2019年9月25日水曜日

宇治拾遺物語

池澤夏樹個人編集の日本文学全集第8巻を読みながら昼寝した。日本霊異記=伊藤比呂美,今昔物語=福永武彦!,宇治拾遺物語=町田康,発心集=伊藤比呂美というラインナップである。

宇治拾遺物語は,今から800年前の説話文学であり,雀の恩返し,わらしべ長者,こぶとりじいさんなどの話が収められている。上記の翻訳では町田康のフィルターがかかって,とても強力な物語となった。無料で現代語訳を読むには,日本古典文学摘集宇治拾遺物語が美しい。

2019年9月24日火曜日

和具臨海学舎

三重県志摩町和具の座賀島に阪大の和具臨海学舎(海の家)があった。調べてみると昭和24年に開設し,平成20年に閉舎となっている。理学部3回生の夏(1974年)に,楠本・藤原・真鍋・柳田諸氏とともに,その海の家で夏の合宿を行った。物理の演習の授業になかなかついていけなくて,皆で学び合いをしたのであった。朝から勉強しながら海に入って昼寝,夕食後また夜に勉強するという大変健康的な生活を送った。管理人さん夫婦に小さな娘さんがいて遊んだりしていた。もしかしてマンドリンクラブでも和具で合宿をしたことがあったのだろうか。座賀島の周りを浮輪につかまって一周したのは誰とだったろうか思い出せない。

画像:google mapより引用(2019.9.24)

2019年9月23日月曜日

ケンプナー級数(2)

(ケンプナー級数(1)からの続き)

Wolfram MathworldのKempner Sereisの項には,ケンプナー級数の具体的な数値が与えられている。というわけで,さっそくJuliaを使って計算してみよう。そうそう,いつの間にか,Juliaは1.2にバージョンアップしている。再帰を使ったコードは次のとおり。

上述のMathworldでは,9を除去した場合のケンプナー級数の収束値が22.92になっているので,10^10個までの範囲でも7割程度の値しか得られていない。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
function core(is,m,x,sum)
#  local e,y::BigFloat
  e=1
  is=is-1
  for k in 1:9
    y=10*x+m[k]
    if(y!=0 && is==0)
      sum=sum+e/y
#      println(y)
    end
    if(is>0)
      sum=core(is,m,y,sum)
    end
  end
  is=is+1
  return sum
end

function kempner(is,id)
#is : depth of recursive call core
#id : figure # to remove from sum
#  local e,a,sum::BigFloat
  e=1
  m=[0,1,2,3,4,5,6,7,8,9]
  m=deleteat!(m,id+1)
  sum=0   
  for i in 1:9
    a=m[i]
    sum=core(is,m,a,sum)
  end
  println(sum)
end

for is in 1:10
    println(is)
    @time kempner(is,9)
end
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
1
4.77184876508206
  0.000109 seconds (60 allocations: 1.344 KiB)
2
6.589720190283038
  0.000105 seconds (61 allocations: 1.813 KiB)
3
8.223084402866208
  0.000134 seconds (60 allocations: 1.641 KiB)
4
9.692867792106203
  0.000408 seconds (60 allocations: 1.641 KiB)
5
11.015650849872554
  0.002865 seconds (59 allocations: 1.313 KiB)
6
12.206153622565859
  0.024687 seconds (60 allocations: 1.641 KiB)
7
13.277605939858102
  0.216985 seconds (212 allocations: 12.234 KiB)
8
14.2419130093833
  1.947383 seconds (210 allocations: 10.734 KiB)
9
15.109789370852864
 17.840434 seconds (211 allocations: 11.078 KiB)
10
15.890878115347133
160.770402 seconds (210 allocations: 10.750 KiB)


比較のため,単純な調和級数の計算コードと所要時間をあげておく。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
function test(n)
    e=1
    m=10^n
      sum=0
    for i in 1:m
      sum=sum+e/i
    end
    println(sum)
end

for i in 1:10
    println(i)
    @time test(i)
end
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
1
2.9289682539682538
  0.000078 seconds (60 allocations: 1.531 KiB)
2
5.187377517639621
  0.000071 seconds (59 allocations: 1.344 KiB)
3
7.485470860550343
  0.000075 seconds (58 allocations: 1.156 KiB)
4
9.787606036044348
  0.000158 seconds (58 allocations: 1.156 KiB)
5
12.090146129863335
  0.000668 seconds (58 allocations: 1.156 KiB)
6
14.392726722864989
  0.005231 seconds (58 allocations: 1.156 KiB)
7
16.695311365857272
  0.050618 seconds (58 allocations: 1.156 KiB)
8
18.997896413852555
  0.520200 seconds (212 allocations: 13.266 KiB)
9
21.30048150234855
  5.296834 seconds (210 allocations: 10.906 KiB)
10
23.6030665949975
 53.307042 seconds (209 allocations: 10.578 KiB)

2019年9月22日日曜日

ケンプナー級数(1)

次の調和級数は発散することが知られている。
$\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} \dfrac{1}{k} = 1 + \dfrac{1}{2} + \dfrac{1}{3}
+ \dfrac{1}{4} + \dfrac{1}{5} + \dfrac{1}{6} + \dfrac{1}{7} + \dfrac{1}{8} + \dfrac{1}{9} +\cdots $
ところが,この級数のうちある数字が含まれる項をすべて取り除いた級数は収束する。この級数をケンプナー級数(kempner series)とよんでいる。

例えば,9を含むをすべて取り除いたケンプナー級数を考える。$n$桁の整数は$9\times 10^{n-1}$個あるが,そのうち9を含むものの総数は次式で与えられる。
$\displaystyle 10^{n-1}+ 8\times 10^{n-2} \times \dfrac{1-\bigl(\dfrac{9}{10}\bigr)^{n-1}}{1-\dfrac{9}{10}} = 9\cdot 10^{n-1} - 8\cdot 9^{n-1}$
$n$が増加するとともに,$n$桁の整数で9を含むものの割合は1に近づくため,ケンプナー級数が発散しないことが期待される。

なお,上記の式は9以外の1〜8についても成立するが,0の場合は,次式に修正される。
$\displaystyle 9 \times 10^{n-2} \times \dfrac{1-\bigl(\dfrac{9}{10}\bigr)^{n-1}}{1-\dfrac{9}{10}} = 9\cdot 10^{n-1} -  9^n$

実際,9を含まない$n$桁の数の逆数の和は,その最小値 $\displaystyle \frac{1}{10^{n-1}}$とその個数$8 \times 9^{n-1}$の積で押さえられるので,その総和は$\displaystyle 8\times \frac{1}{1-\frac{9}{10}} = 80$以下になり級数は収束する(0を含まない数の逆数の和は90以下となる)。

[1]Kempner : A Curious Convergence Series (1914)
[2]倪 永茂:無限級数およびその数値計算について(2014)






2019年9月21日土曜日

ハイパーソニック・エフェクト

BSで放送大学大学院の授業をやっていた。2017年の音楽・情報・脳で,国際科学振興財団上級研究員の河合徳枝先生が,インドネシアバリ島のケチャを題材に話を進めた。ハイパーソニック・エフェクトは非常に興味深いテーマであり,脳の報酬系やトランスの話も含め,SFの材料がごろごろところがっていた。

8 共同体を支える音楽
   音楽・共同体・インターメディア性・全員参加可能性
9 人類の遺伝子に約束された快感の情報
   脳の階層性・報酬系・快感誘起性情報要素・威嚇のシグナル
10 音楽による共同体の自己組織化
   自己組織化・報酬系・ガムラン・ケチャ
11 トランスの脳科学~感性情報は人類をどこまで飛翔させるか
   祝祭・トランスフィールド計測・脳波

大橋力(芸能山城組の山城祥二)が芸能山城組のサイトにハイパーソニック・エフェクトの解説文を載せている。大橋力,仁科エミ,河合徳枝らは,1994年に放送大学学園の紀要に「可聴域上限をこえる高周波の生理的・心理的効果(ハイパーソニック・エフェクト)について」という論文を書いており,このころから研究が進んでおり,バリ島のケチャもその格好の材料となっていた。

2019年9月20日金曜日

920

googleのアイコンが怪しかったので,調べてみたら(自分の)お誕生日マークだった。googleアカウントでログインした状態で使っており,誕生日を登録しているとこうなるようだ。

國雄の命名(祖父の越桐弥太郎による)についての諸説
(1)國(=国家)の英雄になるようにとの希望を込めて。
(2)9月20日生まれだったので語呂合わせで。
(3)実家の郵便番号が920になることを予言した。
(1968年7月に3桁の郵便番号が導入された)

スクリーンショット:googleホームページ(2019.9.20 撮影)


2019年9月19日木曜日

平方ピラミッド問題

京都の烏丸御池にあるNHK京都支局の1Fには8Kビジョンが設置されていて,パブリックビューイングができるが,その横には世界一大きな(?)ドーモ君が鎮座している。ちょうどお月見の季節なので,1+4+9個の月見団子が設置されていた。

このようにピラミッド状にお団子を$\ m \ $段積んでいくとその総数$\ \sum_{k=1}^m k^2\  $が平方数$\ n ^2 \ $になることがある。それは,$\ m=24,n=70 \ $に限られることが証明されている。

石井夕紀子さんによる初等的な証明の解説がある。

2019年9月18日水曜日

三者センターと夏の学校

微分形式の夏からの続き)

当時は(1970年代後半),原子核三者若手夏の学校を運営するために,各大学が分担して三者センター,素粒子準備校,原子核準備校,高エネルギー準備校の4つの役割を割り当てられていた。特に三者センターは会場関係の手配と各パートの調整など最も仕事が多くて大変なため,どの大学もできれば避けたいといった雰囲気が濃厚なのであった。1976年の野沢温泉村の次の夏の学校は,阪大の原子核理論・実験関係のグループが協力してこれを担うことになった。たぶん,野沢温泉村の夏の学校か,あるいは秋の学会でこれを決めたのだと思うが,紆余曲折の末,森田研究室の先輩の西村道明さん(1976年当時D1,後に京セラ)がえいやっと引き受けることを決断したようだ。

1977年の夏の学校は長野県の戸隠中社の民宿群で開かれた。三者センターは民宿きのしたにおかれて,運営に当たる阪大のメンバーはきのしたに集結して宿泊したのだが,下っ端のわれわれM2以下は,何人かずつまとまって周辺の民宿に分散させられた。北大原子核理論の大久保政俊さんと同宿になり,昨年の緊張とはうってかわって,わいわい騒いで楽しんだのだった。

講義や研究会にはちょっと顔を出しただけで,三者センター本部の雑用をして遊んでいたが,買物でおつりを間違えるなど,ろくな役にも立たない学生だった。原子核三者若手の運営でも活躍されていた名大の西岡英寿さん(後に甲南大学,1994年に夭逝)が,奥さんとランニングしていた姿を覚えている。夜,阪大の若手たちで花火だか盆踊りだかを見に行った帰りに,田中万博君(後にKEK)がスターウォーズのこてこての勧善懲悪がおもしろいのであると熱弁を振るっていたのが印象深い。最終日には,原子核実験の先輩の中山信太郎さん(後に徳島大学)と村岡研で同級の佐藤秀明君が民宿きのしたの前庭で,なにやら祭りの後でといった雰囲気でたそがれた会話を交わしていたのだった。

2019年9月17日火曜日

微分形式の夏

わけあって,しばらく微分形式の勉強をしている。

今から43年前の夏。M1だったころ,その年の原子核三者若手夏の学校が,野沢温泉村で開かれた。先輩につれられて夏の学校が何かもわからないまま,草津白根山を観光した後,暗くなってから現地に到着した。各大学の院生たちはばらばらに民宿に割り当てられているので,先輩たちとも離れてポツンと取り残された。原子核実験の先輩の前田和茂さん(東北大学)と同宿で,前田さんは友達の沖花彰さん(京都大学)と良く話していた。その関係で,沖花さんに夜の外湯めぐりにつれていってもらった。後に京都教育大学に勤めるようになった沖花さんはそのことは全く覚えていないとのことだった。

その野沢温泉村のある日の午後,研究会がおわって宿の2階でごろごろしていたら,森田研の同級生の小林正博君が鹿児島大学の素粒子をやっているM1のヒゲのお兄さんと何やら話している。ヒゲのお兄さんは,フランダースの微分形式の理論を読んでいて,これはすごいというようなことをさかんにアピールしていた。当時からあまり勉強していなかった自分は,別にベクトル解析で十分だろうと聞き流していた。しかし,中島慧さんの共変解析力学の定式化の話を目にするにつれ,これはちょっと重要かもしれないと思い,死ぬまでには少しだけ理解したいと考えている。

この夏の学校には,東大有馬研の助手だった久保寺国晴さんが原子核パートの講師として招かれていた。自分たちの研究と関係があったCVCの話や,SCCの現状などを興味深く聞いた。ある日の午後は,講義のない休養日だった。野沢温泉村のプールには原子核素粒子高エネルギーの院生たちが涼を求めて集まっていた。飛び込みプールには10mの飛び込み台もあった。地元の高飛び込みの選手の指導の下,度胸試しで院生の何人かが低いほうから順にチャレンジしていたが,久保寺さんはみごとに10mの高さから足をそろえてきれいに鉛直方向に入水した。

2019年9月16日月曜日

天河大辨財天社

敬老の日の休日なので(実は連日休日なのだ),道の駅吉野路黒滝でおいしい蕎麦(深山そば)を売っているというので,ドライブに出かけたところ,道の駅は入場待ちの行列ができており,10分さきの天川村まで足を伸ばした。

まずは,大峰本宮の天河神社に向った。天河伝説殺人事件は読んだことも映画を見たこともないのだけれど,当時のCMのせいか印象に残っていたので,天河神社の存在はよく認識していた。ところが,妻はそれ何知らないという。そうではなくて,途中に案内があった,丹生川上神社のほうが圧倒的に有名だと主張する。自分はそれ何知らない状態である。調べてみると天河神社は郷社であり,丹生川上神社は旧官幣大社であった。あらら。しかも丹生川上神社の上社はダムに水没させたという。いいのか水神を守る神社にそんなことして。罰があたるぞ。

その後,天川村に1つしかない信号機の横のかどや食堂に入ってアマゴ塩焼き定食とアマゴ甘露煮定食(両方とも安くておいしい)を食べて,これまたすぐ向いの土産物屋の小路の駅「てん」でアマゴの甘露煮をお土産に買った。かどや食堂の亭主夫妻のイラスト入りである。なお,帰りによった道の駅黒滝の深山そばは,人気のため売り切れてしまっていた。



写真:天河神社(撮影 2019.9.16)


2019年9月15日日曜日

iPhone11によせて

石川県立小松高等学校出身の田端信太郎さんが,インターネット個人番組のタバラジで,iPhone11の話をしていた。そう,スマートフォンは完全にコモディティ化したということが再確認された2019年9月10日のApple Special Eventだったね,ということである。要点は,カメラ3つつけて何がうれしいの?2007年のあの感動はどこにいった。しかしそれがすべての製品の必然的運命。次のわくわくさんはなんだろう。以上が内容のまとめであり,1Tweetで表現できそうであるが,ほとんど同意なのだった。

2019年9月14日土曜日

関東大震災とジェノサイド

法被婆酢泥が迫る今日この頃。

東京オリンピック2020は,旭日旗を振り回すだけでなく,無意味なかき氷ばらまきまで行うことになりそうな始末。目も当てられない。毎年9月1日に東京で開かれている関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に3年連続で追悼文を送らずして虐殺否定論者を支援している小池百合子東京都知事は,橋本聖子五輪担当相と口をそろえてオリンピックへの旭日旗の持ち込みを推奨している。

千葉の台風15号停電断水被害を見聞きするにつけ,あらためて関東大震災のときのことを学ばなければと痛感する。加藤直樹(鹿島拾市)の「九月,東京の路上で―1923年関東大震災 ジェノサイドの残響」は,外山恒一がどこかで書いていたからだろうか,買って読んだのだけれど,もうひとつピンと来なかった。

内閣府の防災情報のページには,「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成18年7月1923 関東大震災」があるので,とりあえず,第4章 混乱による被害の拡大の「第1節 流言蜚語と都市」と「第2節 殺傷事件の発生」を読めとどこかにあったような気もしたが,これでは全く不十分なのだと思われる。2003年の日弁連の勧告書「資料 関東大震災人権救済申立事件調査報告書」なども。

[1]関東大震災時の朝鮮人虐殺について参考となる資料・書籍やサイト一覧

2019年9月13日金曜日

奈良公園バスターミナル

奈良公園バスターミナルは,奈良県庁前での観光バスの乗降にともなう交通渋滞を解消するために,奈良県が45億円をかけて県庁横の空き地を整備し,2019年4月13日にオープンした。パーク&ライドの仕組みとあわせて,奈良公園ゾーンへの観光バスやマイカー流入の抑制を図るという趣旨だったが,バスターミナルの利用が当初の予想の半分程度にとどまっている。

ということで,妻と早速現地調査に赴いた。確かにターミナルは混雑しておらず,市の中心部にたいへんここち良い空間が創出されていた。お店の数もかなり限定されていて,どちらかというとイベントや屋上から奈良の緑に触れるための公共施設といった趣ののんびりした奈良的雰囲気でいっぱいだった。あっ,平城宮跡歴史公園鍵・唐古遺跡史跡公園飛鳥歴史公園などもそうだが,この手のパターンの空間が奈良には多いわ。維新に牛耳られた大阪が公共空間である公園を潰しながら商業化を図っているベクトルとはあきらかに違う。

 

写真:奈良公園バスターミナル(2019.9.12撮影)

2019年9月12日木曜日

五劫院

五劫院は奈良市北御門町にある華厳宗の寺院。東大寺復興の勧進で有名な重源(1121-1206)が開山した。重要文化財の五劫思惟阿弥陀仏坐像が本尊となっている。今日は特別に拝観させていただいた。

この五劫思惟阿弥陀仏は螺髪が伸びるままにまかせ,アフロヘアーのようになっているのが特徴である。昔の笑福亭鶴瓶というか最近のチコちゃんというか。毎年夏に特別開帳されているが,それ以外のときは予約すれば見ることができる場合もある。

なお,形は東大寺傘下の華厳宗であるが,実質は阿弥陀仏をお祭りしている浄土宗だそうだ。法然の名前が行事予定にあった。


 

写真:五劫院(2019.9.12)

2019年9月11日水曜日

千葉県台風15号被害

首都圏でこれだけ大きな被害が発生しているが,官邸もマスコミも無視しているかのよう。情報はTwitterだけか。と思ったが,いちおう発信される情報がゼロというわけではなかった。

[1]内閣府:防災情報のページ
[2]国土交通省:災害・防災情報
[3]経済産業省:安全・安心カテゴリー
[4]総務省消防庁:災害情報
[5]千葉市:台風15号の影響による各種情報
[6]千葉県:防災ポータルサイト
[7]NHK:気象・災害ニュース千葉県災害関連情報(NHK少しがんばった)
追伸
[8]防災科学技術研究所:令和元年梅雨期・台風期クライシスレスポンス



2019年9月10日火曜日

盗まれた街

内閣改造のあまりのひどさと,お友達で何が悪いと堂々と開き直るNHKの岩田の話をきいていて,頭がくらくらしてきた。アベちゃんお気に入り極右日本会議統一教会オールスター悪夢内閣。萩生田・衛藤・江藤・高市・西村・小泉・菅原・武田・・・。

昨日のWOWOWの秋のサスペンス月間でやっていた「インべージョン」の原作はジャック・フィニィの「盗まれた街(The Body Snacher 2007)」だ。ハヤカワ・SF・シリーズ(銀背)のトップなので,名前は十分頭にしみ込んでいるが,未読だった。ニコール・キッドマンが主演で母と息子の物語に翻案され,なにやらスプラッター成分もみられる仕上がりだったので,原作の持っている静な恐怖(らしい)とはややかけ離れていたのかもしれない。なお,2007年公開なので,iPhoneはまだ登場していなかった。

この国ももう盗まれてしまっているのだろうか。

2019年9月9日月曜日

徴用工の定義をめぐって

今回の日韓問題の発端となる徴用工という用語の定義について。昨年11月の安倍首相の国会答弁それ自身が不正確な理解(事実誤認)に基づいている可能性があることを,東京大学総合文化研究科地域文化専攻研究の外村大教授が指摘している。他にも論点整理のための貴重な研究ノートがpdfで公開されている。

2018年11月13日 軍需会社法等で「徴用とみなす」ことについて
2018年11月10日 11月1日首相答弁への疑問―日本政府の戦時労務動員政策理解をめぐって
2018年11月10日 「徴用工」の用語は間違いか? 適切か?




2019年9月8日日曜日

OECD国際成人力調査

早川タダノリさんの『「日本スゴイ」のディストピア―戦時下自画自賛の系譜』ではないけれど,このところ,日本すごい番組が巷にあふれている。あるネトウヨの方が,大人の学力は日本が世界一だとおっしゃってて,本当かと思い調べてみた。

確かに,OECD国際成人力調査PIACC:ピアック)の結果が2013年に報告されていた。OECD加盟国等24か国・地域が参加し,16歳~65歳までの男女個人の「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」及び調査対象者の背景(年齢,性別,学歴,職歴など)を調査したものである。調査目的は,成人のスキルの社会経済への影響や,スキルの向上に対する教育訓練制度の効果などを検証し,各国における学校教育や職業訓練など人材育成政策の参考となる知見を得ることのようだ。

その結果,日本の順位は,読解力1位,数的思考力1位,ITを活用した問題解決能力10位であった。2021-2022年には第2サイクルの調査が始まる予定である。

一方,2004年度の科学技術白書では,科学技術基礎概念の理解度の国際比較調査の結果が示されていた。日本,米国やEUなど西欧の17カ国が対象であり,日本は13位であった。

2019年9月7日土曜日

日韓関係の悪化を招いた責任

外務省に25年勤め,東大教養学部に出向した後,日本大学法学部教授,明治学院大学国際学部教授,広島市立大学広島平和研究所所長などを歴任した浅井基文さんのブログ「21世紀の日本と国際社会」は貴重な論考の集まりだ。

2019年8月25日の記事「引きこもり国家」へと進む日本(ハンギョレ文章)が「世に倦む日々」で紹介され一部で話題になった。「今日の日韓関係の悪化を招いた責任は全的に安倍政権にあることについての私の理解をお話しします」ということで,明解に今の状況を分析している。一読の価値がある。

P. S.  田中宏和の「世に倦む日々」は毀誉褒貶も激しいのだけれど,ときどきは新鮮な切り口を見せてくれる。9月4日の「開戦と戦時」にはドキッとした。



2019年9月6日金曜日

徴用工判決をめぐって

2018年の11月5日に「元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明」が出されている。

その内容は,いたってシンプルであり納得できるものだ。
1 元徴用工問題の本質は人権問題である
2 日韓請求権協定により個人請求権は消滅していない
3 被害者個人の救済を重視する国際人権法の進展に沿った判決である
4 日韓両国が相互に非難しあうのではなく,本判決を機に根本的な解決を行うべきである

しかし,日本中の多くの人々は政府の説明(国どうしの約束は守らなければならない)のほうを支持しているようだ。