2018年12月22日土曜日

冬至

 冬至(Winter Solstice 今日までこんな単語は知らなかった)は,一年の内で最も昼の短い日。例えば,きょうこのあたりでは,日の出が7:00,日の入は16:50なので,昼は9時間50分(41%),夜は14時間10分(59%)である。冬至や夏至の前後では一日ずれると昼夜の時間が1分(0.07%)ほど変化するものと思われる。

 冬至の定義をもう少し丁寧に調べようとすると,次のように自分があまり正確には分かっていない言葉(概念)の連鎖が得られた。冬至(冬至日)→冬至点(春分点・夏至点・秋分点)→黄経270度→黄道(天頂・天底・白道)→ 定記法(二十四節気・恒気法)。でもWikipediaの網を用いることで,ある程度までは適当な精度で理解することができるように思える。

 Wikipediaに対しては,かなり有益,やや有益,中立,やや有害(あまり信用できない),かなり有害(まったく信用できない)という意見がある。利用する場面や対象によって,この価値判断スペクトルが虹色に変化する。教育や研究の場では「知識の安全性」を担保する必要があるので,否定的な考えのほうが多いかもしれない。

 「理解の精度」という概念を導入して,知識の信頼性と有用性を場面ごとに尺度変換して考えることはできないだろうか。ある知識のまわりに連結するネットワークの密度が高ければ高いほど,相互信頼性が増して理解の精度が高くなるということを定量的に扱うことができないかということ。次の夏至までの宿題にしよう(夏への扉)。

「行く水のゆくにまかせて冬至かな」(田川鳳朗 1762-1845)

2018年12月21日金曜日

加法定理の折り紙

Twitterに加法定理の折り紙が載っていたので,まねをして自分でも作ってみた。
\begin{equation*}
\begin{aligned}
\sin (\alpha+\beta) = \sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta\\
\cos (\alpha+\beta) = \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \sin \beta
\end{aligned}
\end{equation*}



\begin{equation*}
\begin{aligned}
\sin (\alpha-\beta) = \sin \alpha \cos \beta - \cos \alpha \sin \beta\\
\cos (\alpha-\beta) = \cos \alpha \cos \beta + \sin \alpha \sin \beta
\end{aligned}
\end{equation*}




2018年12月20日木曜日

細見綾子の冬銀河

再びは生まれ来ぬ世か冬銀河」(細見綾子 1907-1997)
細見綾子沢木欣一と再婚後10年近く金沢に住んでいたようだ(私の生まれた前後)。
その前には,大阪府池田市で転地療養している(私の住む50年前)。昔,一瞬俳句が趣味になりかけたときに(ならなかったけど),NHKで鷹羽狩行など共に細見綾子さんが出演していたのを見た記憶がある。阿修羅のごとくの大路三千緒のイメージとどこかで連結しているのだ。

大阪教育大学の採用時面接で下村先生に,趣味は何ですかときかれ,ハイク(ハイキング) ですと答えたら,俳句と勘違いされて話が迷走し大笑いになったことがある。面接は10分ほどで終わってしまった。簡単なものである。最近の選考面接では模擬授業と研究紹介を含め小一時間ある。

まだ凍てつく冬は到来していないので冬銀河には少し早かったかもしれない。



2018年12月19日水曜日

阿修羅のごとく

向田邦子−和田勉の1979「阿修羅のごとく」の再放送をNHKプレミアムカフェの録画でみた。ゲスト:太田 光(爆笑問題)山本 むつみ(脚本家), MC:渡邊 あゆみ(アナウンサー)の対談もついている公開録画。緒形拳がすごいなぁ。太田光も鋭いなぁ。

若き日の吉田簑助師匠が,日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)の清姫のガブを遣っている映像が第1話にある。1979年なので,これを放映当時そのまま見たかどうかはわからないが,1980年代には再放送か何かをみているはずだと思う。ドラマ人間模様の「あ・うん」なども。向田邦子がかかわるTVドラマでは,「時間ですよ」は集中してよく見ていたが(高校生から大学生にかけての時期),「寺内寛太郎一家」はたまにしかチャンネルを回さなかった。「時間ですよ」には,NHKの「天下御免」とならんでTVドラマの新しい波みたいなものを感じたのだが。

興福寺の阿修羅像を最初に見たのは奈良に住むようになる前だったろうか。堂内の床平面の高さに特別な配慮もなく普通に陳列されていた。拝観客も少なく,ガラスケースにぎりぎりまで近づいて四方から十分に拝顔することができた。その時は,ドラマの「阿修羅のごとく」とはあまり結びついていなかったかもしれない。実物の迫力にただただ圧倒される長い時間。その後,幾度か見る機会があったけれど,もう初回の感動に及ぶことはなかった。

2018年12月18日火曜日

WE the PEOPLE



辺野古岬 (Wikipediaより CC BY-SA 3.0)

沖縄の辺野古/大浦湾の埋め立て停止を求めるホワイトハウス宛ての請願が,12月8日(奇しくも)から始まった。その内容は次のようなものである。


沖縄の県民投票が実施されるまで,辺野古/大浦湾の埋め立てを停止せよ

トランプ大統領:民主的な県民投票が実施されるまで,沖縄での埋め立て作業を止めてください。 今年の初め,沖縄/大浦湾の建設を中止することを前提として,圧倒的支持により沖縄の人々は玉城デニー知事を選出しました。 大浦湾は沖縄の生態系のたいへん重要な部分の1つです。 しかし,日本政府と在日米軍はこれまで,玉城知事と沖縄県民の民主的意志を完全に無視してきました。 後戻りできない建設工事が12月14日(JST)に始まる予定です。 これが許されれば,沖縄の人々の間の強い反米感情は確実に高まり,米国と沖縄の関係を永遠に壊してしまうでしょう。 民主主義を優先して,工事の停止を命令してください。 アメリカが本当に尊敬に値する大国であることを沖縄県民に示してください。

先週,12月11日に投票した段階では,5,000票あったかどうか(記憶が定かでない)で,期限の1月7日までに10万を達成するのは難しいだろうなと思っていたのだが,12月18日のお昼頃には95,000票になりそうである。たぶん今日明日には達成されると思われる。
(P. S. 2018年12月18日15:30頃には100,000を越えた模様です。)

Rob Kajiwara氏のyoutube メッセージもある。

この他にもいろいろな取組みはあるようだ。ボーダーインク「新しい提案」


2018年12月17日月曜日

ジョン・ウィリアム・ニコルソン

2018-12-16 原子モデルとプランク定数の続き

「20世紀の物理学(L. M. Brown, A. Pais, B. Pippard:丸善)」の 第2章「原子と原子核の導入(A. Pais)」の85pには,ハースに続いてニコルソン(英国出身 John William Nicholson 1881-1955 )の1912年の論文が紹介されている。この論文は,ボーアの1913年の論文でも引用されている。

ニコルソンは質量$m$の$n$個の粒子からなる半径$a$のリングのエネルギー$E$と回転振動数$\omega$の比が角運動量$L$に等しいことに気付き,これがプランク定数$h$に比例する,すなわち角運動量が量子化されることを初めて示唆した。
\begin{equation*}
h=\dfrac{E}{\omega} = \dfrac{m n a^2 (2\pi\omega)^2}{\omega} = m n a^2 (2\pi \omega) \cdot 2\pi = L \cdot 2\pi
\end{equation*}
ニコルソンは,彼の原子モデルを使って星のスペクトルの説明を試みていたが,その過程で上の関係を考えたようだ。ボーアモデルまでの経緯については,森川亮の「量子論の歴史 − 原子の物理学へ − 量子論へのプレリュード −」が詳しいかも。また,角運動量の量子化については,J. H. O. Sales, A. T. Suzuki の "The Old Quantization of Angular Momentumfrom Planck's Perspective" を参照する。

2018年12月16日日曜日

原子モデルとプランク定数

2018-12-14「アルトゥル・エーリヒ・ハース」からの続き


 1913年にボーアの原子モデルが発表される以前。1910年にハースがプランク定数と原子半径を結びつける正しい式を提案していた。両者の違いについて整理してみる。

ハースは,プランクの作用量子$h$の物理的意味を原子の構造に求め,$h$を原子の大きさによって根拠づけようとした。トムソンの原子モデルから出発すると,電子が半径$a$の一様に分布した正電荷の表面を回転しているときが全エネルギーが最大である。このときの原子(振動子)のエネルギーがプランクの$h\nu$であるとして,初めてボーア半径の正しい式を導いた(対応するエネルギーの表式は正しくない)。

ボーアは,ラザフォードの原子モデルに対して,その大きさを決める特徴的な長さを与えると同時に線スペクトルを説明しようとした。プランクの振動子のエネルギー$nh\nu$に現れる振動数$\nu$と原子の回転振動数$\omega$を結びつける複数の仮定が共にボーア半径の式とリッツの結合則を与えることを示した。原子には定常状態(及び安定な基底状態)が存在するとして,状態間の遷移によって光子の放出吸収を理解したことが革新的であった。

\begin{equation*}
\begin{array}{ccc}
\hline
 & Haas & Bohr \\
\hline
モデル & トムソン原子モデル  &  ラザフォード原子モデル\\
電子に働く力 & F=-\dfrac{e^2 r}{a^3} & F = -\dfrac{e^2}{r^2}\\
ポテンシャル & V=\dfrac{e^2 r^2}{2 a^3} & V=-\dfrac{e^2}{r}\\
エネルギー基準点  & r=0 & r=\infty\\
運動エネルギー & T=\dfrac{1}{2}m v^2 &  T=\dfrac{1}{2}m v^2\\
速度vと振動数\omega^{1)} & v=2\pi r \omega &  v=2\pi r \omega\\ 
古典運動方程式^{2)} & ma(2\pi\omega)^2=\dfrac{e^2}{a^2} &  mr(2\pi\omega)^2=\dfrac{e^2}{r^2}\\
振動子(原子)の振動数 & \omega=\dfrac{1}{2\pi}\sqrt{\dfrac{e^2}{m a^3}} 
& \omega=\dfrac{1}{2\pi}\sqrt{\dfrac{e^2}{m r^3}}\\
全エネルギー(T+V) & E=\dfrac{e^2}{a} & E=-\dfrac{e^2}{2 r}\\
プランク定数との関係^{3)} &  E=h\omega & E=-\dfrac{n}{2} h \omega\\
\\
プランク定数の表式 & h=2\pi e\sqrt{ma}  &  h=\dfrac{2\pi e}{n}\sqrt{m r_n}\\
原子半径の表式 & a=\dfrac{h^2}{4\pi^2 me^2} & r_n=\dfrac{n^2h^2}{4\pi^2 me^2} \\
エネルギーの表式 & E=\dfrac{4\pi^2me^4}{h^2} & E_n=-\dfrac{2\pi^2me^4}{n^2 h^2} \\
\hline
\end{array}
\end{equation*}
1) 電子の回転振動数を$\omega$ とした。角振動数ではない。
2) Haasでは以下$r=a$の正電荷表面の軌道で考える。
3) ボーアは放出される光の振動数$\nu$が電子の基底状態の回転振動数$\omega$の1/2であると仮定して,光子のエネルギー$nh\nu$と原子の全エネルギー$E$を等置した。


2018-12-17「ジョン・ウィリアム・ニコルソン」に続く

2018年12月15日土曜日

冷血(上):高村薫

東京までの往復の車内で,新潮文庫の高村薫の冷血(上)を読んだ。第1章の事件と第2章の警察の475ページ。下巻が第3章個々の生または死が440ページである。分速1ページくらいで読める(でしか読めない)。最近,仕事に向う電車の車内(片道1時間)で,ほとんど文庫本が読めなくなってしまった。2008年の8月11日(母親の誕生日)に(米国から1年遅れで)ソフトバンクが日本で初めて発売したiPhoneを購入して以来,徐々に本を読む時間が,iPhoneでの情報摂取時間で置き換えられてしまった結果である。その前に読んだ小説は,マーガレット・アトウッドの侍女の物語,これは時間をかけて味わうことができたSFだ。今年はこの2−3冊で終わるのか・・・

さて冷血である。事件までの経緯や二人が逮捕されるまでの経緯は,上巻でほぼ明らかになっているので,下巻がどうなるかだ。少し読み始めたが,まだ様子はわからない。パチスロやクルマや警察無線と捜査人員編成の具体的なディーテイルが描き込まれている。アマゾンの書評はあまり芳しくない。しかし自分には高村薫を読めるだけでありがたいことなので,先日大阪キタの堂島アバンザにあるジュンク堂本店で発見したときには迷わず購入した。ちょっと気になったのは,筑波大学附属中学1年生の高梨あゆみが数学オリンピックを目指すような少女なので,数学についての用語がいくつかでてくるところ。悪くはないとおもうのだけど,ちょっとだけ違和感を感じる。これだけ入念に調査した専門的な内容であっても,その道の専門家がみれば・・・ということはあるのだろう。

事件の幕が開くのが2002年の12月17日で ,東京の地下鉄丸ノ内線の茗荷谷駅が出てくるのだが,この本を読み始めたのが,12月15日で,この日はたまたま筑波大学附属高校で日本物理教育学会の第3回理事会があったため,茗荷谷駅近くのお洒落な喫茶店Galleria Caffé U_Uでこの小説を読むというシンクロニティ(非因果的連関)があった。自分にとっての代表的なシンクロニティは,庄司薫の「さよなら怪傑黒頭巾」を1970年の5月の連休に高校2年生の自分が読んでいたというシチュエーションである。完全に非因果的とは言えないかもしれないけれど。さて「冷血」といえばトルーマン・カポーティの冷血が連想されたのだけど,読んだことはない。実際の事件を非常に丁寧に取材した小説らしい。高村薫のほうは,世田谷一家殺人事件との関係が指摘されてもいたが,あまり関係ないのではないかと思った。はやく下巻を読みたい。

冷血(下):高村薫に続く)

2018年12月14日金曜日

アルトゥル・エーリヒ・ハース

大学院の授業で「20世紀の物理学(L. M. Brown, A. Pais, B. Pippard:丸善)」の 第2章「原子と原子核の導入」を読んでいたら,''アーサー・ハースというウィーンの物理学者(チェコ出身の Arthur Erich Haas 1884-1941)がボーアより前の1910年に原子の量子仮説を導入した'' とあった。東欧なので,Wikipediaロシア語版の記述が最も詳しいようだ。

東海大学出版会から刊行されている,物理学古典論文叢書10「原子構造論」にハースの「プランクの輻射法則の電気力学的な意義および電気素量と水素原子の大きさに関する新しい決定について」という論文が採録されていた。長岡半太郎やボーアばかりに気をとられていたので,すっかり見落としていた。

あとでもう少し勉強してみよう(2018-12-16「原子モデルとプランク定数」に続く)。

P. S. この第2章はパイスが書いており,わかっている人が読むといろいろおもしろそうなことが書いてあるのだが,背景知識の少ない初心者が読むと,なにがなんだかわからない雑木林を彷徨っているような状態になりそうなので,授業で使うには対象者とのマッチングに注意したほうがよいかもしれない。

2018年12月13日木曜日

素数生成式


オイラーが,$f_q(n)=n^2+n+q$という式に次のような性質があることを発見した(オイラーの素数生成式の秘密  tujimotterのノートブック)。ある特別な数$q$に対して,変数(引数)として連続した整数$n$を代入すると,$q-1$個の式の値 $f_q(0), f_q(1), \cdots f_q(q-2)$ がすべて素数になるというのである。ここで,特別な数とは,$q=2,3,5,11,17,41$である。例えば,$f_5(0)=5○,\  f_5(1)= 7○, \ f_5(2)=11○,\  f_5(3)=19○,\  f_5(4)=25×$ なるほどね。

他にも,1変数の簡単な多項式で連続した整数を代入した値がすべて素数を与えるものがあるというので調べてみると,O. Cira, F. Smarandache の "Various Arithmetic Functions and their Applications(2016)"に行き着いた。今年 Ver 1.0を迎えて注目の(?)プログラミング言語 julia で確認してみた。 

using Primes                
                            
function euler(n)           
  local p1,p2,p3::Int64     
#arXiv:1603.08456v1  O. Cira and F. Smarandache (2016)
#Euler...40primes           
  p1=abs(n^2-n+41)          
#Fung, Ruby...45primes      
  p2=abs(36n^2-810n+2753)   
#Laudreu, Gupta...57primes  
  p3=abs((n^5-133n^4+6729n^3-158379n^2+1720294n-6823316)/4)
  (n,p3,isprime(p3))        
end                         
                            
for k=0:60                  
  println(euler(k))         
end                      

結果は
(0, 1705829, true)   
(1, 1313701, true)   
(2, 991127, true)    
(3, 729173, true)    
(4, 519643, true)    
(5, 355049, true)    
.....                
(50, 1404721, true)  
(51, 1707499, true)  
(52, 2071373, true)  
(53, 2505127, true)  
(54, 3018307, true)  
(55, 3621251, true)  
(56, 4325119, true)  
(57, 5141923, false) 
(58, 6084557, false) 
(59, 7166827, true)  
(60, 8403481, true)

そだね〜。

2018年12月12日水曜日

大阪府高等学校理化研究会70周年

今日は,標題の会合があるのです。
記念誌に寄稿したものを再掲してみます。

変化の時代と物理教育
 大阪府高等学校理化教育研究会が70周年を迎えられたこと,心からお慶び申し上げます。
 平成の30年間で最も大きな出来事の一つは,インターネットの出現とICTによる世界の構造的な変化の始まりだった。また,我が国では,インフラ劣化の進行にともなう災害被害の甚大化を象徴するかのように,東日本大震災に続く福島第一原発事故があった。それらの背景には物理学を基盤とする科学技術の問題があることから,科学を学ぶことの重要さが改めて示唆されている。
 一方,教育の現場をみると,急速な変化を続ける社会に対応するための改革が繰り返し試みられてきた。しかし,それらは必ずしも成功しておらず,むしろ混迷を深めているようにさえ見える。アクティブ・ラーニングが注目され,様々な手法が提案されているが,すべての生徒と教師に普遍的に適応した単一の方法論が存在するわけではなく,歴史的背景や社会的環境にあわせた個別の多様な取り組みを柔軟に進めていくしかないのだろう。
 その中でも社会の様々なセクターの連携は,重要な因子である。高校の理数科教育の周辺には,大学,予備校,中学校,教育委員会,企業,NPO,SNS上のコミュニティ,学会,など様々な組織に属する人々や個人がとりまいており,それらの連携の潜在的な可能性は大きい。これらの星々の相互作用によって銀河が構成されるだろう。必要なのは従来の慣習や組織の枠を少しだけはみ出して,これらのネットワークを媒介する若い人たちの活躍である。そして我々過去の若者に必要な役割は,ダークマターのように,それらの活動を背景から支えることなのかもしれない。
いよいよダークマターですか・・・

2018年12月11日火曜日

リップ・ヴァン・ウィンクル

 1970年の大阪万博で,中央環状線南東のエキスポランドにあった5並列ジェットコースターの名前がダイダラザウルスである。生まれて始めてのジェットコースター体験が,万博終了後何年かのちに縮小再開されたそれだった。最高点から走り出してまもなく,止めて頂戴ね,と思ったがもう遅かった。

 ダイダラザウルスは,日本民話のダイダラボッチに由来するらしいが,子どものときにこの話を見聞きしたことはない。かわりに親しんでいたのはアメリカ民話のポール・バニヤンという大男の豪快な物語であり,これは子ども雑誌で読んだ記憶がある(少年ブックの連載時から親しんでいた,手塚治虫のビッグXとイメージが重なるということはなかったですね)。

 ポール・バニヤンの隣に記憶されているのが,リップ・ヴァン・ウィンクルで,NHKテレビの子ども番組で見たことがある。日本の浦島太郎のような話で,山奥の不思議なところでボウリングと酒盛りにしばらく興じていると,地上では何年も経っていたという話。リップ・ヴァン・ウィンクルは,「時代遅れの人」,「眠ってばかりいる人」の代名詞になっているようだが,まさに,今の自分であることを痛感する。

 いつの間にか,High Sierra on MacBook Pro で特定のフォーマットの CD-ROMが読めなくなってしまい,Firewireもなくなって,Thunderbolt2とThunderbolt3=USB-Cのコネクタの変換が,オスメスとコネクタ端子サイズ条件を含めて無理筋なことに気付くのであった。

 今日の結論,時の経つのが早すぎるので,止めて頂戴ね。

2018年12月10日月曜日

MathJaxで数式表示(1)

Bloggerで数式を表示する(おもちゃ箱)を参考にして,
html の header を修正しました。例えば $e^{i \pi} = -1$ です。
あら \bm  が使えないのか。

【練習】
\begin{equation}
m_i \ddot{\boldsymbol{r}}_i = \boldsymbol{F}^{\rm{ex}}_i
+ \sum_{j=1}^N  \boldsymbol{F}^{\rm{in}}_{ji}
\end{equation}
\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
\nabla\cdot\boldsymbol{B}=0 &\quad
\nabla\times \boldsymbol{E}+\dot{\boldsymbol{B}}=0\\
\nabla\cdot\boldsymbol{D}=\rho &\quad
\nabla\times \boldsymbol{H}-\dot{\boldsymbol{D}}=\boldsymbol{j}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}
\begin{equation}
i\hbar\dfrac{\partial}{\partial t}\ \psi
= \big( -\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial^2}{\partial x^2} +V\big)\  \psi
\end{equation}


2018年12月9日日曜日

木村栄の孫

日本経済新聞の私の履歴書,今月は茅陽一。物理学者の茅誠司の妻が,天文学者の木村栄(ひさし)の娘の伊登子であるとのこと。つまり,茅陽一は木村栄の孫になる。金沢市立泉野小学校では(校区内に木村栄の育った家があった),かつて,地球の緯度観測でZ項を発見し,第1回の文化勲章を受賞した木村栄の業績をたたえる行事を毎年行っていたのだけれど(そういえば木村博士の歌もあった),残念なことに泉野小学校の現在のホームページには木村栄についての記載はない。金沢市郊外の野田山にある大乗寺の山門参道前には,木村栄の養父の木村民衛(私塾の教師)の大きな碑があったのだが,これも何年か前に撤去されてしまっていた。


 

2018年12月8日土曜日

真珠湾攻撃から77年

1941年の12月8日に真珠湾攻撃,米英と開戦してから77年が経過した。
矢作俊彦-大友克洋の「気分はもう戦争」からはそのおよそ半分の38.6年ほど。

ラジオ放送(現NHK)による大本営陸海軍部発表(昭和16年12月8日午前6時)
「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。
大本営陸海軍部、十二月八日午前六時発表。帝国陸海軍は本八日未明、
西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり。」