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2023年10月25日水曜日

鏡像法(1)

しばらく前に一度だけ電磁気学の授業を担当したとき,静電場についてはポアッソン方程式の導出までで完結していた。鏡像法などで境界値問題を解くのはあまり好きになれないのでスキップした。

xy平面に導体面があって,z軸上の点(0,0,a)に電荷qを置くと,導体平面に誘導電荷が生ずる。導体平面上では電位は一定になり,電場は面に垂直な方向を向く。この境界条件を満足させるため,(0,0,a)に電荷qをおいて,電位と電場を計算する。

電位は,V(r)=q4πε0{1r2+a22arcosθ1r2+a2+2arcosθ}であり,電場E(r)z成分は,Ez=V(r)z=V(r)rrzV(r)θθzとなる。

rz=zr=cosθなので,後にθ=π2を代入すると0となって,第1項の寄与はない。θz=ztan1x2+y2z=x2+y2x2+y2+z2=sinθr1r (θ=π/2)

第2項の前半は,V(r)θ=q4πε0{arsinθ(r2+a22arcosθ)3/2+arsinθ(r2+a2+2arcosθ)3/2}

したがって,導体平面上のθ=π2における電場のz成分は,
Ez=V(r)θθz=q4πε02ar(r2+a2)3/21r
原点を中心とした導体面上の半径rの円環面dSの電荷面密度をσ(r)とすると,ガウスの法則から,Ez(r)dS=σ(r)dSε0σ(r)=ε0Ez(r)=q2πa(r2+a2)3/2

この誘導電荷の面密度をすべて加えると
Q=2πq2π0ardr(r2+a2)3/2=q[a(r2+a2)1/2]0=q

z 軸上においた電荷と絶対値が等しく逆符号の電荷が導体面に誘導されることが確かめられた。

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