号の「圈論の世界」を買おうと思った。先週の土曜日に3ヶ月ぶりに,大阪上本町(県外)に出る用事があって,近鉄百貨店上本町店11階のジュンク堂をのぞいたところ,バックナンバーはあるけれど残念ながら当該号はなかった。発売日直後だったのが敗因か。

いろいろ評判はあるのだけれど,丸山善宏さんの記事も読みたいかなと思っていた。アマゾンでさくっと注文すればよいのだが,ぐずぐずしているうちに,谷村省吾さんの「物理学者のための圈論入門」とか森田真生さんの「哲学者のための圈論入門」がファイル置き場から出てきた。とりあえずこれを予習してからと考えて読み始めたところ,谷村さんのおすすめの,TeXで圈論のダイヤグラムがかける Xy-pic にたどりついた。

早速,みつかったサンプル(XY-pic(主に xymatrix)の使い方)を代入してみたら,さくっと動きました。

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\setlength{\evensidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\topmargin}{-2cm}

\setlength{\textheight}{24cm}

 


\begin{document}


\begin{center}

\textbf{xy-picの使い方}\ (2020/07/05) \\

\end{center}


\[

 \xymatrix{

  A \ar[r]^f & BCD \quad \quad

  A \ar[r]^-f & BCD \quad \quad

  A \ar[r]^(0.6)f_(0.65)g & BCD

} \]


\[

 \xymatrix{

  A \ar[r]^f & B \ar[d]^f

             & A \ar[r]_{g_1} & B \ar[d]_{g_1} & A \ar[r]|h & B \ar[d]|h \\

  D \ar[u]^f & C \ar[l]^f

             & D \ar[u]_{g_1} & C \ar[l]_{g_1} & D \ar[u]|h & C \ar[l]|h

} \]


\[

 \xymatrix{

  A \ar[r] \ar[d] \ar[rrd]

  & B \ar[rrd]|f \ar[d]|\hole \ar[rdd]|(.33)\hole & & \\

  C \ar[r] \ar[rrd] & D \ar[rrd]|(.33)\hole|\hole

  & A’ \ar[r] \ar[d] & B’ \ar[d] \\

  & & C’ \ar[r] & D’

} \]


\[

 \xymatrix{

  A \ar[r]^-f

  & B \ar@<-0.5ex>[r]_-f

  & C \ar@<1ex>[r]^-f

  & D \ar@<0.5ex>[d]^-f \\

  E \ar@<-0.3ex>@{^{(}->}[r]^-f

  & F \ar@{_{(}->}@<0.3ex>[r]^-f

  & G \ar@<0.5ex>[r]^-f \ar@<-0.5ex>[r]_-g & H \ar@<0.5ex>[u]^-g

} \]


\[

 \xymatrix{

  A \ar@/^18pt/[r]^f \ar@/_/[r]_g

  \ar@/_3pt/[d] \ar@/_12pt/[d] \ar@/_24pt/[d] \ar@/_48pt/[d] 

  & B \ar@/^/[d] \ar@/^54pt/[rd] & C \ar[l] \ar[d] \\

  D \ar@/_10pt/@{.>}[rr]_{\exists h} & E \ar[r] \ar[l] & F

} \]


\[

 \xymatrix@ur{

  A \ar[r]^f \ar[d] & B \ar[d] \\

  C \ar[r] & D & }

\]


\begin{equation}

\vcenter{

  \xymatrix{

   A \ar[r] \ar[d] & B \ar[d] \\

   C \ar[r] & D \ar@{}[lu]|{\circlearrowright}

} }

\hspace{2cm} \vspace{-1cm}

\fbox{

  \xymatrix@=5pt{

   \bullet \ar@{-} `d[dr] '[rrrd] `[rrrr] [rrrr] & &

   \bullet \ar@{-} '[d] [dd] \ar@{-}[rrdd] & & \bullet \\

   & & & & \\

   \bullet \ar@{-} `r[ruu] '[ru] `[rruu] [rruu]

   &  & \bullet &  & \bullet

   }

}

\end{equation}


\end{document}

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図 Xy-picのサンプル

2020年7月4日土曜日

iPhone SE(4)

とりあえず,アプリは精選して再インストールした。この状態でMacBook Proにつなぐと,設定がそうなっていたからだが,勝手に音楽が同期された。写真はiCloudからの同期になっているので,ここには復活されない。iPhone 6sのバッテリケースは装着できたのだけれど,カメラホールがずれていたのでレンズを半分覆ってしまった。これでは芸術的なスモーク写真で満足するか,朝の散歩の写真撮影時にケースの着脱が毎回発生してしまうことになるので,iPhone 7用のバッテリケースを注文したらすぐ届いた。残念ながら iPhone SE用のバッテリケースは売っていない。保証はないのだけれど,とりあえず使ってみることにする。

追伸:気がつかないうちに,iPhone/iOSの写真の画像形式がJPEGからHEIF(High Efficiency Image File Format)に変わっていた。拡張子は HEIC。JPEGに変換するために,iMazing HEIC Converter を引っ張ってきた。メールで写真を送るときとかどうなるのかな?


写真 iPhone7用のバッテリケースを装着した iPhone SE(撮影 2020.7.4)

2020年7月3日金曜日

iPhone SE(3)

記録のために,このiPhone SEの現段階のスクリーンショットを保存しておく。これまでは4.5ページあったが,このたびのリストラで3ページになった。


図:iPhone SE の現時点でのスクリーンショット

2020年7月2日木曜日

iPhone SE(2)

ということで,今週は裁判員の予定がなくなった。そこで,早速ソフトバックショップへ向い, iPhone SE を入手しようとしたところまではよかったのだけれど・・・帰ってからいろいろぐだぐだ。

バックアプファイルが壊れていたのがいたい。写真データと音楽データはどうするのか・・・というかもう端末にためておく必然性はないのか。そりゃ256GBもいらないはずだ。ということで,128GBのWhiteにしました。これだけは店員さんを評価する。しかし,不要なアクセサリ群を山盛りで購入させられそうになり,Softbankの電気メータとネットワークにも無理無理加入させられそうになった。今までこんなことはなかったんだけど・・・。

販売代理店を通すと便利なことがある一方で,逆に面倒なことも増えてしまい,もうこの歳になると,新しい端末の再インストールや環境設定で遊ぶのはもうほとんど苦痛の域に達してきた。かといって,オンライン購入にはまだ踏み切れなかったのだ。


写真:表はブラック iPhone SE Whiteの裏面(撮影:2020.7.2)



2020年7月1日水曜日

裁判員等選任手続

今日から7月に入る。仲夏・夏至・半夏生(はんげしょうず)。

朝から奈良地方裁判所に裁判員等選任手続に向う。10:00開始の30分前にはもう行列ができていて番号札は15番,最終的には35名ほど集まっていた。担当職員から当日の手順や事件の概要などを聞いた上で,裁判員となることに不都合がないかどうかの質問票に回答して,旅費・日当の振込手続きをする。コロナウィルス関係で,書類の押印が廃止されサインでOKだった。やればできるんじゃないですか。休憩をはさんで,当該事件の裁判長や裁判官,検事,弁護士ら7名がでてこられてご挨拶の後,裁判長から候補者に全体質問がある。その後,数名に対する個別質問なども終わると抽選というだった。抽選プロセスはブラックボックスだったが,裁判員6名と補充裁判員2名が発表され,無事に4倍強の難関を落選した。今年度の名簿からは外されたので,もし次があるとしても来年度以降だ。なお,裁判員候補者になったことは公表しても差し支えないとあった。選任手続の当日書類は回収されたので,記憶を辿ってみた。


写真:奈良地方裁判所前(2020.7.1)

2020年6月30日火曜日

「役に立たない科学」が役に立つ

エイブラハム・フレクスナーロベルト・ダイクラーフによる『「役に立たない科学」が役に立つ』が,初田哲男さんの監訳によって近々東京大学出版会から登場する。著者は,プリンストン高等研究所の初代および現在の所長である。この本は,この二人のエッセイ,明日の世界(ロベルト・ダイクラーフ),役に立たない知識の有用性(エイブラハム・フレクスナー)を中心に構成されている。後者は1939年にHerpars Magazine に掲載されたものでありすでに著作権が切れており,2013年の3月にあの山形浩生によって「役立たずな知識の有益性」として訳出されている。このタイトル比べただけでも,山形大丈夫かと思ってしまいそうだ。本は読んでいないけれど,2017年12月のダイクラーフの講演資料をみるとその趣旨がとてもよく理解できた。

図 The Usefulness of Useless Knowledge 原著の表紙(引用)


2020年6月29日月曜日

iPhone SE(1)

なにかおかしいように思い,iPhone 6Sをバッテリケースからはずしてみると,おなかが割れていた。たぶん,内蔵バッテリが膨らんだのだと思う。1,2年前にも同様の症状があったような気がしたけれど,記憶の霧のかなたである。

そんなわけで,次の機種として iPhone SE (第二世代)をいろいろと調べてみた。CPUはA13 Bionicの6コア3GBでフロントカメラが7Mピクセルになっている。外側のカメラは12Mピクセルなので変わらないのか。画面サイズは4.7インチで1334×750のまま。サイズも0.1〜0.2mm程度大きくて,138.4×67.3×7.3mm,重量は5gふえて148g。TouchIDのボタンは残っているので,ほとんど現状と違和感ないのではと思われるがどうだろう。イアホンミニジャックはなくなったのだけれど,lightning端子のEarPodsはついてくる。

問題はアプリや環境の移行だけれど,クイックスタートが使えるとある。いままで,使えなかったApple Payに対応している。また,NFCにも対応している。このあたり,何かおもしろいことができそうな気もするけれど,どうかな。iPhone 6Sはかなり使ってきたような気がしたけれど,2016年の正月に何故か香里園のソフトバンクショップで買っているので,まだ4年半だった。MacBook Pro は2012年のモデルなので,こちらはもう8年経っている。新しいOSが走らないので,むしろこちらを何とかしたかったのだけれど,むむむ。


追伸写真:バッテリケース上のおなかが割れた iPhone 6s (2020.7.4撮影)

2020年6月28日日曜日

THE MATH(S) FIX

THE MATH(S) FIX スティーヴン・ウルフラムの弟のコンラッド・ウルフラムによる数学教育革新のための青写真についての本である。

ウェブサイトのはしがきを訳すると,こんな感じだった。

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AI時代の教育の青写真

なぜ私たちは皆,生涯のうち何年にもわたって数学を教えられているのか?それは本当に役に立っているのだろうか,あるいは,ほとんどが失敗であり多くの人に学びの力を与えられていないのか?それはAI時代に不可欠なものか,それとも時代遅れの通過儀礼なのだろうか?

"The Math(s) Fix: An Education Blueprint for th AI Age" は,なぜ数学教育が世界的に危機的状況にあるのか,また,どうして根本的に新しい主流科目を創るのことが唯一の解決策なのか,を明らかにする画期的な本だ。

この本は,今日の数学教育が,現代的な計算・データ科学・人工知能(AI)が必要とされる現代社会を発展させるための機能を十分果たしていないということを主張する。その代わりに,学生はコンピュータが得意とするものと競争することを強いられて負けてしまっている。

本書は,「数学が苦手」であることが,学習者のせいというより,科目の失敗が原因であること,すなわち,教育のエコシステムが行き詰まり,学生・親・教師・学校・雇用者・政策立案者が,現実世界の要求に追いつこうと間違った方向に走っていることを説明する唯一の本である。

しかし,この本はさらに先を行くものである。問題を解決して,AI時代の教育の普遍的な改革の種を蒔くために,学校における中核的な計算思考科目としての完全に代替的なビジョンを初めて提示しているものだから。
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これがたぶんコンピューテーショナル・シンキング(計算論的思考)の王道なのだと思われる。でも,GIGAスクール構想にみんな出払ってしまっており,プログラミング教育とその周辺の話題はすっかり霞んでしまっていた。


図:THE MATH(S) FIX の表紙(Wolfram Media から引用)



2020年6月27日土曜日

磁場のエネルギー

点電荷からなる系の場合に,クーロン力の位置エネルギーの総和を時間に依存しない電場に対するマクスウェル方程式をつかって変形すると電場のエネルギー密度の体積積分になって,遠隔相互作用から近接相互作用への論理的な切り替えを納得させるトピックとなっている。

同様に,環状電流からなる系の場合に,電流間の力を導く位置エネルギーの総和を時間に依存しない磁場に対するマクスウェル方程式をつかって変形すると磁場のエネルギー密度の体積積分になる。このときの中間過程に電流密度とベクトルポテンシャルの内積の体積積分の1/2が出てくる。これは電場の場合に電荷密度とスカラーポテンシャルの積の体積積分の1/2が出てくることと対応していて,電荷と電流の並行な式がとてもきれいにみえるのだけれども,符号問題がなかなかすっきりしない。

単純に考えると,平行電流間には引力が働き,電流がつくるベクトルポテンシャルは電流と平行であることから,電流密度とベクトルポテンシャルの内積にマイナスをつけたものをエネルギー密度だとするのが物理的な直感と一致する。一方で,上の環状電流の場合では,マイナスをつけないものをエネルギー密度として計算をすすめている。

この符号問題については,砂川さん,前野さん,太田さんの教科書ではいちおう説明がされている。例えば,前野さんの教科書では,あらかじめ定まっている電流の配置(外部磁場への電流の配置)などの場合にはマイナスがつき,その状態にへもってくるように電流を流すのに必要なエネルギーを考える場合にはマイナスがつかないということなのだが,どうも十分に腑に落ちてこない。

おまけにダブルカウントをさけるために1/2がついたりつかなかったりするものだから,授業でどうやって説明したものか思案のしどころである。あるいは太田さんの教科書にあるように磁束変化に対する説明が不可欠なのかもしれず,静磁場の範囲でまかなえるかどうかも微妙だ。

2020年6月26日金曜日

平沢進(2)

平沢進(1)からの続き

セグウェイの話題と平沢進の話題がなにやらからまっていた。youtubeをちょっと見たところセグウェイは見当たらないのだけれど,どうなっているのかな。

平沢進のアルバムをざっとながめてみて,アマゾンでの評価数を()に,平沢進の人気おすすめランキング15選の順位を[]にいれて,アルバムタイトル以外の気になった曲名を付加したものが次の表だ。「救済の技法」とか「賢者のプロペラ」とか「白虎野」の評判がよさそうかな。ほとんどどれも同じにきこえる瞬間があって困ったものだけれど,なんだかはまってしまいそう。youtubeでかなりの楽曲が聴けるのがありがたい。

1 1989  時空の水(31)[7] ハルディンホテル
2 1990 サイエンスの幽霊(21) 世界タービン
3 1991 Vierual Rabbit(23)[8] バンディリア旅行団
4 1994 AURORA(17)[14] トビラ島
5 1995 Sim City(40)[15]
6 1996 SIREN(26)[5]
7 1998 救済の技法(86)[2] TOWN-0 PHASE-5 庭師キング
8 2000 賢者のプロペラ(39)[3] ロタティオン
9 2003 BLUE LIMBO(24)[12] 高貴な城
10 2006 白虎野(68)[4] パレード
11 2009 点呼する惑星(51)[11]
12 2012 現象の花の秘密(70)[*]
13 2015 ホログラムを登る男(86)[5]

2006 Paprika(31)[9]
2010 突弦変異(31)[*]
2010 変弦自在(39)[13]
2014 Arch Type(43)[1]
2016 Ash Crow(64)[10]

核P-MODEL
2004 ピストロン(52)
2013 Giponza(73)
2018 回=回(83)

2020年6月25日木曜日

セグウェイ

セグウェイが7月15日をもって生産中止されることになった。2001年に鳴り物入りで発表され注目を集めていたけれど,日本では公道を走れないし,あの価格だったのでまあ仕方がないのかもしれない。

最初にセグウェイに乗ったのは,2010年の夏休み,アラスカ州アンカレッジ市内のセグウェイツアーだった。次の日に日本に帰るということで,アンカレッジのホテル(ヒストリック・アンカレッジ)の近くを散策していたらセグウェイの市内ツアーを見かけた。はじめはスルーしたのが,やっぱり試してみようかということになってお店に戻ると,もう定員を締め切ったという。あす日本に帰るので,そこをなんとかとねばると,やさしいおじさんは2人を追加してくれた。

ヘルメットを借りて,近所の空き地まで行って,操作に慣れるためにしばらく練習したが,そんなに難しくはなかった。ツアー参加者は我々を含めて6〜8人くらいか。市内の普通の歩道や車道をゾロゾロと進むのである。アラスカ鉄道のアンカレッジ駅の向こう側を回るコースは小一時間くらいだったか。途中に公園,展望台,坂道などもある楽しいコースだったが,なんとか無事に出発点に帰り着いた。アンカレッジは人口30万弱で,そんなに混雑した街ではないとはいえ,面倒な規制でがちがちの日本と違って普通に市内を走れるのがすごいと思う。

その後,日本に帰ってしばらくした秋の日,明日香の高松塚記念公園辺りでセグウェイツアーがあるというのをどこかで見つけて,早速家族で申し込んだ。こちらの方も最初に少し練習をした後で,晴れた日の公園内をスルスルと列をなして進むのであった。最後の最後にバランスをくずしてしまって,全コースをクリアできなかったのが残念。

 

写真:アンカレッジ市内のセグウェイツアー(2010.8.30)


2020年6月24日水曜日

WWDC2020

アップルの開発者カンファレンスWWDC2020は新型コロナウイルス感染症蔓延のために,無観客で放映された。ティム・クックの挨拶のはじめには,ジョージ・フロイドの死にともなう人種差別撤廃についてのアップルの方針が示された。

ソフトウェアの開発状況や今後の展開が話題の中心であり,iOS,iPadOS,watchOS,tvOS,macOSの順に上級副社長のクレイグ・フェデリギ(もともとはNeXTのひとなのか)が中心となって説明が進んでいった。例によって細かなつくりこみやデザイン変更を凄い(incredible)凄い(gorgeous)と連呼して進める部分にはあいかわらず辟易するのだった。どうやらAndroidoの後追いらしのだが,ほとんどどうでもいい機能ばかりが複雑に追加されていく・・・orz。

Think Simple(Ken Segall)の精神はいったいどこにいったのだろう。地図関係は日本では期待できないし,翻訳機能だけは少したのしみだけれど,Siriもあまり信頼していないので微妙。後は,iPadOSとmacOSがどこまで接近融合していくのかが個人的な関心のポイント。翻訳機能と並ぶもうひとつの期待の柱はARなのだけれど,これはスルーされていた。

今回のポイントはやはり,Apple Siliconへの移行だ。日経朝刊が一番すっきりまとめていたけれど,マックのCPUは,1984 Motolora −(10年)→ 1994 Power PC −(12年)→ 2006 Intel −(14年)→ 2020 Apple Silicon(ARM)という変遷をたどっている約10〜15年でCPU交代が行われるわけか。なお,MacOSX は2001年に導入されており,次のとおりである。
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2001 Mac OS X 10.0 (Cheetah) → iPod
2001 Mac OS X 10.1 (Puma)
2002 Mac OS X 10.2 (Jaguar)
2003 Mac OS X 10.3 (Panther)
2005 Mac OS X 10.4 (Tiger)
2007 Mac OS X 10.5 (Leopard) → iPhone
2009 Mac OS X 10.6 (Snow Leopard)
2010 Mac OS X 10.7 Lion → iPad
2012 OS X 10.8 Mountain Lion
2013 OS X 10.9 Mavericks
2014 OS X 10.10 Yosemite
2015 OS X 10.11 El Capitan
2016 macOS 10.12 Sierra
2017 macOS 10.13 High Sierra
2018 macOS 10.14 Mojave
2019 macOS 10.15 Catalina
2020 macOS Big Sur(いよいよここから11.xシリーズになるようだ)
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やはり,インテルチップへの移行が完了して落ち着いたSnow Leopardのころが一番よかったような気がする。

前回のPowerPCからインテルへの移行もわりとスムーズだったので,今回もそれほど心配ではないけれど,悲しいかな,手元にあるMacBook Pro mid 2012 はもうmacOS Big Surに対応しないのである(iPhone 6sは iOS14に対応するようだけれど)。そろそろ機種交換が必要か。次の候補はあの変なTouch Barがついていない MacBook Air にしたいものだけれど・・・もうApple のサイトでアクセサリをみても CDドライブは出てこないのであった。むむむ。あと,iPhone SE2用のバッテリケースもありません。むむむ。

富岳もARMベースのようだし,ARMアーキテクチャの天下がやってきたということか。

追伸:グーグルでWWDC20XXの画像検索をいくつか試してみて下さい。今回のWWDC2020のデザインがもっともダサイと感じる私の感覚はおかしいのだろうか?

[1]OSXの終焉

2020年6月23日火曜日

富岳100京

神戸の理化学研究所計算科学研究センターに設置されている富士通製のスーパーコンピュータ富岳が,ISC High Perfomance 2020 Digital で発表されたスーパーコンピュータのTOP500で首位を獲得した。ほぼ半年ごとに欧州と米国でスーパーコンピュータのランキングが発表されるが,次は米国アトランタで開かれる国際スーパーコンピュータ会議(SC20)の予定だ。

理研のプレスリリースによれば,6部門中4部門で首位を占めたということで,それはいったいなんだということになった。(1) TOP500:これはLINPACKのベンチマークである。密行列の線形演算の能力を競うもので最も古典的なベンチマーク。(2) HPCG:疎行列を係数とする連立1次方程式を共役勾配法で解くためのものであり,これがスーパーコンピュータの実用的な計算の実態に即したものだと思われる。(3) HPL-AI:ディープラーニングでは低精度計算が多用されることから,そのような状況での演算性能の評価が必要となってきた。(4) Graph500:ビッグデータ解析に使われる,超大規模グラフの探索能力を試すものであり,演算性能に加えてメモリやネットワークへのアクセス性能も重要である。ここまでの首位を占めたということだ。
この他に,(5) IO-500:データの入出力性能らしいが,詳細はこのあたりをみるとよいかもしれないし,そうでないかもしれない。 (6) Green500:省エネ性能を評価するための,消費電力当りの計算性能を比較したもの。この分野は日本勢が強い。前回は富岳のプロトタイプがトップだったが,今回は,日本のプリファードネットワークスのMN-3が首位で,PESYコンピューティングのNA-1が3位につけている。

京の後継機の名前が富岳になると聞いたときに,なんだかなあ,とおもったのだけれど,これは富岳100京(京の100倍の計算性能を持つ)ということで,富嶽百景のもじりだったとか。それなら許します。

P. S. 京コンピュータは,2011.11のTOP500 で10^16 Flops(1京Flops)をたたき出して首位になっている。富岳は2020.6 のTOP500で 40京Flops なので,富岳40京。まだ100京には達していない。


写真:富岳はブルーなのか(理研のページより引用)


2020年6月22日月曜日

Griffithsのr

デヴィッド・J・グリフィスはポートランドにあるリード大学の物理の名誉教授。1964年にハーバードの物理の B. A. をとっている(修士も博士もハーバード)のでそろそろ80歳くらいだろうか。電磁気学や量子力学や素粒子物理学の教科書で有名だ。電磁気学の教科書といえば,J.D.ジャクソンが定番だとおもっていたが,ちょっとやさしめのグリフィスの教科書がよく使われているようだ。グリフィスの教科書では,電磁気学で多用される' をスクリプトの r を使って表している。確かにこれによって,式の見通しがだいぶよくなる。教科書をみると,MS WordユーザはKaufmann フォントを使え,TeXユーザは自分のホームページを参照せよとあった。見本をちょっと直して使えるようになった。
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\documentclass{report}


\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}


\def\rcurs{{\mbox{\$\resizebox{.16in}{.08in}{\includegraphics{ScriptR}}\$}}}

\def\brcurs{{\mbox{\$\resizebox{.16in}{.08in}{\includegraphics{BoldR}}\$}}}

\def\hrcurs{{\mbox{\$\hat \brcurs\$}}}


\begin{document}


Here's a sample:


\$\resizebox{.16in}{.08in}{\includegraphics{BoldR}}\$


\begin{equation}

{\bf E} = {1\over 4\pi\epsilon_0}\int {\rho\over \rcurs^2}{\hrcurs}\,d\tau.

\end{equation}


\end{document}

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図 スクリプトのTeXサンプル