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2019年11月15日金曜日

東大寺七重塔

奈良東大寺の創建当時,東西に七重塔があったようだ。最近の東塔の発掘調査でも東塔を囲む回廊の東門の跡が見つかっている。塔の高さは70mとも100mともいわれており,東大寺はその再建を目標としているとのこと。ほんとですか。

日本で一番高い木造の塔は,54.8mの東寺の五重の塔だ。世界で一番高い木造建築物は,58.5mのカナダのブリティッシュコロンビア大学の学生寮だ。70mとか100mは可能なのだろうか?建築基準法上は燃えなければ可能みたい

その東大寺の七重塔は,1970年の大阪万博の際に古河グループの古河パビリオンとして復元されたことがある。ただしこれは木造ではなくプレハブ構造で1年で作ったようだ。その際に作られた七重塔相輪のレプリカは,東大寺大仏殿の横に設置されている。

金沢から大阪まで,雷鳥の臨時特急に乗って万博に行ったのは高校2年の夏休みだった。が,古河パビリオンにはあまり印象がない。岡本太郎のデザインで,小松左京のコンセプトによる内部展示を楽しみにしていただけにちょっと期待外れだった70mの太陽の塔には登ったけれど。


2019年11月9日土曜日

興福院特別公開

奈良市法蓮町の興福院(こんぶいん)は奈良時代に創建された浄土宗知恩院派の鄙びた尼寺だ。奈良高校の裏手辺りの佐保山の丘陵地に立地し,本堂からは奈良の町並みが一望できる。普段は一般公開されていないのだが,今年20年ぶりの特別公開が行われ,予約無しで拝観することができた。秋晴れの日に参詣客がそぞろ訪れていたが,さすがにここまでは外国人観光客が到達していない模様。

国重要文化財の客殿には,襖絵や袱紗などが展示されていた。雨ざらしになりそうな渡り廊下の階段を登って,足を踏み抜きそうな橋部を慎重に踏み渡っていくと本殿に至る。本殿にあるご本尊は,国重要文化財である天平時代の阿弥陀三尊像だ。木心乾漆阿弥陀如来の印相は珍しい中品下生のもので,両脇侍は観音菩薩と勢至菩薩。庭も美しく手入れされており,くちなしの若芽が養生中だった。


写真:興福院の大門と本堂(2019.11.08撮影)


2019年11月5日火曜日

南円堂と北円堂

家人に勧められて,興福寺国宝特別公開【南円堂,北円堂】に行った。秋晴れの爽やかな朝,すでに30人ほどが興福寺に設置された特別展の ticket counter に並んでいた。重要文化財南円堂では,東向きの国宝木造不空羂索観音菩薩座像(康慶作)のまわりに国宝木造四天王立像(康慶作)が多聞天(北東)持国天(南東)増長天(南西)広目天(北西)と囲んでおり,本尊の左手と右手の脇に国宝木造法相六祖座像(康慶作)が玄賓,行賀,常騰と玄昉,善集,神叡が据えてあった。南円堂よりひとまわり小さな国宝北円堂には国宝木造弥勒如来座像(運慶作)の背後に国宝木造無著菩薩立像と世親菩薩立像(運慶作)が,脇の左右に法苑林菩薩と大妙相菩薩が,そして国宝木心乾漆造四天王立像が囲んでいる。

運慶の無著菩薩は前回見たときは凄い印象があったが今回は弥勒如来ともども,康慶の迫力に負けてしまった。南円堂は何周もして四天王像の特徴を観察した。両足の上げ方や火焔光背の炎の向きの対称性,両手に持つ武具と宝物,衣装や兜,体型などすべてが緻密に計算されて形造られて本尊の周りを囲んでいた。一般に,四天王は持国天(東)増長天(南)広目天(西)多聞天(北)とそれぞれの守護範囲が決まっているのだが,本尊の向きとこの四方を護持する関係で実際の方位は異なる場合もあるようだ(見張りのお坊さんに尋ねてみた応答からの推測)。

その後,再建された中金堂にも回ってみたが,こちらは着飾った新婚外国人カップルがプロカメラマンを従えて中金堂を背景に記念スチール写真の撮影会をやっているような状況で,これはこれで大変雰囲気にマッチしていたが,中に収められた江戸時代の釈迦如来座像などは今一つだった。国宝木造四天王立像や重要文化財薬王・薬上菩薩立像なども再建された中金堂の空間の雰囲気になじめず,残念な状況だった。


写真:南円堂と北円堂(撮影 2019.11.05)

2019年10月27日日曜日

仏説阿弥陀経

阿弥陀経の極楽の描写がおもしろかった。要約するとこんな感じ。

「極楽國土クラブには,金銀宝石がちりばめられた高級ボトルがずらっと並び,周囲の階段を登って上層階から見下ろすと,お酒を満たしたプールの中で蓮の形をした赤・黄・青・白の発光ダイオードのミラーボール照明が怪しく輝き,室内にはカラフルな紙吹雪が天井から舞い落ちているようだ。このクラブは昼から夜まで24時間,高級服で着飾ったお客さん達でいっぱいだが,ここに来られなかった人達のことをザマアと思っている自分自身に嫌悪している偽善者だ。食事は自宅で済ましてきているので,ここでは呑んで騒いで功徳を積むだけだ。クラブには奇抜なデザインの鳥の扮装をしたコンパニオンが大勢いて,皆で共にカラオケのオーケストラを楽しんでいる。この選曲がサイコーであり,とても心に響く。」

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又舍利弗,極樂國土,七重欄楯 七重羅網 七重行樹。皆是四寶,周帀圍繞。是故彼國,名曰極樂。

(欄楯らんじゅん=玉垣,羅網らもう=四寶でできた網,行樹ごうじゅ=寶果をつけた樹の並木)
四寶とは,金・銀・瑠璃・玻璃)

又舍利弗,極樂國土,有七寶池。八功德水 充滿其中。池底純以 金沙布地。四邊階道,金銀琉璃 玻瓈合成。上有樓閣,亦以金銀琉璃 玻瓈硨磲 赤珠碼碯,而嚴飾之。池中蓮華,大如車輪。青色青光,黄色黄光,赤色赤光,白色白光。微妙香潔。舍利弗,極樂國土,成就如是 功德莊嚴。

七寶とは,金・銀・瑠璃・玻璃・硨磲・珊瑚・瑪瑙)
八功徳水とは,甘・冷・軟・軽・清浄・不臭・飲時不損喉・飲已不傷腹)

又舍利弗,彼佛國土,常作天樂。黄金爲地。晝夜六時,而雨曼陀羅華。其國衆生,常以清旦,各以衣裓,盛衆妙華,供養他方 十万億佛。即以食時,還到本國,飯食經行。舍利弗,極樂國土,成就如是 功德莊嚴。

復次舍利弗,彼國常有 種種奇妙 雜色之鳥。白鵠孔雀 鸚鵡舍利 迦陵頻伽 共命之鳥。是諸衆鳥,晝夜六時 出和雅音。其音演暢 五根五力 七菩提分 八聖道分 如是等法。其土衆生,聞是音已,皆悉念佛念法念僧。舍利弗,汝勿謂此鳥 實是罪報所生。所以者何。彼佛國土,無三惡趣。舍利弗,其佛國土,尚無三惡道之名。何況有實 是諸衆鳥。皆是阿彌陀佛,欲令法音宣流,變化所作。舍利弗,彼佛國土,微風吹動 諸寶行樹 及寶羅網,出微妙音。譬如百千種樂 同時倶作。聞是音者,皆自然生 念佛念法念僧之心。舍利弗,其佛國土,成就如是 功德莊嚴。

(極楽浄土の六鳥とは,白鵠・孔雀・鸚鵡・舎利・迦陵頻伽・共命)
五根とは,解脱を得るための五つの能力,信,動,念,定,慧)
五力とは,個人の中で主導的な力となった上記の五つの能力)
(七菩提分=七覚支とは,悟りを得る為に役立つ七種の行法,念覚支・択法覚支・精進覚支・喜覚支・軽安覚支・定覚支・捨覚支)
(八聖道分=八正道とは,戒(正語・正業・正命),定(正精進・正念・正定),慧(正見・正思惟)
三惡趣=さんまくしゅ,とは,悪業を重ねた人間が死後に趣く3つの下層世界,餓鬼趣,畜生趣,地獄趣)
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聖教電子化研究会仏説阿弥陀経から引用して注釈)




2019年9月12日木曜日

五劫院

五劫院は奈良市北御門町にある華厳宗の寺院。東大寺復興の勧進で有名な重源(1121-1206)が開山した。重要文化財の五劫思惟阿弥陀仏坐像が本尊となっている。今日は特別に拝観させていただいた。

この五劫思惟阿弥陀仏は螺髪が伸びるままにまかせ,アフロヘアーのようになっているのが特徴である。昔の笑福亭鶴瓶というか最近のチコちゃんというか。毎年夏に特別開帳されているが,それ以外のときは予約すれば見ることができる場合もある。

なお,形は東大寺傘下の華厳宗であるが,実質は阿弥陀仏をお祭りしている浄土宗だそうだ。法然の名前が行事予定にあった。


 

写真:五劫院(2019.9.12)

2019年7月22日月曜日

喜光寺(菅原寺)

奈良にある法相宗の別格本山喜光寺は,721年に行基が創建したという説がある。菅原の里につくられたので,当初は菅原寺と名付けられていたが,748年に行幸された聖武天皇によって喜光寺という名前が賜られた。左下の写真のように菅原寺という名札も懸かっている。右下の写真の建物は,行基が東大寺大仏殿を建立する際に十分の一の雛形として建てたとの伝承から「試みの大仏殿」とよばれていると受付の方が説明してくれた。十分の一は長さなのか面積なのか体積なのかよくわからなかった。

写真:喜光寺の本堂1(2019.7.18撮影)

本堂の中には阿弥陀如来,観自在菩薩,勢至菩薩の三尊が治められている。もうすぐ修理に入るらしい。奈良大学に預けられている四天王が里帰りしていた。9月2日まで特別公開されているらしい。奥のお写経道場ではいろは写経ができる。境内では鉢植えの蓮の花がちょうど見頃になっていた。

写真:喜光寺の本堂2(2019.7.18撮影)


2019年5月22日水曜日

他力本願とは

どこかの政治家がまた「他力本願」というキーワードをもちいて,何か発言したのか,他力本願の正しい理解を促すための過去の資料に関するツイートが流れてきた。門徒?なのに自分自身が「他力本願」をちゃんと理解できていませんでした。ごめんなさい。

さて,Wikipediaの知識を切り貼りして構成すると次のようなことになる。
他=阿弥陀如来,力=如来の本願力,本願=仏や菩薩が一切の生あるものを救おうとして悟りを得て仏や菩薩になる前に立てた誓願(誓願が完成することで仏や菩薩になる)。つまり阿弥陀様を信じようというムーブメントなのだった・・・違うか(現時点での俗流理解)。

P. S. 今日は10年に1度だけ開かれるのホーランエンヤ(松江)中日祭である。