2020年11月6日金曜日

接戦

これは見かけの接戦なのか,そうでないのかは結論が出るまでわからない。NHKや民放はアメリカのメディアが中断したり警告の注釈をつけているトランプの記者会見というデマゴギーをそのまま垂れ流しており(後に微修正),twitterでも日本の親政府ネトウヨ群がトランプ支持のデマを大量に拡散している。

Googleで大統領選挙を検索するとAP通信のデータがみられる。これは現時点でのバイデンの勝利をほぼ予測しているが,開票が完全に終わっていないのでまだ予断を許さない。いくつかのモデルで接戦パターンをあげてみたが,アリゾナ,ネバダ,ジョージア,ペンシルバニアをすべてバイデンが取ってしまえば,バイデン306:トランプ232という大勝の結果もないわけではない。

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州記号RepDemRepDem州記号RepDemRepDem州記号RepDemRepDem州記号
AL99AL99AL99AL
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2020年11月5日木曜日

国立工芸館

2020年10月25日に国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)が,金沢市出羽町にオープンした。東京の千代田区北の丸公園にあった,旧・東京国立美術館工芸館が移転したものである。

旧館は,明治43年に陸軍技師・田村鎮(やすし)の設計により建てられた近衛師団司令部庁舎を美術館仕様に改修したものである。谷口吉郎(よしろう)が展示室の設計をして内部の改装を行い,1977年に東京国立近代美術館工芸館として開館した。

谷口吉郎(1904-1979)は金沢市出身であり,なにやら因縁めいたている。そういえば,寺町5丁目には谷口吉郎・吉生記念金沢建築館もあるのだった。愛知県の犬山にある明治村の創設に谷口吉郎が関わっている関係で,金沢建築館と明治村は交流協定を結んでいる


図:国立工芸館とその周辺(石川県のウェブサイトより引用)

2020年11月4日水曜日

選挙人

 11月3日が2020年アメリカ合衆国大統領選挙の当日であり,日本時間の11月4日に開票速報が順次届いている。この大統領選挙は,総取り方式(メイン州とネブラスカ州は別のルールによる)の選挙人団を選ぶことによる間接選挙である。選挙人の数は,各州に与えられた上院議員の数(2人×50州=100人)と下院議員の数(435人≒人口75万人に一人程度)とワシントンD.C.の3人を加えた538人が総数となっている。269人が半数なので,賛否同数の場合は下院で決めるとのこと。

人口3950万人のカリフォルニア州の55人が最多で,テキサスが38人,フロリダとニューヨークが29人,イリノイとペンシルバニアが20人と続く。人口が100万人程度以下で選挙人数が最低の州(ワイオミング,バーモント,アラスカ,ノースダコタ,サウスダコタ,デラウェア,モンタナ)とワシントンD.C.では3人となっている。日本とは違い,人口に比例してこまめに定数が変更されている

選挙人という概念は抽象的な数なのか,実際の人が対応するのかということが疑問だったが,実際の人の集団である選挙人団が誓約書を出していることを前提として,いずれかの選挙人団に投票しているらしい。具体的な人が張り付いていることによる誓約違反があるのではないかと心配だが,実際にあるようで,そのための罰則規定や選挙人の差し替えルールが整備されている州もある。


2020年11月3日火曜日

文化功労者

 菅首相と関係の深いぐるなび(Go To イートでもおなじみ)創業者で実業家の滝久雄が「パブリックアート」というふれこみで2020年度の文化功労者に選ばれている。彼は広告代理店エヌケービー取締役会長・創業者をつとめているが,伊藤詩織さんの準強姦事件の当事者である山口敬之を事件後の資金提供のためにエヌケービーの顧問として抱えていたことがある。これは当時の官房長官であった菅の口添えによるらしい。

文化功労者に,学術や芸術にたずさわるもの以外が選ばれることがあるのかと,Wikipediaの文化功労者の一覧を眺めてみる。日本国憲法第14条により文化勲章には年金などの特権はつけられない。これを回避するために,1951年に文化功労者年金法が設けられ,文化功労者の制度が発足した。2020年までの70年間で907人が選ばれている。このうち51%の467人が学術関係,45%の406人が芸術関係,残りの34人がスポーツその他であり,まったくないわけではない。

発足時の1951年に34名,2年目の1952年に16名,1953年から1987年までは毎年10名の文化功労者が選ばれてきた。その後竹下内閣時代に13名が2年続き,1990年以降2017年まではほぼ15名で推移してきた。ほぼと書いたのは,ノーベル賞の受賞者が発表されたことで,1,2名のプラスが必要な年があったからだ。2018年に18名,2019年に20名,2020年に21名と最近急にインフレが起こったと同時に,「その他」枠の微妙な運用が始まっている。

スポーツも文化だといえばそうなのもしれない。その他のうち18名はスポーツ関係である。その最初は,1955年の平沼亮三(スポーツ振興)や1961年の三船久蔵(柔道)であった。一方,実業家で芸術関係のパトロンであった人や純粋な実業家も選ばれている。1955年に松竹の大谷竹次郎(演劇振興),1973年の田中角栄時代に鹿島守之助(経営)・・・経営も文化なのかもしれない・・・。1989年の竹下内閣で井深大(電子技術),技術者と考えれば他にも数人該当するのでここは個人的には納得(テキトー)。1995年に再び松竹の永山武臣(経営),こんどはこうきたか。まあ,歌舞伎は松竹が持っているので仕方ないかもしれない(テキトー)。

そしていよいよ2018年になって,文化振興で茂木友三郎福原義春とくる。かりにここまではなんとか理解できたとしても,2019年の笹川陽平(文化振興他),渡辺美佐(文化振興),2020年の酒井政利(音楽文化振興),鈴木幸一(文化振興)そして滝久雄とイケイケになってきている。滝久雄を文化振興ではなくパブリックアート1% FOR ART)というキーワードで埋め込もうとしているのが気持ち悪い。ベネッセと吉本興業の経営者が登場する日も近い。

日本国憲法
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

文化功労者年金法
第一条 この法律は、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者(以下「文化功労者」という。)に年金を支給し、これを顕彰することを目的とする。
第二条 文化功労者は、文部科学大臣が決定する。
2 文部科学大臣は、前項の規定により文化功労者を決定しようとするときは、候補者の選考を文化審議会に諮問し、その選考した者のうちからこれを決定しなければならない。
第三条 文化功労者には、終身、政令で定める額の年金を支給する。

文化功労者年金法施行令
第一条 文化功労者年金法第三条第一項の規定による年金(以下「年金」という。)の額は、三百五十万円とする。




2020年11月2日月曜日

セーフ

 NHKの開票速報をみていたところ,最初のうちこそ賛成と反対が同数の状況が続いていたが,やがて,賛成が5000票リードということになったので,あ,こりゃあかんわと早々にあきらめていた。ところが,突然,維新が負けたみたいよという声がして,あわててNHKの画面をみれば,数字は賛成有利のまま,説明とテロップは反対多数に決定という・・・,ええーっである。政令指定都市の大阪市が無事に生き延びるのことができて安堵の胸をなでおろす。

2015年5月17日「大阪市における特別区の設置についての投票

2020年11月1日「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票

区名有権者数(人)区割り案賛成-反対2020-2015有権者比
淀川区147,927淀川区8,727-936-0.6%
北区108,914北区8,518-2,500-2.3%
西区82,132中央区3,798-3,136-3.8%
福島区63,570北区3,010-1,309-2.1%
都島区86,332北区2,953-511-0.6%
鶴見区90,002北区1,2871,1801.3%
中央区81,945中央区952-2,727-3.3%
浪速区53,605中央区859-515-1.0%
城東区139,191北区855-89-0.1%
東淀川区142,532淀川区487-1,561-1.1%
東成区65,728北区-331-353-0.5%
西成区85,367中央区-6492,8663.4%
住之江区100,154中央区-1,6882,0082.0%
天王寺区60,918天王寺区-1,8116771.1%
生野区85,380天王寺区-1,9431,8512.2%
此花区54,302淀川区-2,125-850-1.6%
大正区54,058中央区-2,3672,1984.1%
西淀川区78,626淀川区-2,5402,1272.7%
旭区75,537北区-2,7712,1322.8%
東住吉区109,054天王寺区-3,694-451-0.4%
港区66,677淀川区-6,036-4,095-6.1%
阿倍野区89,539天王寺区-6,236-4,224-4.7%
住吉区126,173中央区-8,045-718-0.6%
平野区158,067天王寺区-8,3772,5101.6%
大阪市合計2,205,730-17,167-6,426-0.3%

前回は1万人の僅差であったが,今回も1.7万人の僅差で大阪市廃止が阻止された。西成区や大正区では賛成-反対が増え,西区,中央区,港区,阿倍野区では賛成-反対が減った。

[1]11月1日「都構想」否決。私たちの未来は?(大石あきこ)

2020年11月1日日曜日

来寧

 各地との往来の慣用表現については,二字熟語による往来表現の一覧としてWikipediaにまとめられている。石川県はないが,金沢には「来沢」や「帰沢」がある。大阪は「来阪」や「帰阪」だけれど,大阪市が廃止されても,大阪府だからいいことにするのかしら。

奈良は,「来寧(らいな・らいねい)」や「帰寧」で,「寧楽(なら)」等と表記されたことに由来するとある。そう,奈良市には依水園・寧楽(ねいらく)美術館というものあったか。

2020年10月31日土曜日

学会声明

 津田大介さんが日本学術会議問題での学会声明をまとめていたが,500学協会(会長,理事会等からのものを含む)くらいから声明がでているとのことだ。インターネットでざっと検索したところ,250くらいは見つかった。しかし,工学系学会,医学系学会,スポーツ系学会からごく一部を除いて全く出ていなかった。日本天文学会([0]の97学協会には含まれている)にも学術会議批判派がいたため,産経新聞やネトウヨメディアなどでさっそく重用されていた。以下は完全なリストではないので注意すること。

日本学術会議 第25期 幹事会 記者会見資料(2020.10.29) http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo302-kaikenshiryo.pdf 

[0]日本学術会議 第25期推薦会員任命拒否に関する緊急声明(97学協会,2020.10.21)
https://www.jps.or.jp/information/docs/seimei_scj20201021.pdf
[1]日本科学史学会 会長声明「日本学術会議新会員候補6人の任命拒否について」
https://historyofscience.jp/blog/2020/10/13/会長声明%E3%80%80「日本学術会議新会員候補6人の任命/
[2]日本18世紀学会 政府による日本学術会議新会員任命拒否についての声明
https://www.jsecs.jp/post/20201007
[3]日本イスパニヤ学会 第25期日本学術会議新規会員の任命拒否に抗議し、同会議の要望を支持する声明
http://www.gakkai.ne.jp/ajh/sobre_nosotros/25.html
[4]科学技術社会論学会 内閣総理大臣による第25期日本学術会議会員候補の任命拒否について
http://jssts.jp/content/view/313/70/
[5]イタリア学会 日本学術会議会員任命拒否についてイタリア学会による声明
http://studiit.jp/pdf/声明文(理由付き).pdf
[6]ジェンダー法学会 緊急声明:日本学術会議第25期新規会員任命に関する要望を支持する
http://jagl.jp/?p=1055
[7]人文地理学会 日本学術会議第25期新規会員任命にかかわる声明
http://hgsj.org/news/20201012seimei/
[8]日本社会福祉学会 「日本学術会議の新会員推薦6名の内閣総理大臣による否認」に関する会長声明文
https://www.jssw.jp/activity/statement/
[9]社会政策学会 日本学術会議会員候補の任命拒否に対する声明
https://jasps.org/wp/wp-content/uploads/2020/10/学術会議問題学会声明文20201024.pdf
[10]美学会 日本学術会議会員任命拒否に関して
http://www.bigakukai.jp
[11]「女性・戦争・人権」学会 日本学術会議会員候補の任命拒否に対する抗議声明
https://www.war-women-rights.com/アピール/2020年/日本学術会議会員候補の任命拒否に対する抗議声明/
[12]日本特別ニーズ教育学会 日本学術会議新規会員候補の任命拒否に関する抗議声明
https://www.sne-japan.net/gakujutukaigi-seimei
[13]日本教育学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明
http://www.jera.jp/20201007-1/
[14]日本教育経営学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する声明
http://jasea.jp/news/「日本学術会議第25期新規会員任命に関する声明」/
[15]日本教育方法学会 日本学術会議の新会員候補者6名の否認問題に関する声明
https://www.nasem.jp/site/wp-content/uploads/2020/10/d6ddb2f07092cbf61249eeb0ae399f4d.pdf
[16]日本生命倫理学会 日本生命倫理学会は、日本学術会議の要望書の趣旨に賛同いたします
https://ja-bioethics.jp/news/2226/
[17]日本学校教育学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明について
http://www.jase.gr.jp/日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明/
[18]社会主義理論学会 菅内閣の第25期日本学術会議の一部会員任命拒否に対する抗議声明
http://sost.que.jp/myweb_004.htm
[19]教育史学会 日本学術会議への政治介入に関わる教育史学会理事会声明
http://kyouikushigakkai.jp/info/2020/1005112318
[20]日本教師教育学会 日本教師教育学会声明
https://jsste.jp/index.php/download_file/view/551/515/
[21]日本宗教学会 日本学術会議新規会員の任命拒否問題に関する声明
http://jpars.org/archives/4510
[22]日本建築学会 日本学術会議に関する緊急声明
https://www.aij.or.jp/jpn/databox/2020/201013Seimei.pdf
[23]日本アフリカ学会 JCASAによる日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明
https://african-studies.com/jaas-news/20201021/
[24]日本経営学会 日本学術会議会員候補の任命拒否に対する声明
http://keiei-gakkai.jp/wp-content/uploads/2020/10/201014seimeibun.pdf
[25]経済理論学会 政府による日本学術会議への介入強化に対する抗議声明
https://jspe.gr.jp/ja/node/187
[26]日本平和学会 日本学術会議会員任命拒否に関する緊急声明
https://www.psaj.org/論説-声明/日本学術会議緊急声明/
[27]日本時間学会 第25期日本学術会議新会員任命拒否に対する声明
http://timestudies.net/?page_id=1459
[28]日本認知心理学会 日本学術会議の推薦会員任命拒否に関する声明
http://cogpsy.jp/wp/wp-content/uploads/gakujutsukaigi_seimei_cogpsy.pdf
[29]日本地理学会 日本学術会議会員推薦者の任命拒否に関する声明文
https://www.ajg.or.jp/wp-content/uploads/2020/10/b0cded3345db9cfe01571ff9b13026b0.pdf
[30]法制史学会 日本学術会議第25期新規会員任命問題に関する声明
https://www.jalha.org/jimukyoku/
[31]仏教文学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する声明
http://bukkyoubun.jp/statement/2020.html
[32]説話文学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する声明
http://www.setsuwa.org/announcement2.html
[33]明治維新史学会 日本学術会議問題に関する明治維新学会理事会声明
http://www.ishinshi.jp/wordpress/?p=1153
[34]日本EU学会 日本学術会議第25期新規会員6名の任命拒否に関する声明
http://www.eusa-japan.org/?p=3337
[35]日本フランス語教育学会 日本学術会議会員任命拒否に対する日本フランス語教育学会声明
https://sjdf.org/blog/2503
[36]社会事業史学会 内閣総理大臣による第25期日本学術会議会員候補の任命拒否に対する抗議声明
http://shakaijigyoushi-gakkai.com
[37]日本女性学会 日本学術会議会員任命拒否に関する声明
https://joseigakkai-jp.org/appeal/1569/
[38]日本家政学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する声明
http://www.jshe.jp/oshirase.html
[39]日本美術教育学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明
http://www.aesj.org/nc2/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=486
[40]こどもと自然学会 日本学術会議第25期 新規会員任命に関する緊急声明
https://kodomotosizen.jimdofree.com
[41]幼児教育史学会 日本学術会議 第25期新規会員任命に関する緊急声明
https://youjikyoikushi.org
[42]日本福祉教育・ボランティア学習学会 会長声明「第25期日本学術会議の会員任命にあたって」
http://www.jaass.jp/archives/1181
[43]日本生活指導学会 菅首相による日本学術会議会員の任命拒否に関する声明
http://jasg.m47.coreserver.jp/main/2020/10/05/菅首相による日本学術会議会員の任命拒否に関す/
[44]日本教育社会学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明
http://www.gakkai.ne.jp/jses/2020/10/07190000.php
[45]日本環境教育学会 日本環境教育学会会長声明
https://jsfee.jp/general/message-from-president/436
[46]日本カリキュラム学会 日本学術会議新規会員任命拒否に関する声明
http://jscs.b.la9.jp/news/doc/201006_statement.pdf
[47]大学評価学会 菅首相による日本学術会議会員の任命拒否に関する声明
http://www.unive.jp/seimei/seimei_20201012.pdf
[48]大学教育学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する大学教育学会からの緊急声明
https://daigakukyoiku-gakkai.org/site/wp-content/uploads/2020/10/urgent_statement2020.pdf
[49]教育哲学会 「日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明」について
http://pesj.matrix.jp 
[50]教育思想史学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明
http://www.hets.jp/seimei20201006.pdf 
[51]教育史学会 日本学術会議への政治介入に関わる教育史学会理事会声明
http://kyouikushigakkai.jp/info/2020/1005112318
[52]日本アニメーション学会 第25期日本学術会議新規会員6名の任命拒否に関する抗議声明
https://www.jsas.net/archives/906
[53]日本歴史学協会 菅首相による日本学術会議会員の任命拒否に強く抗議する(声明)(日本歴史学協会他 38学協会)
http://www.nichirekikyo.com/statement/statement20201018.html
[54]日本社会学理論学会 日本学術会議新規会員任命拒否についての声明
http://sst-j.com/?p=681
[55]工業経営研究学会 日本学術会議会員候補の任命拒否に対する声明
http://asimj.jp/wordpress/?p=2800
[56]日本教育法学会 日本学術会議会員候補者任命拒否問題に関する会長声明
http://jela1970.jp/statement20201017.pdf
[57]日本生活学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する声明
http://lifology.jp/2020/10/17/202010statement/
[58]日本弁護士連合会 日本弁護士連合会 日本学術会議会員候補者6名の速やかな任命を求める会長声明
https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2020/201022.html
[59]日本障害者協議会 日本学術会議への人事介入に対する声明
http://www.jdnet.gr.jp/opinion/2020/201013.html
[60]萬葉学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する声明
http://manyoug.jp/news/日本学術会議第25期新規会員任命に関する声明
[61]日本オーラル・ヒストリー学会 日本学術会議会員任命拒否についての理事会声明
http://joha.jp/council/1050
[62]日本自然保護協会・日本野鳥の会・世界自然保護基金ジャパン 自然保護の観点から日本学術会議会員の任命拒否に抗議する声明
https://www.wbsj.org/inform/info-20201013-2/
[63]日本オリエント学会 日本学術会議会員の任命問題に関する声明
http://www.j-orient.com/info/seimei_20201015/
[64]日本中央アジア学会 日本学術会議会員任命拒否問題に関する声明
http://www.jacas.jp/seimei2020.pdf
[65]日本学校ソーシャルワーク学会 日本学術会議の新規会員候補の任命拒否に関する学会声明
https://www.jssssw.jp/images/20201016.pdf
[66]日本有機農業学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する声明
https://www.yuki-gakkai.com/2020/10/第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する声明/
[67]日本キリスト教史学会 日本学術会議推薦拒否問題について
http://www.kirishin.com/2020/10/13/45656/
[68]日本基督教学会 日本学術会議第25期新規会員任命拒否に関する声明文
http://www.kirishin.com/2020/10/13/45656/
[69]日本リメディアル教育学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明
http://www.jade-web.org/info/「日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声/
[70]日本村落研究学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する声明
https://www.rural-studies.jp/seimei20201009.pdf
[71]社会文化学会 日本学術会議新会員に対する任命拒否に抗議し撤回を求める
https://japansocio-culture.com/declaration/declaration_20201008/
[72]国際ジェンダー学会 日本学術会議第 25 期会員候補者 6 名の任命見送りに関する抗議声明
http://www.isgsjapan.org/pdf/201006_protest.pdf
[73]日本フェミニスト経済学会 日本学術会議会員候補の任命拒否に対する声明
http://jaffe.fem.jp/statement2020
[74]女性労働問題研究会 「日本学術会議」への学問の自由を侵害する政府の介入に抗議します
http://ssww.jp/wp-content/themes/hpb20S20191212172431/img/file7.pdf
[75]日本スポーツとジェンダー学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する要望を支持する
https://jssgs.org/archives/3182 
[76]日本ジェンダー学会 緊急声明:日本学術会議第25期新規会員任命に関する要望を支持する
https://jp-gender.jp/wp/
[77]日本土壌肥料学会 日本学術会議「第25期新規会員任命に関する要望書」を支持する声明
http://jssspn.jp/info/secretariat/20201015.html
[78]日本昆虫科学連合 日本学術会議第25期新規会員任命に関する要望書の内容を支持する声明(17学協会)
http://www.insect-sciences.jp/ja/
[79]日本社会学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する声明
https://jss-sociology.org/news/public/council/20201005post-10909/
[80]日仏社会学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する声明
https://nichifutsu-socio.com/news/post-1438/
[81]日本青年心理学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する意見表明
https://www.jsyap.org/post/日本学術会議第25期新規会員任命に関する意見表明
[82]国際芥川龍之介学会 日本学術会議会員任命拒否に関する声明
https://akutagawagakkai.web.fc2.com/seimei.pdf
[83]日本政治学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する声明
http://www.jpsa-web.org/2020/10/25.html
[84]日本森林学会 第25期日本学術会議新規会員の任命に関する声明
https://www.forestry.jp/activity/dir-info/25.html
[85]経済学史学会 日本学術会議会員候補6名の任命拒否に対する経済学史学会幹事会声明
https://jshet.net/news/whats/seimei/
[86]日本地域福祉学会 会長声明
http://jracd.jp/file/20201001_kaityoseimei.pdf
[87]日本図書館情報学会 声明
https://jslis.jp/2020/10/21/statement/
[88]日本言語学会 日本学術会議「第25期新規会員任命に関する要望書」についての声明
http://www.ls-japan.org/modules/news/details.php?bid=589
[89]経済地理学会 日本学術会議第25期新規会員推薦者の任命拒否に対する声明
https://www.economicgeography.jp/20201011/2575/
[90]比較経済体制学会 日本学術会議会員任命拒否に抗議する緊急声明
http://www.jaces.info/info_files/201019_seimei.pdf
[91]日本協同組合学会 日本学術会議会員候補の任命拒否に対する声明
https://www.coopstudies.com
[92]日本社会教育学会 ⽇本学術会議第25期会員候補者任命に関する声明
https://www.jssace.jp/blogs/blog_entries/view/42/972830da350c1798e59d8bde627e9016?page_id=958
[93]表現文化論学会 第25期日本学術会議新規会員の任命拒否に抗議する学会声明
https://www.repre.org/news/2020/10/6/
[94]昭和文学会 日本学術会議推薦候補任命拒否に関する学会としての対応について(第二報)
http://swbg.org/wp/?p=1773
[95]社会思想史学会 日本学術会議推薦者の任命拒否についての声明
http://shst.jp/gakujutsukaigi-ninmei-seimei/
[96]全日本民主医療機関連合会 日本学術会議会員候補の任命拒否に抗議し撤回を求める
https://www.min-iren.gr.jp/?p=41288
[97]日本映像学会 日本学術会議会員推薦者の任命拒否に関する抗議声明
https://jasias.jp/archives/7609
[98]政治経済学・経済史学会 日本学術会議第 25 期会員候補の選任に関する声明
https://seikeishi.com/wp-content/uploads/2020/10/日本学術会議第25期会員候補の選任に関する声明.pdf
[99]関西社会学会 日本学術会議会員任命拒否に対する声明
https://www.ksac.jp/2020/10/05/日本学術会議会員任命拒否に対する声明/
[100]日本地方自治学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する緊急声明
http://www.jaslg.org/06/kinkyu_seimei_20201008.html
[101日本ポピュラー音楽学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する声明
https://www.jaspm.jp/?p=3213
[102日本NPO学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する日本NPO学会理事会声明
https://janpora.org/news/201006.html
[103日本フランス語フランス文学会 政府による日本学術会議新会員任命拒否に対する声明文
http://www.sjllf.org/jokrhybjo-261/
[104日本犯罪社会学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する会長声明
http://hansha.daishodai.ac.jp/topics/seimei.html
[105ジェンダー史学会 日本学術会議第25期新規会員任命拒否に関する声明
http://ghaj.jp
[106]日本労働社会学会 日本学術会議会員候補の任命拒否に対する抗議声明
https://jals.jp/blog/?p=743
[107日本パグウォッシュ会議 日本学術会議会員任命拒否に関する声明
https://www.pugwashjapan.jp/seimei-20201004
[108日本文化人類学会 第25期日本学術会議新規会員任命拒否に対する緊急声明
http://www.jasca.org/news/scj.html
[109]日本法哲学会 日本学術会議会員任命拒否問題に対する声明
http://www.houtetsugaku.org
[110日本宗教系諸学会連合 日本学術会議新規会員の任命拒否について(18学協会)
http://jfssr.jp
[111日本哲学系諸学会連合 日本哲学系諸学会連合(JFPS)共同声明(10学協会) http://philosophy-japan.org/wpdata/wp-content/themes/child/file/jfps_joint_statement.pdf
[112]上代文学会 抗議声明
[113]日本近代文学会 「日本学術会議」に対する政治介入に抗議し、会員任命拒否の撤回を求めます
[114中世文学会 日本学術会議第25期新規会員任命に関する要望
[115日本近世文学会 日本学術会議会員任命拒否に関する見解
[116]日本社会文学会 「日本学術会議」に対する政治介入に抗議し、会員任命拒否の撤回を求めます
[117日本文学協会 日本学術会議第25期新規会員任命拒否にかかわる緊急声明
[118全国大学国語国文学会 日本学術会議第25期会員任命に関する声明
[119]日本思想史学会 日本学術会議会員任命に関する声明
[120]民主主義科学者協会 日本学術会議会員の違法な任命行為に抗議し、直ちにその是正を求める
http://minka-japan.sakura.ne.jp/main/wp-content/uploads/2020/10/e2924bfbbdbab1b6ab381f716da0c11a.pdf
[121]現代歌人協会 日本学術会議の新会員任命拒否に反対する声明
[122]日本考古学協会 日本学術会議会員任命をめぐる問題に関する声明

2020年10月30日金曜日

幻想の未来

手元にある筒井康隆の「幻想の未来 」(角川文庫)は1971年の文庫初版だった(山下洋輔の解説だ)。それまでは,ハヤカワ・SF・シリーズ(1957-1974)等に閉じ込められていた日本のSFが,大出版社の文庫本を通じて拡散していく過程の嚆矢となったもののうちの一冊だ。その後「アフリカの爆弾」や「にぎやかな未来」と続いていった。「幻想の未来」が寺町大通りに出たところの藤沢書店に並んだのを見つけたときは,欣喜雀躍で早速購入したのを憶えている。

「幻想の未来」は筒井康隆の若書き(1968年)の中編だ。Ⅰ 前意識期−後期,Ⅱ 分意識期−前期,Ⅲ 分意識期−中期,Ⅳ 分意識期−後期,Ⅴ 汎意識期−前期,Ⅵ 汎意識期−後期,Ⅶ 静生代−合意期,というサブタイトルに比べて,中身はとっ散らかっている。それでもこの当時は楽しく読んだし,未来を夢見ることができた。

2020 大阪市廃止特別区設置住民投票(11月1日)・アメリカ大統領選挙(11月3日)
2021 名古屋市長選挙(4月23日)・衆議院議員総選挙(10月21日までに)
   東京オリンピック(7月23日〜8月8日)・東京パラリンピック(8月24日〜9月5日)
  (大阪市廃止を勲章として橋下が国政に乗り出し,竹中平蔵や高橋洋一と日本会議を
   組み込んだ,維新・菅自民連立政権が成立するのが最悪のシナリオか。その過程
   で国内の言論や表現の自由度は一層低下して,反知性主義とヘイトと分断が日常化。
   トランプ再選が組み合わされ日本の憲法改正・核武装や中国との武力衝突も視野に)
2022 第26回参議院議員通常選挙(7月22日)
2023 大阪府知事選挙・大阪市長選挙・大阪府議会議員選挙(4月7日)・堺市長選挙(6月9日)
2024 愛知県知事選挙(2月3日)・東京都知事選挙(7月5日)・アメリカ大統領選挙(11月)
2025 特別区設置(1月1日)・第27回参議院議員通常選挙(7月28日)

2020年10月29日木曜日

大阪市廃止まであと3日

かつて大阪市に本部のあった大学で学び,大阪市にある大学に勤務していたものとして,大変残念な事態に至っている。

2008年にあの橋下徹を大阪府知事に担ぎ上げたがために,2010年には大阪維新の会が結成されてしまった。その後,公明党の寝返りによって大阪市廃止・特別区設置住民投票が実施されたが,2015年5月17日の住民投票によってこれは否決された。

否決を受けて「もう二度とやらない」といった橋下の舌の根もに乾かないうちに,2015年11月の大阪府知事・大阪市長ダブル選挙で松井・吉村が当選してしまう。そして,2019年4月の統一地方選挙に立場を入れ替えた吉村・松井が再び当選したことによって公明党が完全に賛成側に回わり,ついに2020年11月1日の2回目の住民投票を迎えることになる。

「大阪都構想」賛否真っ二つ…“市消滅”なら大阪はもうダメかもしれない(大前治,弁護士,2020.10.23)

記者座談会 大阪市廃止仕掛ける黒幕は誰か 外資や財界の代理人・維新(長周新聞,2020.10.24)*

「大阪都構想」で大阪市民は大損する…これは時代遅れの構想だ(左藤章,自由民主党衆議院議員,2020.10.26)

大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算(毎日新聞,2020.10.26)

いわゆる「大阪都構想」についての大阪市民の理解度に関する調査結果 〜都構想の制度内容等を、賛成派ほど誤って認識している〜(京都大学レジリエンス実践ユニット,2020.10.27)*

「大阪都構想」は世紀の愚策…いよいよ大阪が「終わる」かもしれない(畑中章宏,作家,2020.10.28)

大阪都構想「1.1兆円の財政効率化」に実現可能性なし(幸田泉,作家,2020.10.29)

大阪都構想で“敵認定”された「大阪の公務員」、彼らが語った「やりきれぬ思い」(松本創,ノンフィクション・ライター,2020.10.29)



*追伸 2020.11.1

2020年10月28日水曜日

IPSJ MOOC

2022年度から実施される高等学校の必履修科目「情報I」にプログラミングが導入されることから,情報処理学会が教員研修や授業で利用できる動画教材(IPSJ MOOC)を順次公開している。文部科学省が「高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材」を公開していて,この第3章,第4章に準拠しているようだ。

教育用のプログラミング言語としてはpythonを用いている。50年前のFORTRAN,BASICから始まり,CやPascalを経由してJavaやJavascriptをかすめながらここに至っている。自分のgoogleアカウントでGmailにログインした後,Google Colaboratory で学習することになっている。

2020年10月27日火曜日

多核種除去設備等処理水

蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具みたいな用語である。

 多核種除去設備等処理水(ALPS処理水,ただし処理しきれなかった核種を含む)のことをトリチウム水とよんで,よってたかって安全だというのがキクマコらの手口。おしどりマコが「【福島第一】測定員不足、計器故障、二次処理の実験もされないまま議論は大詰めに【ALPS処理水】」で,細野豪志のデマを叩き潰していた(時間順序はべつとして)。

トリチウムのベータ崩壊は,ニュートリノ質量の問題でも馴染み深い遷移だ。大阪教育大の1999年の物理の入試問題でも出題したことがある。1970年代に設置された富山大学トリチウムの研究センター(現在の水素同位体科学研究センター)の記事を読んだ当時から,トリチウムの安全な取り扱いは非常に難しいものだという印象を持っていた。トリチウムのベータ崩壊は半減期が12.3年で,ベータ線の最大エネルギーが18.6 keVだけれど,生体分子の水素と置き換わる可能性があるからだ。ところがいつの間にか安全な核種の代表みたいな触れ込みになってしまった。

おしどりマコのいうように実は敷地内に貯蔵タンクの設置可能な場所がまだ十分あるのならば,これを37年貯蔵して放射能を1/8にしてから(他の核種で汚染されていないものを)順次放出ということもあるのかもしれないがどうなのだろう。

一方,炭素年代測定でおなじみの,14C(半減期が5730年で,ベータ線の最大エネルギーは156keV)もALPSで除去できていないらしい。これも大阪教育大の2001年の入試問題で出題した。超微細状態からのミューオン捕獲でも取り上げた核種だ。

2020年10月26日月曜日

市制

現在ある「市」という自治組織は,1888年(明治22年)に公布された市制によってスタートしている。1889年に市制が施行されたのは次の40市(東京,京都,大阪,堺,横浜,神戸,姫路,長崎,新潟,水戸,津,名古屋,静岡,仙台,盛岡,弘前,山形,米沢,秋田,福井,金沢,富山,高岡,松江,岡山,広島,赤間関(現下関),和歌山,徳島,高松,松山,高知,福岡,久留米,熊本,鹿児島,佐賀,岐阜,甲府,鳥取)である。

この時点で,札幌,青森,福島,宇都宮,前橋,千葉,浦和,大宮,長野,松本,大津,奈良,山口,宮崎,那覇などはまだ市ではない。例えば奈良は人口2万4千人の奈良町(町村制)だ。なお,市制・町村制に連動する府県制は1890年に施行されている。

なお,Wikipediaによれば,1888年12月31日の人口は以下の通り。
1 東京市 東京府 1,389,684
2 大阪市 大阪府 476,271
3 京都市 京都府 279,792
4 名古屋市 愛知県 162,767
5 神戸市 兵庫県 135,639
6 横浜市 神奈川県 121,985
7 金沢市 石川県 94,257
8 仙台市 宮城県 90,231
9 広島市 広島県 88,820
10 徳島市 徳島県 61,107
うーん,金沢市と徳島市が脱落したのか・・・

東京市,大阪市,京都市は,市制特例が適用された。すなわち,特例として市制の一部が適用されず,市長の職務は府知事が代行した。このため自治権を与えられなかった三大都市は自由民権派の働きかけによってこの回復を図り,1898年に特例は廃止された。この度の「大阪市廃止・特別区設置」謀略は,実に122年ぶりの逆コースを目指していることになる。


2020年10月25日日曜日

令和の日本型学校教育

 中央教育審議会の初等中等教育分科会の答申の中間まとめ「令和の日本型学校教育」の構築を目指して 〜全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現〜」が10月7日にでていた。

(1) 学校教員の過重負担労働の問題,(2) 外国人教育・特別支援教育・児童生徒支援の問題,(3) ICT教育の問題,などにどのように対応するかが例によって総花的に取り上げられている。これまでは,学校教員の過重労働を軽減するため,チーム学校による外部人材の活用で教員は授業へ力を注ぐという話だった。ところが,コロナ禍を奇貨として教員数を増やすための論理構築の都合上,いつの間にか「日本型教育」の強みは,学校が子供の生活を丸抱えしているところにあるという話にすりかわっていた。英語教育とプログラミング教育の重しを膝の上にのせたままで。ここにきて破綻が確実な教員免許更新制についても,腰が引けながらも再検討を言い出している。

2020年10月24日土曜日

科学技術・イノベーション基本法

 10月23日の日本外国特派員協会の記者会見において,菅首相により日本学術会議会員への任命を拒否された6名がそろって意見表明を行った。記者会見に参加したのは芦名定道・京都大教授(宗教学),岡田正則・早稲田大教授(行政法学),及びオンラインで,小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学),松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)。また,宇野重規・東京大教授(政治思想史)と加藤陽子・東京大教授(日本近代史)はメッセージで意見を明らかにした。

加藤陽子さんのメッセージは東京新聞の記事になっているが,これを引用しておく。

 今回の任命拒否を受けて感じたのは第1に,2011年施行の公文書管理法制定まで有識者として関係してきた人間として,法解釈の変更なしには行えない違法な決定を菅義偉首相がなぜ行ったのか,意思決定の背景を説明できる決裁文書があるのか、政府側に尋ねてみたい。

 任命拒否の背景を考える際に留意すべきなのは,拒否された6人全員が学術会議第1部(人文・社会科学)の会員候補だったこと。日本の科学技術の生き残りをかけるため1995年に制定された重要な法律に科学技術基本法というものがあるが,この法は今年25年ぶりに抜本的に改正され「科学技術・イノベーション基本法」となった。改正前の法律では「人文・社会科学」は,科学技術振興策の対象ではなかった。つまり法律から除外されていた分野だった。しかし,新法では人文・社会科学に関係する科学技術を法の対象に含めることになった。

 世の中のSNS上では「役に立たない学問分野の人間が切られた」との冷笑的な評価があったが,真の事態は全く逆で,人文・社会科学の領域が,新たに科学技術政策の対象に入ったことを受けて,政府側が改めてこの領域の人選に強い関心を抱く動機づけを得たことが事の核心にあると,私は歴史家として考える。新法の下では,内閣府の下に「科学技術・イノベーション推進事務局」が司令塔として新設されるという。自然科学に加えて,人文・社会科学も「資金を得る引き換えに政府の政策的な介入」を受ける事態が生まれる。

 日本の現在の状況は,科学力の低下,データ囲い込み競争の激化,気候変動を受け「人文・社会科学の知も融合した総合知」を掲げざるを得ない緊急事態にあり,ならば,その領域の学術会議会員に対して,政府側の意向に従順でない人々をあらかじめ切っておく事態が進行したと思う。

 「科学技術」という日本語は,意外にも新しい言葉であり,1940年8月,総力戦のために科学技術を総動員した際に用いられ始めた言葉だった。このたび,政府は「科学技術・イノベーション」という新しい言葉を創ったが,国民からの負託がない,官僚による科学への統制と支配は国民の幸福を増進する道ではない。私は学問の自律的な成長と発展こそが,日本の文化と科学の発展をもたらすと信じている。

ここで登場する科学技術・イノベーション基本法2021年4月1日施行,1995年施行の科学技術基本法を改正したもの)がまさに日本学術会議法にとってかわるものとして措定されている。
総合科学技術・イノベーション会議は内閣総理大臣を議長として,6名の関係閣僚,7名の有識者(うち6名は非常勤議員),1名の関係機関の長(これが日本学術会議会長=梶田さん)から構成されている。つまり日本学術会議の実質はすでに換骨奪胎されてこちらに奪われている。

[1]内閣府設置法(2000年改正で総合科学技術会議を内閣府に設置)