2026年4月7日火曜日

重力圏



図:月の重力圏とアルテミスII(ChatGPTによる)

4月6日のNHKニュースで,アルテミスII計画の宇宙船オリオンが月の重力圏に到達したとのこと。あっそう。重力相互作用はどこまでも到達するのであるからして,重力圏の定義はいったいどうなっているの?と疑問が湧いてきた。さっそく,検索するより前にChatGPTに聞いてみる(この習慣は正しいのだろうか)。



図:重力圏を巡るtikzによる説明図(ChatGPTによるものの配置を修正)


重力圏は,2つの星を結ぶ線分上でそれらの万有引力がつり合うところらしい。したがって,$\dfrac{Gm}{r^2} \sim \dfrac{GM}{R^2}$,$\therefore r_{\rm grav} = R \sqrt{m/M}$ = 4.3万km

宇宙飛翔体の軌道を考える場合は,作用圏が用いられる。地球中心での月の相対的影響と月中心での地球摂動≒潮汐力が等しいところである。すなわち,$\dfrac{m}{M}\Bigl( \dfrac{r}{R}\Bigr)^2 \sim \dfrac{M}{m}\Bigl( \dfrac{r}{R}\Bigr)^3$,$r_{SOI} = R \Bigl( \dfrac{m}{M}\Bigr)^{2/5}$ = 6.6万km

制限三体問題の安定性を考える場合は,ヒル圏が用いられる。これは,月からの万有引力と,地球からの潮汐力がつり合う距離になる。$ \dfrac{Gm}{r^2} \sim \dfrac{3GMr}{R^2}$,$\therefore r_{\rm H} = R \Bigl( \dfrac{m}{3M}\Bigr)^{1/3}$ = 6.1万km


P. S. アルテミスII計画の宇宙船オリオンは,月の裏側を回る軌道上で,地球から人類が最も遠くまで到達した距離の記録を更新した。これまでの最遠点は,アポロ13号が到達した40万171kmであり,アルテミスIIは40万6771kmだとのこと。

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