2024年1月7日日曜日

令和6年能登半島地震(1)

元旦の午後4時過ぎ,能登で大きな地震が起こっているらしいと聞き込んでTVをつけた。

それからまもなく震度5強の前震(16:06)の直後の16:10に,最大震度7の令和6年能登半島地震(M7.6)が発生した。テレビや携帯からはけたたましい緊急地震速報が流れた。10Fの自宅でも,長く感じられる時間大きな揺れが幾度か押し寄せた。阪神・淡路大震災以来かもしれない。後に,奈良県でも震度3から震度4だったとわかる。

今回の地震のエネルギーは平成7年兵庫県南部地震(M7.3)より2倍以上大きい。地震はマグニチュードが0.1増えるとエネルギーが√2倍になる(マグニチュード1で2^5=32倍)からだ。

昨年度の石川県の人口は,111.5万人である。加賀(かほく市・河北郡以南)が94.5万人,能登(羽咋郡以北)が17万人という内訳になっている。震源の珠洲市が1.2万人,輪島市は2.3万人である。もしこの地震によって亡くなられた方が250人に達すると仮定するならば,能登地方の人口を母数とする比は0.15%となる。阪神淡路大震災における兵庫県の対象地域の人口400万人を母数とした死者数6400人は,0.16%なので,ほぼ同じオーダーの死亡率になる。

一方,東日本大震災(M9.0)の場合はどうだろうか。東日本大震災記録集(第3章災害の概要)によれば,岩手県・宮城県・福島県の死者・行方不明者数(100名以上の自治体で仙台市といわき市を除く)は1万9000人であり,地域人口88万人に対する比率は2.1%である。しかし,死亡原因の90%が津波に起因した溺死であり,これを除けば0.21%である。すなわち,阪神淡路大震災や,今回の能登半島地震の仮定値とおよそ同じオーダーになる。

なお,熊本地震(M7.3)では,被害の大きかった市町村の死者数240人に対応する地域人口が104万人なので,0.023%となっており,能登半島地震の数分の1のオーダーになっていた。これらの数字は,状況を単純化しすぎた評価であるかもしれない。同様の結果をTwitter(X)に投稿していた早川由紀夫さんはボロクソにディスられていた。


図:発生後の地震の積算回数(気象庁の第12報からの引用)

追伸:
[2]「令和6年能登半島地震」について(第 12 報)(気象庁地震火山部)

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