d次元球の体積からの続き
統計力学をはじめるには,スターリングの公式が必須なので菊池誠のテキストで復習する。
ガンマ関数Γ(x)は,階乗の実数への拡張と考えることができる関数である。xが自然数nのときにΓ(n+1)=n!を満足し,次の積分で定義されている。
Γ(x)=∫∞0tx−1e−tdt,Γ(1)=1,Γ(1/2)=∫∞−∞e−x2dx=√π
ここで,階乗の雰囲気をただよわせる漸化式が成り立つ。Γ(x+1)=∫∞0txe−xdt=[(−1)txe−x]∞0+∫∞0xtx−1e−xdt=xΓ(x)
引数xに,後にアボガドロ数オーダーの非常に大きな数になる予定のNを入れてみる。
N!=Γ(N+1)=∫∞0tNe−tdt=∫∞0tNeNlogt−tdt
指数関数の肩の項Nlogt−tを微分して極値を探すと,t=Nで極大値がNlogN−Nとなる。そこで,このt=Nの周りでNlogt−tをテイラー展開して2次の項まで残す。
Nlogt−t≃NlogN−N−12N(t−N)2
指数関数の肩にあるtの2次の項をほとんど寄与がない積分領域である∫0−∞まで拡張した上でガウス積分すると,N!=∫∞0tNeNlogN−N−12N(t−N)2dt=NNe−N∫∞−∞e−12N(t−N)2=√2πN(Ne)N
これから,スターリングの公式,logN!=NlogN−N+log√2πN が得られる。
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