On a Thread of the Web

芥川龍之介が「蜘蛛の糸」を発表して百年。高二の秋の文化祭,クラスの仮装行列のテーマが 蜘蛛の糸だった。お釈迦様の極楽タワーの竹を近所から切り出し,地獄の焔と煙の絵を描いた。犍陀多に続いて蜘蛛の糸(登山部の赤いザイル)に群がる地獄の亡者だったころ。

2023年10月31日火曜日

積分(1)

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今日で10月も終わり。 10月1日では遅すぎる もとっくに過ぎ去ってしまった。 気分が滅入る日は,写経か積分に限る のが七十を過ぎた人の常である。 昨日の最後の積分はこんな形をしていた。$\displaystyle I = \int _{-\pi}^{\pi} \dfrac{R^...
2023年10月30日月曜日

鏡像法(5)

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鏡像法(4) からの続き 接地された円筒導体について鏡像法を使う例を考える。原点Oを中心として半径$R$の円筒導体が$z$軸方向に無限に延びている(円筒面上では,$x^2+y^2=R^2$が満たされている)。$x$軸上の$(a,0,0)$を通って,$z$軸に平行で線電荷密度$\l...
2023年10月29日日曜日

AI現状リポート

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昨年の11月30日に OpenAI の ChatGPT が公開されてから11ヶ月が経過した。有料のGPT4版を止めて,最近では Anthropic の Claude を使うことが多い。大量のテキストを簡単に読み込めるからだ。 AI投資家のネイサン・ベナイチとエア・ストリート・キャ...
2023年10月28日土曜日

鏡像法(4)

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鏡像法(3) からの続き 鏡像法による電場の境界問題が簡単に解けそうなものとして,(点電荷,直線電荷)と(導体平面,導体円筒面,導体球面)の組み合わせを考えることができる。このうち,点電荷と導体平面,点電荷と導体球面を扱った。残りの組み合わせで簡単に解けそうなのが,無限線電荷と導...
2023年10月27日金曜日

鏡像法(3)

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鏡像法(2) からの続き 前回は,導体球が接地されている状況を考えた。$z$軸上の電荷$+q$の鏡像電荷$-q'$に相当する電荷は導体球表面に分布しており,これを鏡像電荷が代表して表わしていることになる。 次に,接地されておらず,電荷を持たない導体球を考える。導体球の中心...
2023年10月26日木曜日

鏡像法(2)

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鏡像法(1) からの続き 鏡像法で電場を求める際の典型的な例は,点電荷と電荷を持たない導体球の系である。 これは次のような条件から幾何学的に求めることができる。 (0) 導体球の表面は等電位面である。 (1) 2次元(3次元)のユークリッド空間で2点からの距離が一定の比$k(\n...
2023年10月25日水曜日

鏡像法(1)

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しばらく前に一度だけ電磁気学の授業を担当したとき,静電場についてはポアッソン方程式の導出までで完結していた。鏡像法などで境界値問題を解くのはあまり好きになれないのでスキップした。 $xy$平面に導体面があって,$z$軸上の点$(0,0,a)$に電荷$q$を置くと,導体平面に誘導電...
2023年10月24日火曜日

因果関係(2)

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因果関係(1)からの続き 物理法則が時間を含む微分方程式で表されている場合はどうなるだろう。 ある量$A(t)$の時間での一階微分が,$\dfrac{dA(t)}{dt}=B(t)$として与えられているとする。このとき,$A(t+dt)=A(t)+B(t) dt$とかけるので,次...
2023年10月23日月曜日

因果関係(1)

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因果と相関(2) からの続き 変位電流 が磁場を作るか否かいう議論において, 因果と相関の区別 ということが強調されることがある。これがなかなかやっかいだ。それが,電場や磁場を遅延時間の電荷密度や電流密度で記述するというジェフィメンコ式の評価につながり,近接相互作用による電場と磁...
2023年10月22日日曜日

変位電流

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「 変位電流が磁場をつくるか 」という問題は過去からしばしば話題にされてきた。 日本では この10年ほど,一つは半直線電流+端点のモデルにおける球対称電場を作る磁場がないことを根拠とした議論,もう一つは, ジェフィメンコ式 (もしくは相対論的な 4 次元反対称テンソルによるマクス...
2023年10月21日土曜日

磁気単極子

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磁気単極子 (ディラックの量子化条件)の話を耳にしたのは大学時代のことだった。基礎工学部の図書館でディラックの原論文を眺めていたような気もするが,ちゃんと読んだことはなかった。その書架には3つのクォークがトポロジカルな結び目の絵で表現されている本も並んでいた。 「変位電流が磁場を...
2023年10月20日金曜日

円筒座標のベクトル解析

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円筒座標系の基本ベクトルは,$\bm{e}_\rho, \bm{e}_\phi, \bm{e}_z$であり互いに直交している。 $\bm{e}_\rho = \bm{e}_x \cos\phi + \bm{e}_y \sin\phi $, $\bm{e}_\phi = -\bm{...
2023年10月19日木曜日

処理水と廃炉

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10月18日(水)のNHKあさイチは「 処理水は?廃炉は?みんなのキニナルに答えます 」という特集だった。 どうせ,政府東京電力の提灯持ち番組だろうと思って,期待せずにみていた。確かに,ALPS処理水で育てているヒラメが元気に跳ねていたり,茨城大学理工学部の鳥養祐二が魚のトリチウ...
2023年10月18日水曜日

恒星間天体

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オウムアムア という天体が,大陽系の外から飛来した 恒星間天体 だとして話題になったのは2017年のことだった。当初推定されていたその形が,全長800mの非常に細長い棒状のものであり,なんらかの人工物ではないかという議論まであった。 コズミックフロントのはずなのだが,最近NHKで...
2023年10月17日火曜日

久々のJulia

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プログラミングはAIに任せる時代になってしまったので,自分でコードを書くのは棋士の卵が詰め将棋の練習をしているようなことかもしれない。 Homebrew でmacにインストールされているソフトウェアを定期的に更新しているが, jupyterlab は,毎回,手動により brew ...
2023年10月16日月曜日

導体球(4)

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導体球(3) からの続き ついでに,電場を取り除いて,導体球に電荷を与えて導体球表面に球対称一様電荷分布が生ずる状況を考える。 先ほどと同様に,観測点の位置ベクトル$\bm{r}$方向に$z$軸をとる。球対称性から$x$軸は自由に設定することができる。この結果,電位は次式で与えら...
2023年10月15日日曜日

導体球(3)

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導体球(2) からの続き 物理科学概説の授業で,表面に一様な電荷が分布する球殻内部の電場や電位の問題を説明しようとした。積分にまで踏み込めないが,立体角を使えばなんとか説明できる。ところでこれを真面目に積分計算しようとすると,電場中の導体球と同じ問題(面倒な楕円関数の積分が必要)...
2023年10月14日土曜日

物理学科同窓会(2)

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物理学科同窓会(1) からの続き 先週の土曜日に新大阪のワシントンホテルプラザで,阪大物理学科の同窓会があった。1972年(昭和47年)入学なので,昨年が50年目だった。10年前からこの同窓会が概ね毎年開催されるようになった。参加者は順次定年を迎えていくので,だんだん変化に乏しい...
2023年10月13日金曜日

PBL

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 PBLというのも紛らわしい言葉だ。対話型AIにきいてみよう。 Q;問題解決型学習(Problem Based Learning)と課題探究型学習(Project based Learning)の違いを詳しく教えてください。定義,適用学年,適用教科,意義,課題などを比較してほしい...
2023年10月12日木曜日

導体球(2)

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導体球(1) からの続き 一般の電荷密度分布$\rho(\bm{r'})$がつくる静電ポテンシャル$V(\bm{r})$は次のようになる。 $\displaystyle V(\bm{r}) = \dfrac{1}{4\pi\varepsilon_0} \int \dfra...
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