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2025年4月9日水曜日

相互関税(2)

相互関税(1)からの続き

トランプの相互関税が発動した。面倒なことだ。なぜ,議会の承認無しでこんなばかげたことが可能なのかを,当該の大統領令を入力してGemini 2.5 Pro に聞いてみた。だらだらしていたので,ChatGPT 4oにまとめさせたものを以下に示す。なお,Gemini 2.5 Pro は2024年までの知識しかないようだ。2025年4月の大統領令を未来の日付だとしている。

Q(koshix):
以下の生成AIとのやりとりをもう少しだけ整理してポイントがはっきりわかるようにしてください。
(Gemini 2.5 Pro とのやり取りQ&Aの全文を添付)

A(ChatGPT 4o):
以下は、あなたとGemini 2.5 Proのやり取りを、論点を明確化しつつ簡潔に再整理したものです。ポイントが一目でわかるよう、構造化された形式で要約しています。

Q:質問の核心(koshixさん)
トランプの「相互関税」政策は、なぜ議会の承認なしに大統領権限だけで実行可能なのか?その法的根拠は何か?

A:回答の全体構造(Gemini 2.5 Pro)

【A】 一般論としての法的根拠(初回回答)
(注:添付URLにはアクセスできないが,雰囲気を状況判断して回答してきた)

議会の権限委譲によって、大統領は一定条件下で関税を単独で設定可能。

主な3つの法的根拠:

1.通商法301条(1974年)
「不公正貿易慣行」に対抗するための関税措置。
相手国の関税の高さ自体を「不公正」とみなすことも。
2.通商拡大法232条(1962年)
輸入品が国家安全保障を脅かす場合に関税を課す。
例:鉄鋼・アルミへの関税。
3.国際緊急経済権限法 IEEPA(1977年)
国家非常事態宣言後に、大統領が広範な経済措置を実行可能。
本来は制裁などに使われるが、拡張解釈で関税にも適用されることがある。

いずれも、議会が過去に制定した法律による「権限の事前委譲」に基づく。

【B】 ご提供の大統領令(2025年4月2日付)に基づく具体的解釈(再回答)
(注:4/2の相互関税に関する大統領令のテキスト全文を入力して見た結果)

 内容の骨子

「大規模かつ持続的な貿易赤字」を **「国家安全保障への異常かつ重大な脅威」**と位置づけ。
これに対応するため:
1.国家緊急事態法(NEA) に基づいて非常事態を宣言
2.IEEPA に基づいて広範な関税(初期10%の従価税+国別追加税)を発動
3.これを「相互関税政策(Reciprocal Tariff Policy)」と命名

脇役の法的言及(補足的): 
・通商法232条や301条 → 今回の主な根拠ではなく、言及のみに留まる(既存関税の除外項目として記述)。
・通商法604条や合衆国法典3編301条 → 大統領の執行権限の形式的根拠。

なぜ議会承認が不要なのか?

・NEAとIEEPAは、議会自らが「非常時対応の迅速性」を考慮して大統領に委任した法律。
・大統領が定められた手続きを踏んだうえで発動すれば、議会の都度承認は不要。
・ただし、適用の正当性は常に法的・政治的議論の対象となる。

要点まとめ(箇条書き)

・トランプの「相互関税」は、2025年の大統領令において、IEEPA+NEA によって法的根拠が与えられている。
・「貿易赤字」そのものを国家安全保障上の非常事態とみなす論理展開。
・議会の承認が不要なのは、IEEPA/NEAが事前に議会によって制定された法律だから。
・通商法301条や232条も従来の法的根拠だが、今回は中心ではない。
IEEPAの利用は、拡大解釈であるため、国内外での論争・訴訟・WTO違反の可能性あり

ご希望であれば、この内容を政策解説記事風のスタイルに整えることも可能です。また、関連する法律文の原文(US Code)リンクや、過去のIEEPA発動事例の整理も可能です。ご要望があればお知らせください。



図:相互関税の大統領令の冒頭部の抜粋+署名(GPT 4oの生成した画像)


P. S. 日経に,フィナンシャル・タイムズマーティン・ウルフの記事翻訳があった。トランプが行っている悪行を要領良くまとめていた。以下にその部分を引用する。
 彼は今や長年なりたかった独裁者になるすべを身につけ,米共和制と米国が築き上げてきた世界秩序を総攻撃している。米国の自由と繁栄を支える柱となってきた法の支配,立法府の役割,裁判所の役割,科学への依拠,大学の独立性に加え,リベラルな国際秩序をも破壊している。早晩,帝国主義時代の復活を目指して他国をも侵略すると筆者は見ている。
 相互関税を導入する手法は,トランプ氏がまさにどういう人物であるかを物語っている。他国の貿易障壁で時刻が甚大な被害を受けているというありもしない「緊急事態」を訴え,議会が愚かにも相互間税問題に背を向けているのをいいことに,追加関税という逆累進制がきわめて強い増税策を断行しつつある。
 つまり,自らの中核支持層に厳しい負担を強いることになるにもかかわらず,相互関税を導入し,それで得られる歳入増の一部を使い自分が2017年に導入した,これまた逆累進制が凄まじく,所得の高い人ほど恩恵を受ける個人所得減税の延長を図ろうとしている。当然,財政を圧迫することにもなる。
トランプのお友達だった安倍派や維新や国民民主などにもトランプに類似した空気が漂っているので,日本だって人の事をいえた義理ではないのだけれど。


[1]トランプ氏の暴走を止めるには(田中均 2025.4.9)
[2]日米貿易協定に関する資料(税関 2020.1.1発効)

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