11月6日に日本記者クラブで「人文社会系学協会連合連絡会」の記者会見があり,日本学術会議の任命拒否問題について,その理由の説明と撤回を求める共同声明が発表された。
人文・社会科学系の諸学会のほぼ全分野にまたがる220以上の学協会が連携して意見表明をするのは初めてのことらしい。できれば連合連絡会のホームページも作ってもらいたいところだけれど。
臨時国会の衆議院,参議院の予算委員会では,野党のエース級と菅総理との質疑が行われているが,菅の答弁はボロボロのようだ(NHKなどはまったくその様子を正確に報道しない)。日によって論理が移ろうデタラメでも国会を切り抜けられてしまうのがすごい。もうそこは日本語も機能せず,普通の論理も通用しない場所になってしまっているようだ。
大阪でも,大阪市廃止・特別区設置における住民投票の結果が反対と出たにもかかわらず,松井や吉村がしおらしい顔をしていたのは,ほんの一瞬のことだった。大阪維新はさっそく,大阪市から大阪府への権限移譲のための条例案検討をスタートさせてしまった。あの住民投票での市民の判断は一体何だったのだろうか。ここでも普通の言葉や筋道が通用していない。
そして,アメリカ合衆国の大統領選挙開票中から開票後のトランプ派の言動もしかりである。普通の論理が通用しない世界とは一体何なのだろうか。差別と偏見と利権が横行する世界。それはもしかしてインターネットがパンドラの箱を開いたことでもたらされたものなのか。その情報伝達ネットワークの速度や応答性に人類と旧来の制度やシステムが十分適応できないまま部分的な変化が加速してアンバランスをもたらしたことで,ハンコ屋さんだけでなく,民主主義すら危機的な状況を迎えている。